1 / キーボード
HHKB Professional HYBRID Type-S
長時間の作業でも疲れにくい打鍵感。キーマップを本体に保存できて、Bluetoothで4台まで登録できます。
僕が使っているキーボードは、HHKB(Happy Hacking Keyboard)。
このキーボードの魅力は、なんと言っても最高の打鍵感と、長時間使っていても疲れにくいことだ。
僕はUNIXの時代からキーボードに触れてきたが、長年いろいろな製品を使ってきた中でも、HHKBに代わるキーボードはないと思っている。
Windowsを使うのであれば、東プレのREALFORCEも素晴らしい選択肢だと思う。しかしMacを使うのであれば、僕の中では圧倒的にHHKBだ。
そして、もう一つ気に入っているのが「キーマップ変更機能」である。
これは自分の使いやすいようにキーの割り当てを変更できる機能なのだが、素晴らしいのは、その設定をキーボード本体のメモリに保存できることだ。
つまり、新しいMacに買い替えても、別のPCにつなぎ直しても、自分が設定したキー配列をそのまま使い続けることができる。
PCが変わっても、キーボードの使い心地は変わらない。
さらに便利なのが、最大4台まで登録できるBluetoothのマルチペアリング機能だ。
僕は普段、2台のMacを使い分けて仕事をしている。そのたびにキーボードを用意したり、接続設定をやり直したりするのは面倒だ。
しかしHHKBなら、あらかじめ登録しておいたMacを「Fn + Control + 数字キー」という簡単な操作で切り替えることができる。
つまり、2台のMacに対してキーボードは1台で済んでしまう。マウスも複数のPCに対応した製品を組み合わせれば、キーボードとマウスはそれぞれ1台ずつでいい。
これは本当にありがたい。
もう一つ、このキーボードには少し変わった特徴がある。それは充電式ではなく、乾電池式であることだ。
最初は僕も「今どき電池式なのか。不便だなあ」と思っていた。
しかし、内蔵バッテリーを採用すると、いずれバッテリーが劣化して本体を使い続けることが難しくなる。そのリスクを避けるために電池式を採用しているという話を聞いて、なるほどと納得した。
確かに、電池なら交換すればいい。キーボード本体が正常である限り、内蔵バッテリーの寿命を心配せずに使い続けられる。
だから僕は、予備の電池もちゃんと持ち歩いている。
実際、外出先で長時間の作業が予定されているときには、必ずこのHHKBを持っていく。MacBookのキーボードでも仕事はできるが、長時間作業するのであれば、やはり使い慣れたHHKBで作業したい。
僕は、入力機器を充実させることが、作業を楽にする最大のポイントの一つだと思っている。
ここに少しのお金をかけるだけで、毎日の作業効率は大きく変わる。
最近はAIを使った仕事が増え、音声入力を使う機会も多くなってきた。しかし、それでもキーボードに頼る場面はまだまだ多い。
毎日何時間も触れる道具なのだから、少しぐらい高くても、本当に使いやすいものを選んだ方がいい。
HHKBは決して安いキーボードではないし、独特のキー配列には慣れも必要だろう。しかし、長時間キーボードを使って仕事をしている人には、ぜひ一度試してもらいたい製品だ。
僕にとっては、これに代わるキーボードはない。
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メーカーの公式ページに書かれている仕様
- キー数
- 英語配列は60キー、日本語配列は69キー
- 電源
- 単3形乾電池2本(USBからも給電できる)
- 電池の目安
- アルカリ乾電池で約3カ月(メーカー自社環境のテスト値で、保証値ではない)
- 大きさ
- 幅294×奥行120×高さ40mm(キートップ上面まで)
- Bluetooth
- 最大4台まで機器を登録できる
- キーマップ変更
- 専用ツールを無償で配布(Windows版・macOS版。使うときはUSB接続)
載せていない点
- 公式ページに価格の記載はなく、現在の価格は載せていません。重さは、ページ上でどのモデルの数字か分けて読めなかったので載せていません。
2 / マウス(トラックボール)
Logicool MX ERGO S(MXTB2d)
親指でボールを回すトラックボール。腱鞘炎とテニス肘がなくなった、と本人は書いています。
僕が使っているのは、ロジクールのMX ERGO Sというトラックボールマウスだ。
実は、Mac純正のマウスは異常に使いやすいと思っている。操作性に関しては本当に素晴らしく、できることならそのまま使い続けたかった。
しかし、一つ大きな問題があった。
長時間仕事をしていると、手首が腱鞘炎で痛くなってしまう。それだけではなく、テニス肘まで併発してしまうのだ。
さらに、小指の下から手首に向かって真っすぐ下りた部分には、大きなタコまでできてしまった(笑)。
面白いことに、仕事が忙しくなって長時間マウスを操作しているとタコが大きくなり、仕事が暇になると小さくなる。
つまり、タコの大きさが仕事量のバロメーターになっていたわけだ。
まあ、それはそれで面白かったのだが、さすがに腱鞘炎とテニス肘の痛さには勝てない。
そこで、普通のマウスを使うのをやめて、トラックボールに変更することにした。
トラックボールにもさまざまな種類がある。人差し指で操作するもの、大きなボールを使うものなど、いろいろなタイプを試してみた。
その結果、僕にとって最も使いやすかったのが、親指でボールを操作するタイプだった。
マウス本体を動かす必要がなく、親指だけでカーソルを操作できる。長時間の作業では、この違いが非常に大きい。
そして、トラックボールに変更した結果、どうなったのか。
腱鞘炎もテニス肘も、完全になくなってしまった。
それだけではない。あれほど仕事量に応じて大きくなったり小さくなったりしていた、手首のタコまでなくなったのだ。
これは僕にとって、本当に大きな変化だった。
もちろん、トラックボールを使えば誰でも同じように改善するというわけではない。しかし、少なくとも僕の場合は、入力機器を変えるだけで、長年悩まされていた問題がすべて解消してしまった。
ただ、トラックボールには一つ大きな弱点があると思われている。
それが、細かなカーソル操作だ。
特に画像や動画を扱う仕事では、1ピクセル単位で位置を調整したり、非常に小さな範囲を正確に選択したりする場面がある。
トラックボールは、こうした細かな操作が苦手だと思っている人も多いのではないだろうか。
しかし、MX ERGO Sには「プレシジョンモード(精密モード)」という機能が搭載されている。
これはボタン一つでカーソルの移動速度を落とし、細かな操作をしやすくする機能だ。
普段は通常の速度で快適に操作し、細かな位置合わせが必要になったときだけ、ボタンを押して精密モードに切り替える。
これが実に便利なのだ。
画像や動画の編集で細かな操作が必要になっても、僕の場合はこの機能で十分に対応できている。
さらに、このマウスの魅力は高いカスタマイズ性にもある。
例えば、僕が頻繁に使う操作の一つに、画面の拡大縮小がある。
多くのアプリケーションでは共通のキーボードショートカットで操作できるので、キーボードからでも問題ない。しかし僕は、基本的に次に紹介する左手デバイスのトグルスイッチに、この操作を割り当てている。
ところが、アプリケーションによっては、そう簡単にいかない。
例えばObsidianだ。
僕は日常的にObsidianを使っているのだが、このアプリケーションではキーボードショートカットが思うように効かないことがある。
この問題は以前からバグとして報告されているようなのだが、なかなか修正されない。ひょっとすると修正する気がないのかもしれない(笑)。
そこで、MX ERGO Sのボタンに拡大縮小の機能を割り当ててみた。
これが実に使いやすい。
アプリケーション側に多少の問題があっても、入力機器のカスタマイズで補うことができる。こうした柔軟性は、仕事で毎日使う道具として非常にありがたい。
そして、HHKBでも紹介した複数PCの切り替え機能も搭載されている。
僕は普段2台のMacを使い分けているのだが、このマウスもボタン一つで接続先を切り替えられる。
HHKBとMX ERGO Sを組み合わせれば、2台のMacに対してキーボードとマウスをそれぞれ1台ずつ用意するだけで済んでしまう。
机の上がすっきりするだけでなく、操作環境を統一できるのも大きな魅力だ。
そして現在使っているMX ERGO Sは、従来のMX ERGOからさらに進化している。
特にありがたいのが静音性だ。クリック音が大幅に小さくなり、非常に快適になった。
さらに、充電端子がUSB-Cになったことも大きい。
これによって、僕が従来モデルで感じていた不満はほとんどなくなってしまった。
充電についても、ほぼ心配する必要がない。
たとえ充電を忘れてバッテリーがゼロになったとしても、USB-Cケーブルにつないで、コーヒーを入れて戻ってくる。
それぐらいの短時間の充電でも、その日の仕事で再び充電切れになることは、僕の使い方ではほとんどない。
もちろん、トラックボールには慣れが必要だ。普通のマウスから乗り換えた直後は、操作に違和感を覚える人もいると思う。
しかし、毎日長時間マウスを操作していて、手首や肘への負担を感じている人なら、一度試してみる価値は十分にあると思う。
僕の場合、使いやすさだけでなく、長く仕事を続けるためにも必要な道具になっている。
腱鞘炎やテニス肘がなくなったというのは、筆者ひとりの体験で、効果を約束するものではありません。痛みが続くときは、医師に相談してください。
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メーカーの公式ページに書かれている仕様
- ボタン
- カスタマイズできるボタン6個と、カーソル速度を切り替えるボタン(英国の公式ページ)
- 傾き
- 本体を20度傾けて使える設計(英国の公式ページ)
- 充電
- USB-C(ケーブルは付属しない)
- 設定アプリ
- Logi Options+(ボタンの割り当てなど)
- ワイヤレス
- 「2種類のワイヤレス接続」と公式ページに書かれている(方式の名前は、読めた範囲では書かれていない)
載せていない点
- 電池の持ち、重さ、同時につなげる台数は、公式ページから読めなかったので載せていません。クリック音が小さくなった点は、ロジクールの英国ページに「静かなクリック」とあります。
3 / 左手デバイス
Ulanzi D200X Creative Deck
便利すぎて、自分でアプリまで作ってしまった左手デバイス
今回紹介する3つの入力デバイスの中で、最も面白いのが、このUlanzi D200X Creative Deckだと思う。
実は、左手デバイス自体は以前から使っていた。主にPhotoshopなどで頻繁に使う機能をボタンに割り当て、作業を効率化するためのものだった。
ところが、最近はPhotoshopを使う機会そのものが少なくなってきた。そんなとき、Amazonの商品紹介欄に、見慣れないデバイスが表示された。
それがUlanzi D200X Creative Deckだった。
何だか便利そうだなと思った。これなら試しに買ってみてもいいんじゃないか。その程度の気持ちで購入したのだ。
ところが、実際に使ってみると、これが驚くほど便利だった。
HHKBとの組み合わせが、まず便利だった
最初に便利だと感じたのが、HHKBとの組み合わせだ。
HHKBには独立したファンクションキーがない。もちろんFnキーを組み合わせればF1からF12まで使えるので、機能的に困るわけではない。
しかし、D200Xには、これらのファンクションキーをまとめて割り当てることができる。
つまり、HHKBのコンパクトさを維持したまま、必要なときには左手デバイスからファンクションキーを直接操作できるわけだ。
これだけでも便利だったのだが、このデバイスの本当の魅力は、そこからだった。
9ページに117個のアクションを登録している
僕は現在、9つのページを使い分け、117個のアクションを登録している。
ちなみに、最大何ページまで増やせるのかは知らない。僕が9ページ使っているというだけで、もっと増やせるのかもしれない(笑)。
ページごとにアイコンの並びを変えているので、画面を一瞥するだけで、どのページを開いているのかが分かる。
必要なページに切り替えれば、登録した操作をボタン一つで実行できる。
117個ものショートカットキーを覚えるのは大変だ。しかし、アイコンを見ながら操作するのであれば話は別だ。
しかも、この117個という数字は、最初から目標にしていたわけではない。
D200Xには、Ulanzi Studio 3.0という設定ソフトが用意されている。そこには無料のプラグインマーケットがあり、ほかのユーザーが作成した設定やプラグインをダウンロードして利用できる。
Final Cut Pro、Premiere Pro、DaVinci Resolve、Lightroom、OBSなど、主要なクリエイティブソフト向けのプリセットも用意されている。しかも、利用するための月額料金は必要ない。
僕も最初は、こうした既存のプリセットをダウンロードして使っていた。
しかし、使っているうちに気になることが出てきた。
全然使わないボタンがあるのだ。
もちろん、それらの機能が不要というわけではない。プリセットを作った人には必要な操作なのだろう。しかし、僕の仕事では使わない。
せっかく自由に設定できるデバイスなのに、使わないボタンが並んでいるのは勿体ない。
そこで、実際に使う機能だけを集め、自分が使いやすいようにページを整理することにした。
その結果が、現在の9ページ、117アクションなのだ。
3つの回転ノブが、想像以上に便利だった
D200Xには3つの回転ノブが搭載されている。
これが実に便利なのだ。
まず、一つ目は画像や画面の拡大縮小に使っている。
もちろん、拡大縮小はキーボードショートカットでもできる。しかし、画像を大きく表示したいときに、いちいちキーを押す必要がない。
ノブを回せば、画像が一気に大きくなる。反対に回せば縮小できる。
二つ目は音量調整だ。
音量を上げたいときにはノブを回し、下げたいときには反対に回す。これも、実際に使ってみると非常に便利だ。
音量というのは、大きくしたい、小さくしたいというだけではなく、そのときの状況に合わせて微妙に調整したいものだ。ノブなら、ちょうどいい音量に一瞬で合わせられる。
そして三つ目は、スクロールだ。
長いレポートや文献を確認するときに使っている。ページを少しずつ送ることも、大きく移動することも、回転操作なら直感的にできる。
この3つに共通しているのは、どれも操作量を細かく調整したい機能だということだ。
単にボタンを押すだけでは得られない操作性が、回転ノブにはある。
ちなみに、ノブには押し込み操作も用意されている。
僕はこれを使って、通常の拡大縮小とObsidian専用の拡大縮小を切り替えようと考えた。
Obsidianはショートカットの扱いに少し癖があり、ほかのアプリケーションと操作を統一するのに苦労しているからだ。
もちろん、アプリケーションごとに設定を自動で切り替える機能も試した。ノブの押し込み操作も含め、考えられる設定は相当いろいろ試している。
それでも、Obsidianだけは思いどおりにならなかった。
個人的にはObsidianとの相性の問題だと思いたいのだが、原因はまだ分かっていない。
もし解決方法を知っている人がいたら、ぜひ教えてほしい(笑)。
複雑な操作も、マクロにすればボタン一発
D200Xの凄いところは、単にたくさんのボタンがあることではない。
複数のキーを組み合わせたショートカットを、一つのボタンで実行できることだ。しかも、その設定をアプリケーションごとに変えられる。
さらに、複数の操作を順番に実行するマクロも登録できる。
例えば、Macを使っていて意外と面倒なのが、半角カタカナの入力だ。
普段はほとんど使わないのに、銀行の入力画面などで突然要求されることがある。
最初は、半角カタカナへの入力切り替えをボタンに割り当てれば済むと思っていた。ところが、実際にはそれだけではうまくいかない場合が多々あった。
そこで僕は、入力した文字を半角カタカナに変換するマクロを組んでしまった。
これならボタン一発だ。
少なくとも僕が利用している銀行の入力画面では完璧に動いている。すべての環境で動くかどうかは知らないが、僕が必要としている操作は問題なく実行できている。
こういうことができるのが、このデバイスの凄いところだと思う。
単にショートカットキーを登録するだけではなく、自分が普段面倒だと感じている操作そのものを、一つのボタンに置き換えられるのだ。
Claude Codeへの指示も、ブラウザの使い分けも
僕の場合は、AIの操作にもD200Xを使っている。
例えばClaude Codeだ。
Claude Codeにはスキルという仕組みがあり、繰り返し使う作業を登録できる。また、GitHubなどに自分専用のものを置いて利用することもある。
しかし、すべての指示をそこまで大掛かりな仕組みにする必要はない。
ちょっとした指示なら、D200Xのボタンに登録してしまえばいいのだ。
ボタンを押すだけで、あらかじめ用意した指示をClaude Codeに入力できる。
また、Webサイトを開く操作も登録している。
ただし、単にURLを登録しているわけではない。Chromeで開くのか、Safariで開くのかまで指定している。
なぜそんなことをするのか。
理由は、ブラウザごとにログイン状態や作業環境を分離しているからだ。
同じWebサイトでも、どのアカウントでログインしているかによって、できることや見える情報が変わる。
だから、開くブラウザを間違えたくない。
D200Xなら、ボタンを押すだけで、指定したブラウザから目的のサイトを開ける。
単なる手間の削減ではない。自分が決めた作業環境を、毎回同じように呼び出せることに価値がある。
便利すぎて、自分でアプリまで作ってしまった
ただし、ここまで便利になると、別の問題が出てくる。
MacBookを持って外で仕事をするときだ。
普段はD200Xに117個ものアクションを登録しているので、必要な操作はボタン一つで済んでしまう。
ところが、外出先にはD200Xがない。
当然、普段なら一瞬で終わる操作を、キーボードやマウスで行わなければならない。これが実に面倒なのだ。
それならD200Xも持っていけばいいじゃないか、という話になる。
もちろん、そのとおりだ。
しかし、このデバイス、持ち歩くことをまったく考えていないんじゃないかと思うほど邪魔なのだ(笑)。
そこで考えた。
持ち歩くのに邪魔なら、持ち歩かなければいいじゃないか。
D200Xの3つの回転ノブは諦めるとして、それ以外の機能をMacBook上で使えるように、自分でアプリを作ってしまった。
ただし、D200Xの設定をコピーしただけではない。
D200Xに新しいアクションを登録すれば、自作アプリにも反映される。ボタンの位置を変更すれば、アプリ側の配置も同じように変わる。
つまり、デスクではD200Xの物理ボタンを押し、外出先ではMacBookの画面上に表示されたボタンを押す。それだけで、普段と同じ操作ができるようにしたのだ。
しかも、設定を二重に管理する必要がない。
これで外出先でも快適に仕事ができる。
めでたし、めでたし。
……とはならなかった(笑)。
今度はMacBookの画面が狭いという問題が出てきたのだ。
物理デバイスなら、机の上に置いておけばいい。しかし、アプリにすると画面の一部を占有してしまう。
仕事で使っているウィンドウを避けながら、操作用アプリを表示しなければならない。これでは、せっかくボタン一つで操作できるようにした意味が薄れてしまう。
そこで、さらに考えた。
MacBookの画面が狭いなら、別の画面に表示すればいいじゃないか。
ということで、今度はiPhoneから操作できるようにしてしまった(笑)。
MacBookでは仕事の画面を広く使い、iPhoneにはD200Xのボタンを表示する。
iPhoneのボタンを押せば、MacBook側でアクションが実行される。
これなら、物理デバイスを持ち歩く必要もなければ、MacBookの画面を操作用アプリで占有する必要もない。
ところが、実際に使ってみると、これも駄目だった。
そこで初めて気が付いた。
D200Xが便利だったのは、117個のアクションを登録できるからだけではなかった。物理ボタンだったから便利だったのである。
Mac用アプリを作り、iPhoneからも操作できるようにした。登録した機能は使える。マクロも実行できる。
しかし、画面に表示されたボタンを押すのと、指先で物理ボタンを押すのとでは、操作感がまったく違う。
便利さを追求してソフトウェアに置き換えた結果、ハードウェアの価値を再認識することになってしまった。
何とも皮肉な話である(笑)。
そこで今は、持ち歩ける小型の左手デバイスを探している。
本当はUlanziがD200Xの小型版を出してくれるのが一番ありがたい。今の設定をそのまま使えれば、これ以上便利なことはない。
壊れたら、同じものを買うと思う
ちなみに、購入してから知ったのだが、同じようなコンセプトの製品として、ElgatoのStream Deck +という有名な左手デバイスがある。
そもそも比較検討すらしていなかったのだから、知らないというのは怖いものだ(笑)。
では、今の価格でも購入する価値があるのか。
僕なら、3万円でも人に勧めたいと思う。
それほど便利で、手放せない道具になってしまったのだ。
そして、もし今使っているD200Xが壊れたら、僕はおそらく同じ製品を探して購入するだろう。
もちろん、もっと新しい製品もある。機能が増え、性能が向上した製品もあるだろう。
しかし、僕にとって重要なのは、そこではない。
同じであることが重要なのだ。
すでに117個のアクションを登録し、ボタンの配置も、自分が最も使いやすい形に整理してある。
この環境を作るまでには、それなりの試行錯誤もあった。
新しい製品を購入した結果、操作方法を覚え直したり、設定を作り直したりするのであれば、それは必ずしも進化とは言えない。
道具の性能が上がることと、自分の仕事が便利になることは、必ずしも同じではないのだ。
最初はAmazonで偶然見つけた左手デバイスだった。
それが今では、僕の仕事の操作環境そのものになってしまった。
便利すぎる道具というのも、考えものだ(笑)。
Amazonで製品を見る楽天で製品を見る(ULANZI DIRECT楽天市場店)
メーカーの公式ページに書かれている仕様
- ボタン
- 画面付きのキー14個と、サイドボタン2個
- ダイヤル
- ノブ3個(回す・押す)
- 画面
- 5.5インチ、960×540
- 接続
- USB-Cの有線(USB 3.2 Gen 2、10Gbps)
- ハブの端子
- HDMI、SDカード、microSDカード、3.5mmオーディオ、USB-A、USB-C×3
- 給電
- USB-C PD入力 最大100W/ノートPCへの出力 最大85W
- ソフト
- Ulanzi Studio(Windows 10以降、macOS Monterey 12.0以降)
- 大きさ・重さ
- 153×113.5×98mm、約480g
載せていない点
- 仕様は海外の公式ストアのページで読みました。日本で売られているものと違う点があるかもしれません。日本の価格と発売日は確認できていないので載せていません。
まとめ
便利すぎる道具は、壊れても同じものが欲しくなる
今回、僕が日常的に使っている3つの入力デバイスを紹介してきた。
HHKB Professional HYBRID Type-S、Logicool MX ERGO S、そしてUlanzi D200X Creative Deckだ。
どれも決して万人向けの製品ではないと思う。特にD200Xなどは、普通の人から見れば、何に使うのか分からない機械かもしれない。
実際、僕自身もAmazonの商品紹介欄に偶然表示されたものを、何となく便利そうだと思って購入しただけだった。
それが今では9ページに117個ものアクションを登録し、毎日の仕事に欠かせない道具になっている。
便利すぎて外出先でも使いたくなり、自分でMac用のアプリを作った。さらにMacBookの画面を占有するのが嫌になり、iPhoneから操作できる仕組みまで作ってしまった。
ところが、そこまでやって気が付いたことがある。
僕が欲しかったのは、117個のアクションを実行できるソフトウェアではなかった。物理ボタンを持った、あのデバイスそのものだったのだ。
機能を再現することはできても、指先で操作する感覚までは再現できなかった。
AIが進化し、ソフトウェアで実現できることが飛躍的に増えている。それでも、人間が直接触れる道具には、簡単には置き換えられない価値がある。
そして、もう一つ思うことがある。
もし今使っているD200Xが壊れたら、僕はおそらく同じ製品を探して買うだろう。
もっと新しい製品もある。機能が増えたものもある。しかし、僕が欲しいのは、必ずしも進化した製品ではない。
今と同じように仕事ができること。それが何より重要なのだ。
長い時間をかけて設定を整え、自分の仕事に合わせて使い込んだ道具には、購入価格やスペック表だけでは測れない価値が生まれる。
最初は試してみようと思っただけの製品を、今では3万円でも人に勧めたいと思っている。
製品そのものが進化したわけではない。僕がその製品を使い込み、自分の仕事に欠かせない環境を作り上げたからだ。
AIの時代になると、何でも新しいものに置き換えればいいと考えがちだ。しかし、道具の性能が上がることと、仕事が快適になることは、必ずしも同じではない。
僕にとって優れた道具とは、最新の技術を搭載した製品でも、最も高価な製品でもない。
使っていることを意識しなくなるほど、自分の仕事に馴染んだ道具だ。
そして、そんな道具に出会えたなら、無理に新しいものへ買い替える必要もないと思っている。
ただ、一つだけUlanziにお願いしたいことがある。
D200Xと同じ設定をそのまま使える、持ち歩きに便利な小型版を作ってくれないだろうか。
それが発売されたら、僕はきっと買うと思う。
今度はAmazonのおすすめ欄に偶然出てくるのを待たずに(笑)。