この項目で混ざったもの

ハード側大小6機種を同じ設計の仕組みで統一ソフト側同じプログラムが他の機種でも動く

IBMの公式の歴史ページによると、System/360は1964年4月7日に発表されました。同じアーキテクチャ(機械がどんな命令を受け付けるかという約束事)で作ったプロセッサを6機種そろえ、性能の差は50倍に及んだと書かれています。つなげられる周辺機器は54種類で、今のコンピュータでも使われる8ビットのバイトも、このときに採用されたとされています。発売から1か月で、1,000台以上の注文が入ったとも書かれています。

何が混ざったのかを、仕組みの面から見てみます。System/360では、大きな機械も小さな機械も同じ約束事に従って作られたので、あるプログラムを同じファミリーの別の機種でも動かせます。IBMのページは、小さな機種を買って後から大きくしても、プログラムを作り直す必要がない、という意味の説明をしています。つまり、機械の中身(ハード)を変えても、その上で動くプログラム(ソフト)は変えなくてよい、という関係が製品づくりの前提になりました。IBMのページは、System/360が「ソフトウェアとハードウェアを切り分ける」ことで、それまでの流れを一夜で変えたと書き、「最初のプラットフォーム型のビジネスモデル」を確立したとも説明しています。

なぜこの形にしたのかについて、IBMのページは、幅広い種類の利用者に応えるために、ソフトウェアに互換性のある一つのアーキテクチャでまとめた製品群だと書いています。名前もそこから来ており、既存の製品ライン5つを置き換えるものだったとされています。開発は1961年に作られたSPREADという専門チームが進め、4年間で総額50億ドルの投資になったと説明しています。

その後については、IBMの別の資料が、System/360の基本ソフトであるOS/360の一部の納入が数か月遅れたと書いており、ソフトの側にも大きな作業があったことが分かります。また公式ページは、周辺機器を作る会社が多く参入して新しい市場が生まれたこと、1989年にもこの系統の機械がIBMの総収益の半分以上を占めたことを挙げています。機械の設計を、その上で動くソフトとの約束事から決めていく考え方は、次の項目の、ソフトを別に売る動きにもつながっていきます。

発表日
1964年4月7日
最初の機種数と性能差
同じアーキテクチャのプロセッサ6機種、性能差は50倍
対応した周辺機器
54種
発売後1か月の注文
1,000台以上
開発への投資
4年間で50億ドル(IBMのページの記述)

確認できていない点

  • OS/360の開発費の数字は、引用元の資料の文脈が確かめきれなかったため書いていません。
  • System/360の個別機種の価格は、取得できた公式ページに記載がありませんでした。
  • IBMの別資料(360rev.pdf)は周辺機器44種、性能幅は約25対1と書いており、歴史ページの54種・50倍と食い違います。本文の数字は歴史ページに従っています。

出典

2026年10月18日に、上の出典(会社・研究機関の公式の資料と原著論文)を読んで確かめました。製品の仕様や提供状況は変わることがあります。この記事は、製品を試した記録ではありません。

← IBMのカードにもどる ハードとソフトの混ざり方の一覧