3行でいうと
- PLaMoはPFNが自社で学習した国産モデル。企業向けのPrimeはAPIで使い、手元に置けるのは会話用の調整前のベース版。
- ベース版の商用利用は事前登録が必要で、年間売上が10億円を超えない場合に限られる。
- 日本語の評価はほぼPFN自身の測定で、第三者の数字は見つからなかった。
- 見立てでは、32GBのMacには4ビットの約17〜19GB版が現実的。62GBのままでは載らない。
PLaMo(プラモ)は、Preferred Networks(PFN)が作っている日本語に強い大規模言語モデルです。名前は聞くけれど、API専用なのか、ダウンロードできるのか、よく分からない。そんな状態を解消するために、公式の資料を読んで整理しました。
世代のおさらい
PLaMoには、大きく2つの顔があります。ひとつは、企業向けに有料で提供される「Prime」シリーズです。もうひとつは、重みファイル(AIの中身の数字)が公開された「ベース版」です。
確認できた範囲の流れは、次のとおりです。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2024年12月2日 | 「PLaMo Prime」が登場。APIとチャットで提供(PFN発表) |
| 2025年5月22日 | 「PLaMo 2.0 Prime」をリリース。入力60円・出力250円(100万トークンあたり)に値下げ |
| 2026年3月19日 | 「PLaMo 3.0 Prime」のβ版。無償で試すモニター企業を募集 |
| 2026年6月22日 | 「PLaMo 3.0 Prime」の正式リリース |
PFNのβ版の発表には、比較対象として「PLaMo 2.2 Prime」も出てきます。2.0と3.0のあいだにも版があったようですが、2.2の詳しい発表は、僕らは読めていません。
なお、デジタル庁の「源内」で試される7モデルの1つは、「PLaMo 2.0 Prime」です(記事01・02で書きました)。ここでは繰り返しません。報道には、3.0 Primeが源内の環境に組み込まれたと書くものもありましたが、僕らは確認できていません。
「自社で学習」とは、どういうことか
PFNは、PLaMoを「フルスクラッチ」で作っていると説明しています。他社のモデルを土台にせず、データ集めと学習を自前でやる、という意味です。
裏づけとして読めたものは、次のとおりです。
- PFNの事業ページは、PLaMoが「独自のデータで、一から」作られていると説明しています。
- ベース版の「PLaMo 2 8B」のHugging Faceのページには、6兆トークンで一から事前学習したと書かれています。
- PLaMo 3.0 Primeのβ版の発表では、学習データに、PFN独自のデータ、NICT(情報通信研究機構)の日本語データ、経産省・NEDOの「GENIAC」第3期の成果を使ったと説明されています。
ここで1つ、分けておきたいことがあります。
公開されたベース版「PLaMo 3 31B」は、PFNの1200億パラメータ(120B)のモデルから、知識を移して小さく作り直した(蒸留した)ものです。Hugging Faceのページによれば、元の120Bは合計3兆トークンで学習され、31B版は1.5兆トークンで学習されています。つまり、他社の土台ではなく、PFN自身のモデルが先生です。ただし、このベース版がPrimeそのものなのか、Primeの大きさがいくつなのかは、公式には出ていません。二次情報(解説記事)は、Primeの大きさや構造は非公開としています。
公開の形:APIと、重みの公開
PLaMo 3.0 Primeは、APIか、自社環境に入れるオンプレミスで使います。報道では、Amazon Bedrock MarketplaceやSnowflakeでも提供とされています。Primeの重みは、公開されていません(解説記事による。PFNの公式の文面では確認していません)。
一方、重みが公開されているのは、ベース版です。Hugging Faceの「PLaMo 3」のコレクションには、2B・8B・31Bのベース版が並んでいます。「plamo-3-nict-2604-31b-base」のページには、会話用の調整はしていない、調整済みのモデルを使いたいなら「PLaMo 3.0 Prime」を使うように、と書かれています。
| Prime(API・オンプレ) | ベース版(重みの公開) | |
|---|---|---|
| 入手の仕方 | 契約してAPIで使う | Hugging Faceからダウンロード(利用条件への同意が必要) |
| 会話用の調整 | されている | されていない |
| 向く人 | すぐ使いたい企業 | 研究者、自分で調整したい人 |
「会話用の調整がされていない」とは、質問に答える練習をしていない、ということです。そのままチャットに使うと、文章の続きを書くだけになりがちです。ここは一般的な説明です。
PLaMo Community License:商用で使うときの条件
ベース版には、PLaMo Community Licenseが付いています。Hugging Faceのモデルカードで読んだ要点です。
- 個人・学術の利用は、無償です。
- 商用で使う場合は、PFNの登録ページで、事前に登録します。
- 商用は、使う人(またはその関連会社)の年間の売上が10億円を超えない場合に限られます。
- 再配布するときは、ライセンスの写しを付け、「Built with PLaMo」と表示します。このモデルから作ったAIの名前には、「PLaMo」を入れます。
- 責任の上限は500円、保証はなし(現状のまま提供)です。
Apache 2.0やMITのような「ほぼ自由」のライセンスとは違います。売上10億円以上の会社は、この条件では商用に使えません。契約の細部は、原文で確かめてください。僕らは法律の専門家ではありません。
日本語の評価:誰が測ったのか
ここが、いちばん注意が要るところです。見つけた数字は、ほぼすべて、PFN自身の測定でした。
- PLaMo 2.0 Prime(2025年5月):PFNの発表では、日本語の文章生成の評価(pfgen)で、GPT-4oに次ぐ2位とされています。ベースの31Bモデルの話です。これは自社の測定です。
- PLaMo 3.0 Prime β版(2026年3月):PFNの発表では、指示に従う力(IFBenchなど)で、比較したQwen3-235B-A22B-Thinking-2507とgpt-oss-120bを上回りました。日本語の対話の評価(Japanese MTBench)は、上限に近い、とのことです。一方、複数の道具から選ぶ課題(BFCL)、数学(AIME 2024)、専門的な理科の問題(GPQA-Diamond)では、劣っていました。これも自社の測定です。
- 正式版(2026年6月):安全性は、スタンフォード大学の枠組み(HELM Safety)で、海外のモデルと同等以上とPFNは説明しています。報道には、PFN自身が、Web検索、数学、理工系、日本の法律の推論に弱みがあると認めた、と書くものもありました。
第三者の評価は、探しましたが見つけられませんでした。ある解説記事は、有名な日本語のランキング(Nejumi)への登録はこれから、と書いています。ただし、この記事は二次情報です。
使ってみた記録は1件、読みました。Classmethodの記事です。書き手が計った数字として、考える機能(reasoning)をオフにすると、軽い質問の応答に約3.8秒、オンにすると約22.7秒かかった、とあります。外部の人の測定ですが、1件の実例です。
手元に置くなら、メモリはどのくらいか
ここからは、筆者の計算です。実機では確かめていません。
Hugging Faceのページでは、31Bの重みは30個に分かれ、合計で約62GBです。31B×2バイト(BF16)=62GBで、計算と合います。32GBのMacには載りません。
そこで、記事06と同じ式で、量子化(数字を粗く丸めて小さくする方法)を考えます。1個あたりのビット数は、記事06で使ったllama.cppの表の値です。
| 形式 | ビット数 | 31Bのファイルの目安(筆者の計算) |
|---|---|---|
| BF16(公開されている形) | 16 | 約62GB |
| Q8_0 | 8.5 | 約33GB |
| Q5_K_M | 5.7 | 約22GB |
| Q4_K_M | 4.89 | 約19GB |
| Q4_K | 4.5 | 約17GB |
| Q2_K | 3.16 | 約12GB |
見立てです。32GBのMacでは、4ビット(約17〜19GB)が現実的な線です。ほかに、会話の長さの分の作業用メモリと、macOSの分が要ります。記事06で触れたとおり、32GBのうち、モデルに使えるのは24GB前後という解説があります。余裕は、あまりありません。ベース版は、Sliding Window Attention(見る範囲を区切る仕組み)を使った構成だと書かれていますが、作業用メモリがどれだけ減るかは、この記事では確かめていません。
Hugging Faceには、第三者が作ったGGUF版(nori-sdcさんの版)が1つ見つかりました。大きさや品質は、読んでいません。
もう1点。ベース版は会話用の調整前なので、手元に置いても、そのままでは、ふつうのチャットAIとしては使えません。
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まとめ
- PLaMoは、PFNが自社で学習している国産モデルです。公開されたPLaMo 3 31Bは、自社の120Bモデルの蒸留です。
- 実用に近いPrime(2.0、3.0)は、APIとオンプレ。手元に置けるのは、会話用の調整前のベース版です。
- 商用は、登録が必要で、売上10億円未満が条件です。
- 日本語の評価は、自社の測定が中心です。第三者の数字は、見つけられていません。
- 32GBのMacなら、31Bは4ビットで載る見込みです(筆者の計算)。ただし、実機では未確認です。
出典
- pfnet/plamo-3-nict-2604-31b-base(Hugging Face)
- PLaMo 3 コレクション(Hugging Face)
- pfnet/plamo-2-8b(Hugging Face)
- PLaMo 3.0 Prime β版リリース(Preferred Networks)
- PLaMo 3.0 Prime 正式リリース(Impress Watch Forest、2026年6月22日)
- 国産フルスクラッチLLM「PLaMo 2.0 Prime」リリース(Impress Watch Forest)
- PLaMo 3.0 Prime正式リリース(Innovatopia)
- PLaMo 3.0 Prime 徹底解説(oflight)
- PLaMo 3.0 Prime を試してみた(Classmethod)
- PLaMo Prime 発表(Preferred Networks、2024年12月2日)
- Preferred Networks 生成AI事業ページ
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
