3行でいうと

  • 電気代は「消費電力(W)×使った時間÷1000×1kWhの単価」で出せます。目安の単価は31円/kWhです。
  • Appleの公表値で、Mac mini(M6)は待機4W、最大70Wです。30日つけっぱなしの待機だけなら、約89円です。
  • 同じMac miniを30日ずっと最大で動かすと約1,562円です。1日2時間だけ最大にして残りを待機にすると約212円です。
  • 実際の値は使い方で変わります。正確に知るには、電力計(ワットチェッカー)で測るのが確実です。

この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書や論文を読んでまとめたものです。電気代の数字は、公式の値を使った僕らの計算です。

先に結論

電気代は、むずかしい計算ではありません。かけ算を2回するだけです。AIを動かす時間が「1日に数時間」なら、AppleのMacでは月に数百円の見込みです。24時間ずっと全力で動かし続けると、機種によって月に1,500円から8,500円ほどになります。

ただし、ここで使う「最大」の値は、Appleが決めた負荷テスト(パソコンに重い仕事をさせて測る試験)での値です。AIを動かしているときの実際の消費電力は、公式資料には載っていません。実測は、読者のみなさんの手元で電力計を使って測る必要があります。

前提:言葉の整理

電気代の計算のしかた

  1. 機械の消費電力(W)を調べます。
  2. 1か月で何時間動かすかを決めます(30日×1日の時間)。
  3. 「W × 時間 ÷ 1000」で、kWhが出ます。
  4. kWhに、電気の単価(円/kWh)をかけます。

単価は、お使いの電力会社の料金表や検針票(毎月の使用量のお知らせ)で確かめるのが確実です。目安としては、全国家庭電気製品公正取引協議会(家電業界の公正な競争のための団体)が、「現在の目安単価は、令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込)」と公表しています(2026年10月8日確認)。2022年に決められた値なので、今の契約とはずれている可能性があります。なお、日本照明工業会のガイドも、電気の目安単価はこの協議会が定める値を使うと決めています。この記事の計算は、この31円で行いました。

Appleの公式の数字

Appleは、機種ごとに消費電力を公開しています。壁のコンセントから測った値で、電源部分の損失も含まれます。

機種(Appleの試験構成) 待機 最大 出典
Mac mini(M6、16GB) 4W 70W Apple公式
Mac mini(M5 Pro、64GB) 6W 145W Apple公式
Mac Studio(M5 Max、36GB) 7W 200W Apple公式
Mac Studio(M5 Ultra、512GB) 9W 385W Apple公式

注意点は3つあります。

実際にいくらになるか(僕らの計算です)

僕らの計算です。31円/kWh、1か月を30日として、次の3通りで出しました。

機種 待機のみ(24時間×30日) 1日2時間だけ最大、残り22時間は待機 最大のまま24時間×30日
Mac mini(M6) 約89円 約212円 約1,562円
Mac mini(M5 Pro) 約134円 約392円 約3,236円
Mac Studio(M5 Max) 約156円 約515円 約4,464円
Mac Studio(M5 Ultra) 約201円 約900円 約8,593円

たとえば、Mac mini(M6)の「1日2時間だけ最大」は、次の計算です。

見立てです。AIを使う時間が1日に数時間なら、Macの電気代は「月に数百円から千円台」におさまると思います。ただし、これは「最大」の値で計算した、やや多めの見積もりです。AIがいつも最大の電力を使うとは限りません。

Windows+NVIDIAや、AMDの場合

NVIDIAの公式ページには、グラフィックスカードの「Total Graphics Power(TGP)」が載っています。

カード TGP メモリ 推奨される電源(NVIDIAのページ)
GeForce RTX 5090 575W 32GB システム全体で1,000W
GeForce RTX 5070 Ti 300W 16GB 750W
GeForce RTX 5070 250W 12GB 650W

TGPは、カード1枚の数字です。パソコン全体では、プロセッサなどの分が上乗せされます。NVIDIAのページの待機時の値は、今回読んだ範囲に見当たりませんでした。

僕らの計算です。RTX 5090の575Wで、1日2時間・30日動かすと、34.5kWh、約1,070円(カードだけ)です。RTX 5070 Tiの300Wなら、18kWh、約558円です。待機の分と、パソコンのほかの部品の分は含んでいません。

AMDのRyzen AI Max+ 395(パソコン向けのプロセッサ)は、公式ページで「標準TDPは55W、設定で45〜120W」と書かれています。最大メモリは128GBです。ただし、TDPはプロセッサの設計上の目安で、パソコン全体の消費電力ではありません。

熱と音

熱

Appleは、熱の出力も「BTU/h」で載せています。Mac mini(M6)は、待機で14 BTU/h、最大で239 BTU/hです。70Wに対して239なので、約3.4倍です。ワットを熱の単位に直しただけに見えます(僕らの計算です)。つまり、消費した電気は、ほぼそのまま熱として部屋に出ると考えるのが自然です。これは見立てです。

Mac Studio(M5 Ultra)は最大1,314 BTU/hです。小さなMac miniより、はるかに多い熱を出します。

音

Appleの仕様ページに、Mac miniの「標準的な音の大きさ」が載っています。操作する位置で、待機中は5 dBA(デシベル、音の大きさの単位)です。ただし、これは待機のときだけの値です。AIを動かして、ファンが回っているときの値は、今回読んだ資料にはありませんでした。NVIDIAの公式ページにも、音の数字は見当たりませんでした。

見立てです。AIを長時間動かすと、ファンの音が出る可能性があります。置き場所は、寝室や仕事机から離すほうが安心です。

よくあるつまずき

気をつけること

出典

更新履歴