3行でいうと

  • APIのツールは、xAIのサーバーで動く「組み込みツール」(web_search、x_search、code_interpreter、image_generation、file_search、mcp)と、自分のコードで動かす「関数呼び出し」の2系統です。Responses APIの tools に並べて有効にします。
  • MCPは3か所にあります。APIの mcp ツール(xAIが接続を代行)、Grokアプリのカスタムコネクタ、Grok Buildの grok mcp add です。向きと注意点がそれぞれ違います。
  • DeepSearch、Think、Tasksは、僕らが読んだ docs.x.ai のページには出てきませんでした。DeepSearchとThinkは2025年2月19日の公式ブログ(Grok 3の発表)に書かれています。いまのアプリでの扱いは、読んだ範囲では確認できていません。
  • Grok Buildには、プランモード、/loop、バックグラウンドタスク、サブエージェント、スキル、プラグイン、フック、AGENTS.md などの拡張が公式に書かれています。フックやプロジェクトのMCPは、信頼してから動く仕組みです。

この記事は公式ドキュメントを2026年10月22日に読んでまとめたもので、実際に使って確かめた記録ではありません。運営者はGrokを入れていますが、使い心地はこの記事には書いていません。ツールの種類名、パラメータ名、コマンド名、ファイルの置き場所は、公式のページに書かれたとおりに写しています。公式の文章は要約として取得したため、読み切れていない箇所は「読んだ範囲では見つからなかった」と書いています。

先に結論

前提:用語をそろえる

1. Grokアプリの機能(チャット、コネクタ、MCP)

docs.x.ai の「Grok: Get Started」は、Grokを、grok.com、iOS、Androidで使えるアシスタントとして説明しています。公式が挙げる機能は次のとおりです。

x.ai/grok(製品ページ)には、これに加えて、複数エージェントの並列処理(Multi-agent)、引用つきのWeb検索とXの連携、メモリ(「好みや過去の会話を覚える」と書かれています)、Canvas、カスタム指示などが書かれていました。この製品ページには、モデル名や価格は載っていませんでした。

DeepSearch、Think、Tasks は、いま公式でどう書かれているか

コネクタ

公式が、SpaceXSIが保守する組み込みコネクタとして挙げているのは、Gmail & Google Calendar、Google Drive、OneDrive、Outlook Mail & Calendar、Microsoft Teams、SharePoint、Salesforce です。ほかにも、OAuthで設定済みのサードパーティのコネクタのカタログが grok.com/connectors にある、とあります。

自分のMCPサーバーをアプリにつなぐ(カスタムコネクタ)

カタログにないサービスは、「New Connector」で「Custom」を選び、MCPサーバーのURLを入れて、必要な認証を済ませます。Grokがそのサーバーのツールを見つけます。

2. APIのツール(Tools)

公式の「Tools Overview」によると、ツールはtools の配列に並べて有効にします。リクエストの先は Responses API(https://api.x.ai/v1/responses)で、例のモデルは grok-4.7 です。ツールを使ったリクエストの費用は、トークン使用量とツールの呼び出しで決まり、モデルが何度もツールを呼ぶことがあるので、質問が複雑なほど増える、と書かれています。

組み込みツールの一覧

ツール typeの名前(Responses API) 公式が書く主な内容
Web検索 web_search allowed_domains(最大5)、excluded_domains(最大5。allowed_domains と同時には使えない)、enable_image_understanding、enable_image_search
X検索 x_search allowed_x_handles、excluded_x_handles(どちらも最大20、Vercel AI SDKでは10。同時には使えない)、from_date と to_date(YYYY-MM-DD)、画像と動画の理解(既定はfalse)
コード実行 code_interpreter(xAI SDKでは code_execution) Pythonを隔離された環境で実行。NumPy、Pandas、Matplotlib、SciPyなどが入っています
画像生成 image_generation grok-imagine-image-2.0 を使用。action は auto、generate、edit
コレクション検索(RAG) file_search(xAI SDKでは collections_search) vector_store_ids、max_num_results。事前にコンソールかSDKでコレクションに文書を入れます
リモートMCP mcp 後述
関数呼び出し function 自分で定義。1リクエストに最大350個

ドメインの絞り込みは、ツールの filters に書きます。X検索では、モデルが x_keyword_search、x_semantic_search、x_user_search、x_thread_fetch のどれを呼ぶかを選びます。

費用の見かた

コード実行の安全面

公式は、コードは隔離された環境で動き、外部のネットワークやファイルシステムにはアクセスできない(ただし同じページの制限の節には、ファイルの入出力は制限される、ともあり、どこまで使えるかははっきりしません)、実行の状態はリクエストをまたいで保たれない、と書いています。複雑な計算は実行時間の制限に、大きなデータはメモリの制限に当たることがある、とも書かれています。実行の制限の具体的な数値は、読んだページには見つかりませんでした。

関数呼び出し(自分のツール)

モデルは「このツールを呼んでほしい」と要求するだけで、実行は自分のコードが行います。流れは、tools を付けて送る、応答の function_call を見る、引数(arguments)のJSONを読んで実行する、function_call_output(call_id と output)と previous_response_id を付けて送り返す、です。

マルチエージェント(ベータ)

grok-4.20-multi-agent は、複数のエージェントが協力し、リーダーがまとめる形で、ベータと書かれています。組み込みツールとリモートMCPには対応しますが、関数呼び出しやカスタムツールは使えません。Chat Completions APIと max_tokens も非対応です。リーダーとサブエージェント全部のトークンとツール呼び出しが課金されます。

3. MCP:3つの場所

場所 誰が接続するか 公式の書き方(読んだ範囲)
APIの mcp ツール xAIのサーバー server_url と server_label が必須。allowed_tools、authorization、headers などは任意
Grokアプリのカスタムコネクタ Grokのサーバー 公開URLが必要。ローカルはトンネル経由
Grok Buildの grok mcp add 手元のCLI stdioとHTTP。OAuthに対応

APIの mcp ツール

tools に "type": "mcp" のツールを足します。xAIが接続を管理します。

Grok Build の MCP

公式のDocs MCP

docs.x.ai は、ドキュメントをAIのクライアントに直接読ませるMCPサーバー(https://docs.x.ai/api/mcp)を出しています。Streamable HTTPのステートレス運用で、grok mcp add --transport http xai-docs https://docs.x.ai/api/mcp で足せます。例に出てくるツールは、list_doc_pages、get_doc_page、search_docs の3つです。

4. Grok Buildの機能

Grok Buildは、フルスクリーンのTUI、スクリプト向けのヘッドレス、他のアプリ向けの Agent Client Protocol(ACP)の3通りで使える、と公式のOverviewにあります。

動かし方の要点

モードとコマンド

機能 公式の書き方
プランモード /plan か Shift+Tab。承認するまで、編集できるのはセッションのプランファイルだけ。シェルはリダイレクトでファイルを書ける場合があり、完全には止められない、と書かれています
Autoモード 分類器が安全なツールを自動承認。危険なものは確認が出ることがある。/auto。この機能が有効なときだけ使えます
Always-approve 権限の確認を飛ばす。deny ルールとフックは有効。/always-approve、または grok --always-approve
/loop [間隔] <プロンプト> 一定間隔でプロンプトを繰り返す。間隔は Ns(最小60秒)、Nm、Nh、Nd。7日で期限切れ、同時に有効なのは最大50
/goal <目標> 完了が確認できるまで目標に向けて働く
/tasks バックグラウンドタスク、サブエージェント、スケジュールされたタスクの一覧
/deep-research <質問> バックグラウンドで調査のワークフローを実行
/create-workflow、/workflow、/workflows ワークフローを作る、起動する、実行の一覧を見る
/imagine、/imagine-video 画像と動画の生成
/remember、/memory、/dream メモリのメモを保存、管理、整理。設定上のメモリは既定で無効([memory] enabled)

バックグラウンドタスクは、コマンド、サブエージェント、モニターが、会話を続けたまま動く仕組みです。Ctrl+G でタスクのペイン、Ctrl+B で実行中のコマンドをバックグラウンドへ、x で選んだタスクの停止です。モニターは、スクリプトが出す1行ごとが会話への通知になるので、出力を絞るよう公式が書いています。

サブエージェント

子のセッションとして動き、終わると要約を親に返します。組み込みの種類は general-purpose(フル機能)、explore(読む、一覧する、検索するのみ。シェルも編集もなし)、plan(実装の計画を書く。シェルも編集もなし)です。自分のエージェントは .grok/agents/(プロジェクト)か ~/.grok/agents/(ユーザー)に置きます。ファイルの書式は、読んだページには書かれていませんでした。

指示ファイル:AGENTS.md

AGENTS.md、Agents.md、AGENT.md、CLAUDE.md、Claude.md、CLAUDE.local.md が、ディレクトリごとに読まれます。.grok/rules/ の *.md、.claude/rules/、.cursor/rules/ も読まれます。全体の置き場所は ~/.grok/ で、深い階層のファイルが、衝突したときに優先されます。.gitignore に該当するファイルは読まれません。grok inspect で、見つかったファイルと、おおよそのトークン数を確認できます。

スキルとプラグイン

フック

command(シェルのコマンド)と http(URLへPOST)の2種類です。置き場所は ~/.grok/hooks/*.json と <プロジェクト>/.grok/hooks/*.json で、.claude/settings.json と .cursor/hooks.json も読みます。イベントは SessionStart、SessionEnd、UserPromptSubmit、PreToolUse、PostToolUse、PostToolUseFailure、PermissionDenied、Stop、StopFailure、Notification、SubagentStart、SubagentStop、PreCompact、PostCompact です。止められるのは PreToolUse だけで、終了コード2か、JSONの "decision": "deny" で拒否します。

5. Grok Bot(スキルとルーティン)

Grok Botは、名前をつけたAIの「Bot」が、クラウド上の常駐のコンピュータ(ブラウザ、ファイルシステム、ターミナル付き)で働く製品です。公式のOverviewによると、パソコンやスマホを閉じていても動き、Bot同士でメッセージを送ったり引き継いだりできます。

気をつけること

出典