3行でいうと
- 入口は大きく4つに分けられます(公式のREADMEのQuickstartには、ほかにQoderとQwenWorkも並んでいますが、このガイドでは扱いません)。①Webとアプリで話す「Qwen Studio」(chat.qwen.ai。公式の古いブログ記事では「Qwen Chat」と書かれている)、②開発者向けのAPI(QwenCloudとAlibaba Cloud Model Studio)、③公開されたモデルを自分のパソコンやサーバーで動かす、④ターミナルのコーディング用エージェント「Qwen Code」。
- 公式のQwen3.8のREADMEは、chat.qwen.ai のQwen Studioを「みんなのためのAIアシスタント」と呼び、無料で使える、と書いています。ただし、ログイン方法・利用上限・有料プランの中身は、僕らが取得できたページからは読み取れませんでした。
- データの扱いについては、Qwen Studioの利用規約とプライバシーポリシー本文を、取得の仕組み上ほぼ読めていません。「学習に使われるか」「どこに保管されるか」「どの国の法律か」は、このガイドでは言い切れません。読めた範囲と、読めなかった範囲を分けて書きます。
この記事は、公式の資料を2026年10月22日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。運営者はQwenを入れていますが、使い心地はこの記事には書いていません。公式ページは要約として取得したため、引用は最小限にして言い換えています。
先に結論
- まず決めること。 ①話すだけか、プログラムから呼ぶか、手元で動かすか(入口の選択)、②どのアカウントで入るか、③入れてよい情報の範囲(個人情報・仕事の資料を入れるか)の3つです。
- いちばん手軽な入口。 ブラウザで chat.qwen.ai を開く方法です。公式のページには、チャット、画像・動画の理解、画像の生成と編集、書類の処理、ツールの利用、音声・ビデオ通話、アーティファクトが挙げられています。
- データについて。 Qwen Studioの規約・プライバシーポリシーは読めていません。入れる前に、公式のプライバシーポリシー(qwen.ai/privacypolicy)を自分の目で確かめてください。仕事の秘密や個人情報は、読むまで入れない、が安全な選択です(これは僕らの見立てです)。
前提:用語をそろえる
- Qwen Studio / Qwen Chat: chat.qwen.ai で使えるAIアシスタントのWebサービスと、そのアプリです。公式のGitHubのQwen3.8のREADMEは、chat.qwen.ai を「Qwen Studio」と呼び、無料で使える、と書いています。一方、公式の古いブログ(qwenlm.github.io/blog)には「Qwen Chat」という呼び名が残っていて、公式のQwenドキュメント(qwen.readthedocs.io)のトップはリンク名を「Chat with Qwen」としています。同じ入口の呼び名の揺れだと見ていますが、公式が「改名した」と書いているページは読めていません。
- QwenCloud / Alibaba Cloud Model Studio: モデルをAPIで呼ぶための、アリババ系のクラウドの窓口です。2つとも公式のページがあり、アドレスも違います。両者の関係は、僕らが読んだQwenCloudのページには書かれていませんでした。
- オープンウェイト: モデルの「重み」のファイルが公開されていて、自分のパソコンやサーバーで動かせるモデルです。ライセンス(使ってよい条件)はモデルごとに違います。くわしくは同時に出す2本目の記事で扱います。
- API: 他のプログラムからモデルに質問を送って、答えを受け取る窓口です。
入口の地図
| 入口 | 何をするか | 公式に書かれていること | 確かさ |
|---|---|---|---|
| Qwen Studio(Web:chat.qwen.ai) | ブラウザで話しかける | 公式のQwen3.8のREADMEが「AI assistant for everyone」「無料で使える」と説明。機能の一覧は公式ページのメタ情報にある | 文書に書かれている |
| Qwen Studio(iPhone・iPadのアプリ) | スマホで話しかける | App Storeに無料アプリとして掲載。iOS 16以降。年齢区分は18+と表示。iPad向けアプリとして、Apple SiliconのMac(macOS 13以降)とApple Visionでも使える旨の表示がある(Macは「Not verified for macOS」の注記つき) | 文書に書かれている |
| API(QwenCloud) | プログラムから呼ぶ | 公式のQwenのGitHubが「Qwen API」と案内。OpenAIとAnthropic互換の窓口がある | 文書に書かれている |
| API(Alibaba Cloud Model Studio) | プログラムから呼ぶ | アリババクラウドの公式ヘルプに「OpenAI互換」と記載 | 文書に書かれている |
| 手元で動かす | 公開モデルを自分の環境で動かす | Hugging Faceの公式カードに手順あり | 文書に書かれている |
| Qwen Code | ターミナルで開発を手伝わせる | 公式GitHubが「オープンソースのコーディングエージェント」と説明。Apache-2.0 | 文書に書かれている |
| Androidアプリ、Windowsのアプリ、Mac専用のアプリ | ― | 公式のページからは確認できず。App StoreのMac表示は、iPad向けアプリをApple SiliconのMacで動かすもの | 確認できず |
読むときの注意が1つあります。qwen.ai のページ(トップ、/privacypolicy、/termsservice)は、僕らの取得の仕組みでは、本文ではなく検索用のメタ情報(説明文とキーワード)しか返ってきませんでした。chat.qwen.ai は、アプリのダウンロードを促す短い文言(「Get the App」、QRコードの案内)だけが返りました。キーワード欄には「ios app」「desktop」などの語がありますが、検索用の語で、配布を示すものではないので、根拠にしていません。
Qwen Studioで何ができるか(公式の説明)
公式ページのメタ情報の説明文は、Qwenが次の機能を備えている、と書いています。チャットボット、画像と動画の理解、画像の生成、書類の処理、ウェブ検索との連携、ツールの利用、アーティファクト(作った成果物を横に表示する機能)です。chat.qwen.ai の画面の説明には、音声・ビデオ通話や、画像・動画の編集も挙がっています。
iPhone・iPad向けのアプリの説明(App Store)には、「ディープシンキング」「検索」「ナレッジQ&A」「マルチモーダル理解(文字、画像、音声、動画)」「文章作成」「画像生成」が並んでいます。これは掲載ページの宣伝文です。「ディープシンキング」はQwQをもとにしている、とこのページには書かれていますが、ほかの機能で実際にどのモデルが動くかは書かれていません。
どのモデルが使われるか、無料枠や回数の上限があるか、有料プランがあるか、は読めていません。chat.qwen.ai のページには「ログイン方法」の記載はなく、ログイン画面(chat.qwen.ai/auth)のページも、返ってきたのはアプリのダウンロードを促す文言だけで、ログイン方法は読み取れませんでした。検索結果には「Sign up to Qwen」というタイトルのページも出ましたが、メールで入るのか、他社のアカウントで入るのかは、公式の資料からは確かめられていません。
アカウントとアプリ
- アプリの掲載情報(App Store、2026年10月22日に取得)。 名前は「Qwen Studio-Ask Qwen,Know More」。価格は無料。販売元は NTH POWER GLOBAL TECH SINGAPORE PTE. LTD. で、著作権表記にはAlibaba Cloud (Singapore) Private Limited の名前があります。必要なOSはiOS 16以降です。年齢区分は18+(ユーザー生成コンテンツあり)と出ています。
- 注意。 アプリの「アプリ内課金」は、このページからは見つけられませんでした。ただし「ない」とは言い切れません。
- PCやAndroid。 AndroidとWindowsは公式の資料では確認できていません。Macについては、App Storeの掲載に、Apple SiliconのMac向けの互換表示(iPad向けアプリとして)があります。
入口の選び方(僕らの整理)
ここは公式の推奨ではなく、僕らの見立てです。
- まず試すだけ。 ブラウザの chat.qwen.ai か、アプリ。アカウントを作る前に、プライバシーポリシーを読みます。
- 自分のアプリやスクリプトから使う。 QwenCloudかAlibaba Cloud Model StudioのAPI。キーの扱いに気をつけます(2本目の記事)。
- データを外に出したくない。 公開されているモデルを手元で動かす。ただし、モデルごとにライセンスが違い、必要な計算機の大きさもまちまちです(2本目の記事)。
- 開発の手伝い。 Qwen Code。どのモデルやどのアカウントを使うかで、データの扱いが変わります(次の節)。
データと規約:読めたこと、読めなかったこと
| 項目 | 読めた範囲 | 確かさ |
|---|---|---|
| Qwen Studioのプライバシーポリシーの場所 | App Storeのアプリページが qwen.ai/privacypolicy を案内。chat.qwen.ai/legal-agreement/privacy-policy は、そのアドレスに転送された | 文書に書かれている |
| Qwen Studioの利用規約・利用ポリシー | 検索結果に qwen.ai/termsservice と qwen.ai/usagepolicy が出たが、本文は取得できなかった | 確認できず |
| 学習への利用(Qwen Studio) | 本文を読めておらず、分からない | 確認できず |
| データの保管場所(Qwen Studio) | 本文を読めておらず、分からない | 確認できず |
| どの国の法律か(Qwen Studio) | 本文を読めておらず、分からない。App Storeの販売元と著作権表記にシンガポールの法人名がある、というところまで | 確認できず |
| アプリのプライバシー表示(Apple) | 開発者が申告した内容として、デバイスID、製品の操作、クラッシュや性能などの診断データが「ユーザーに紐づかない、分析用」とある。申告は、Appleが検証したものではない | 文書に書かれている |
| API側(QwenCloud) | 安全性のページに、入力と出力は要求の間だけメモリで処理される、モデルの学習のために入出力を保持しない、という趣旨の説明がある(原文は「does not retain your inputs and outputs for model training」)。Responses APIでは会話が既定で30日保存される(store=false でオフ)。 |
文書に書かれている |
| API側(Token Planのチーム版) | 「会話データをモデルの学習に使わない」と書かれている | 文書に書かれている |
| Qwen Code | Qwen Code自体は、プロンプト・コード・回答をモデルの学習に使わない、と書かれている。ただし、どの認証を使うかで、規約の持ち主が変わる | 文書に書かれている |
ポイントは、「Qwen」と一口に言っても、入口ごとに規約が別だということです。Qwen Codeの公式ページは、Qwen OAuthで入るならQwenの規約とプライバシーポリシー、Alibaba Cloud Coding Planならアリババクラウドの規約とプライバシーポリシー、自分のAPIキーならそのAPI提供元の規約、Vertex AIならGoogle Cloudの規約、と分けて書いています。アリババの別サービスであるQwenWorkのプライバシーのページには、ユーザーのデータをシンガポールのクラウド環境に保管する、という記載があります。ただしこれはQwenWorkのページで、Qwen Studioについて言えることではありません。
「学習に使われるか」を自分で確かめるには
- Qwen Studio:プライバシーポリシー(qwen.ai/privacypolicy)で「model」「improve」「training」などの語を探します。僕らは本文を読めていません。
- 設定画面に、データの利用を止める項目があるかは、公式の資料からは確認できていません。
- API:QwenCloudの安全性のページと、利用規約・プライバシーポリシー(QwenCloudのフッターにリンクがあります)を読みます。
誤解されやすい点と、今日からできること
誤解されやすい点
- 「Qwenはすべてオープン」ではありません。 公式のGitHubとHugging Faceには、重みが公開されているモデルがありますが、アプリやAPIで使うモデルの中には、公開されていないものもあります。公開モデルのライセンスもモデルごとに違います。
- 「ブラウザのチャットと、APIと、手元の実行は、同じデータの扱い」ではありません。 入口ごとに規約が別です。
- 「同じ名前のモデルが、どこでも同じ」ではありません。 たとえばQwen3.8-Maxは、公開されている重みの版と、ホスティングされている版で、できることが違うと公式のカードに書かれています(2本目の記事)。
今日からできること、避けたいこと
- できること。 ①ブラウザで chat.qwen.ai を開き、入れてよい内容だけで試す。②アカウントを作る前に、qwen.ai/privacypolicy を読む。③ほしい使い方がAPIなら、2本目の記事へ進む。
- 避けたいこと。 ①パスワード、APIキー、他人の個人情報、会社の秘密を、規約を読む前に入れる。②アプリ内の表示やキーワードだけで、機能や配布を決めつける。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。運営者はQwenを入れていますが、使い心地はこの記事には書いていません。機能の説明は、公式のページや掲載情報に書かれていたことの言い換えです。
- qwen.ai の各ページは本文ではなく検索用のメタ情報しか取得できず、chat.qwen.ai はアプリのダウンロードを促す文言しか取得できませんでした。そのため、ログイン方法、料金・上限、利用規約・プライバシーポリシーの本文は、公式のドキュメントでは確認できていません。
- 公式のページに書かれている名前や機能は、変わることがあります。この記事は2026年10月22日時点の取得結果です。
- 規約の解釈や、個人情報・仕事の情報の取り扱いは、専門家や所属先の決まりに確認してください。この記事は法律の助言ではありません。
出典
- Qwen(Qwenチーム、アリババ、chat.qwen.ai、2026年10月22日確認)
- Qwen(Qwenチーム、アリババ、qwen.ai、2026年10月22日確認)
- Qwen3.8 README(QwenLM、GitHub、2026年10月22日確認)
- QwenLM 組織ページ(GitHub、2026年10月22日確認)
- Qwen Studio-Ask Qwen,Know More(App Store、2026年10月22日確認)
- Qwen documentation(Qwenチーム、2026年10月22日確認)
- Qwen Blog(Qwenチーム、2026年10月22日確認)
- Qwen Code: Terms of Service and Privacy Notice(Qwen Codeドキュメント、2026年10月22日確認)
- qwen-code(QwenLM、GitHub、2026年10月22日確認)
- Safety(QwenCloud Docs、2026年10月22日確認)
- Token Plan FAQ(QwenCloud Docs、2026年10月22日確認)
- Privacy and Security - QwenWork(Alibaba Cloud Documentation、2026年10月22日確認)
- QwenCloud(2026年10月22日確認)