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「AIの学習に他人の作品を使っていいのか」「AIが作ったものは誰のものか」。国や文書によって、書いてあることが違います。ここでは、公式の文書(法令・政府の報告書・裁判所の文書・各社の規約)に書かれていることを、同じ問いで並べました。結論を決めるのではなく、書き方の違いを見るための表です。法律の助言ではありません。

AIの学習に、他人の著作物を使ってよいか

地域・文書公式に書かれていること根拠出典
日本著作権法30条の4は、著作物に表現された思想・感情を自分で味わったり他人に味わわせたりする目的ではない利用(例として情報解析)を、必要な限度で、どの方法でも認めています。ただし、著作物の種類や用途、利用のしかたに照らして著作権者の利益を不当に害する場合は対象外とされています。文化庁の「考え方」は、AI学習のための情報解析はこの規定の典型例としつつ、少量の作品群の創作的表現を出力させる目的の追加学習のように「享受目的」が併存する場合は適用されないとしています。この「考え方」自体に法的拘束力はなく、個別の事案は専門家や裁判所の判断によります。著作権法30条の4/文化庁(文化審議会著作権分科会法制度小委員会)「AIと著作権に関する考え方について」(2024-03-15)
法律
著作権法 第30条の4(e-Gov法令検索のAPI表示、確認日 2026-10-23)AIと著作権に関する考え方について(文化庁、令和6年3月15日、確認日 2026-10-23)AIと著作権に関する考え方について【概要】(文化庁著作権課、令和6年4月、確認日 2026-10-23)
日本(文化庁のチェックリスト)文化庁の「チェックリスト&ガイダンス」は、AI開発者・提供者に対し、30条の4の要件と利益を不当に害しないかの確認、有償のAI学習用データベースを無断で複製しないこと、robots.txtなどの技術的制限を回避しないこと、海賊版サイトと知りながら学習元にしないことを挙げています。要件を満たせない場合はライセンス契約などで許諾を得ること、学習データの出所や学習過程を記録することも挙げられています。文化庁著作権課「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(2024-07-31)
指針
AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス(文化庁著作権課、令和6年7月31日、確認日 2026-10-23)
米国米国著作権局のAI報告書 第3部(2025年5月の事前公開版)は、学習用データセットを作る工程は複製権に関わり、学習の過程も複製権に関わる、と書いている。フェアユースについては、事情に応じた比較衡量で判断するという枠組みを示している(この資料の範囲)。個別の事件には踏み込まないとしている。連邦地裁の判断は事件ごとに分かれていて、Bartz事件は書籍での学習への使用をフェアユース、海賊版の書籍で作った中央ライブラリはフェアユースでないとした。Kadrey事件は記録の範囲でMetaを勝たせたが、学習が一般に適法とは判断していない。Ross事件の控訴審は、生成AIでない検索ツールの学習用利用をフェアユースでないとした。法的判断は専門家に確認。米国著作権局 Copyright and Artificial Intelligence Part 3(事前公開版、2025年5月)。Bartz v. Anthropic(N.D. Cal.)、Kadrey v. Meta(N.D. Cal.)、Thomson Reuters v. ROSS(第3巡回区)の裁判所文書。
報告書
Copyright and Artificial Intelligence, Part 3: Generative AI Training, Pre-Publication Version(米国著作権局、2025年5月)(確認日 2026-10-23)Copyright and Artificial Intelligence(米国著作権局のAIページ)(確認日 2026-10-23)Bartz v. Anthropic PBC, Order on Fair Use, 2025-06-23(米国連邦地方裁判所 北部カリフォルニア地区、govinfo掲載)(確認日 2026-10-23)Kadrey v. Meta Platforms, Inc., Order on summary judgment (Dkt. 598), 2025-06-25(北部カリフォルニア地区、govinfo掲載)(確認日 2026-10-23)Thomson Reuters Enterprise Centre GmbH v. ROSS Intelligence Inc., No. 25-2153, 2026-09-29(第3巡回区連邦控訴裁判所)(確認日 2026-10-23)
EUAI Act 第53条は、汎用AIモデルの提供者に、EUの著作権法を守るための方針を作ることと、学習に使った内容の十分に詳しい要約を公開することを求めている(欧州委員会の条文ページ)。これらの義務は2025-08-02から適用され、欧州委員会の執行権限は2026-08-02から適用されると、欧州委員会のガイドラインのページに書かれている。AI Act(規則 (EU) 2024/1689)第53条1項(c)(d)
法律
AI Act 第53条(GPAIモデル提供者の義務)(欧州委員会 AI Act Service Desk、確認日 2026-10-23)GPAIモデル提供者向けガイドライン(欧州委員会、確認日 2026-10-23)
EUDSM指令4条は、適法にアクセスできる著作物について、テキスト・データマイニング(自動分析)のための複製・抽出を認める例外を加盟国に求めている。複製物は分析に必要な間は保持できる。ただし権利者が適切な方法で明示的に留保していない場合に限る。AIの学習がこの例外に入るかどうかは、条文だけでは決まらない(専門家に確認)。DSM指令 第2条(2)、第4条1〜3項
法律
指令 (EU) 2019/790 デジタル単一市場における著作権指令(EUR-Lex、確認日 2026-10-23)
EUドイツのミュンヘンI地方裁判所は2025-11-11、歌詞を学習したGPT-4/4oをめぐるGEMA対OpenAIで、歌詞がモデルに再現可能な形で入っていれば複製にあたり、TDM例外(ドイツ著作権法44b条)はモデル内での複製には及ばないと判断したと発表している。学習用データの準備段階の複製にはTDM例外が適用されうるとも述べている。判決は確定していない。LG München I 判決 42 O 14139/24(報道発表)
報告書
報道発表11/2025 GEMA対OpenAI判決(ミュンヘンI地方裁判所(バイエルン州司法省掲載)、確認日 2026-10-23)
EUハンブルク高等裁判所は2025-12-10、画像データセット作成をめぐる事件で、TDM例外(44b条)は適用できると判断したと発表している。この事件では代理店サイト上の留保に機械可読性がなかったため、複製は許されるとした。学術研究の例外(60d条)にも当たるとした。上告が許可されており確定していない。OLG Hamburg 5 U 104/24(報道発表)
報告書
KIと著作権:ハンザ高等裁判所が控訴を棄却(報道発表)(ハンブルク高等裁判所 報道室、確認日 2026-10-23)
英国英国政府は2026-03に、AI開発での著作物の利用に関する報告書と影響評価を公表した。報告書は、著作権は属地的で、多くのモデルは米国で学習されフェアユースが主張されると説明し、「オプトアウト付きの広い例外」はもはや政府の望ましい進め方ではないと書いている。学習については、さらに証拠を集め、他の政策も検討するとしている。Report on Copyright and Artificial Intelligence(2026-03)
報告書
Report on Copyright and Artificial Intelligence(英国政府(DSIT・IPO)、確認日 2026-10-23)
英国英国高等法院は2025-11-04のGetty Images対Stability AIで、原告が英国内での学習の証拠がないとして学習・開発の請求を取り下げたと判決文に書いている。英国内で学習が侵害にあたるかは、この事件では判断の対象になっていない。[2025] EWHC 2863 (Ch)
法律
Getty Images v Stability AI [2025] EWHC 2863 (Ch) 判決文(PDF)(英国司法府、確認日 2026-10-23)Getty Images v Stability AI 判決ページ(英国司法府、確認日 2026-10-23)
各社の規約OpenAIのEU向け規約は、サービスの提供・改善のために利用者のコンテンツを使えるとし、アカウント設定でオプトアウトできると書いている。Anthropicの消費者向け規約は、素材をモデルの学習に使うことがあり、アカウント設定でオプトアウトできると書いている(フィードバックや安全審査の対象は例外)。GoogleのGemini API規約は、無料サービスでは送信内容を製品改善に使い、有料サービスでは入力や応答を製品改善に使わないと書いている。各社の利用規約(OpenAI EU向け、Anthropic消費者向け、Gemini API追加規約)
規約
EU向け利用規約(Terms of Use)(OpenAI、確認日 2026-10-23)Consumer Terms of Service(Anthropic、確認日 2026-10-23)Gemini API Additional Terms of Service(Google、確認日 2026-10-23)

AIが作った画像や文章を使うとき、他人の著作権を侵していないか

地域・文書公式に書かれていること根拠出典
日本文化庁の概要は、生成物をSNSに載せたり販売したりする場合、通常の著作権侵害と同じ基準で判断されるとしています。侵害には既存著作物との「類似性」と「依拠性」が必要で、作風が似ているだけ(アイデアの共通)では侵害にならないとされています。学習データに含まれていたことが立証できれば依拠性は通常推認され、含まれていたか不明でも、既存著作物にアクセスできたことと高い類似性が示されれば推認され得るとされています。AIによる生成が適法でも、生成物の利用が直ちに適法になるわけではないとも書かれています。著作権法(類似性・依拠性の考え方)/文化庁「AIと著作権に関する考え方について」概要/同「チェックリスト&ガイダンス」
報告書
AIと著作権に関する考え方について【概要】(文化庁著作権課、令和6年4月、確認日 2026-10-23)AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス(文化庁著作権課、令和6年7月31日、確認日 2026-10-23)
日本(AI事業者ガイドライン)総務省・経済産業省のAI事業者ガイドライン第1.2版は、生成物が他者の知的財産権等を侵害する可能性があるため、利用時に人間の判断を介在させるなどの対策を取ることを挙げています。AI事業者ガイドライン(第1.2版、令和8年3月31日)
指針
AI事業者ガイドライン 第1.2版 本編(総務省・経済産業省、令和8年3月31日、確認日 2026-10-23)
米国今回読めた裁判所の文書の範囲では、出力の侵害そのものを判断した判断は確認できていない。Bartz事件の命令は、著者側が利用者に提供された出力の侵害を主張していないと書き、出力が侵害にあたる場合は別の事件で争える趣旨を述べている。Kadrey事件の命令は、記録の範囲では、Llamaが書籍の意味のある部分を生成できなかったとして、出力(そのまま出す現象)に基づく主張を退けた。2023年の別の命令は、侵害する出力が十分に主張されていないとして、出力に基づく請求を退けている。これらは各事件の記録に基づく判断で、出力の侵害一般についての結論ではない。法的判断は専門家に確認。Bartz v. Anthropic Order on Fair Use(2025-06-23)、Kadrey v. Meta 命令(2025-06-25、2023-11-20)。
判決
Bartz v. Anthropic PBC, Order on Fair Use, 2025-06-23(米国連邦地方裁判所 北部カリフォルニア地区、govinfo掲載)(確認日 2026-10-23)Kadrey v. Meta Platforms, Inc., Order on summary judgment (Dkt. 598), 2025-06-25(北部カリフォルニア地区、govinfo掲載)(確認日 2026-10-23)Kadrey v. Meta Platforms, Inc., Order on Motion to Dismiss, 2023-11-20(北部カリフォルニア地区、govinfo掲載)(確認日 2026-10-23)
EUミュンヘンI地方裁判所は、GEMA対OpenAI(2025-11-11)で、チャットボットの回答として歌詞を再現して公衆に提供したことも権利侵害と判断したと発表している。出力の責任は利用者ではなく被告が負うとした。GEMA対SUNO(2026-07-31)でも、ドイツ国内での出力による複製と公衆への提供を認め、責任は被告にあるとしたと発表している。どちらも確定していない。LG München I 42 O 14139/24、42 O 763/25(報道発表)
報告書
報道発表11/2025 GEMA対OpenAI判決(ミュンヘンI地方裁判所(バイエルン州司法省掲載)、確認日 2026-10-23)報道発表16/2026 GEMA対SUNO判決(ミュンヘンI地方裁判所(バイエルン州司法省掲載)、確認日 2026-10-23)
英国英国政府の報告書は、プロンプトに応じた出力が著作物の実質的な部分を許諾なく再現すれば侵害になりうるとし、場合によっては利用者と提供者の双方が責任を負いうると説明している。具体的な判断は専門家に確認。Report on Copyright and Artificial Intelligence(2026-03)
報告書
Report on Copyright and Artificial Intelligence(英国政府(DSIT・IPO)、確認日 2026-10-23)
各社の規約OpenAIは、利用者が入力を保持し出力を所有すると規約に書き、出力に関する権利を移転するとしている。ただし出力は他の利用者と似ることがあると書いている。Anthropicの消費者向け規約は、出力に関する権利があれば利用者に移転すると書いている。Googleは、生成されたコンテンツの所有権を主張しないと書き、他の人に同じか似た内容を生成することがあると書いている。OpenAI EU向け規約、Anthropic消費者向け規約、Gemini API追加規約
規約
EU向け利用規約(Terms of Use)(OpenAI、確認日 2026-10-23)Consumer Terms of Service(Anthropic、確認日 2026-10-23)Gemini API Additional Terms of Service(Google、確認日 2026-10-23)

AIが作ったものは、著作物になるか(誰の権利になるか)

地域・文書公式に書かれていること根拠出典
日本文化庁の概要は、AIが自律的に生成したもの(人が指示をしない、または簡単な指示だけのもの)は著作物に当たらないと考えられるとしています。人が思想・感情を創作的に表現するための「道具」としてAIを使ったと認められれば著作物となり、AI利用者が著作者になり、AI自体は著作者にならないとされています。判断は「創作意図」と「創作的寄与」の有無によるとされ、指示が長くてもアイデアにとどまる場合や、試行回数の多さ・複数案から選ぶだけの場合は影響しないとされています。創作的表現といえる加筆・修正を加えた部分には通常、著作物性が認められるとされています。著作権法2条1項1号(著作物の定義)/文化庁「AIと著作権に関する考え方について」概要
報告書
AIと著作権に関する考え方について【概要】(文化庁著作権課、令和6年4月、確認日 2026-10-23)AIと著作権(令和5年度 著作権セミナー講義資料)(文化庁著作権課、令和5年6月、確認日 2026-10-23)
英国英国政府の報告書は、人間の著作者がいないコンピュータ生成の著作物に対する既存の保護(1988年から)を取り除くことを提案している。AIの補助を受けて作られた作品の保護は残るとしている。報告書は、プロンプトに応じて完全にAIが作った内容が「コンピュータ生成の著作物」として保護されうるとも説明している。これは提案であり、法改正はまだされていない(読めた範囲)。Report on Copyright and Artificial Intelligence(2026-03)
報告書
Report on Copyright and Artificial Intelligence(英国政府(DSIT・IPO)、確認日 2026-10-23)
各社の規約各社の規約が書いているのは、権利があれば利用者に移すこと(OpenAI、Anthropic)や、所有権を主張しないこと(Google)であり、出力に著作権が成立するかどうかは各国の法による。規約が保護を保証するとは、読めた範囲では書かれていない。OpenAI EU向け規約、Anthropic消費者向け規約、Gemini API追加規約
規約
EU向け利用規約(Terms of Use)(OpenAI、確認日 2026-10-23)Consumer Terms of Service(Anthropic、確認日 2026-10-23)Gemini API Additional Terms of Service(Google、確認日 2026-10-23)
米国米国著作権局のAI報告書 第2部(2025年1月)は、プロンプトだけでは、AIの出力に対して利用者が十分な制御を持つとは言えないとしている。一方で、人が出力に残した自分の表現、出力の創作的な選択・配置・組み合わせ、創作的な修正には、人の著作者性を主張できるとしている。AIが生成しただけの部分には著作権は及ばない。人の寄与が足りるかは、個別に(ケースごとに)判断するとし、既存の法律の枠内で扱えるので新たな立法は不要、という結論を示している。専門家に確認。米国著作権局 Copyright and Artificial Intelligence, Part 2: Copyrightability(2025年1月)。
報告書
Copyright and Artificial Intelligence, Part 2: Copyrightability(米国著作権局、2025年1月)(確認日 2026-10-23)Copyright and Artificial Intelligence(米国著作権局のAIページ)(確認日 2026-10-23)

著作者は、自分の作品をAI学習に使わせないようにできるか(オプトアウト)

地域・文書公式に書かれていること根拠出典
日本文化庁の「考え方」は、権利者が学習に反対しているというだけではただし書(利益を不当に害する場合)には当たらないとしています。一方、robots.txtやID・パスワードによるアクセス制限といった技術的措置を回避して、将来販売される予定のデータベースを複製するような場合は、ただし書に該当し得るとされ、現状のrobots.txtではAI学習用のクローラだけを拒否できないとも書かれています。チェックリストでは、権利者の学習対策の例としてrobots.txtでのクローラ拒否、ログインが必要な領域への掲載、AI学習用データベースとしての有償提供が挙げられています。この資料の範囲では、学習そのものを一律に禁止できる仕組みについての記載は見当たりませんでした。法的な扱いは専門家に確認してください。著作権法30条の4ただし書/文化庁「AIと著作権に関する考え方について」5.(1)/同「チェックリスト&ガイダンス」
報告書
AIと著作権に関する考え方について(文化庁、令和6年3月15日、確認日 2026-10-23)AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス(文化庁著作権課、令和6年7月31日、確認日 2026-10-23)
EUDSM指令4条3項は、権利者が利用を適切な方法で明示的に留保していれば、TDM例外は使えないとしている。前文18は、ネットで公開された内容では、メタデータやサイトの利用条件を含む機械可読な手段での留保が適切とみなされると書いている。AI Act第53条の著作権方針は、権利留保の尊重を含むとされる(欧州委員会の説明)。汎用AI行動規範は2025-07-10に公表され、著作権の章がある。DSM指令 第4条3項・前文18、AI Act 第53条1項(c)
法律
指令 (EU) 2019/790 デジタル単一市場における著作権指令(EUR-Lex、確認日 2026-10-23)AI Act 第53条(GPAIモデル提供者の義務)(欧州委員会 AI Act Service Desk、確認日 2026-10-23)汎用AI行動規範(GPAI Code of Practice)(欧州委員会、確認日 2026-10-23)
EUハンブルク高等裁判所は2025-12-10、代理店サイト上の留保が機械可読性を備えていなかったとして、複製は許されると判断したと発表している。留保が自然な文章で書かれていた場合の扱いは、報道発表からは分からない。OLG Hamburg 5 U 104/24(報道発表)
報告書
KIと著作権:ハンザ高等裁判所が控訴を棄却(報道発表)(ハンブルク高等裁判所 報道室、確認日 2026-10-23)
英国英国政府は2024-12-17〜2025-02-25に意見募集を行い、権利者の管理の強化や透明性の向上などを目標に挙げた。2026-03の報告書は、オプトアウト付きの広い例外はもはや政府の望ましい進め方ではないと書いている。意見募集ページ、Report on Copyright and Artificial Intelligence
報告書
Copyright and Artificial Intelligence(意見募集ページ)(英国政府、確認日 2026-10-23)Report on Copyright and Artificial Intelligence(英国政府(DSIT・IPO)、確認日 2026-10-23)
各社の規約OpenAI(EU向け)は、アカウント設定の変更でオプトアウトできると書いている。Anthropic(消費者向け)は、アカウント設定でオプトアウトでき、フィードバックを送った場合や安全審査の対象になった場合は学習に使うことがあると書いている。GoogleのGemini API有料サービスは、入力や応答を製品改善に使わないと書いている。権利者がクローラーを拒否する方法は、今回は読めていない。OpenAI EU向け規約、Anthropic消費者向け規約、Gemini API追加規約
規約
EU向け利用規約(Terms of Use)(OpenAI、確認日 2026-10-23)Consumer Terms of Service(Anthropic、確認日 2026-10-23)Gemini API Additional Terms of Service(Google、確認日 2026-10-23)

AI事業者は、著作権について何を求められているか(ガイドライン)

地域・文書公式に書かれていること根拠出典
日本AI事業者ガイドライン第1.2版は、全主体共通の事項として知的財産関連法令の遵守を挙げ、学習データには権利侵害となる複製物など違法なコンテンツを含めないよう留意するとしています。学習データの権利者から問い合わせや情報開示の要望があった場合は、必要な範囲で適切に対応することが望ましいとし、裁判所の開示命令には従うとしています。また、文化庁や内閣府が示すAIと著作権・知的財産権に関する考え方を踏まえて対応方針を検討することも書かれています。このガイドラインは法律ではなく指針です。AI事業者ガイドライン(第1.2版、令和8年3月31日)
指針
AI事業者ガイドライン 第1.2版 本編(総務省・経済産業省、令和8年3月31日、確認日 2026-10-23)AI事業者ガイドライン 第1.2版 掲載ページ(経済産業省、確認日 2026-10-23)

AIの出力で著作権侵害を訴えられたとき、提供会社は守ってくれるか(補償)

地域・文書公式に書かれていること根拠出典
各社の規約OpenAIのService Termsは、API利用者とChatGPT Enterprise・Edu・Healthcareの利用者について、出力の利用・配布が第三者の知的財産権を侵害するという請求に対する補償を定めている。出力が侵害すると知っていた、または知るべきだった場合、引用・フィルタ・安全機能を無効にした場合、出力を改変・他の製品と組み合わせた場合などは対象外と書いている。ベータサービスは対象外。OpenAI Service Terms 1条(a)・3条(b)・2条
規約
Service Terms(OpenAI、確認日 2026-10-23)
各社の規約Anthropicの商用規約(Commercial Terms)は、有料サービスの利用や出力に関する第三者の知的財産権の請求から、Anthropicが顧客を防御すると書いている。顧客による改変、第三者技術との組み合わせ、顧客の入力、権利侵害を知りながらの利用などは対象外とされている。商用規約の表示日は2025-06-17。Anthropic Commercial Terms K.1・K.3
規約
Commercial Terms of Service(Anthropic、確認日 2026-10-23)
各社の規約Google Cloudは、生成AIの補償として、学習データの利用に関する請求と、生成された出力に関する請求を対象にすると公式ブログ(2023-10-12)に書いている。出力の補償は、利用者が意図的に侵害しようとした場合は対象外。対象サービスの一覧は、Gemini for Google Cloud、Gemini Enterprise Agent Platform API、Gemini in Workspaceなどで、ページの最終更新は2026-07-20と表示されている。Gemini API自体はその名前では一覧に出てこない。Google Cloud Generative AI Indemnified Services、公式ブログ
規約
Generative AI Indemnified Services(Google Cloud、確認日 2026-10-23)Protecting customers with generative AI indemnification(公式ブログ)(Google Cloud、確認日 2026-10-23)
各社の規約Microsoftは、Customer Copyright Commitmentとして、出力コンテンツに関する第三者の知的財産権の請求から顧客を防御する義務を負うと書いている。Azure OpenAI、Microsoft Copilot Studio、GitHub Copilotなどが対象で、Azure OpenAIでは、メタプロンプトやテスト、コンテンツフィルタなど用途別の必須対策を満たす必要がある。GitHub Copilotは2026-04-03以降、追加の必須対策はないと書かれている。ページの最終更新は2026-03-20。Customer Copyright Commitment(Microsoft Learn)
規約
Customer Copyright Commitment の必須対策(Microsoft Learn、確認日 2026-10-23)

主な裁判の記録裁判所の文書が読めたものだけ

判決米国連邦控訴裁判所 第3巡回区2026-09-29

Thomson Reuters Enterprise Centre GmbH ほか v. ROSS Intelligence Inc.(控訴審)

判断の内容
1292(b)に基づく中間上訴で、地裁の部分的略式判決を支持した。Westlawの見出し要約2,243件には著作権で保護される独創性があり、ROSSの利用はフェアユースでないとした。AIの学習に使った点でも、利用目的は元の製品と同じ最終目的に仕え、変容性は小さいとし、フェアユースの4つの要素の検討では、目的と市場への影響などがROSSに不利と判断した。
判断していないこと
生成AIではない検索ツールの事件に限る。生成AIの学習について判断していないと書かれている(脚注でBartz、Kadrey事件と区別)。判決文は、原文をそのまま写した見出し要約が保護されるか、Key Number Systemの独創性は判断していない。
出典(1件)
判決ミュンヘンI地方裁判所 第42民事部(42 O 763/25)2026-07-31

GEMA対SUNO(AI音楽生成)

判断の内容
差止め・情報開示・損害賠償の請求を概ね認容したと裁判所が発表している。ドイツのサーバー上のモデルに学習データが再現可能な形で含まれていたと認定し、複製権の侵害でTDM例外では正当化されないとした。ドイツ国内での出力の複製と公衆への提供も認め、責任は被告にあるとした。
判断していないこと
歌詞に関する侵害は請求の対象外。損害賠償額は報道発表に書かれていない。判決は確定していない。
出典(1件)
和解米国連邦地方裁判所 北部カリフォルニア地区2026-07-20

Bartz ほか v. Anthropic PBC(集団訴訟の和解)

判断の内容
裁判所は集団訴訟の和解に最終承認を与え、訴えを終局的に却下する判決を出した。和解基金は返還のない15億ドルで、対象作品リストは482,460作品、見積もりは1作品あたり約3,000ドル(費用・弁護士報酬の前)と書かれている。予備承認は2025年9月25日の審問で出された。2025-10-17付の覚書も和解の予備承認に関する文書として載っている。
判断していないこと
和解の対象は、リストにある作品の過去の行為(AIの出力に至るまで)で、過去のAI出力に関する請求と、2025年8月25日以降の将来の行為は含まれないと書かれている。フェアユースの結論そのものは、この和解で改めて判断していない。
出典(3件)
判決ハンブルク高等裁判所 第5民事部(5 U 104/24。第一審はハンブルク地方裁判所 310 O 227/23、2024-09-27)2025-12-10

画像データセット作成とTDM例外(ハンブルク高等裁判所)

判断の内容
写真家の控訴を棄却し、請求棄却を維持したと裁判所が発表している。TDM例外(44b条)は適用でき、代理店サイト上の留保は機械可読性を備えていなかったため複製は許されると判断した。学術研究の例外(60d条)にも当たるとした。
判断していないこと
留保が自然な文章で書かれていた場合の扱いは報道発表から分からない。差止め以外の請求は報道発表に書かれていない。上告が許可されており、確定していない。
出典(1件)
判決ミュンヘンI地方裁判所 第42民事部(42 O 14139/24)2025-11-11

GEMA対OpenAI(歌詞の学習と出力)

判断の内容
差止め・情報開示・損害賠償の請求を概ね認容したと裁判所が発表している。モデルのパラメータに歌詞が再現可能な形で入っていることは複製にあたり、TDM例外はモデル内での複製には適用されないとした。チャットボットの回答での歌詞の再現と提供も侵害とし、責任は利用者ではなく被告にあるとした。人格権侵害の請求は棄却。
判断していないこと
損害賠償の金額、情報開示の具体的な範囲、対象の歌詞(9人の著作者の作品)以外については、報道発表に書かれていない。判決は確定していない。
出典(1件)
判決英国高等法院 ビジネス・財産裁判所 知的財産部(IL-2023-000007)2025-11-04

Getty Images対Stability AI(英国)

判断の内容
判決文によれば、原告は英国内での学習の証拠がないとして学習・開発の請求を取り下げ、出力の請求とデータベース権の請求も取り下げた。裁判所は、Stability AIがv1.xをCompVisのGitHubとHugging Faceのページで公開したことについて直接の責任を負わないとした。英国政府の報告書は、学習済みモデルは原則として「物品」にあたりうるが、モデルが作品の複製を含む証拠がないため二次的侵害の規定は適用されなかったと説明し、この点は控訴中だと書いている。
判断していないこと
英国内での学習が侵害にあたるかは、請求が取り下げられたため判断されていない。商標侵害と詐称通用の判断内容は、今回は判決文の該当部分を読めていない。
出典(3件)
係属中米国連邦地方裁判所 北部カリフォルニア地区2025-06-27

Kadrey ほか v. Meta Platforms, Inc.(DMCA 1202(b)の主張)

判断の内容
Metaの部分的略式判決の申立てを認め、著作権管理情報の除去に関するDMCA 1202(b)(1)の主張を退けた。先の命令がMetaの複製をフェアユースとしており、フェアユースは侵害でないため、除去が侵害を助長・隠蔽したとは言えない、という理由が書かれている。
判断していないこと
Metaが書籍をBitTorrentなどで配布したか、その配布がフェアユースかは判断していない。事件は、読めた範囲では2026年にも証拠開示に関する命令が出ており、手続きが続いている。
出典(3件)
係属中米国連邦地方裁判所 北部カリフォルニア地区2025-06-25

Kadrey ほか v. Meta Platforms, Inc.(フェアユースに関する命令)

判断の内容
著者側の部分的略式判決の申立てを退け、Metaの申立てを認めて、Llamaを著者13名の書籍で学習した直接侵害の主張についてMetaを勝たせた。学習は非常に変容的で、市場への影響は記録の範囲で示されていないとした。市場の希薄化(類似の作品が市場にあふれる影響)は著者側の最も強い主張になりうるとしつつ、著者側は推測しか示さなかったと書いている。
判断していないこと
Metaによる学習が一般に適法とは判断していない(著者13名の件に限る)。BitTorrentによる配布(再アップロード)の主張は、どちらも略式判決を申し立てておらず残っている。
出典(1件)
決定米国連邦地方裁判所 北部カリフォルニア地区2025-06-23

Bartz ほか v. Anthropic PBC(フェアユースに関する命令)

判断の内容
著者の書籍でLLMを学習した使用は「非常に変容的」でフェアユースとした。購入した紙の書籍を破棄して電子化した複製も、別の理由でフェアユースとした。海賊版サイトから入手した書籍で中央ライブラリを作った複製は、略式判決の段階ではフェアユースでないとし、その複製と損害については審理を行うとした。
判断していないこと
利用者に出された出力の侵害(著者側は主張していないと記載)。ライブラリの複製を学習以外の目的で使った場合の扱い(命令はこれを閉じていない旨を記載)。
出典(1件)
この表全体で確認できていない点(22件)
  • 日本の裁判:生成AIの学習・生成物に関する日本の判決・決定・係属事件について、裁判所の文書や公式な記録を読めなかったため cases は空にした。
  • 文化庁「AIと著作権に関する考え方について」本文のうち、生成・利用段階(5.(2))と生成物の著作物性(5.(3))の本文は、取得できた範囲が5.(1)までで直接読めていない。これらの要点は同【概要】(令和6年4月)と、チェックリスト&ガイダンスの記載による。
  • 文化庁の「考え方」公表後に改訂・追補があったか、また内閣府(知的財産戦略本部)のAIと知的財産に関する検討資料の内容は、確認できなかった。
  • 著作権法30条の4・47条の5の条文はe-Govのデータで読んだが、最終改正日・現行の施行状況(2026-10-23時点の改正の有無)は確認できなかった。
  • EU・米国など日本以外の行は、担当範囲外のためこのファイルには含めていない。
  • AI事業者ガイドライン第1.2版の脚注が参照する外部文書(個別の著作権関連資料)の中身は読んでいない。
  • New York Times v. OpenAI(および In re OpenAI の併合手続)の現在の状態:裁判所の文書をこの調査で読めなかったため、cases に載せていない。
  • 米国著作権局の報告書 第3部は事前公開版のPDF本文が第4節(フェアユース)の冒頭までしか読めず、フェアユースの結論、ライセンス、オプトアウトに関する節は読めていない。最終版が公表されたかも確認できていない(著作権局のAIページは、確認時点で事前公開版と書いていた)。
  • 学習へのオプトアウトの米国の扱い:読めた一次資料に記載がないため、topics の opt-out の米国の行は空にした。
  • Bartz 事件の集団認定命令の日付・内容、および和解成立後の支払い状況は読めていない(和解サイトは最初の支払いを2026-11-15以前の予定と記載)。
  • Thomson Reuters v. ROSS の地裁の略式判決の日付と引用は、控訴審判決文に日付が書かれていないため確認できていない。控訴審判決後の再審理の申立てなどの動きは確認していない。控訴審判決の脚注にある In re OpenAI への司法省の意見書は読めていない。
  • Kadrey 事件の配布(BitTorrent)の主張の結論と、今後の控訴の有無は確認できていない。
  • Bartz v. Anthropic のフェアユース命令は、govinfo掲載の判決文で日付と判断を確認した(裁判所サイト掲載PDFは文字が崩れて読めなかった)。
  • Part 3 の第4節以降、Bartz 和解の予備承認の覚書の内容、Kadrey 事件の2026年の命令の内容、ROSS 控訴審の4要素の内訳は、事実確認で一次資料を再取得できず照合できていない。
  • AI Act 第53条の条文全体と第113条は、EUR-Lexの本文を取得できず、欧州委員会のAI Act Service Deskの条文ページとガイドラインのページで確認した範囲に限る。53条1項(c)の「権利留保を特定し守る」旨の詳細な文言は、全文では確かめられていない。
  • 汎用AI行動規範の著作権の章の個別の約束事項(robots.txtの尊重、苦情の窓口など)は、公式ページに書かれておらず、PDF本体は読めていない。
  • GEMA対OpenAIの判決全文(gesetze-bayernの掲載分)は読めておらず、裁判所の報道発表の範囲に限る。両GEMA事件とも控訴の有無は未確認。
  • Getty Images対Stability AIは、判決文のPDFの後半(二次的侵害、商標、詐称通用、結論)が取得できず、これらの判断は英国政府の報告書の説明に頼った。控訴の進行状況は公式の裁判所文書で未確認。
  • EUの上位裁判所(EU司法裁判所)でのAI学習に関する判断は、今回読めていない。
  • EUと英国でAI生成物に著作権が成立するかについての公式文書(EU側)は読めておらず、copyrightabilityのEUの行は載せていない。
  • 各社の規約はいずれもページの表示日・更新日を記載し、規約ごとの発効日と一致しない場合がある(OpenAIのService Termsは「Updated: 2026-10-16」の表示のみ)。Microsoftの出力の所有権に関する規約、AnthropicとGoogleの消費者向けの補償有無、Google消費者向けGeminiアプリの規約は読めていない。
  • EUと英国における、権利者がAIクローラーを拒否する具体的方法(各社のクローラー名やrobots.txt)は、今回は読めていない。

ラボの資料は、公式の文書を読んでまとめたもので、実際に使って確かめた記録ではありません。日付や仕様は変わるので、使う前に各ページの出典で確かめてください。事実と「僕らの見立て」は、分けて書いています。