個人情報保護委員会の「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」を読む
読むポイントを順に案内します。
個人情報保護委員会が令和5年6月2日に公表した報道発表資料です。本体に加えて、別添1(生成AIサービスの利用に関する注意喚起等)と別添2(OpenAIに対する注意喚起の概要)が付いています。
読む文書:生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について(個人情報保護委員会、令和5年6月2日の報道発表)
1まず文書の構成を確かめる
報道発表のページには題名と日付とPDFへのリンクがあり、中身はPDFにあります。僕らが読んだPDF(要約経由)は、本体、別添1、別添2の三つに分かれていました。
ここで注意:ページ(HTML)だけを読むと本文が載っていません。注意喚起の中身はPDFにあります。
2別添1の背景を読む
要約経由。令和5年5月20日のG7広島首脳コミュニケに触れて関心の高まりを説明し、個人情報の保護と新技術の公共的な利益の両方に留意する姿勢を示したうえで、個人情報取扱事業者と行政機関等に、個人情報保護法に従うよう求めています。
ここで注意:「注意喚起」は、新しい決まりをつくる文書ではありません。既にある法律をAIの利用場面に当てはめて、確認してほしい点を示すものです。
3事業者向けの注意点を読む
要約経由。個人情報取扱事業者向けに二点が書かれています。一つは、プロンプトに個人情報を入れるときに、特定された利用目的を達成するために必要な範囲内かを確認すること。もう一つは、本人の同意なく個人データを入れて、応答の出力以外の目的で扱われると、法違反になるおそれがあること、そして提供事業者が機械学習に使わないことなどを確認することです。
ここで注意:「個人情報」と「個人データ」は法律上は別の言葉です。どちらの話をしている箇所かを区別して読みます。
4行政機関等向けと一般利用者向けを読む
要約経由。行政機関等向けには、利用や提供を必要最小限にすることの確認と、保有個人情報についての同様の考え方が書かれています。一般利用者向けには、入力した情報が機械学習に使われるおそれ、確率的な仕組みのために不正確な個人情報が出力されるおそれ、提供事業者の利用規約やプライバシーポリシーの確認が挙げられています。
ここで注意:一般利用者向けの項目は、法律上の義務というより「留意点」として書かれています。事業者向けの項目と書き方の強さを見比べると違いが分かります。
5別添2で『法のどの条文が根拠か』を見る
要約経由。別添2は、個人情報保護法第147条に基づき令和5年6月1日付で行われた注意喚起の概要です。要配慮個人情報を本人の同意なく取得しないこと(第20条第2項各号に当たる場合を除く)、機械学習目的の収集で取り組むべき四点、利用目的を日本語で通知または公表することが書かれています。
ここで注意:根拠の条文番号が書かれているかどうかは、行政文書を読むときの重要な手がかりです。ここでは第147条と第20条第2項が示されています。この資料の説明は事実の紹介で、個別の事業者の評価ではありません。
6日付と『今後の対応』を確かめる
要約経由。資料は令和5年6月2日付で、今後の開発や利用の状況を見て追加の注意喚起等を行う可能性があると書かれています。
ここで注意:古い日付の文書です。その後に委員会が出した資料があるかは、僕らは確認できていません。最新の状況は委員会のサイトで確かめてください。
この種の文書を読むときの型
行政機関の注意喚起は、まず誰向けの項目か(事業者、行政機関、一般の人)を見分け、次に根拠の条文番号と日付を確認します。そのうえで、書いてあるのが義務なのか留意点なのかを、動詞の強さで読み分けます。
確認できていない点(3件)
- WebFetchが返したのは要約であり、PDFの原文を直接読んだわけではないため、条文番号や項目の言い回しは原文で確かめてください。
- 令和5年6月2日以降に個人情報保護委員会が出した生成AI関連の資料は確認していません。
- 連絡先など事務的な記載は省いています。
出典(2件)
確認日:2026年10月16日。取得は要約経由のものを含みます。原文は、上のリンク先で必ず確かめてください。
ラボの資料は、公式の文書を読んでまとめたもので、実際に使って確かめた記録ではありません。日付や仕様は変わるので、使う前に各ページの出典で確かめてください。事実と「僕らの見立て」は、分けて書いています。