3行でいうと
- 公式サイトの説明では、文字起こしは既定で、自分のMacの中のモデル(WhisperやParakeet)で行われます。公式のヘルプには、既定では文字起こしのデータは端末の外に出ない、とあり、ただし、クラウド文字起こし、DeepLの翻訳、AIのプロンプトを使ったときだけは、外部に送られると書かれています。
- 入口は、Macのアプリです。直接ダウンロード版(Gumroad経由)が「MacWhisper」、Mac App Store版は別名の「Whisper Transcription」で、使える機能が違います。ディクテーション、会議の自動検出などは直接ダウンロード版だけ、と公式にあります。
- 公式サイトは「100以上の言語」と書くだけで、日本語を名指ししていません。日本語が入った一覧があるのは、iPhone版のヘルプです。Mac版の日本語だけを扱った公式ページは、読んだ範囲では見つかりませんでした。
- 無料プランがあり、有料のProは1回払いの買い切りです(確認日の表示は1ライセンス64ユーロ)。無料とProの機能の線引きは、公式サイトの表の取得結果だけでは読み取れませんでした。
- 会議の録音は「ボットは参加しない」と公式にありますが、参加者への通知や同意について書いた箇所は、読んだ範囲では見つかりませんでした。しかも会議録音は「ベータ」で、まれに問題やデータ消失がある、と公式が注意しています。
この記事は、公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。画面名・設定名・金額は公式の表記を写しています。公式のページは要約の形で取得したため、「書かれていない」と言い切らず、「読んだ範囲では見つからなかった」と書いています。精度や速さの数字・ベンチマークは載せていません。
先に結論
- まず決めること。 ①どちらの版を入れるか(直接ダウンロードの「MacWhisper」か、App Storeの「Whisper Transcription」か)、②文字起こしを端末の中だけで行うか、クラウドも使うか、③何を文字にするか(録音ファイル、YouTube、会議、声での入力)、の3つです。
- 端末の外へ出る場面は、公式がリストにしている。 文字起こしそのものは既定でローカルです。外へ出るのは、クラウド文字起こし、DeepLの翻訳、AIのプロンプトを使うとき、とヘルプに書かれています。逆に、この外へ出る場面を使わなければ、公式の説明では端末の中で完結します。
- 「どのOSのバージョンから」は、直接ダウンロード版では確認できていない。 App Store版は macOS 15.0以降と表示されています。直接ダウンロード版の最低バージョンは、公式の資料を読んだ範囲では見つかりませんでした。
- 見立て(公式の推奨ではありません)。 「録音ファイルを文字にしたい」だけなら、無料プランとローカルのモデルで入口を試し、足りない機能が出てから有料を考える流れが、いちばん手前の入口に見えます。
前提:用語をそろえる
- 文字起こし(トランスクリプション):音声を文字にすること。
- Whisper(ウィスパー):公式サイトが挙げる、文字起こしのモデルの名前の1つ。アプリ名の「MacWhisper」とは別で、モデルの名前です。
- Parakeet(パラキート):公式サイトが挙げる、もう1つの文字起こしのモデルの名前。
- WhisperKit:公式のヘルプが説明する、MacWhisperの中のWhisperの新しい動かし方(エンジン)。M系列のMacだけで動く、と書かれています。
- ローカル処理/クラウド処理:ローカルは、自分のMacの中で処理すること。クラウドは、インターネットの先の会社のサーバーで処理すること。
- ディクテーション:話した内容を、文字入力欄にそのまま入れる使い方。
- APIキー:外部のAIサービスを自分のアカウントで使うための「合い鍵」のような文字列。
- Pro:有料の版。公式サイトでは1回払いと書かれています。
どの製品の話か
名前の近いものがいくつかあるので、公式の資料で分けておきます。
| 名前 | 公式の資料に書かれていること | このガイドで扱うか |
|---|---|---|
| MacWhisper(直接ダウンロード版) | macwhisper.com から入手。購入はGumroadまたはApp Store、と公式サイトにあります。1回払いのライセンス | 扱う(これが本題) |
| Whisper Transcription(Mac App Store版) | 公式ヘルプによると、MacWhisperと同じ中核の機能を持つ、App Storeでの名前。直接ダウンロード版だけにあるものとして、どのテキスト欄にも入れるディクテーション、会議の検知と録音の案内、すべてのAI提供元、MDM(会社向けの一括設定)、まとめ買い割引、コマンドライン連携が挙がっている | 違いを説明するために触れる |
| Whisper Transcription(iPhone・iPad版) | 公式ヘルプでは「MacWhisper for iOS」とも呼ばれる。ローカルのモデルは無料、クラウド文字起こしやAI要約は任意の購読 | 参考として触れる(Mac版が主題) |
| OpenAIのWhisper | Gumroadの商品ページには、OpenAIのWhisperなどのモデルを使って文字にする、という説明がある。モデルの名前であり、アプリではない | 扱わない |
| ほかの「Whisper」を名前に含むアプリ | 検索では、似た名前のアプリが見つかります。この記事の対象ではありません | 扱わない |
公式サイトには、MacWhisperになりすました偽サイトがマルウェアを配ることがある、という注意書きもあります。Gumroadでダウンロードを確認したあとに届くリンクからだけインストールするように、と書かれています(App Storeには触れていません)。
どこで使えるか
| 入口 | 公式の資料に書かれていること | 確かさ |
|---|---|---|
| Mac(直接ダウンロード版) | 公式サイトからGumroad経由で入手。最低のmacOSのバージョンは、読んだ範囲では見つからなかった | 書かれている(最低バージョンは確認できず) |
| Mac(App Store版「Whisper Transcription」) | App Storeの表示では「macOS 15.0 or later」 | 書かれている |
| iPhone・iPad | 「Whisper Transcription」。App Storeの表示ではiOS 18.0以降。端末内の文字起こしは、iPhoneは13以降(App Storeの表示)。ヘルプには、15以降が必要で、将来のアップデートで13に下げる予定と書かれている | 書かれている(資料により表記が違う) |
| Windows・Android | 公式の資料では、読んだ範囲で見つからなかった | 確認できず |
- 公式のヘルプ「Transcription Is Slower Than Expected」には、IntelのMacは機械学習の専用部品がなく、端末内の文字起こしがかなり遅くなる、という趣旨が書かれています。その場合はクラウド文字起こしの利用が勧められています。
- WhisperKitのモデルは、M系列のMacだけで動き、Intelでは使えない、と書かれています。
- 公式サイトの別のページには、MediumとLargeのモデルは、Macのメモリが8GBを超えると望ましい、という趣旨の記述があります。ただしそのページの一部は仮の文章のままで、取得結果の信頼度は高くありません。
- コマンドラインのツール(
mw)のページには、「Appleのオンデバイスのモデルは macOS 26以降が必要」と書かれています。
日本語は使えるのか(公式の表記)
- 公式サイトのトップには「Over 100 languages」(100以上の言語)と書かれ、文字起こしの結果や字幕の翻訳もできる、とあります。
- iPhone版のヘルプには、対応言語の一覧があり、その中に日本語が入っています。ただしこれはiOS版のページです。
- なお、App Storeの掲載(Apple、Whisper Transcription)では、情報欄の「言語」に日本語を含む9言語が挙がっています。この欄が何の言語を指すかは、ページに書かれていません。説明文には、100の言語の音声を文字起こしできる、とあります。
- コマンドラインのツールでは、言語の指定に、ISOの言語コード、
auto(自動)、multilingual(多言語)が使える、と書かれています。 - 公式のヘルプ「Multiple languages in a file」には、1つのファイルに複数の言語が混ざっていると、1回では文字にできないと書かれています(2025年7月更新と表示)。言語ごとに2回に分けて文字にするよう勧められています。
- 「Chinese Simplified and Traditional Troubleshooting」という記事の題名があり、中国語の簡体・繁体には固有の注意があるようです。中身は読んでいません。
無料と有料
公式サイト macwhisper.com の料金の表示です(確認日2026年10月23日。金額はユーロ表示で、変わることがあります)。
| プラン | 公式のページに書かれていること |
|---|---|
| MacWhisper Free | 月0ユーロ。「Free forever」と表示されています |
| MacWhisper Pro | 1ライセンス64ユーロ。1回払い(「Pay Once」)で、「lifetime updates」が含まれる、と表示されています |
- 公式のヘルプによると、直接ダウンロード版は、1回払いの買い切りのライセンスで、すべての機能が使えます。5、10、20、50ライセンスのまとめ買いもあり、学生・ジャーナリスト・非営利団体には、希望すると25%引きがある、と書かれています。
- Mac App Store版は、ヘルプによると週・月・年の購読(アプリ内課金)で、ライセンスキーの入力欄はありません(ただしApp Storeの表示には「Pro Lifetime」という名前の項目もあり、食い違いがあります)。直接ダウンロード版のライセンスキーは、App Store版では使えない、と書かれています。
- 無料とProの機能の線引きは、公式サイトの2つの機能リストを取得しても、どちらが無料かを確かに読み取れませんでした。個別のヘルプには、次のように書かれています。ウォッチフォルダー(フォルダーの自動文字起こし)と外部サービスとの連携はPro、コマンドラインの
jsonmdhtmlavid形式はPro、txtsrtvttcsvは無料です。AI機能(ディクテーションのAIプロンプトなど)は、自分のAPIキーとProのライセンスが要る、と書かれています。 - 利用規約(2024年3月14日更新と表示)には、Proは更新式の購読か1回払いで全機能を開放する、とあり、ProではTiny(英語のみ)、Medium、Largeの品質モードが開く、とあります。今の料金や機能の書き方と違っている可能性があり、この点は古い記述かもしれません。
- Gumroadの商品ページの表示は0.0ユーロでした。無料版のダウンロード用の掲載とみられますが、ページには説明がなく、確かめきれていません。
データの扱い:音声と文字起こしの結果はどこへ行くか
公式の資料の書き方を、場面ごとに分けて書きます。
既定は、端末の中 - 公式ヘルプ「Keeping Transcriptions Private」(2025年7月27日更新と表示)には、既定では、話者の識別も含めて、文字起こしはMacやiPhoneの中で行われ、データは端末の外に出ない、と書かれています。MacWhisperが文字起こしのモデル(WhisperやParakeet)をダウンロードして、端末の中でファイルを処理します。 - 公式サイトにも、ローカルで処理するので、データがMacの外に出ない、という趣旨の表示があります。
端末の外へ出る場面(使ったときだけ) - クラウド文字起こし(Groq、ElevenLabs、Deepgramなど):音声が提供元のサーバーに送られ、結果が戻ります。 - DeepLの翻訳:文字起こしの文章がDeepLのサーバーに送られます。 - AIのプロンプト:文字起こしの文章が、AIサービスの提供元(OpenAI、Anthropicなど)に送られます。 - 例外:OllamaやLM StudioなどのローカルのAIは、Macの中で動くので、AIの応答にインターネットは要りません。
公式がはっきり書いていないこと - 音声や文字がAIの学習に使われるかどうかは、MacWhisperの資料を読んだ範囲では、書かれていませんでした。外部の提供元に送る場合は、その提供元の規約が関わります。 - 保存の期間や暗号化、提供元がどう扱うかも、プライバシーのヘルプには書かれていませんでした。 - プライバシーポリシー(2024年2月14日更新と表示)には、「音声、文字、その他のデータは端末の外に出ない」という趣旨と、ライセンスの状態に結びついた匿名の分析イベントを送ることがある、という趣旨が書かれています。このポリシーの日付は、クラウド文字起こしなどの機能が書かれた現在のヘルプより古く、どちらを基準に読むかは、確認が必要です。 - App Store版のアプリの表示(開発元が自己申告)には、「使用状況データ」を分析のために集める、とあり、あなたと結びついたデータの種別は挙がっていません。 - 法人向けの設定(MDM)のヘルプには、匿名の使用状況の分析を許可するかを管理者が決められ、既定ではオン、と書かれています。
もう1つの注意:Assistant(App Store版の任意の購読) - ヘルプによると、Assistantのクラウド文字起こしは、文字にする音声・動画のファイルを、開発元のサーバーに送ります。公式は「機密データには使わないように」という趣旨を書いています。
使い方の入口:どのアプリに入るか、ファイルは読み込めるか
- 録音ファイルを読み込む。 公式サイトによると、対応する入力の形式は mp3、wav、m4a、ogg、opus、mov、mp4 です。ファイルをドラッグ&ドロップして文字にします。複数のファイルをまとめて処理する「バッチ」もあります(02で扱います)。
- URLから。 YouTubeなどのURLを入れて文字にできる、と公式サイトにあります。ヘルプには、年齢制限のある動画や、一部のライブ・地域限定の動画は、YouTube側の制限で使えないとあります。
- マイクや、アプリの音声。 公式サイトに、Macのマイクとアプリの音声(App Audio)から録音できる、とあります。
- 声での入力。 「any text field」(どの文字入力欄にも)直接入れられる、と公式のヘルプにあります。ただし、使えるアプリの一覧は載っていません。この機能は、直接ダウンロード版だけで、App Store版にはありません。
- 会議の録音。 公式ヘルプによると、Arc、Brave、Chime、Chrome、Discord、Edge、Firefox、Safari、Skype、Slack、Teams、Telegram、WhatsApp、Webex、Zoom を検知します。FaceTimeは、macOSのプライバシーの制限で対象外です。
会議の録音に関する公式の注意
- 公式サイトには「No bots joining」(ボットは参加しない)とあります。録音は自分のMacの上で行われます。
- 公式ヘルプ「Automatic Meetings Recordings with MacWhisper」には、必要な許可として「Screen Recording(画面収録)」と「Microphone(マイク)」が挙げられています。自動の検知の通知は、直接ダウンロード版だけです。
- この機能は「ベータ」で、まれな問題やデータ消失がありうるため、大事な会議は手動で録音するよう勧められています。
- 他の参加者への通知や、同意を得ることについては、このヘルプにも、読んだ範囲の他のページにも、書かれていませんでした。
- 見立てとして、ボットが入らないぶん、相手には録音が見えにくい可能性があります。主催者の決まり、勤め先や学校の規則、地域の法律を、自分で確認する必要があります。この記事は法律の助言ではありません。
最初に決めること
- どちらの版か。 ディクテーションや会議の自動検知がほしいなら直接ダウンロード版、という書き方が公式にあります。
- ローカルだけにするか。 クラウド文字起こしやAIを使うほど、データの行き先が増えます。使う前に、行き先のリストを確認してください。
- 使うMacのチップ。 M系列かIntelかで、使えるモデルと速さが変わると、公式のヘルプにあります。
- 日本語で使うなら、言語の設定を確認。 公式の資料だけでは、日本語の細かい動きは確認できていません。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。公式のページを要約の形で読んだ範囲です。画面の名前や機能は、版によって変わることがあります。
- 公式のヘルプの記事ごとに、更新の時期に差があります。古い記事(たとえばグローバル機能やディクテーションの記事)は、今の機能や対応サービスと合っていない可能性があります。
- 公式サイトの「System Requirements」「Refund policy」「Data Privacy」などのFAQは、題名だけで中身を取得できませんでした。最低のmacOS、返金、保存の詳細は、購入前に公式で確かめてください。
- 精度(どれくらい正しく文字になるか)は、公式の利用規約にも、100%正確とは限らない、という趣旨があります。大事な内容は、自分で読み返す前提で使ってください。
- 他人の声を録音・文字起こしするときは、同意や規則を、自分で確認してください。この記事は法律の助言ではありません。
出典
- MacWhisper(公式サイト、確認日 2026-10-23)
- Dictation that works anywhere - MacWhisper(公式サイト、確認日 2026-10-23)
- Privacy Policy - MacWhisper(公式サイト、2024年2月14日更新と表示、確認日 2026-10-23)
- Terms of Service - MacWhisper(公式サイト、2024年3月14日更新と表示、確認日 2026-10-23)
- MacWhisper & Whisper Transcription Difference(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- Keeping Transcriptions Private(MacWhisper Support、2025年7月27日更新と表示、確認日 2026-10-23)
- Automatic Meetings Recordings with MacWhisper(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- How to use the Dictation feature(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- Switching to a WhisperKit model(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- Transcription Is Slower Than Expected(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- Multiple languages in a file(MacWhisper Support、2025年7月15日更新と表示、確認日 2026-10-23)
- How to transcribe YouTube videos(MacWhisper Support、2025年7月15日更新と表示、確認日 2026-10-23)
- MacWhisper for iOS(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- MacWhisper Command-Line Tool(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- Assistant(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- Deploying MacWhisper with MDM(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- Automatically Transcribing Files in Watch Folders(MacWhisper Support、確認日 2026-10-23)
- Whisper Transcription - App Store(Apple、確認日 2026-10-23)
- MacWhisper(Gumroad の商品ページ、確認日 2026-10-23)