3行でいうと

  • 基本の1周は、公式の「Your first 3-agent session」にあります。リポジトリを追加し、worktreeを作り、エージェントを選び、同じ依頼を3つのworktreeに貼って、差分を比べ、よいものをコミットして、残りを消します。
  • レビューは「Annotate AI Diff」です。差分の行にコメントを付けて、まとめて1つの依頼としてエージェントに送ります。
  • 画面の不具合は「Design Mode」で、部品を指すと、そのHTML・CSS・切り抜きの画像などが、エージェントに添付されます。
  • 完了・入力待ちは、状態の点、通知、ヘッダーのベルで分かります。
  • worktreeを消すと、ブランチも消えます。残したい作業は、先にコミットとプッシュをします。

この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。運営者は Orca を入れていますが、使い心地はこの記事には書いていません。手順は「公式の手順を順に並べたもの」です。例の依頼文は、すべて「この記事の例」で、公式の例ではなく、動作は確かめていません。公式に書かれていない画面経路やボタン名は、「公式で確認できていない」と書きます。

先に結論

前提:用語をそろえる

たとえ話:3人に同じ宿題を出して、答えを見比べる

同じ宿題を、別々の机で3人に解かせて、いちばんよい答案を採用する、というイメージです。机がworktree、答案が差分です。これは僕らの言い方で、公式の表現ではありません。

最初の1時間の順番(この記事の案)

下の表は、公式の手順を並べ直した、この記事の案です。公式がこの時間配分を書いているわけではありません。

目安 やること この記事の場面
0〜10分 小さなリポジトリを追加し、worktreeを1つ作って、エージェントを1体動かす 場面1
10〜25分 同じ依頼を3つのworktreeに貼って、画面を分割して見比べる 場面2、場面3
25〜40分 差分を開き、行ごとにコメントを付けて、エージェントに返す 場面4
40〜50分 最もよいものをコミットしてプッシュする。残りを消す 場面5、場面10
50〜60分 余裕があれば、Design Mode、issueから始める、Quick Commands 場面6〜8

場面1:リポジトリを追加して、1体で動かす

  1. サイドバーの「Add Repo」で、ローカルのチェックアウトを選びます。リポジトリがサイドバーに出ます。
  2. リポジトリ名の横の「+」を押します。
  3. 作業の名前を入れます。空なら、Orcaが名前を作ります。
  4. ランチャーで、エージェントと、start-fromの参照(通常 origin/main)を選び、作成します。
  5. worktreeが開き、エージェントがworktreeのフォルダで起動します(Blank Terminalを選んだなら、普通のシェル)。
  6. 依頼を入力します。この記事の例:
src の中で、使われていない関数を探して、一覧にして。まだ何も変更しないで。
  1. 状態の点で、作業中か、終わったかを見ます。
  2. 終わったら、worktreeの差分の画面を開きます。「何も変更しないで」と頼んだので、差分が空であることを確かめられます(この例の目的は、エージェントが動く流れを見ることです)。

メモ。 新しい起動では、許可の確認を省くフラグが事前入力される、と公式の「Supported agents」が書いています(05)。依頼の内容によって、ファイルの書き換えやコマンドの実行が起きます。最初の依頼は、書き換えを伴わないものにする、という選び方もあります(この記事の案)。

場面2:同じ依頼を3つのエージェントに貼って、並べる

公式の「Your first 3-agent session」の手順です(ドキュメントの目次にはRecipesの「Race three agents on the same task」もありますが、本文は読んでいません)。

  1. 場面1と同じ要領で、worktreeを3つ作ります。公式の例は、fix-login-race(Claude Code)、fix-login-race-2(Codex)、fix-login-race-3(Cursor CLI)です。
  2. 3つのターミナルに、同じ依頼を貼ります。公式のページは、依頼の文面を載せていません。この記事の例:
ログインのとき、同時に2回ボタンを押すと、2回リクエストが飛びます。原因を調べて、最小の修正を入れて。テストがあれば足して。
  1. 結果:3つのブランチと、3つの差分ができます。
  2. 3つのエージェントを同時に見るには、worktreeのタブを、ペインの右の端か下の端へドラッグします(次の場面)。

使うエージェントの契約や料金は、Orcaとは別です(01、04)。

場面3:画面を分けて、状態と通知を見る

3-A:並べる

3-B:状態を読む

公式の「Agents & sessions」の説明です。

印 意味
スピナー 作業中
琥珀の「?」 許可や入力を待っている(サイドバーの「Needs You」の数も同じ印)
エメラルドのチェック(ダッシュボード)/点(サイドバー) 完了、または静かに動作中
赤い点 止まった、中断、失敗
灰色の点 待機
印なし 普通のシェル、またはOrcaが知らないCLI

3-C:通知

公式の「Notifications & Inbox」によると、次のとおりです。

場面4:差分を読んで、行ごとにコメントを返す

公式の「Annotate AI Diff」の手順です。

  1. worktreeの差分の画面を開きます。
  2. 気になる行にマウスを置くと、左の余白に「+」が出ます。複数行は、隣り合う行をドラッグするか、Shift を押しながら範囲を広げます(範囲は、同じ変更のかたまり=hunkの中に収まります)。
  3. 「+」を押すか、カーソルをその行に置いて c を押します。
  4. コメントを書きます。Markdownが使えます。
  5. Enter か Cmd/Ctrl-Enter で保存します。Shift-Enter は改行、Esc は取り消しです。
  6. コメントを付け終えたら、差分の上部の「Send to agent」を押します。
  7. Orcaが、全部のコメントを、行ごとの位置つきで、1つの依頼にまとめます。
  8. 「Send notes to」のメニューが開きます。そのworktreeで使えるエージェントを選ぶか、同じメニューから新しいエージェントを起動します。

例のコメント(この記事の例):

この関数は、引数が空のときに例外になりそう。空のときは何もしないで戻るようにして。

場面5:コミットして、プッシュして、PRを作る

公式の「Commit & push from Orca」の手順です。

  1. 差分から、hunk単位かファイル単位でステージします。「Stage all」は、一覧が切り詰められていても、全部をステージします。
  2. 下のパネルにコミットメッセージを書くか、「Generate with AI」を押すと、Orcaがステージ済みの変更から下書きを作ります。
  3. 「Commit」を押します。Cmd-Enter(macOS)、Ctrl-Enter(Windows/Linux)でもできます(フォーカスがSource Controlにあり、主なボタンがCommitのとき)。
  4. リポジトリのコミット前フックは、普通に動きます。失敗すると、出力がその場に出ます。「Fix with AI」を押すと、既定のエージェントが、フックの出力、試したメッセージ、ステージ済みのファイルの一覧つきで起動します。公式は、エージェントに頼むのは直すことだけで、フックを回避したり、コミットやプッシュ、レビューの作成はさせない、と書いています。
  5. 「Push」で、worktreeのブランチを origin に送ります。最初のプッシュで、上流の設定もします。ブランチが遅れているとき、Orcaは黙って強制プッシュはしません。
  6. 履歴を書き換えたあとは、別の操作として「Force push with lease」が出ます(--force-with-lease)。
  7. プッシュのあと、Source Controlのパネルで、PR(またはMR)を作る操作を選びます。ベースのブランチ、題名、説明、下書きかどうかを確かめます。
  8. 「Generate pull request details with AI」で、題名・説明・下書きの状態を、ブランチの差分とコミットから下書きできます。空の説明は、Orcaが受け付けません。
  9. GitHubで、ベースにすでに開いているPRがあるときは、「Stack this PR above #N」が選べます。Bitbucket Cloudには下書きのPRがないので、Draftの項目は出ません。

AIで下書きを作る操作(「Generate with AI」「Fix with AI」「Resolve with AI」など)は、それぞれ「action recipe」(使うエージェント、引数、依頼のひな形)で動きます。編集する場所は、「Settings → Git & Source Control → Action recipes」と書かれています(全体でもリポジトリごとでも)。設定の一覧のページでは、「Git & Source Control」の「Repository」の項に、コミットメッセージ・PRの内容・ブランチ名の「Source Control AI overrides」という名前で載っています。この2つの表記の関係は、読んだ範囲では確認できていません。

マージの競合:「Resolve with AI」か「Review conflicts」を使います。止めるには「Abort merge」「Abort rebase」です。

場面6:画面の不具合を、部品を指して直させる(Design Mode)

公式の「Design Mode」の手順です。

  1. worktreeで、アプリを動かします(開発用のサーバーなど。起動の方法は、あなたのプロジェクト次第です)。
  2. Orcaの組み込みのブラウザで、そのページを開きます。ブラウザは、worktreeごとのタブです。
  3. ブラウザのツールバーの「Design Mode」のトグルを入れます。カーソルが選択のポインタになり、部品が強調表示されます。
  4. 直したい部品をクリックします。
  5. 部品の情報が、1つの添付として、動いているエージェントのターミナルに送られます。内容は、部品のHTML(まわりの少しも含む)、計算されたCSS(色、フォント、余白)、部品の切り抜きの画像、(開発用のソースマップがあれば)ソースのファイルと行、です。
  6. そのあと、直してほしい内容を打ちます。この記事の例:
この見出しの文字が、スマホの幅で2行にはみ出します。1行に収まるように、フォントサイズか余白を直して。
  1. 「Annotation tray」には、送る前にメモを何個か溜められます。メモは「Edit」で直し、「Save」「Cancel」で終えます。送ったあとは、送ったメモが消えます。
  2. 「Annotate page element」は、設定の「Shortcuts」で割り当て直せる操作です。

devtoolsを許す設定や、上限については、取得したDesign Modeのページには書かれていませんでした。

場面7:issueやチケットから作業を始める

7-A:GitHub

7-B:Linear

  1. 「Settings → Integrations → Linear」を開きます。
  2. 個人のAPIトークンを貼ります。トークンの作り方は、Orcaのページには書かれていません(Linear側の「Settings → API」へのリンクだけがあります)。
  3. 見たいチームを選びます。
  4. タスクのドロワーに、GitHubとLinearのissueが一緒に並びます。issueから、worktreeを作れます。Linearがissueのブランチ名を出していれば、それがworktreeのブランチに使われます(出していないときの動きは、読んだページには書かれていません)。
  5. エージェントをLinearのissueから起動すると、説明、コメント、サブissueの画像やメディアが、依頼の文脈に入ります。

トークンのスコープ、保存場所、外し方は、Linearのページに書かれていません。連携の詳細は07にあります。

場面8:ターミナルを使いこなす

公式の「Terminal」のページから、手を動かす場面で使うものだけ拾います。

やりたいこと 公式の記載
新しいターミナルのタブ Cmd-T
既定のエージェントで新しいタブ Cmd-Alt-T(macOS)。LinuxとWindowsは、割り当てがないので、「Settings → Shortcuts」で「New agent tab」を割り当てる
タブを閉じる Cmd-W
右に分割/下に分割 Cmd-\/Cmd-Shift-\
スクロールバックの検索 Cmd-F。大文字小文字、正規表現、一致の移動に対応。Escape で閉じる
固まったキーやマウスのモードを直す 右クリック → 「Reset Terminal」(Shift+Enter などが効かなくなったとき)
画面のやり取りを丸ごと写す 右クリック → 「Copy Context」(そのペインの記録を、上限つきでコピー)
ファイルをエージェントに渡す ファイルをターミナルにドロップすると、パスがプロンプトに貼られる。macOSのスクリーンショットのサムネイルは、ローカルのClaude Codeのターミナルか、新規workspaceの画面にドロップできる
どのworktreeからでも使うシェル 「Floating terminal」。Cmd+Option+A(macOS)、Ctrl+Alt+A(Linux/Windows)。新しいインストールで既定でオン。始まりのフォルダは ~
よく打つコマンドや依頼文を保存 「Settings → Quick Commands」か、タブバーの「Add command」。ラベル、コマンド、範囲(GlobalかProject)を決める。使うときは、worktreeのタブバーのQuick Commandsのボタン

リンクの扱い:ターミナルのURLやファイルのパスは、普通にクリックすると、小さなメニュー(「Orca Browser」「System Browser」「Copy link」)が出ます。Cmd(Windows/Linuxは Ctrl)を押しながらクリックすると、直接開きます。「Settings → Browser → Terminal URL clicks」で、動きを変えられます。

macOSの日本語(JIS)キーボードでは、「Settings → Terminal → JIS Yen (¥) to Backslash ()」で、円記号のキーからバックスラッシュを送れます。

場面9:離れた場所から見る(SSHとスマホ)

9-A:SSH先のマシンで動かす

公式の「SSH worktrees」の手順です。

  1. 「Settings → SSH」で「Add Target」を押します。
  2. ホスト、ユーザー、ポート、(あれば)鍵のファイルを入れます。~/.ssh/config から選んで、項目を埋めることもできます。
  3. 「Test」で接続を確かめ、「Save」します。
  4. worktreeを作るとき、「Local」の代わりに、SSH先を選びます。
  5. gitのworktreeが遠隔のホストにでき、エージェントも遠隔で動きます。エディタ、差分、ブラウザは、手元のように使えます。
  6. 回線が切れても、エージェントは止まりません。Orcaが再接続して、つなぎ直します。同じworktreeで2つ目のエージェントを起動する前に、ホストの状態を確かめます。

初回の接続で、Orcaが、そのホストに、固定されたOrcaのサーバーを入れます。その設定を切る項目は、公式にありません(07、04)。

9-B:スマホで見る(beta)

公式の「Mobile companion」の手順です。

  1. デスクトップで、アカウントかステータスのメニューから、ペアリングを開きます。1回限りのコードが出ます(QRコードは、そのページに書かれていません)。
  2. スマホのOrcaで「Pair」を選び、コードを貼ります。コードは、数分で切れます。
  3. スマホで、worktree、エージェントの状態、ターミナルのスクロールバックを見て、返事を送れます。完全なエディタではありません。
  4. エージェントの完了は、スマホにプッシュ通知されます。
  5. 「Orca Relay」を使う経路は、サインインが要り、デスクトップとスマホは、同じOrcaのアカウントでサインインします。LANの直接接続は、アドレスが要ります。

場面10:片づける

  1. 残したい作業を、コミットしてプッシュします。
  2. 不要なworktreeを消します。右クリックでアーカイブ、スリープ、削除。キーボードは Cmd-Shift-Backspace(macOS)、Ctrl-Shift-Backspace(Windows/Linux)で、確認が出ます。
  3. 削除は、worktreeのフォルダと、そのブランチを消します。gitが消しきれないときは、workspaceが残り、「Force Delete」が出ます。未マージの可能性があるローカルブランチをgitが残したときは、「Review N Branches」のトーストが出ます。
  4. まとめて見て消すなら、「Resource Manager」の「Clean up workspaces」です。
  5. 「Sleep with Descendants」「Delete with Descendants…」は、入れ子にした子のworkspaceまで対象にします。

気をつけること

出典