3行でいうと

  • 基本の流れは、プロンプトを書く、START を押す、デッキで聞いて調整する、必要なら新しい音を足す、書き出す、の順です(公式ヘルプ「How to use Stable Audio」)。
  • 新しい音を作る操作(ADD TRACK、REGENERATE、REPLACE SECTION、EXTEND)にはクレジットがかかり、再生・ミックス・書き出しは無料と、公式は書いています。
  • プロンプトは、ジャンル、主な楽器、雰囲気、細部、の順に書くのが、公式の案内です。
  • 公式の画面の説明はページ同士で違う所があります(トラックの上限が4か11か、など)。この記事は両方を併記しました。
  • 手元で動かす場合は、stable-audio-3 のCLIとPythonの例が公式READMEにあります。

この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。

手順は「公式の手順を順に並べたもの」です。プロンプトの例は「この記事の例」と明記し、生成結果がどうなるかは確かめていません。画面の表記は更新で変わるので、手元の画面と照らして読んでください。入れ方は05、できることの全体は02を参照してください。

先に結論

前提:用語をそろえる

場面1:最初の1曲を作る(FULL MIX)

画面の呼び名は、公式のヘルプ「How to use Stable Audio」と「Dashboard & Core Workspace」の両方から取ります。

  1. stableaudio.com にサインインして、プロンプトの入力欄がある画面を開く(サインインは05の手順A)。
  2. 入力欄に文章を書く。何を書けばよいか決まらないときは、Inspiration Card(サンプルのカード)を押すと、入力欄が埋まる。「shuffle samples」でカードが入れ替わる(Dashboardのヘルプ)。
  3. 出力の種類で FULL MIX を選ぶ。ヘルプによれば、プロンプトはそのままモデルに渡り、1本の曲として返ります。
  4. 長さを選ぶ。How to useのヘルプは AUTO、0:30(ループ)、1:00(short)、1:30(song)、3:00(extended)。長いものは生成に時間がかかる、と書かれています。
  5. START → を押す(⌘ + Enter または Ctrl + Enter)。
  6. 何が返ってくるか:デッキに波形つきのトラックが1行できます。再生して聞きます。残りクレジットは、画面左下(Credits Counter)で見られます。FULL MIXの開始は4クレジットです。

この記事の例(プロンプト)。 公式のプロンプトガイドの順(ジャンル、楽器、雰囲気、細部)に合わせて組んだものです。

Lo-fi hip hop instrumental, mellow electric piano, dusty drums, soft vinyl crackle, relaxed late-night mood, 80 BPM

公式ガイドが挙げるコツを、表にします。

コツ 公式の書き方(要点)
順番 ジャンル、主な楽器、雰囲気、細部、追加の指示の順。「Order matters」と書かれています(2.5のガイド)
基本の部品 ジャンル、テンポ(BPM)、全体の雰囲気がないと、結果が「もっとランダム」になる(2.5のガイド)
ジャンルとBPM 遅いバラードやブルースは60〜80、ディスコやテクノは120〜140、ダブステップやメタルは140〜160と例示(2.5のガイド)
気分の言葉 「happy」より「euphoric」、「sad」より「melancholic」のように、具体的な語を選ぶ(2.5のガイド)
使う場面 映画の場面やクラブなど、どこで鳴るかを書く(3のガイド)
避けること 実在の人物名を「〜風」と指名する書き方は、フラグが立つか止められると、公式ヘルプにあります

3のガイドには、TrackType: Music、TrackType: Instrument、TrackType: SFX、Format: Duo、Genre: Funk という、任意のタグも載っています。毎回は要らない、と書かれています。

場面2:聞いて、気に入らない所を直す

2-1 無料でできる調整

公式のヘルプによれば、次は無料です。

2-2 クレジットがかかる操作

ボタン 公式の説明 クレジット
ADD TRACK 既存のトラックと一緒に鳴る新しいパートを足す 4
REGENERATE 1つのトラックだけを録り直す。ほかは触らない 4
REPLACE SECTION 1つのトラックの、選んだ時間範囲だけを録り直す 4
EXTEND トラックを終わりの先まで続ける 4

失敗した生成には課金されません。残高がなくなっても、再生、ミックス、編集、書き出しは続けられる、と書かれています。

2-3 手順:1つのトラックだけ録り直す

  1. デッキで、直したいトラックの行を選ぶ。
  2. REGENERATE を押す(4クレジット)。
  3. ヘルプによれば、そのトラックだけが録り直され、ほかのトラックはそのまま残る。

2-4 手順:話しかけて直す(Producer chat)

ヘルプによれば、デッキの横にチャットの窓があり、「ドラムが忙しすぎる」のように普通の言葉で頼めます。

  1. 窓に頼みを入力する。入門ガイドの例は「Pull the low end back, there's dialogue over this.」と「Too warm. Colder, more clinical.」。
  2. 返ってくるもの:答えが返るか、操作が始まります(追加、再生成、アレンジの作成)。始まった操作は、ボタンを押したときと同じようにデッキに現れ、同じクレジットがかかります。質問だけなら生成は始まりません。

(入門ガイドは、この窓を「left sidebar」にあると書いています。How to useは「デッキの横」です。)

この記事の例(Producer chatへの頼み)。

ドラムを少し控えめにして、ピアノを前に出してください

日本語で通じるかどうかは、読んだ資料では確認できていません。通じなければ英語で書いてください。

場面3:パートごとに作る(MULTI-TRACK)

  1. 出力の種類で MULTI-TRACK(experimental)を選ぶ。ヘルプによれば、エージェントが編成を考え、各パートを別のトラックに録る。依頼していない判断をすることがある、とも書かれています。
  2. 長さを選び、START を押す。開始は6クレジットで、トラックが何本返っても1回分です。
  3. 返ってくるもの:パートごとの行です。各行に波形、音量、パン、M、S が付きます。
  4. TEMPO + KEY で、ファイルを付けて、検出されたテンポとキーに合わせさせることができます。MULTI-TRACKのときだけ働き、音そのものは生成に使われない(テンポとキーが同じになるだけ)と書かれています。

トラックの上限は、資料によって違います。

ページ 書いてあること
How to use Stable Audio セッションに有効なトラックは4つ。埋まったら、2本以上を CONSOLIDATE(まとめる)して空きを作る
Multitrack Editor & Session View タイムラインは最大11トラック(01〜11)。空きの枠に + ADD STEM が出る
Make your first mix(入門ガイド) 4つの枠。埋まったら、2本以上を選んで BOUNCE する

食い違う理由は、公式の資料では確認できていません。画面が更新されている途中か、別の画面(デッキとSession View)の話かもしれませんが、これは推測です。

3-1 Session View(マルチトラック画面)の使い方

公式のヘルプ「Multitrack Editor & Session View」の流れです。

  1. ST-1で FULL MIX かトラックを作ると、プロンプトの画面からMultitrack Session Viewへ移る。
  2. 上の見出しで、タイトルと KEY、SIG、LEN、MODEL を確かめる。右上に FEEDBACK、SHARE、+ NEW。
  3. 左のサイドバーで操作する。
操作 入力する物
+ STEM 3つのモード DEVELOP、BLEND、CONTRAST から選んで、層を足す
INPAINT PROMPT(埋める音の説明)、STRENGTH(SUBTLE は連続性を保つ、STRONG はプロンプト寄り)、REGION (SECONDS)(開始と終了)。+ Advanced に STEPS と SEED
EXTEND LANE(トラックを選ぶ)、EXTEND BY(4s、8s、16s、32s)、PROMPT (OPTIONAL)(つなぎの説明。空なら既存の素材に従う)
Producer Chat 「Ask the producer anything」欄に自然な言葉で入れる
  1. チャンネルストリップ(トラックの行)の部品:M/S、GAIN(dB)、PAN、ADD FX、SEED・STEPS・PROMPT(そのステムの生成条件を見る・変える)、[RESET](元のプロンプトに戻す)、[REGEN](そのステムを録り直す)。
  2. タイムラインの下の Tape Ops の UNDO:InpaintやExtendを元に戻します。

場面4:切り貼りと効果(無料の編集)

4-1 テープ編集とスプライス

How to useのヘルプは、次を無料で、すぐ反映されると書いています。

入門ガイドは、同じ編集を「範囲を選び、CUT/COPY/PASTEを使い、最後に PRINT を押して反映する。TRACKかALLを選ぶ」という流れで書いています。「すぐ反映」と「PRINTで反映」が両方書かれており、違いの理由は読んだ範囲では分かりません。手元の画面で確かめてください。

Session Viewの下のTape Opsツールバー(ヘルプ「Tape Ops, Transport & Master Bus Controls」)には、次の部品があります。

部品 内容
BOUNCE ▾ TO LANE(新しいトラックに書き出す)、MIXDOWN(ミュートしていないトラックを1つのステレオに)、STEMS(トラックごとに書き出す)、NORM(正規化のオン/オフ)
LOOP ▾ IN/OUT、SET RANGE、CLEAR
SPLICE ▾ TRACK か ALL、CUT/COPY/PASTE、AT PLAYHEAD ▾、ADV ▾(LIFT、CUT REEL)
UNDO 直前の編集や生成を戻す。⌘ + Z(macOS)/Ctrl + Z(Windows/Linux)
トランスポート 先頭へ、再生、停止、末尾へ、全体ループ。BPM、WOW(ピッチの揺れ)、SPEED
マスター GAIN、FX の連なり、OUT L / R のメーター

4-2 エフェクトを足す

公式のヘルプ「Track FX & Audio Processing」の手順です。

  1. Session Viewで、効果をかけたいトラックの行を探す。
  2. チャンネルストリップの ADD FX を押す。
  3. 右に FX TRACK [XX] のパネルが開く。
  4. 一覧から選ぶ:ECHO(テンポに合う反復)、PLATE(プレート・リバーブ)、SAT(テープ風の歪み)、LO(ハイパス)、HI(ローパス)、CHR(コーラス)、BITS(ビットクラッシャー)。
  5. 自作の効果は、FAUSTという言語で書けます。「custom FAUST effect」欄に説明かコードを入れ、GEN を押すとコンパイルされてトラックに適用される、と書かれています。+ で枠を増やすと、連なりを作れます。X はパネルを最小化(ヘルプの表記は minimizes)する操作で、効果は有効なままだと書かれています。

How to useのヘルプは、効果は聞きながら使える非破壊の処理で、外せば元の音に戻り、バウンスや書き出しのときに音に焼き込まれる、と書いています。一方、FXのヘルプには、各効果の調整つまみの説明と、書き出し時の扱いの記載がありません。無料かどうかも書かれていません(How to useは効果を「無料」の欄に入れています)。

場面5:書き出す・共有する

入門ガイドの「Bounce and export」の手順です。

  1. 書き出したい状態にする(ミュートしたトラックは、MIXDOWNに入りません。Tape Opsのヘルプ)。
  2. 全体を1本のWAVにするなら MIXDOWN。入門ガイドは「フルセッションを1本のWAVとしてダウンロード」と書いています。
  3. パートごとなら STEMS。入門ガイドは、各トラックをZIPでダウンロードと書いています。
  4. NORM で、正規化するか、デッキの音量のままにするかを切り替えます。
  5. 他の人に聞かせるなら SHARE。セッションへのリンクがコピーされます。

How to useのヘルプには、書き出しの形式が書かれていません。WAV以外の形式(MP3など)は、読んだ範囲では確認できていません。

BOUNCE / CONSOLIDATE は、複数のトラックを1つにまとめる操作で、音量、パン、効果が焼き込まれます。UNDO BOUNCE は1時間のあいだ、1回だけ元に戻せます。テイクを切り替えるかページを再読み込みすると失われる、とHow to useのヘルプに書かれています。

場面6:効果音を作る

公式の3のプロンプトガイドの書き方です。

この記事の例(プロンプト)。

A short wooden door creak, slow opening, close microphone, small quiet room

3のガイドは、効果音の例として「a blunt, powerful 'thud' made by slamming a wooden desk drawer shut」のような短い文を挙げています。

ウェブアプリで効果音を作る専用の画面があるかは、読んだ範囲では確認できていません。プラグインに同梱のモデル「SA3 SFX」と、公開モデルの「small-sfx」があります(05参照)。

場面7:手元のパソコンで動かす

05の手順Cで環境を作った人向けです。コマンドは、取得したREADMEの要約からの写しです。原文を見て確かめてください。

7-1 コマンドラインで曲を作る

stable-audio --model small-music -p "lo-fi hip hop beat, 90 BPM" --duration 30 -o beat.wav

返ってくるもの:beat.wav というファイルです。

7-2 元の音を使って作る(音声から音声へ)

READMEのCLIの例には、元の音を渡す形が2つあります。

stable-audio -p "bossa nova bassline" --init-audio input.wav --init-noise-level 0.8 -o out.wav
stable-audio -p "punchy kick drum fill" --inpaint-audio input.wav --inpaint-start 4 --inpaint-end 8 -o out.wav

1行目は元の音から作り直す形(--init-noise-level)、2行目は4秒から8秒の部分だけを作り直す形(インペイント)です。公式の3のプロンプトガイドは、noise levelを0.3〜0.9あたりで、低いほど元の音が残り、高いほど変わる、と書いています。「noise level」は音量ではなく、拡散の過程が元の音をどれだけ変えるかのことだ、とも書かれています。

7-3 Gradioの画面で

uv run python run_gradio.py --model medium

READMEによれば、これでGradioの画面が立ち上がります。LoRA(自分の音で調整した追加ファイル)を使うなら、--lora-ckpt-path を付けます。

7-4 LoRAを学習する(上級者向け)

公式の docs/workflows/lora.md に、学習の手順があります。要点だけを並べます。

場面8:DAWの中で使う

プラグイン(beta)の使い方は、stableaudio.com/plugin の説明に「プラグインに文章を入れ、出力をprintし、タイムラインへドラッグする」とあるだけで、画面の部品の名前までは取得できていません。05の手順Bで、読み込みまでを済ませてください。クラウドのLargeを使うときは、プラグイン内でログインし、クレジットはWebと同じ枠から減ります(Plugin Guide)。

最初の1時間でやる順番(この記事の案)

公式の手順ではなく、この記事で組んだ並べ方です。所要時間の保証はありません。

順 やること 見るところ
1 サインインして、画面の部品の名前を確かめる(Credits Counter、Recent Generations、出力の選択肢) 場面1の1〜2
2 FULL MIX、短い長さで1回作る 場面1
3 聞いて、ミュート、ソロ、音量を触る(無料) 場面2-1
4 気に入らない所をチャットで頼む、または REGENERATE 場面2-3、2-4
5 無料の編集(REVERSE など)を1つ試す 場面4-1
6 MIXDOWN でWAVを書き出す 場面5
7 クレジットの減りを見て、次にどの操作を使うか決める 場面2-2の表

気をつけること

出典