3行でいうと
- 対応OSは、公式のヘルプによると、Mac(macOS 12以降)、Windows(10または11、x64)、iPhone(iOS 18.3以降)、Android(13以降)です。iPad、Linux、Chromebook、仮想マシン、リモートデスクトップは、対応外の一覧に入っています。
- 日本語は、公式の研究記事の言語の一覧に「Japanese (日本語)」と載っています。ただし、ヘルプの言語の説明ページには日本語の記載が見つからず、機能によっては英語だけのものもあります(本文で整理します)。
- 声の文字起こしには、インターネット接続が要ります。公式は、話した音声はクラウドで処理される、と書いています。端末の中だけで文字にする方法は、読んだ範囲では書かれていませんでした。
- 録音ファイル(mp3、m4a、ボイスメモなど)は、公式のヘルプによると、どのプラン・どのOSでも読み込めません。会議の録音は、MacとWindowsの「Notetaker」という別の機能が担います。
- 無料のFreeプランがあり、クレジットカードは不要と公式は書いています。デスクトップでは週2,000語で警告が出て、5,000語を超えると新しい音声入力が止まります(公式のヘルプ)。会議を録音するときは、参加者に知らせる責任が利用者にある、と公式は書いています。
この記事は、公式の資料を2026年10月23日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。メニュー名、数字、URLは公式の表記を写しています。公式ページは要約の形で取得したため、読み切れていない箇所は「公式の資料では確認できていない」「読んだ範囲では見つからなかった」と書いています。精度の数字や他社との比較は載せていません。
先に結論
- 製品の特定。 公式サイト wisprflow.ai の「Wispr Flow」です。同じ名前の別の製品があるかどうかは、公式の資料では確認していません。なお、同じ運営の「Notetaker」(会議の記録)と「Flow API」(開発者向け)は、同じ製品の別の入口で、03と04で扱います。
- 使う入口。 Mac、Windowsは、ショートカットのキーを押している間だけ話します。iPhoneは、Flowのキーボードに切り替えてマイクのボタンを押します。Androidは、画面に出る「Flow Bubble」を押します。
- 日本語。 研究記事の言語の一覧には日本語が載っています。ただし、実際の認識のしやすさや、文章の整え方が日本語でどこまで働くかは、公式の資料では確認できていません。
- 最初に決めること。 ①どの端末で使うか(OSの条件を満たすか)、②音声データの扱いの設定(「Improve the model for everyone」など)、③話した内容を会議のように他人に聞かせる場面で使うか、の3つです。③は僕らの見立てで、公式がこの順で挙げているわけではありません。
- データ。 公式のセキュリティの説明は、話した音声はクラウドで処理される、と書いています。保存や学習への利用は設定で変わります。くわしくは04で整理します。
前提:用語をそろえる
- 音声入力(ディクテーション):話した言葉を文字にして、入力欄に入れることです。公式は「dictation」と書いています。
- Flow Bar / Flow Bubble / Flow keyboard:公式の画面部品の名前です。デスクトップではFlow Bar、Androidでは画面に浮かぶFlow Bubble、iPhoneではFlowのキーボードを使います。
- Hub:デスクトップのアプリの中の管理画面です。履歴、Dictionary(辞書)、Snippets、Style、Settingsがあります。
- Notetaker:会議を録音して、文字起こしと要約を作る、Wispr Flowの別の機能です。MacとWindowsで使えます。
- クラウド処理:話した音声を、自分の端末ではなく、運営側のサーバーで文字にすることです。
- Free / Pro / Growth / Enterprise:公式の料金ページにあるプランの名前です。
たとえ話:口述筆記をする秘書
Wispr Flowを、「あなたの隣に座って、話した言葉をその場で書き取り、あなたが指をおいている入力欄に書き込んでくれる秘書」と考えてみます。「えーっと」を取り除いたり、言い直しを整えたりする、と公式は説明しています。ただし、この秘書は、あなたの声を自分の家(端末)ではなく、遠くの事務所(クラウド)に送って書き取ります。ですから、ネットがつながらないと働かず、何を送るかを決める設定が大切になります。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。
どこで使えるか(対応OSと条件)
公式のヘルプ「Supported devices and system requirements」の内容は、次のとおりです。
| OS | 公式に書かれている条件 | メモ |
|---|---|---|
| Mac | macOS 12 Monterey以降。Apple SiliconとIntelの両方。メモリ8GB推奨、空き約500MB | Notetakerの端末内の音声(システム音声)は、macOS 12では使えない、とも書かれている |
| Windows | Windows 10または11、x64のプロセッサ。メモリ8GB推奨、空き約200MB | Notetakerを使うなら、メモリ16GB、空き2GBが必要と書かれている |
| iPhone | iOS 18.3以降、iPhoneのみ。メモリ4GB推奨、空き約500MB | iPadは対応外 |
| Android | Android 13以降のスマートフォン。加速度センサーがない端末は、Google Playから入れられない。メモリ6GB推奨、空き約500MB | タブレットや折りたたみ型は動くことがあるが、正式な最適化の対象ではない、と書かれている |
公式が「対応外」として挙げているのは、iPad、Linux、Chromebook、仮想マシン、リモートデスクトップ環境、Windows on ARMとSnapdragonなどのx64でないプロセッサ、そしてApple Siliconのパソコンに入れたIntel版のMacアプリです。一方、同じヘルプの「Using Wispr Flow」の章には、題名に「Linux, WSL, and Terminal Applications」や「remote desktops (Citrix, RDP, VDI)」と入った記事があります。本文は読めていないので、対応外の一覧との関係は、公式の資料では確認できていません。
なお、公式のヘルプの入口ページの短い説明は「Mac and Windows」のツールと書き、公式サイトのトップページは「Mac, Windows, iPhone, and Android」と書いています。ここでは、対応OSの専用ページ(上の表)の記載に従いました。
日本語と言語の扱い
- 言語の数。 公式のトップページは「100+」の言語と書いています。
- 日本語。 公式の研究記事「Why supporting 100 languages is hard」には、「dozens of other major languages」の一覧に「Japanese (日本語)」が挙がっています。この一覧は、公式のヘルプの言語のページ(「Use Flow with multiple languages」)とは別の資料です。ヘルプのこのページには、読んだ範囲では日本語の記載も、言語の全一覧も見つかりませんでした。アプリの中では、MacとWindows、iPhoneで、言語を表示名で検索できる、と書かれています。
- 選び方。 設定の場所は、MacとWindowsが「Settings → General → Languages」です。公式は、「Flow detects one language per dictation」と書いています。つまり、1回の話し言葉ごとに1つの言語を選ぶ仕組みで、1語ごとに言語を切り替えるのではありません。複数の言語を選ぶと、Flowがその中から1つを選びます。MacとWindows、iPhoneには「Auto-detect」があり、Androidにはありません。
- 英語だけの機能。 公式のヘルプの「Styles」(文字の大文字小文字や句読点の整え方)は、English onlyと書かれています。Command Mode(話して文章を直す機能)を呼び出す話し言葉のきっかけは、英語だけです。ただし、ホットキーは、どの言語でも使えると書かれています。
- 会議の録音。 Notetakerの文字起こしは21の言語に対応し、公式のサイトは日本語を挙げています。
- 日本語の入力の質。 句読点や言い直しの整理、辞書への登録が、日本語でどこまで働くかは、公式の資料では確認できていません。
使い方の入口(どのアプリに入力できるか)
公式のトップページは、「入力できるアプリならどこでも」使え、プラグインは要らない、と書いています。
| 端末 | 公式に書かれている最初の手順 |
|---|---|
| Mac | wisprflow.ai から入れる。「Sign in via browser」でログインし、MicrophoneとAccessibilityを許可する。ショートカットはfn(fnキーがないMacはCtrl+Opt)。押している間だけ話す「Push to talk」と、押して話して再び押す「Hands-free」を選べる |
| Windows | インストーラーで入れる。MicrophoneのAccessで許可する。ショートカットはCaps LockかCtrl+Win(フッターで切り替える) |
| iPhone | App Storeから入れる。設定でFlowのキーボードを有効にし、「Allow Full Access」を許可する。入力欄でFlowのキーボードに切り替え、マイクのボタンを押して話し、チェックのボタンを押す |
| Android | Google Playから入れる。「Display over other apps」「Accessibility」「マイク」を許可する。入力欄でFlow Bubbleを押して話し、チェックを押す(押し続けて離す方法もある) |
話し終えると、整えた文字が入力欄に入ります。デスクトップの公式の手順は、キーを離したあとに整った文字が入る、と書いています(話している途中に文字が出るかどうかは、公式の資料では確認できていません)。文字を入れる前に、確かめてから送るように、とも書かれています。公式のヘルプによると、デスクトップでは、入力の際にクリップボードを短い間使い、そのあと元の内容に戻します。入らなかったときは、貼り付けのショートカット(Macは Ctrl+Cmd+V、Windowsは Alt+Shift+Z、変更していなければ)で、直前の文字を入れ直せます。
1回の話す時間には上限があります。MacとWindowsは、19分で警告、20分で止まります。Androidは、約4分59秒で止まります。
パスワード欄や数字だけの欄、電話番号の欄などには、Androidでは、Flow Bubbleが出ないことがあります。銀行アプリなど一部のアプリでは、手で貼り付ける必要が出ることがある、とも書かれています。
録音ファイルは読み込めるか
公式のヘルプ「Can I upload audio files to Wispr Flow for transcription?」は、Wispr Flowは音声や動画のファイルのアップロードを受け付けない、と書いています。マイクからの生の声を文字にするもので、ボイスメモ、会議の録音、mp3やm4aのファイルは、取り込めないと書かれています。この機能の予定の時期は、書かれていませんでした。
代わりの方法として、公式は次の3つを挙げています。
- 自分の声を話して入れる。 通常の音声入力です。
- ライブの会議を録る。 MacとWindowsの「Notetaker」が、マイクと、パソコンから出る音を録音して、文字起こしと要約を作ります。
- すでにある文字の議事録を取り込む。 MacとWindowsで、「Settings → Notetaker → Meeting import」から、OtterやGranolaの書き出しのファイル(文字だけ)を取り込めます。音声は取り込まれません。
無料でどこまでか
公式のトップページと料金ページの表示は、次のとおりです(2026年10月23日に読んだ内容です)。
- Free。 月0ドル。クレジットカードは不要で、試用期間のカウントダウンもないと書かれています。デスクトップは週2,000語、モバイルは週の利用に制限があります。DictationとNotetakerの両方が、Freeで使えると書かれています(Notetakerの会議は、週あたりの回数に制限があります)。
- Pro。 月15ドル(年払いでは月12ドル相当)。無制限の音声入力です。
- Growth / Enterprise。 チーム向けです。
週の語数の上限は、公式のヘルプ「Free tier weekly dictation limit」では、デスクトップは2,000語で警告、5,000語を超えると止まる、iPhoneは550語で遅くなり750語で止まる、Androidは約1,000語で遅くなり1,500語で止まる、と書かれています。リセットは、日曜日です。公式の資料の中でも、リセットの時刻の書き方(「12 a.m. PT」と「23:45 UTC」)が揺れています。くわしい価格と上限は04で整理します。
年齢とアカウント
- アカウント。 ログインが要ります。Google、Apple、Microsoft、SSO、メールアドレスとパスワードから選べます。
- 年齢。 公式のプライバシーポリシー(Last Updated: August 19, 2026)は、最低年齢を、米国では13歳、それ以外では16歳と書いています。18歳未満は、場所によって保護者の同意が要ることがある、とも書かれています。
- 学生・教育者。 公式の料金ページは、教育機関のメールアドレスがあると、Proが50%引きになる、と書いています。
データの扱いの入口
詳しくは04で書きます。ここでは、入口として、公式の説明を5つだけ挙げます。
- 公式のヘルプ「What is Wispr Flow?」は、「An internet connection is required for transcription.」と書いています。
- 公式のセキュリティの説明は、話した音声をクラウドで処理して文字にする、と書いています。顧客のデータは、米国で処理・保存される、とも書かれています。
- 「Dictation Cloud Storage」がオンのときだけ、音声の書き起こしが運営のサーバーに保存されます。端末の中の履歴は別に管理されます。
- 「Improve the model for everyone」は、公式のヘルプによると、FreeとProではもともとオンで、オフにできます。オンのときは、音声や文字起こしがモデルの改善に使われうる、と書かれています。オフにしても、クラウドでの処理は止まりません。
- 第三者のAIの事業者は、設定にかかわらず、あなたのデータでモデルを訓練してはならない、と公式は書いています。
初回の設定の画面でも、「Improve the model for everyone」と「Don't use my data for training」のどちらかを選ぶ場面があります。ここで選ぶ内容が、あとから設定でも変えられるかどうかは、04で書きます。
会議の録音に関する公式の注意
Notetaker(会議の記録)を使う場合の、公式の注意です。
- 公式のNotetakerのページのFAQは、「Always let participants know before recording or transcribing a conversation」と書いています。
- 同じFAQは、録音の前に全員に知らせる責任は利用者にある、と書いています。
- Notetakerは、会議に「ボット」として参加するのではなく、端末の中で音声を録るため、参加者に自動の通知が出ないことがある、とも書かれています。
- 録音や同意の法律は、州や国で違う、とも書かれています。
- 公式のヘルプには、会議のチャットに同意の案内文を自動で出す機能(「The meeting recording-consent notice」)があります。ZoomとGoogle Meet、Microsoft Teams、Slackでは自動で出し、Discordと対面の会議では、手動で同意を取る必要がある、と書かれています。
ここは公式の説明を写しただけで、どの国や場面でどんな同意が法律上必要かは、この記事では扱いません。専門家に確認してください。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。公式の説明を読んだ範囲です。
- 日本語の対応は、公式の資料の中で、場所によって書かれ方が違います。日本語で使う前に、無料のFreeで、自分の声と自分のアプリで試すのが現実的だと思います(見立て)。
- 話した音声は、クラウドに送られます。公式は、これを前提にした設計だと書いています。社外秘や個人の情報を話す場面では、設定とプランの内容を、04の整理と公式の資料で確かめてください。
- 公式のヘルプの入口ページは、章ごとの記事の数が、取得のたびに違って見えることがありました。ここでは、読めたページだけを根拠にしています。
- 公式の資料の中でも、プラン名や価格の書き方に揺れがあります(04で整理します)。
- 公式のページに載っている精度や速さの数字は、この記事では扱っていません。
出典
- Wispr Flow(公式サイト、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Pricing(Wispr Flow、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Wispr Flow Help Center(Wispr、確認日 2026-10-23)
- What is Wispr Flow?(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Supported devices and system requirements(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Set up Wispr Flow for your first dictation(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Starting your first dictation(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Use Flow with multiple languages(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Why supporting 100 languages is hard(Research、Wispr、確認日 2026-10-23)
- How to setup Flow Styles(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- How to use Command Mode(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Can I upload audio files to Wispr Flow for transcription?(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Free tier weekly dictation limit(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Security and privacy overview(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Manage data sharing, cloud storage and local history(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- AI Notetaker & Meeting Assistant(Wispr Flow、Wispr、確認日 2026-10-23)
- The meeting recording-consent notice(Help Center、Wispr、確認日 2026-10-23)
- Privacy Policy(Wispr、2026年8月19日更新、確認日 2026-10-23)