この先に書いてあること

  • Fable、Opus、Sonnet、Haiku。使ってみて変わった印象。
  • 「安くなった」は、何と比べた話なのか。
  • 最後に、何を見て選ぶのか。

僕は現在、開発のほとんどをAIエージェントと一緒に行っている。

その中心にいるのがClaude Codeだ。

最近Fableが登場したときも、ここぞとばかりにPCに張り付いた。

「一体どこまでできるんだろう?」

新しいものが出たら実際に触らないと分からないので、かなりの量のテスト開発を行った。

ところが数日で公開が一時停止された(その後、再開されている)。

短い時間だったので断定するつもりはないが、確かに「すごいんだろうな」「賢いな」という印象はあった。

ただ、

「これは抜群に頭がいい。もう他のモデルには戻れない」

と感じたかというと、そこまでではなかった。

それより強烈だったのが、クレジットの吹っ飛び方だった。

尋常じゃない(笑)。

これを日常的な開発の中心に置くのは、何か違うんじゃないか。

それが僕の最初の感想だった。

僕が「これは仕事に使える」と思ったのはOpus 4.6だった

僕がClaude Codeを使い始めた頃は、確かOpus 4.1、Sonnet 4あたりだったと思う。

そこからモデルはどんどん進化していった。

僕の中で大きな転換点になったのがOpus 4.6だった。

それまでも最高モデルであるOpusを使っていたのだが、

「これは完全に仕事に使える」

と自分の中ではっきり認識したのが4.6だった。

そこからさらに成熟していき、Opus 4.8はかなり良かった。

ところがOpus 5になって、何かが変わった。

ものすごく簡単に言ってしまうと、

「馬鹿になった?」

と思った(笑)。

何度も同じことを聞いてくる。

同じミスを繰り返す。

「このミスを二度と起こさないように」と、こちらが回避するための仕組みまで作っているのに、その仕組み自体を見ていなかったりする。

「おいおい、これは大変なことになったぞ」

と思ったものだ。

もちろん昔のモデルに戻ることもできる。

実際、今でもOpus 4.8を選択することはできる。

では僕が4.8を使っているかというと、全く使っていない。

現在の開発の中心はOpus 5だ。

昔のモデルの方が良かった部分があることと、だから昔のモデルを使うということは、どうも別の話らしい。

Opus 5.5は本当に安くなったのか

その後Opus 5.5が登場した。

かなり使い込んでみた。

でも結局、僕はOpus 5に戻した。

5.5は安くなったと言われている。

ただ、僕自身の使用感としては、

「本当に安くなったか?」

という感じが強い。

考えている時間が長い。

もちろん5で評判が悪かった部分を改善しようとして、より慎重に考えているのかもしれない。

でも仕事で使う人間からすると、モデルの料金だけを見て「安くなった」と言われても、あまり意味がない。

考える時間が長くなる。

間違える。

やり直す。

こちらが確認する。

そういうものまで含めて、仕事としてのコストだと思っている。

そう考えると、「新しいモデル=必ず仕事が速くなる」という単純な話ではない。

実は一番進化しているのはSonnetじゃないか

その一方で、最近かなり印象が変わってきたモデルがある。

Sonnetだ。

僕はもともとSonnetにも少し警戒感を持っていた。

だから開発のほとんどをOpusに任せ、それに付随する比較的軽い作業をSonnetに任せる、という使い方をしてきた。

ところが仕事量が増えてきた。

Opusだけでは処理しきれない。

仕方なくSonnetへ渡す仕事が増えていった。

そこで気がついた。

「あれ? 予想以上に普通に仕事するな」

Sonnet 5になった時点で「ん?」と思うところはあった。

そしてSonnet 5.5になって、その感覚がさらに強くなった。

かなりOpusに近づいているんじゃないか。

しかも速い。

いろいろな仕事をテストとして投げてみたが、かなりのことができてしまう。

ただし、ここについてはまだ断定したくない。

テストで動くことと、実際の仕事で毎日ガリガリ使えることは別だからだ。

だから来週は、今までより少しSonnetへ投げる仕事を増やしてみようと思っている。

節約したいからではない。

「Sonnetにどこまで本当の仕事を任せられるのか」

それを実戦で確認してみたい。

Haikuは、おそらく二度と使わない

その反対に、おそらく僕が二度と触らないモデルもある。

Haikuだ。

以前、簡単な仕事なら大丈夫だろうと思ってHaiku 4.5までモデルを落として、実際の作業を任せたことがある。

これが大失敗だった。

ハルシネーションが本当にひどかった。

2日ほど回していた作業が、ほぼ全滅した。

それだけなら、まだいい。

作られた「嘘」が既存のデータと複雑に絡み合ってしまった。

結局、それを取り除いて正常な状態へ戻すのに1週間以上かかった。

あれ以来、僕には完全にHaiku恐怖症のようなものがある(笑)。

安いモデルを使えばコストが下がる。

理屈としては正しい。

でも実際の仕事では違う。

2日間安いモデルを動かした結果、その後1週間人間が修復作業をするのであれば、それは全然安くない。

むしろ、とんでもなく高いAIだったことになる。

AIのコストは、モデルの料金だけでは測れない。

失敗したときの復旧コストまで含めて考えないといけない。

ではFableは何に使うのか

そう考えると、Fableについても少し見方が変わってくる。

最高性能だからFableを使う。

そこから料金を節約するためにOpus、Sonnet、Haikuへ落としていく。

僕には、この考え方がどうもしっくりこない。

今の僕なら、まずOpusを使う。

そして仕事量や内容によってSonnetへ振り分ける。

Opusでもどうしても解決できない問題や、非常に重要な設計判断が出てきたところでFableを使う。

そんな使い方になると思う。

Fableは日常的に働く社員というより、

「ここだけは、この人に聞きたい」

というときに呼ぶ非常に高額な専門家のような存在なのかもしれない。

月220ドルをどう考えるか

僕はClaude CodeのMAXプランをずっと使っている。

月額200ドル、税込みで220ドルだ。

この金額が高いか安いか。

僕個人の感想は、

「激安」

である。

むしろ500ドルのプランがあって、その分もっと使えるのであれば、僕は乗り換えてもいいと思っている。

AIをたまに使う便利なツールとして考えれば、月220ドルは高いだろう。

でも僕の場合は違う。

毎日仕事をしている。

設計する。

コードを書く。

修正する。

調べる。

テストする。

それを考えれば、月220ドルでこれだけ仕事をしてくれるものを高いとは思えない。

毎週日曜日、Claudeに「もう働くな」と言われる

問題は使用制限だ。

僕の場合、ほぼ毎週日曜日には週間の使用制限が100%になる。

そうなると身動きが取れなくなる。

最近はもう、

「今週は働きすぎたから、仕事を休めと言われているんだな」

と思うようにしている(笑)。

AIによって人間の仕事が楽になる、とよく言われる。

僕の場合は少し違う。

AIが仕事をするから、こちらもどんどん仕事を進めてしまう。

そして最後はAIの使用制限に到達して、

「今週はここまで」

とAI側から仕事を止められる。

そのおかげで僕も休む。

考えてみれば、なんとも不思議な時代になった。

ただしClaude Codeに依存しすぎるのは怖い

これだけClaude Codeを使っていると、ずっと頭から離れない問題もある。

「Claude Codeにここまで依存して大丈夫なのか?」

という問題だ。

何らかの理由でClaude Codeが使えなくなれば、僕の仕事はかなり止まる。

便利になればなるほど、依存度も上がっていく。

だから最近はCodexもかなり触っている。

実際に仕事をさせてみると、特に問題ない。

Claude Codeも使いやすい。

Codexも本当に使いやすい。

ただし、両者は完全に同じものではない。

そして使っているうちに、同じように使おうとする必要もないんじゃないかと思うようになった。

Claude CodeとCodexでは、仕事の投げ方が違う

以前のコラムでも少し書いたが、僕の場合、Claude Codeには一緒に考えさせることが多い。

プロジェクトを理解させる。

設計する。

どう作るのかを考える。

方向を決める。

そして設計が固まった仕事については、Codexに渡して自動でどんどん進めさせる。

もちろん仕事によって逆になることもあるだろうし、これが正解だと言うつもりもない。

ただ僕自身は、

「Claude CodeかCodexか」

という二者択一ではなく、

「Claude CodeとCodexをどう組み合わせるか」

という考え方に変わってきた。

AIは「どれが一番賢いか」だけでは選べなくなった

Fable、Opus、Sonnet、Haiku。

Claude Code、Codex。

AIの話になると、

「どれが一番賢い?」

「どれが一番性能が高い?」

「どれが一番安い?」

という比較になりがちだ。

でも毎日仕事で使っていると、それだけでは決められない。

ものすごく賢くてもクレジットを猛烈に消費するAI。

安いけれど、間違えて1週間分の修復作業を生み出すAI。

最高モデルほどではないけれど、十分な能力があり、とにかく速く仕事をするAI。

設計を一緒に考えるのが得意なエージェント。

ゴールを与えて自動で走らせると便利なエージェント。

それぞれ違う。

だから最近、僕はAIを単純な性能ランキングで見ることが少なくなってきた。

重要なのは、

「どのAIが一番賢いか」

ではなく、

「どの仕事を、どのAIに任せるのか」

なのだと思う。

そして、もう一つ。

AIに仕事を任せるうえで、僕がかなり重要だと思うようになったものがある。

「信用」だ。

Haikuを使わなくなった最大の理由は、性能表ではない。

信用できなくなったからだ。

Sonnetへ仕事を増やそうとしている理由も、ベンチマークの数字ではない。

実際に仕事を渡してみたら、予想以上にちゃんと返してくる。

少しずつ信用できるようになってきたからだ。

AIが本当の仕事道具になってくると、人間と少し似てくるのかもしれない。

ものすごく頭がいい人が、必ずしも一番仕事を任せやすいとは限らない。

多少能力が低くても、速く、正確に、こちらの意図を理解して仕事を返してくれる人の方が使いやすいこともある。

そして難しい問題が起きたときだけ、とびきり頭のいい専門家を呼ぶ。

AIも、そんな使い方になってきた。

だから来週は、Sonnetにもう少し仕事を任せてみようと思っている。

それで問題なく仕事をしてくれるのであれば、僕のAIチームの役割分担は、また少し変わることになる。

そしておそらく半年後には、また全然違うことを言っていると思う。

この世界の進化は、それくらい速い。

ただ一つだけ、今のところ変わりそうにないことがある。

日曜日になってClaudeから、

「今週の使用量100%です」

と言われたら、

「ああ、今週もよく働いたな」

と思って、僕も休むことにする。