この先に書いてあること
- 土曜日の夕方に、週間の使用制限が100%になりました。
- 250ドルを課金して、何が起きたか。
- 月曜日の朝4時の話。
土曜日の夕方、ついに100%になった
土曜日の夕方、Claude Codeを使っていて、ついに週間の使用制限が100%になった。
これまでも土曜日の時点で98%とか99%ということは毎週のようにあったのだが、完全に100%まで使い切って制限されたのは初めてだった。
まあ、仕方ない。
前回のコラムで、日曜日に使用量が100%になったら「今週もよく働いたな」と思って僕も休む、と書いた。
いつもなら「今日はもう仕事をやめて休暇にすればいい」と考えるところなのだが、今回はそういうわけにはいかなかった。
なぜなら、僕自身がClaude Codeを触ってする仕事だけではなく、日々スケジュールで自動的に動いている仕事まで全部止まってしまったからだ。
僕が寝ている間に動いている仕事
僕は自分用に情報をまとめた新聞を3誌発行している。
それぞれ違う情報を集めて整理するために使っているのだが、それが届かない。
その新聞を元に、さらに情報を整理して「note」にまとめているのだが、そもそも新聞が発行されないのだから、それもできない。
さらに困ったことに、毎週月曜日の朝にはクライアントへ1週間の報告を行っている。そのためのレポートも作られない。
ここで少し説明しておくと、これらの仕事は僕がパソコンの前に座って指示しているわけではない。
サーバーの上で、決まった時刻になると自動的に動き出す。新聞は毎朝4時ごろに作られ、それを元にした記事が、僕が起きる前にnoteに公開される。
つまり僕にとってClaude Codeは、自分が触っている時だけ働く道具ではなくなっている。僕が寝ている間も、移動している間も、裏でずっと働いている「スタッフ」に近い。
そのスタッフが、土曜日の夕方に一斉に手を止めた。
日曜日だし、最初は「まあ大丈夫だろう」と思っていたのだが、よく考えると問題だらけだった。
僕が休むことはできる。
しかし、僕が休んでいてもAIには働いてもらわないと困るのである。
分からないまま、250ドル課金してみた
そこで考えた。
週間の使用制限を使い切ったのであれば、そこから溢れた分だけクレジットを追加購入して使えばいいんじゃないか。
ただ、今まで追加クレジットを使ったことがなかったので、いくら課金すればどの程度使えるのかという感覚がまったくない。
分からないなりに、とりあえず250ドル課金してみた。
250ドルという金額にしたのには、それほど深い意味はない。
ただ、このクレジットは6か月以内に使わなければならない。
その規約を見て、
「果たして250ドルも使い切れるのだろうか?」
という心配は少しあった。
まあ、余ったらFableでも一気に動かしてクレジットを消費すればいい。その程度に考えていた。
課金して少しすると、それまで止まっていたClaude Codeが一斉に動き始めた。
とりあえず月間の使用上限を40ドルに設定した。
設定したというより、Claude Code側のデフォルトが40ドルだったので、そのまま使ってみただけなのだが。
月40ドルなら、単純に考えれば週10ドル程度。
これでどれくらいの仕事が回せるのか。
そして週間の通常使用量が100%になった後でも、追加クレジットがあれば安心して仕事を続けられるのか。
いい実験になると思っていた。
40ドルは一瞬で溶けた
ところが、実際に動かしてみて驚いた。
40ドルなんて、本当に一瞬だった。
恐ろしいくらい一瞬で40ドルの壁に到達した。
「いや、せめて今やっている作業だけでも終わらせよう」
そう思って、さらに10ドル追加した。
しかし40ドルが溶けるようになくなったのだから、10ドルなんて風が吹くくらいの勢いでなくなった。
ここで僕は考えた。
このペースで使い続けたら、残っている200ドルを全部使ったとしても、月曜日の朝までに必要なレポートを完成させるのは無理なんじゃないか。
そう判断して、仕事をやめた。
250ドルを課金した時には、
「6か月で使い切れるかな?」
なんて心配していたのに、数時間後には、
「残り200ドルでも足りないんじゃないか?」
と心配している。
なんとも恐ろしい話である。
ただ、今振り返ると、最初に40ドルという上限が設定されていたことには救われた。
もし上限を設定していなかったら、僕は「あと少し、あと少し」と思いながら作業を続け、気がついた時には250ドルをすべて使い切っていたかもしれない。
AIは、こちらが止めない限り働き続ける。お金がある限り、文句も言わずに処理を続ける。だからこそ、どこで止めるかを人間が先に決めておかなければならない。
上限の設定は、AIのためではなく、人間の判断が追いつかなくなった時のための安全装置なのだと思う。
結局、日曜日の新聞は昼過ぎまで届かず、それを元にしたnoteの更新も夕方にずれ込んだ。毎朝決まった時間に出ることが当たり前になっていた仕組みが、一つの制限で丸一日ずれる。これも初めての経験だった。
朝4時、AIのために起きる
仕方がないので、週間使用制限がリセットされる月曜日の朝4時に起きた。
朝4時。
使用量がリセットされたのを確認してClaude Codeを動かし、月曜日に必要な週間レポートを作った。
考えてみると、少しおかしな光景である。
僕はAIに仕事を任せ、できる限り自分自身を仕事から消していきたいと思っている。そのためにAIを使っている。
それなのに、AIの使用枠がリセットされる時間に合わせて、人間の僕が朝4時に起きている。
AIが人間の都合に合わせて働くのではなく、人間がAIの都合に合わせて起きる。
笑い話のようだが、AIを本気で仕事に組み込むと、こういうことが本当に起きるのだと思った。
そしてレポートが完成した後、週間使用量を確認してみた。
「2%」
たった2%だった。
200ドルでも無理だと思った仕事が、2%で終わった
ここで、ちょっと考え込んでしまった。
追加クレジットでは40ドルが一瞬でなくなり、さらに10ドル追加してもすぐになくなった。
その消費速度を見て、僕は「残り200ドルを全部使っても完成しないだろう」と判断して仕事を止めた。
ところが週間制限がリセットされた後、その仕事を最後まで完成させても、週間使用量はたった2%だったのである。
もちろん、これを単純に「週間枠2%=200ドル以上」と換算することはできない。
料金体系も計算方法も違う。
サブスクは、月額を払って決まった「枠」の中で使う仕組みだ。一方の追加クレジットは、使った分だけお金が減っていく仕組みになっている。同じClaude Codeを動かしていても、お金の減り方はまったく別物だと考えた方がいい。
しかし少なくとも僕の実際の使い方では、
「従量課金なら残り200ドルでも無理なんじゃないか」
と判断した仕事が、サブスクの週間使用量では2%の中に入ってしまった。
これは結構衝撃だった。
以前から僕は、Claude Codeの月200ドルのプランについて「激安だ」と言ってきた。
しかし今回、初めて追加クレジットを実際に使ってみて、その考えはさらに強くなった。
月200ドルが高いどころではない。
僕の使い方では、とんでもなく安い。
そして同時に、「サブスクの枠を使い切った後は、追加クレジットで何とかすればいい」という考えは、僕の使い方では通用しないことも分かった。枠の外に出た瞬間、コストの感覚がまったく変わってしまうのだ。
もしこれから追加クレジットを使ってみようと考えている人がいたら、まずは少額で、必ず上限を設定して試してみることを勧めたい。自分の使い方で、どのくらいの速さでお金が減っていくのか。それは実際に動かしてみないと分からない。少なくとも僕の感覚は、完全に外れていた。
一つの枠に、すべての仕事を載せていいのか
むしろ問題は別のところにある。
これだけClaude Codeを仕事の中に組み込んでしまうと、一つのアカウントの使用制限にすべての仕事を載せておくこと自体がリスクなのではないか、と思うようになった。
僕の場合、常時動かしているデスクトップのMacがある。
そして外に持ち歩いて、自分自身が作業するMacBookがある。
だったら、それぞれ別のClaude Codeのサブスクで動かした方が合理的なんじゃないか。
もちろん、使用制限を増やす目的で同一人物が複数アカウントを契約することが規約上どう扱われるのかについては、まだきちんと確認していない。
だから実際にそうするかどうかは別の話である。以前のコラムでも書いたが、AIに何かをさせる前に、まず規約を調べて「やっていいかどうか」を確かめる。これはアカウントの契約でも同じだ。
ただ今回の経験で感じたのは、これからAIを本格的に仕事で使うのであれば、単に「どのAIを使うか」だけではなく、
「どの仕事を、どのアカウントで動かすのか」
ということまで考える必要が出てくるのではないか、ということだ。
新聞を発行するシステム。
情報を整理するシステム。
クライアント向けのレポートを作るシステム。
開発を行うClaude Code。
自分がMacBookから指示して動かすClaude Code。
全部を一つの使用枠に入れてしまえば、一つが大量にリソースを使っただけで、まったく関係のない仕事まで止まってしまう。
今回、実際にそれが起きた。
AIは「道具」から「インフラ」になった
AIが便利なツールだった頃なら、一つのアカウントで十分だった。
しかしAIが仕事のインフラになってくると、考え方を変えなければならないのかもしれない。
サーバーだって、重要なシステムを全部一台に載せるようなことはしない。
僕はWeb制作やシステム開発の仕事を25年以上やってきたが、サーバーの世界では、これは当たり前の考え方だった。
大事なサイトと、テスト用のサイトを同じサーバーに置かない。一台が落ちても、もう一台で動き続けるようにしておく。アクセスが急に増えても、他のサービスまで巻き込まれないように分けておく。
障害は必ず起きる。だから、起きた時にどこまでで被害を止めるかを、最初から設計しておく。
仕事が増えれば役割を分け、リソースを分け、障害が起きた時の影響範囲を小さくする。
AIも同じ段階に入ってきたのかもしれない。
もう一つ、今回気づいたのは「優先順位」の問題だ。
使用枠には限りがある。だとすれば、枠が残り少なくなった時に、何を先に止めて、何を最後まで動かすのかを決めておかなければならない。
僕にとって、クライアントへの月曜日のレポートは絶対に止められない。一方、自分用の新聞は、多少遅れても困るのは僕だけだ。
人間のスタッフであれば、忙しい時には自然と大事な仕事から片付けてくれる。しかしAIは、枠が尽きた瞬間にすべてが同時に止まる。大事な仕事も、そうでない仕事も区別なく止まる。
だからこそ、仕事の重要度を人間が決めて、AIの動かし方に組み込んでおく必要がある。ここもまた、人間に残る仕事の一つなのだと思う。
Claudeが止まれば、全部止まる
そしてもう一つ。
これは以前から僕が考えている「Claude Codeに依存しすぎていいのか」という問題とは、また別の話である。
Claude Codeのアカウントを複数に分けても、Claudeそのものが止まれば全部止まる。
だからClaude Codeで設計してCodexでも動かせるようにする、といったサービスそのものの冗長化も必要になる。
つまり、これから考えなければならないのは二つある。
一つは、仕事ごとにAIのリソースをどう分けるか。
もう一つは、一つのAI企業に依存しすぎないようにどう分散するか。
今回、Claude Codeに追加で250ドルを課金してみて分かったのは、そんなことだった。
怖くて使えない
そして250ドルのクレジットは、まだかなり残っている。
最初は「6か月で使い切れるかな?」と思っていた。
今は違う。
使い切れるかどうかより、
怖くて使えない。
