この項目で混ざったもの

ハード側Arm系の48コアCPU「A64FX」を富士通が開発ソフト側アプリの性能目標から設計を詰めた

2020年6月のTOP500(世界のスーパーコンピュータの性能ランキング)で、理化学研究所計算科学研究センター(神戸)の富岳が1位になりました。TOP500の公式ページによると、性能(Rmax)は415.53PFlop/s、コア数は7,299,072、CPUは富士通のA64FX(48コア、2.2GHz)です。TOP500の記事は、Arm系のプロセッサで動くシステムが1位になるのは初めてだと書いています。

理研の公式ページによると、富岳は158,976ノード(1ノード=CPU1個)で、CPUはArmv8.2-Aに、512ビットのSVE(同じ計算を一度にたくさんの数に行う仕組み)を加えたもの、メモリは1個あたり32GiBのHBM2(CPUに重ねて載せる高速メモリ)です。富士通は2019年12月の発表で、A64FXはSVEを採用した世界初のCPUだと説明しています。富士通は2019年12月2日に富岳の出荷開始を発表し、納入先は理研とされています。

富士通が2020年2月に理研のシンポジウムで使った資料には、共同設計(co-design)の目標が「京コンピュータの100倍のアプリ性能を、電力30〜40メガワットの範囲で出す」と書かれています。アプリの担当グループと、構成と規模の決定、アプリの選定、実現可能性の確認、レビューを行い、2015年ごろからアプリの核になる部分(カーネル)を使って、設計の値を調整し、遅くなる場所を洗い出したとあります。同資料は、この目標を満たしたと書きつつ(別のページには「評価は進行中」という注記もあります)、オープンソースの実アプリ(OpenFOAMなど)で、A64FX(2.2GHz)を、資料が「24コア、2.9GHzのx86プロセッサ×2」と表記する相手と比べると、最大1.8倍速く、最大3.7倍電力効率が高かったとも書いています。

富士通は2019年に、富岳の技術を使った商用のスーパーコンピュータPRIMEHPC FX1000とFX700を世界の顧客に提供する予定だと発表しています。ここでは確認できた範囲として、富岳そのものの設計の進め方までを書いています。

TOP500 1位(2020年6月)
富岳 415.53PFlop/s
ノード数
158,976(理研)
CPU
富士通A64FX 48コア 2.2GHz
開発目標
京の100倍のアプリ性能・30〜40MW

確認できていない点

  • 共同設計(co-design)という言葉と、その進め方は、理研の公式ページではなく、富士通がシンポジウムで使った資料で確認しました。理研側の説明は確認できていません。
  • 本格運用の開始日は、確認したページには書かれていませんでした。
  • 富士通の2019年12月の発表ページは、ページ自身が内容が古い可能性があると注記しています。

出典

2026年10月18日に、上の出典(会社・研究機関の公式の資料と原著論文)を読んで確かめました。製品の仕様や提供状況は変わることがあります。この記事は、製品を試した記録ではありません。

← 日本のカードにもどる ハードとソフトの混ざり方の一覧