3行でいうと

  • デジタル庁が作った政府職員向けの生成AI基盤「源内」が、国産AIが競う場になっている。
  • 2026年3月6日に国産LLM7つが選ばれ、全府省庁の職員およそ18万人に展開される。
  • 評価結果は2027年1月に公表され、高評価のモデルは2027年4月以降に有償で政府調達される見込み。

デジタル庁が作った政府職員向けの生成AI基盤「源内(げんない)」が、国産AIの競争の場になりつつあります。ここまでの動きを、日付順に整理しました。

源内とは何か

源内は、複数のAIモデルを切り替えて使える、政府共通の生成AI基盤です。AWSがオープンソースで公開している「GenU」をもとに、デジタル庁が開発しました。

ひとつのAIに決め打ちせず、モデルを入れ替えながら使える作りになっているのが特徴です。

3月6日:国産LLMを7つ選定

デジタル庁は2026年3月6日、源内で試す国産の大規模言語モデル(LLM)を7つ選びました。応募は15社です。選定は、書類審査と、当日まで内容を明かさない50問の評価テストの二段階でした。

選ばれたのは、次の7つです。

展開の対象は、全府省庁の職員およそ18万人です。2027年1月に評価結果を公表し、その後、評価の高いモデルは2027年4月以降に有償で政府調達される見込みだと報じられています。

なお、報道では「政府認定AI」という言い方も見られますが、これは公式の認定制度ではなく、政府調達を前提に検証・評価するという選定の流れを指す表現です。

4月24日:源内をオープンソースで公開

デジタル庁は4月24日、源内のソースコードをGitHubで公開しました。公開されたのは、画面にあたる「源内Web」と、行政実務向けのAIアプリのテンプレートの2つです。商用利用できるライセンスで、民間の提案を取り入れることや、自治体が似た基盤を重複して作らずに済むことが狙いとされています。

7月:国産だけで動かす方針

7月には、源内を国産のAIだけで構成して動かす方針が示されました。使われるのは、NTTデータの「tsuzumi 2」、富士通の「Takane 32B」、Preferred Networksの「PLaMo 2.0 Prime」の3つで、動かす先は、さくらインターネットの「さくらのクラウド」です。

予定では、8月までに実験環境を作り、9月から11月に試験を行い、2027年3月まで大規模な実証を続けます。

ここから先は、僕らの見立て

ここからは事実ではなく、見立てです。

ひとつ目は、評価のしかたです。「国産だから」という理由で優遇せず、品質の証拠で選ぶ設計になっていました。これが続けば、国産AIは「国産」という看板だけでは選ばれなくなります。

ふたつ目は、オープンソース化の効果です。自治体が同じ仕組みを使えるようになれば、国のAIの選び方が、地方にも広がる可能性があります。

みっつ目は、評価結果が出る2027年1月です。ここで評価が高かったモデルが、有償の政府調達に進みます。国内のAI企業にとっては、もっとも大きな分かれ目になりそうです。

出典