3行でいうと
- 3社とも、記憶機能には「オフにする」「覚えた内容を消す」「覚えさせずに話す」の3つの手段があります。
- 会話(チャット)を消しても、そこから作られた記憶は消えないことがあり、ChatGPTとClaudeは明記しています。
- Geminiは逆で、覚えた内容を消すには、その情報を含むチャットをアクティビティから消す案内です。
- 「オフ」と「削除」は別の操作で、オフにしただけでは覚えた内容が残る場合があります。
この記事は公式・一次資料を読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。
先に結論
- 3社とも、記憶機能には「オフにする」「覚えた内容を消す」「覚えさせずに話す」の3つの手段があります。ただし、場所と名前は別々です。
- 3社に共通する落とし穴があります。会話(チャット)を消しても、そこから作られた記憶は消えないことがある、と公式ヘルプに書かれています。ChatGPTとClaudeは明記しています。Geminiは逆で、記憶を消すにはチャットを消す、という案内です。
- 「オフ」と「削除」は別の操作です。オフにしただけでは、すでに覚えた内容が残る場合があります。
たとえ話:担当者の手帳
仕事の担当者が、お客さんのことを手帳にメモしているとします。メモがあるから、次に会ったときに「前回はこうでしたね」と話せます。
- 「メモを取るのをやめる」がオフです。すでに書いたメモは、手帳に残ります。
- 「手帳のページを破る」が削除です。
- 「今日は手帳を持たずに会う」が、一時チャット(ChatGPT)やシークレットチャット(Claude)です。
ここで注意が要ります。会議の議事録(チャットの履歴)を捨てても、手帳のメモは残っているかもしれません。手帳と議事録は別の場所に保管されているからです。
ChatGPT(OpenAI)
公式ヘルプによると、ChatGPTの記憶は2種類あります。
- 保存されたメモリー(Saved memories):覚えてと頼んだ内容、または、役に立つと判断して保存された内容。チャットの履歴とは別に保管されるので、元のチャットを消しても残ります。
- 過去のチャットの参照(Reference chat history):過去の会話から、関係のありそうな内容を参考にする機能。ChatGPTが役立つと判断した内容で、変わっていきます。
オフにする
Settings > Personalization > Memory で切ります。
- 「保存されたメモリーの参照」をオフにすると、「過去のチャットの参照」も一緒にオフになります。逆に、過去のチャットの参照だけをオフにしても、保存されたメモリーは消えません。
- 過去のチャットの参照をオフにすると、そこから覚えた内容は、30日以内にOpenAIのシステムから消す予定になります。元のチャットは履歴に残ります。
- メモリーをオフにしても、過去のチャットは消えません。あとでオンに戻すと、履歴に残ったチャットから、新しい記憶が作られることがあります。
- 公式は、まれで危険性の高い状況での、安全やセキュリティのための限られた利用は、この設定の対象外だと書いています。
消す
- メモリーの要約や、保存されたメモリーの管理画面から、項目を消します。
- 「Delete and turn off memory」(要約の「…」メニューにあります)は、要約された内容を消してメモリーをオフにします。過去のチャットは残ります。
- チャットを消しただけでは、そこから作られた保存メモリーは必ずしも消えません。両方を消す必要があります。
- 消した内容は、安全やデバッグのため、最大30日間、記録に残ることがあります。
覚えさせずに話す
一時チャット(Temporary Chat)は、メモリーを作ったり更新したりしません。始める前に、既存のメモリーやカスタム指示を使うかを選べます。使わないなら「Unpersonalized」を選びます。始めた後には変えられません。一時チャットを保存すると、通常のチャットになります。
Claude(Anthropic)
初期設定
公式ヘルプによると、メモリーはFree、Pro、Maxでは、ウェブ、デスクトップ、スマホアプリで初めからオンです。TeamとEnterpriseは、組織の管理者が使えるようにしたうえで、各自がオンにするまで、オフです。過去のチャットを検索する機能は、Pro、Max、Team、Enterpriseで使えます。
オフにする
Settings > Memory の「Generate memory from chats」を切ります。切るとき、2つから選びます。
- Pause memory(一時停止):覚えた内容は残るが、使うのも、新しく作るのもやめる。停止中のチャットは、再開しても記憶に加わりません。
- Reset memory(リセット):プロジェクトの記憶も含め、すべての記憶を完全に消す。元に戻せません。
1回のチャットだけ使わないなら、最初のメッセージを送る前に「+」メニューで Memory を切ります。始めた後には変えられません。
消す
Settings > Memory の話題(Topics)の一覧から、項目を開いて、編集か削除をします。チャットの中で「忘れて」と頼むこともできます。会話を消しても、そこから作られた記憶は消えません。個別に消します。
覚えさせずに話す
新しいチャットの右上のゴーストの印で、シークレットチャット(Incognito)を始めます(プロジェクトの外)。履歴に保存されず、記憶にも使われず、あとで検索もされません。
覚えないもの
健康、人種、宗教、政治などの話題は、初期設定では保存されません。「Include sensitive topics in memory」をオンにすると保存されます。政府発行のID番号、金融口座番号、犯罪歴、在留資格などの情報は、そもそも保存されないと書かれています。
プロジェクトごとに、記憶の置き場が別です。ほかのプロジェクトや、プロジェクト外のチャットには混ざりません。
Gemini(Google)
Geminiの記憶は、2つに分けて説明されています。
- 過去のチャットの記憶:18歳以上、個人のGoogleアカウント、「Keep Activity(アクティビティの保存)」がオンであることが条件です。職場・学校・保護者管理のアカウントでは使えません。GemやLiveのチャットでは、使えません。
- 特定の情報を覚える(「私はベジタリアン」など):公式ヘルプによると、18歳以上、Google AIプラン、個人アカウント、Memoryがオン、が条件で、現時点では米国のみです。
オフにする
gemini.google.com で、Settings & help > Personal Intelligence の Memory を切ります。
消す
Geminiは、ここがChatGPTやClaudeと違います。公式ヘルプは、Geminiが覚えた内容を消すには、その情報を含むチャットを、Gemini Appsのアクティビティ(Activity)から消すよう案内しています。チャットを消してから、Geminiが使わなくなるまで、少し時間がかかることがあります。
連携しているアプリ(GmailやGoogleフォトなど)にある情報は、チャットを消す操作と、アプリの連携を外す操作の、両方が必要です。片方だけだと、もう片方から情報が見つかることがあるからです。
「過去のチャットの情報を使った?」とGeminiに聞くと、使ったかを確かめられると書かれています。
アクティビティの保存(Keep Activity)を切る方法もあります。18歳以上は初めからオンです。切っても、会話は最大72時間、サービスの提供とフィードバックの処理のために保存されます。この間のものは、アクティビティには表示されません。切ると、使えるアプリも限られます。
なお、記憶とは別に、自分で書く指示(カスタム指示)の話は、別の記事「カスタム指示とシステムプロンプト」で扱っています。
3社の比べ方(早見表)
| ChatGPT | Claude | Gemini | |
|---|---|---|---|
| オフの場所 | Settings > Personalization > Memory | Settings > Memory | Settings & help > Personal Intelligence |
| 初期設定 | 確認できていません | Free、Pro、Maxはオン | 確認できていません |
| 覚えた内容を消す | 管理画面や要約から。チャットを消すだけでは不十分 | Topicsから個別に。会話を消しても残る | その情報を含むチャットをActivityから消す |
| 全部消す | Delete and turn off memory | Reset memory | Activityから全期間を削除 |
| 覚えさせず話す | 一時チャット | シークレットチャット | 確認できていません |
見立てです。名前がそれぞれ違うので、「オフ」「消す」「覚えさせない」のどれをしたいのかを、先に決めてから探すと迷いにくいと思います。
気をつけること
- 画面の名前や場所は、2026年10月8日に読んだ公式ヘルプの記載です。段階的な提供もあるので、自分の画面に出ない機能もあります。
- ChatGPTのヘルプは、メモリーの機能や設定は、プラン、地域、機器、ワークスペースで違うと書いています。プランごとの対応は確認できていません。
- ChatGPTのヘルプには、保存できるメモリーの容量の上限が書かれていませんでした。
- Geminiの「一時チャット」にあたる機能は、今回読んだページでは確認できていません。
- 職場や学校のアカウントは、管理者の設定で扱いが変わります。この記事は、個人アカウントの説明が中心です。
- 個人向けのChatGPTでは、設定によっては、チャットや覚えた内容がモデルの改善に使われることがあります。「Improve the model for everyone」はData controlsで変えられる、と書かれています。ほかの2社の扱いは、この記事では確認していません。
- 記憶機能は、保存された内容を、AIが完全に正しく使うことを保証するものではありません。Geminiの公式ヘルプも、常に正しいとは限らないと書いています。
出典
- Memory FAQ(OpenAI Help Center、2026年10月8日確認)
- Memory in ChatGPT(OpenAI Help Center、2026年10月8日確認)
- Use Claude's chat search and memory to build on previous context(Claude Help Center、Anthropic、2026年10月8日確認)
- Get personalization with memory of your past Gemini chats(Gemini Apps Help、Google、2026年10月8日確認)
- Manage what Gemini remembers about you and customize responses(Gemini Apps Help、Google、2026年10月8日確認)
- Get personalization in Gemini Apps(Gemini Apps Help、Google、2026年10月8日確認)
- Manage & delete your activity in Gemini Apps(Gemini Apps Help、Google、2026年10月8日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
