3行でいうと
- 実行の場所は3種類。手元のプロジェクト(Local)、手元の別作業コピー(Worktree)、クラウドの専用環境(Cloud)。
- 安全は2段。サンドボックスは「技術的にできること」、承認ポリシーは「いつ止まって確認するか」。手元で動かす場合は、初期は通信オフ。
- 設定は
config.toml。優先順位は、コマンドラインの指定、プロジェクト、プロファイル、ユーザー、の順。プロジェクト設定は信頼したときだけ読まれる。
この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は、公式の文書を読んでまとめたものです。Codexの文書は、2026年10月8日の時点で、URLの移転(developers.openai.comからlearn.chatgpt.comへ)や、古い設定の廃止がありました。内容は変わることがあります。今回(10月22日)は、出典の9ページのうち8ページを取り直しました(同じ題の「Agent approvals & security」のもう1つのURLだけは取り直していません)。
先に結論
- 場所の選び方。 見立てです。手元で作業したいならLocal、今の作業を汚したくないならWorktree、手元のPCを閉じても進めたい、またはまっさらな環境で動かしたいならCloud、という整理が文書の記述から読めます。文書は、使い分けの指針を明示していません。
- 安全は2つの鍵。 サンドボックス(隔離)と承認ポリシー(確認のタイミング)。標準では、バージョン管理されたフォルダで「作業フォルダ内は書き込めるが、外へ出たり通信したりするときは確認」になります。
- 旧い
untrustedは廃止。 公式文書は、approval_policy = "untrusted"はもうサポートされず、残っていると起動できなくなることがある、と警告しています。
前提:Codexとは
文書では、Codexは「ChatGPTの、本格的な作業とソフトウェア開発のための道具」と説明されています。使える入口として、ChatGPTのデスクトップ・モバイル・Web、Codex CLI(ターミナルで動くコマンド)、IDE拡張(エディタに入れる拡張)、Codex Cloud(クラウドの環境)が挙がっています。
用語です。
- サンドボックスは、AIが動く範囲を囲う隔離の仕組みです。囲いの外には、勝手に触れません。
- 承認ポリシーは、AIが「やってよいか」を人に聞くタイミングの決まりです。
- config.tomlは、Codexの設定ファイルです(TOMLは設定用の書式です)。
実行の場所:Local・Worktree・Cloud
デスクトップアプリの「環境モード」についての文書の説明は、次のとおりです。
| モード | 動く場所 | 内容 |
|---|---|---|
| Local | 手元のPC | 今のプロジェクトのディレクトリで直接作業する |
| Worktree | 手元のPC | gitのワークツリー(同じリポジトリの別の作業コピー)に変更を分けて、今のチェックアウトから隔離する |
| Cloud | クラウド | 公開済みの再利用できる環境から、専用の作業場所でリモートのタスクを始める |
文書が強調している違いがあります。Cloudのタスクは、クラウド環境の中のファイルとサービスだけを使います。手元のファイル、動いているプロセス、ブラウザのログイン、VPNは、自動では持ち込まれません。また、タスクの変更は、再利用する環境そのものを書き換えません。
クラウドの始め方(文書の手順)
- ChatGPTにサインインする。
- Webかデスクトップで「Work in > Cloud」を開き、環境を選ぶ。モバイルではCodexを開く。
- 既存の環境を選ぶか、リポジトリを選んで新しく作る。GitHubの接続を求められることがある。
- 新しい環境は、Codexがプロジェクトを調べて準備し、依存関係を入れ、動作を試す。その結果を見て、保存して「公開(Publish)」する。
- タスクを書いて送る。変更とテスト結果を確認し、追加の修正を頼み、準備ができたらコミットするかプルリクエストを開く。
文書には「各タスクに専用の作業場所があり、PCがスリープしていても進められる」とあります。ターミナルからクラウドのタスクを始めたり、最近のクラウドの会話の状況を一覧したりできる、とも書かれています。ただし、その具体的なコマンド名は、読んだページに書かれていません。
通信(インターネット)はどうなるか
ここは確認が必要です。読んだ文書のあいだで、次のように見えました。
- 承認とセキュリティの文書は、手元のエージェントについて「標準では通信はオフ」と書いています。
- 同じ文書は、「Codex Cloud(Legacy)」について、準備の段階は依存関係を入れるため通信できるが、エージェントの作業段階は、環境でインターネット接続を許可しないかぎりオフライン、と書いています。「現行のCodex Cloud」については、環境の文書を見るよう案内するだけです(10月22日に読んだ範囲)。
- クラウドの文書の環境設定の画面は、インターネット接続の設定(preset)として「Package managers(パッケージ管理ツールのみ)」だけを示し、「追加で許可するドメイン」と「ネットワーク用の秘密情報」を別の設定として挙げています。それが初期値かどうかは、読んだ範囲では書かれていません。この文書に「Legacy」の語は出てきませんでした。
この3つは、画面や世代が違う可能性があり、僕らは整合を確認できていません。クラウドの通信設定は、使う環境の画面で確かめてください。
安全の2つの鍵:サンドボックスと承認
サンドボックスモード(技術的にできること)
| モード | 内容 |
|---|---|
read-only |
ファイルを読み、隔離の中でコマンドを動かす。外へ出る操作は承認が要ることがある |
workspace-write |
作業ディレクトリでファイル編集とコマンド実行ができる。「Auto」プリセットが使う |
danger-full-access |
隔離なし。システム全体に制限なく作用できる |
承認ポリシー(いつ止まって聞くか)
| ポリシー | 内容 |
|---|---|
on-request |
隔離が許すコマンドは承認なしで走る。隔離の外に出る操作や通信は承認が要る |
never |
確認しない。ただしサンドボックスの制限は残る |
granular |
聞く場面の種類を選び、残りは自動で拒否する。隔離の承認、実行ルール、MCP、権限要求、スキルのスクリプトなどの区分がある |
untrusted |
廃止。設定、プロファイル、スクリプトから消すこと |
10月22日のページには、approvals_reviewer = "auto_review"と設定すると、条件に合う承認の依頼を「レビュー役のエージェント」に回せる、という記述もありました。この記事では詳しく扱いません。
初期設定は、バージョン管理されたフォルダでAuto(workspace-writeとon-request)、バージョン管理されていないフォルダでread-onlyです。作業フォルダを信頼するまではread-onlyで始まることがあります。codexをフラグなしで実行すると、この初期設定になります。
untrustedからの移行は、sandbox_mode = "read-only"とapproval_policy = "on-request"の組み合わせにするか、approval_policyを省いてユーザー設定に[projects."/path"]のtrust_level = "untrusted"を書く、と案内されています。
守られる場所と、危ないスイッチ
workspace-writeでも、書き込める場所の中の.git、.agents、.codex、.awsは、読み取り専用に保たれます(下の階層も再帰的に)。10月8日の記事では.awsが挙がっていませんでした。通信を使うには、[sandbox_workspace_write]のnetwork_access = trueで有効にします。network_proxyという機能は、有効にした通信にドメインの規則をかけますが、通信そのものを許可するものではありません。
--dangerously-bypass-approvals-and-sandbox(別名--yolo)は、隔離も承認もなくします。文書は「推奨しない」と書いています。10月8日に読んだ文書には、--full-autoはcodex execでは非推奨で、古い書き方は警告つきで動き、代わりにcodex exec --sandbox workspace-writeを使うよう案内されている、とありました(10月22日に取り直した承認とセキュリティのページには--full-autoの記載が見つからず、Autoプリセットは--sandbox workspace-write --ask-for-approval on-requestと書かれていました)。
設定ファイル(config.toml)の置き場所と優先順位
設定は、ユーザー設定の~/.codex/config.tomlと、プロジェクトの.codex/config.tomlにあります。セキュリティのため、プロジェクトの.codex/の設定は、そのプロジェクトを信頼したときだけ読まれます。信頼していなければ、読み飛ばされますが、ユーザーとシステムの設定は読まれます。
優先順位は、強い順に次のとおりです(文書の記述)。
- コマンドラインのフラグと
--configの上書き - プロジェクトの設定(プロジェクトの根から現在地まで。近いものが優先。信頼したプロジェクトのみ)
--profileで選んだプロファイルのファイル(~/.codex/プロファイル名.config.toml)- ユーザー設定(
~/.codex/config.toml) - ワークスペースに配られたクラウド管理の既定値
- システム設定(Unixでは
/etc/codex/config.toml) - 組み込みの既定値
組織のrequirements.tomlの方針は、さらに動作を制約します。たとえば管理者はapproval_policy = "never"を禁止できます。
主な設定は、model(既定のモデル)、approval_policy、sandbox_modeです。公式文書の例です。この記事では、実行していません。
model = "gpt-6.1-sol"
approval_policy = "on-request"
sandbox_mode = "workspace-write"
プロファイルは、共通の既定をconfig.tomlに置き、違う値だけを入れたファイルです。名前つきの権限プロファイルは、[permissions.<名前>]の表とdefault_permissionsで作る、と書かれています。
実行時に切り替える方法は、1回ごとに--sandboxと--ask-for-approval(短縮は-a)、設定ファイルのsandbox_modeとapproval_policy、保存したプロファイル(codex --profile)、セッション中の/permissionsです。動作を試すには、codex sandbox macos・linux・windowsで、隔離の下でのコマンドの挙動を見られる、とあります。
指示とサブエージェント
指示ファイルAGENTS.mdは、~/.codexから現在地まで順に連結され、合計の初期上限は32KiBです(AGENTS.mdのガイドの記述)。ここでは詳しく扱わず、Codexのサブエージェントだけ触れます。
文書によると、サブエージェントは、作業の一部を並行して担当し、結果を1つの回答にまとめる専門のエージェントです。ノイズの多い途中経過を本流のチャットから外せます。それぞれが自分のモデルとツール呼び出しを使うため、単独の実行より多くのトークンを使います。自分で作る場合は、~/.codex/agents/(個人)か.codex/agents/(プロジェクト)にTOMLファイルを置き、name、description、developer_instructionsが必須です。modelやmodel_reasoning_effortなどは任意です。10月8日に読んだときはsandbox_modeとmcp_serversも任意で、省くと親から引き継ぐと書きましたが、10月22日のページでは、この2つをカスタムエージェントのファイルに書いても親の設定は上書きされず、権限・提供元・MCPサーバーは親から引き継ぐ、と読めました。サンドボックスと承認は親のセッションで決める、とあります。全体の設定(enabledやmax_concurrent_threads_per_session)は、config.tomlの[agents]に書きます。enabledの初期値はtrueで、サブエージェントの流れは現行のリリースでは既定でオン、と書かれています。組み込みのエージェントはdefault、worker、explorerです。
使い分けの見立て
見立てです。文書の記述を、判断の軸に並べてみます。
| 状況 | 候補 | 文書から読める理由 |
|---|---|---|
| 手元のコードを、その場で直したい | Local+workspace-write+on-request |
初期設定。作業フォルダの外へ出るときだけ確認 |
| 実験的な変更を、今の作業と分けたい | Worktree | 別の作業コピーに隔離される |
| PCを閉じていても進めたい。手元の環境に依存したくない | Cloud | 専用の作業場所。スリープ中も進む |
| 手元のVPNや、ログイン済みのブラウザが必要 | Local | Cloudには自動で持ち込まれない |
| 書き込みを広げたくない | read-onlyかworkspace-write |
danger-full-accessと--yoloは、文書が推奨しない |
つまずきやすい点
- 古い設定の残り。
approval_policy = "untrusted"が残っていると、起動できないことがある、と警告されています。 - プロジェクト設定が効かない。 信頼していないプロジェクトの
.codex/は読まれません。 - プロファイルの優先位置。 文書の優先順位では、プロファイルは、プロジェクト設定より弱く、ユーザー設定より強いと書かれています。
- Cloudに手元の事情を期待する。 ローカルのファイル、プロセス、ログイン、VPNは持ち込まれません。
- URLの移転。 以前のdevelopers.openai.com/codexの文書は、learn.chatgpt.comに転送されます。古い記事の手順は、ページの構成が変わっているかもしれません。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。文書の記述の整理です。
- Codexの文書は、「ChatGPT Work」「Codex Cloud(Legacy)」など、呼び名の変更が進んでいる様子があり、画面や機能名が文書と違うかもしれません。
- クラウドの通信の初期状態は、文書のあいだで説明が分かれて見え、確認できていません。
- 利用枠は、プランによって違います。文書は、Codexが無料から有料まで、Free・Go・Plus・Pro・Business・Edu・Enterpriseの各プランに含まれ(10月22日のページでも同じ)、枠は「固定のメッセージ数ではなく目安」で、クラウドのタスクは手元のメッセージより多く消費しうる、と書いています。ChatGPT WorkとCodexは同じ料金・クレジット・利用枠を共有する、とも書かれています。料金の金額は、この記事では扱いません。プランの価格や上限は、変わることがあります。
- クラウドからのコマンドの具体名や、Windowsのサンドボックスの細部は、読んでいません。
- 権限の設定は安全に関わります。業務で使う前に、組織のルールとあわせて確認してください。
出典
- Codex overview(ChatGPT Docs、OpenAI、2026年10月22日確認)
- Codex Cloud(ChatGPT Docs、OpenAI、2026年10月22日確認)
- Environment modes(ChatGPT Docs、OpenAI、2026年10月22日確認)
- Agent approvals & security(ChatGPT Docs、OpenAI、2026年10月22日確認)
- Agent approvals & security(Codex、OpenAI、2026年10月8日確認)
- Config basics(ChatGPT Docs、OpenAI、2026年10月22日確認)
- AGENTS.md(ChatGPT Docs、OpenAI、2026年10月22日確認)
- Subagents(ChatGPT Docs、OpenAI、2026年10月22日確認)
- Pricing(ChatGPT Docs、OpenAI、2026年10月22日確認)
更新履歴
-
2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
-
2026年10月22日 公式の資料を読み直して、次の点を直しました。
- 前:カスタムのサブエージェントは、sandbox_modeとmcp_serversを任意で書け、省くと親から引き継ぐ → いま:書いても親の設定は上書きされず、権限やMCPサーバーは親から引き継ぐ
- 前:
--full-autoは非推奨で、古い書き方は警告つきで動く → いま:10月22日のページには記載が見つからない。Autoプリセットは--sandbox workspace-write --ask-for-approval on-request - 前:
workspace-writeで読み取り専用に保たれる場所は.git、.agents、.codex→ いま:.awsも加わった - 前:クラウドのネット接続の既定は「Package managers」 → いま:それが初期値かは書かれていない。追加ドメインとネットワーク用の秘密情報は別の設定
- 前:安全の初期は通信オフ → いま:手元で動かす場合は、初期は通信オフ
- 前:サブエージェントの流れは、既定でオンとは書いていなかった → いま:
enabledの初期値はtrueで、現行のリリースでは既定でオン
