3行でいうと
- LM Studioは0.3.17(2025年6月25日の告知)から、MCPのホストとして公式に対応しています。
- Ollama本体の文書には、MCPをつなぐ手順は見つかりません。Open WebUIは、MCPに対応しています。
- MCPのサーバーは、あなたの権限で動く普通のプログラムです。入れる前に、出どころを確かめます。
- 道具の説明が多いと、ローカルのAIの会話の長さをすぐ使い切ります。
この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書を読んでまとめたものです。つないだときの使い心地や、各モデルの道具の使い方の上手さは、確かめていないので書いていません。
先に結論
MCP(Model Context Protocol)は、AIのアプリが、外の道具やデータにつながるための共通の規格です。MCPの公式サイトによると、現在の版は「2026-07-28」です。
読んだ範囲でいえば、状況は次のとおりです。
- LM Studio:アプリがMCPの「ホスト」(道具につなぐ側)として動き、設定ファイル(mcp.json)に書くか、ボタン1つで道具を足せます。道具を呼ぶたびに、確認の画面が出ます。
- Ollama:公式文書に、道具を呼ぶ機能(ツール呼び出し)の説明はあります。一方、読んだ範囲ではMCPをつなぐ手順は見つかりませんでした。MCPを使うなら、Open WebUIのように、Ollamaを裏側のモデルとして使えて、MCPにも対応しているアプリを経由する形になります。
- どの道具でも:ローカルのモデルは、道具を呼ぶ能力に差があります。「つながった」ことと、「うまく使える」ことは別です。
見立てです。最初の1つは、LM Studioで、読み取りだけの道具から試すのが安全だと思います。確認の画面があり、道具の許可を1回ずつ出せるためです。
前提:言葉の整理
- MCPホスト:道具につなぐ側のアプリです。LM StudioやClaude Desktopが当たります。
- MCPサーバー:道具を提供するプログラムです。ファイル検索、Webの検索、メモの読み書きなどがあります。
- MCPクライアント:ホストの中にあり、サーバー1つにつき1つ作られる接続の部品です。
- ツール呼び出し:モデルが「この道具をこの引数で呼んで」と文章で依頼し、アプリが実行して、結果をモデルに返す仕組みです。LM Studioの文書は、「モデルは自分でコードを実行できない」と明記しています。
- stdio:自分のパソコンの中で、プログラムを子プロセスとして起動して、標準入出力でやりとりする方式です。
- Streamable HTTP:ウェブの通信(HTTP)でやりとりする方式で、遠くのサーバーに向きます。
MCPの公式の説明では、パソコンの中で動くサーバーはstdio、遠隔のサーバーはStreamable HTTPが典型です。
LM Studio:公式に対応
対応の経緯と、つなぎ方
LM Studioの2025年6月25日の告知によると、0.3.17でMCPに対応しました。ローカルのサーバーも遠隔のサーバーも使えます。つなぎ方は2つです。
- アプリの右側にある「Program」タブで、「Install」から「Edit mcp.json」を開き、設定ファイルを書く。
- 「Add to LM Studio」ボタン(ディープリンク)を使う。対応するサーバー側がボタンを用意している場合のみ。
設定ファイルの書き方は、Cursor(開発用エディタ)のmcp.jsonの書き方にそろえています。ファイルの場所は、macOSとLinuxでは ~/.lmstudio/mcp.json です。公式の文書は、アプリ内のエディタで編集するよう勧めています。
保存すると、LM Studioが自動でサーバーを読み込みます。サーバーごとに別のプロセスを起動します。npxやuvxなどで動くサーバーなら、それらがパソコンにあって、PATH(コマンドを探す場所)に通っている必要があります。
mcp.jsonの例(公式文書の例です。この記事では、実行していません)
LM Studioの文書にある、Hugging FaceのMCPサーバーの例です。
{
"mcpServers": {
"hf-mcp-server": {
"url": "https://huggingface.co/mcp",
"headers": {
"Authorization": "Bearer <YOUR_HF_TOKEN>"
}
}
}
}
<YOUR_HF_TOKEN> は、自分のHugging Faceのトークンに置き換えます。文書は、手で追加するときに、"mcpServers": { の後から、閉じる } の前までだけを写すよう注意しています。
パソコンの中で動かす例として、MCPの公式文書には、ファイルを扱うサーバーの設定があります(Claude Desktop向けの設定ですが、mcpServers の形は同じです)。
{
"mcpServers": {
"filesystem": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-filesystem",
"/Users/username/Desktop"]
}
}
}
これは公式文書の例を短くしたものです。この形がLM Studioでそのまま動くかは、この記事では確かめていません。MCPの文書は、このサーバーが動くにはNode.jsが要ると説明しています。また、渡したフォルダーのファイルを、自分の権限で読み書きできる、とも書いています。
確認画面
LM Studioの告知によると、モデルが道具を呼ぶとき、確認のダイアログが出ます。引数(渡す値)を見て、必要なら書き換えてから実行できます。「毎回許可」と「今回だけ許可」を選べ、「毎回許可」にすると、その道具では確認が出なくなります。変更は、アプリの設定の「Tools & Integrations」でできます。
遠隔のサーバーとOAuth
LM Studioの文書によると、OAuth(ログイン画面を経由して許可を出す方式)に対応するサーバーなら、ブラウザでログインするだけで道具がつながります。トークンは、承認後に安全に保存される、と書かれています。サーバー側が事前登録を求める場合は、mcp.jsonに auth を書き、コールバックのアドレスに http://127.0.0.1:33389/mcp-oauth-callback を使うとあります。
プログラムから使う(REST API)
LM Studio 0.4.0以降は、REST APIのチャット命令でも、MCPが使えます。その場で指定する「一時的なサーバー」と、mcp.jsonに登録した「事前設定のサーバー」の2通りです。それぞれ、サーバーの設定画面で、許可の設定を有効にする必要があります。
allowed_tools で、モデルが使える道具を絞れます。文書は、絞ると、モデルに渡す道具の説明が減って、プロンプトの処理が速くなる場合がある、と書いています。指定しなければ、そのサーバーの全部の道具が使えます。
Ollama系:本体と、つなぐアプリ
Ollamaの公式文書には、「ツール呼び出し」のページがあり、モデルが道具を呼び出して、結果を返答に含める機能が説明されています。Ollamaのモデル一覧には「tools」の印があり、道具を呼べるモデルがわかります。
一方、僕らが読んだ範囲のOllamaの文書(ツール呼び出し、連携の一覧)に、OllamaがMCPのホストとして動く、という説明は見つかりませんでした。ollama-pythonの例には、MCPの「サーバー」を作る例(Web検索)があり、CursorやCline、Open WebUIなどのMCPクライアントから使えると書かれています。見立てです。これは、Ollamaの機能を道具として提供する側の例で、OllamaがMCPをつなぐ側になる話とは別だと読みました。
ここで、Ollamaを裏側のモデルとして使えるアプリが選択肢になります。Open WebUIの文書によると、次のとおりです。
- MCPには、v0.6.31以降で対応しています。
- 対応する通信方式はStreamable HTTPだけです。stdioやSSEのMCPサーバーは、mcpoというオープンソースの変換器を通す形が紹介されています。
- 追加できるのは管理者だけです。MCPサーバーは、接続したユーザーの権限で、コードを動かしたり、データを読んだりしうる強い道具なので、という理由が書かれています。
- 設定は「設定 > 管理 > 連携」の「外部ツールサーバー」で、種類を「MCP (Streamable HTTP)」にします。OpenAPIを選んでmcpServersの書式を入れると、画面が壊れる、という注意があります。
Ollamaの連携の一覧には、Goose、Cline、Zedなどの名前もあります。これらがMCPに対応するかは、各アプリの文書によるので、この記事では確かめていません。
選び方・判断の基準
見立てです。
- 画面で試したいなら:LM Studio。mcp.jsonに1つ足し、確認画面を見ながら使う。
- Ollamaを使っている人は:まず、使いたいアプリ(Open WebUIなど)がMCPに対応するかを、そのアプリの文書で確かめる。
- 道具は最小限に:入れる道具の数を絞る。数が多いと、モデルに渡す説明が増える。
- モデルは、道具を呼べるものを:LM Studioのモデルページの「Capabilities」欄に「tool use」と書かれたもの、Ollamaで「tools」の印があるものを選ぶ。
よくあるつまずき
- 道具が読み込まれない:stdioのサーバーは、npxやuvxが必要です。LM Studioの文書は、それらをPATHに通すよう案内しています。
- すぐ「会話が長すぎる」になる:LM Studioの文書は、Claude、ChatGPT、Gemini向けに作られたサーバーは、トークンを使いすぎることがある、と警告しています。ローカルのモデルが重くなり、コンテキストの溢れが頻発しうる、とあります。コンテキスト長の設定は、別の記事で扱っています。
- モデルが道具を使わない、引数を間違える:Open WebUIの文書は、MCPは道具へのつなぎであって、モデルの使う力を上げるものではない、と書いています。道具の呼び出しが安定した、より強いモデルを試すよう勧めています。
- 接続の種類を間違える:Open WebUIでは、MCPとOpenAPIで種類を選び分けます。
- 「毎回許可」にして忘れる:LM Studioで「毎回許可」を選んだ道具は、確認が出なくなります。
安全のために
MCPの公式文書(Local Server Security)は、ローカルのMCPサーバーを、「インターネットから取ってきたコードを、あなたのアカウントの子プロセスとして動かすもの」と説明しています。環境変数、あなたのアカウントが読めるファイル(SSHの鍵、クラウドの認証情報、ブラウザの情報など)、外への通信に、制限なく触れうる、とあります。stdioの通信は、守りの境界ではない、とも書かれています。
文書が挙げている対策のうち、主なものは次のとおりです。
- 出どころを確かめる:発行元、パッケージ名の綴り(似た名前の偽物に注意)を確かめ、
latestではなく、版を固定して入れる。 - 道具の定義を、信用できない入力として扱う:道具の名前や説明は、モデルへの指示になりうる。使う前に、一覧を読む。
- 数を絞る:設定した全サーバーは、同じ文脈を共有する。1つ増やすごとに、他のサーバーが受ける影響の範囲も広がる。
- 隔離して動かす:コンテナーや、専用の仮想マシンなどで動かす。
- 秘密は、サーバーごとに渡す:全体の環境変数に置かず、権限を狭めたトークンを、サーバーごとに発行する。
また、MCPの公式のサーバー集は、見本の実装であり、そのまま本番に使うものではない、安全性は自分で評価するように、と注意しています。
LM Studioの文書も、信用できない出どころのMCPは入れない、と繰り返し警告しています。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。画面の名前や操作は、版によって変わりえます。
- Ollama本体がMCPに対応しているかは、「読んだ範囲の公式文書に説明がなかった」という意味で、「対応していない」と断定するものではありません。新しい版で変わっている可能性があります。
- LM Studioが、MCPの規格のどの版に対応しているかは、読んだ文書では確認できていません。
- 例の設定は、公式文書の例です。名前やトークンは置き換えてください。トークンは他の人に見せないでください。
- 会社や学校のパソコンで使うときは、MCPサーバーの導入が許可されているかを、先に確認してください。
- 2026年10月8日に見た内容です。MCPの規格もアプリも、更新が続いています。
出典
- MCP in LM Studio(LM Studio Blog、LM Studio、2025年6月25日。2026年10月8日確認)
- Use MCP Servers(LM Studio Docs、LM Studio、2026年10月8日確認)
- Add to LM Studio Button(LM Studio Docs、LM Studio、2026年10月8日確認)
- MCP via API(LM Studio Docs、LM Studio、2026年10月8日確認)
- MCP with OAuth(LM Studio Docs、LM Studio、2026年10月8日確認)
- Tool Use(LM Studio Docs、LM Studio、2026年10月8日確認)
- Gemma 4(LM Studio モデルページ、LM Studio、2026年10月8日確認)
- Tool calling(Ollama Docs、Ollama、2026年10月8日確認)
- Ollama Docs 目次(llms.txt、Ollama、2026年10月8日確認)
- ollama-python examples README(GitHub、Ollama、2026年10月8日確認)
- Model Context Protocol (MCP)(Open WebUI Docs、Open WebUI、2026年10月8日確認)
- Getting Started with Open WebUI(Open WebUI Docs、Open WebUI、2026年10月8日確認)
- Architecture overview(Model Context Protocol、2026年10月8日確認)
- Versioning(Model Context Protocol、2026年10月8日確認)
- Connect to local MCP servers(Model Context Protocol、2026年10月8日確認)
- Local Server Security(Model Context Protocol、2026年10月8日確認)
- MCP servers リポジトリ README(GitHub、modelcontextprotocol、2026年10月8日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
