3行でいうと
- 入力と出力の基本料金は、Haiku 5.5もGPT-6 Lunaも入力0.10ドル・出力0.50ドル(どちらも100万トークンあたり)で一致しています。
- 違いは「高くなる境目」です。Haiku 5.5は10万トークンを超える依頼で全部が5倍、GPT-6 Lunaは27.2万トークンを超える依頼で入力が2倍・出力が1.5倍です。
- 「9割安い」は料金表の数字の比べ方で、同じ文章はHaiku 5.5のほうが約30%多くトークンに数えられます。短い依頼での実質は約87%の値下げ(僕らの試算)です。Anthropicの発表ページは「平均で約75%安い」と書いています。
この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は、公式の料金表とモデルの説明ページを2026年10月10日に読んでまとめ、10月22日に読み直したものです。数字の試算は僕らの計算で、実際の請求は各社の画面で確かめてください。購入や契約をすすめる記事ではありません。
先に結論
- 基本料金は横並びです。 公式ページによると、Haiku 5.5は入力0.10ドル・出力0.50ドル、キャッシュの読み出し0.01ドルで、GPT-6 Lunaも入力0.10ドル・出力0.50ドル・キャッシュ入力0.01ドルです(どれも100万トークンあたり)。
- 境目の位置と上がり方が違います。 Haiku 5.5は「プロンプトが10万トークンを超える」と、その依頼のすべてのトークンが5倍の料金になります。GPT-6 Lunaは「27.2万トークンを超える」と、入力とキャッシュが2倍、出力が1.5倍です。
- キャッシュに当たっても、境目の判定は変わりません。 Haiku 5.5の料金表は、プロンプトの長さにはキャッシュの読み出しと書き込みも数える、と書いています。10万トークン超の依頼は、キャッシュが当たっていても高いほうの表で課金されます。
- 「9割安い」は、そのままは使えません。 Haiku 4.5からの単価は10分の1ですが、Haiku 5.5は同じ文章を約30%多くトークンに数えます。僕らの試算で、同じ文章を処理する費用は約13%(約87%の値下げ)でした。Anthropicの発表ページは、平均で約75%安い、と書いています(前提の違いは、下の「くわしく」に書きました)。
- 向く使い方と向かない使い方があります。 短い文書の分類、要約、抽出のように、1回の依頼が10万トークンに収まる処理は安く済みます。長い資料を1回の依頼にまとめて入れる使い方は、境目を越えた瞬間に割高になります。
前提:用語をそろえる
- トークン:AIが文章を処理するときの単位です。文字数とは一致せず、モデルごとの数え方で変わります。
- 入力トークン・出力トークン:AIに渡す文章の量と、AIが返す文章の量です。API(プログラムからAIを呼ぶ仕組み)では、別々の単価で数えます。
- プロンプトキャッシュ:同じ前置きを何度も渡すとき、2回目以降を安く読み込む仕組みです。料金表では「キャッシュの読み出し」の欄にあたります。
- コンテキストウィンドウ:1回の依頼で扱える文章の上限です。
- バッチ処理:急ぎでない大量の依頼をまとめて送り、安く処理する方法です。Anthropicの料金表では、入力と出力が50%引きです。
- トークナイザー:文章をトークンに分ける仕組みです。モデルの世代で数え方が変わると、同じ文章でもトークン数が変わります。
料金表を並べる(100万トークンあたり、ドル)
公式の数字を並べたものです。優劣の比較ではありません。
| 項目 | Haiku 4.5(旧) | Haiku 5.5:10万トークン以下 | Haiku 5.5:10万トークン超 | GPT-6 Luna:27.2万トークン以下 | GPT-6 Luna:27.2万トークン超 |
|---|---|---|---|---|---|
| 入力 | 1.00 | 0.10 | 0.50 | 0.10 | 0.20 |
| 出力 | 5.00 | 0.50 | 2.50 | 0.50 | 0.75 |
| キャッシュ読み出し | 0.10 | 0.01 | 0.05 | 0.01 | 0.02 |
| キャッシュ書き込み(5分) | 1.25 | 0.125 | 0.625 | 0.125 | 確認できていません |
| バッチ | 50%引き | 50%引き | 50%引き | 標準の50%(Flexも) | 読んだページに記載なし |
- GPT-6 Lunaの超過側は、公式の文「27.2万トークン超のプロンプトは、リクエスト全体について入力・キャッシュが2倍、出力が1.5倍」から僕らが計算した値です。キャッシュ書き込みとバッチの超過側は、読んだページに単価の記載を見つけられず、確認できていません。
- コンテキストウィンドウは、Haiku 5.5が100万トークン、最大出力が12.8万トークンです。GPT-6 Lunaも105万トークン、最大出力12.8万トークンです。Haiku 4.5は20万トークン、最大出力6.4万トークンです。
- 知識の期限は、Haiku 5.5が2026年6月、GPT-6 Lunaが2026年5月18日と書かれています。
参考として、同じ週に話題になったGPT-6.1 Solは、入力2.00ドル・出力10.00ドル・キャッシュ入力0.10ドルで、27.2万トークンを超えた依頼の扱いはLunaと同じ文言でした。
試算:どこで逆転するか
次は僕らの試算です(計算、見立てではなく算術です)。すべて出力は2,000トークン、依頼は1回あたりとして、上の表の単価で計算しました。実際の請求は、使うモデルの設定や課金の細かい決まりで変わります。
| 場面 | Haiku 5.5 | GPT-6 Lunaの場合 | 一言 |
|---|---|---|---|
| 入力5万トークン | 0.006ドル | 0.006ドル | 同じ |
| 入力10万トークン(うち9万がキャッシュ) | 0.0029ドル | 0.0029ドル | 同じ |
| 入力12万トークン(キャッシュなし) | 0.065ドル | 0.013ドル | Haikuは5倍、境目を越えた |
| 入力12万トークン(うち11万がキャッシュ) | 0.0155ドル | 0.0031ドル | キャッシュが当たっても、高いほうの表 |
| 入力30万トークン(1回で入れる) | 0.155ドル | 0.0615ドル | Lunaも2倍側に入る |
| 入力30万トークン(ちょうど10万ずつ3回に分ける) | 0.033ドル | 0.033ドル | 分割すると同じ |
読み取れること(見立てです)。
- 10万トークンの手前と先で、Haiku 5.5の費用は急に跳ね上がります。上の「10万(9万がキャッシュ)」と「12万(11万がキャッシュ)」の差は、プロンプトが2万トークン長くなっただけで、費用が約5倍(0.0029ドル→0.0155ドル)です。
- 依頼を分けると費用は下がりますが、分けた片方は、もう片方の内容をAIが見られません。全体を見て答えてほしい仕事では、品質が変わりうる点を、料金とは別に考える必要があります。
- 毎回同じ長い前置き(社内ルールなど)を付ける使い方では、その前置きの長さが10万トークンを超えないように設計するのが、Haiku 5.5では特に効きそうです。
「9割安い」を計算し直す
Anthropicのモデル説明ページは、Haiku 5.5が、Claude 4.7以降と同じ新しいトークナイザーを使い、同じ文章がHaiku 4.5より約30%多くトークンに数えられると書いています。
- Haiku 4.5で、入力5万トークン・出力2,000トークンの依頼:50,000×1.00ドル/100万+2,000×5.00ドル/100万=0.06ドル。
- 同じ文章をHaiku 5.5で処理すると、入力は約6.5万トークン、出力は約2,600トークン(約30%増と仮定)。65,000×0.10ドル/100万+2,600×0.50ドル/100万=約0.0078ドル。
- 比は約0.13。つまり約87%の値下げで、単価の比(10分の1=90%引き)より少し小さくなります。
30%増は、公式ページの「約」の数字をそのまま使った仮定です。日本語でどれだけ増えるかは、読んだ文書にはなく、確認できていません。
公式の数字との違い(10月22日に読み直して分かったこと):Anthropicの発表ページは、冒頭で「平均で約75%安い」と書いています。脚注では、10万トークンまでの依頼は90%安く、10万トークンを超える依頼は50%安い、としています。脚注には、トークンの使われ方の変化も計算に入れたとあり、Haiku 4.5の依頼の約9割が10万トークン以下だったとも書かれています。僕らの約87%は、10万トークン以下の依頼だけを、約30%増の仮定で計算した値なので、平均の約75%とは前提が違います。公式の約75%の内訳は、読んだ範囲では分かりません。実際の数字は、自分の文章を実際に送って、返ってくる使用量の記録で確かめるのが確実です。
境目の決まり方(料金表の文言)
- Haiku 5.5:「プロンプトが10万トークンを超える依頼は、高い料金を払う。プロンプトの長さには、入力トークンのすべて(キャッシュの読み出しと書き込みを含む)を数える。依頼ごとに別々に判定し、キャッシュが当たっていても、境目を越えた依頼は高い料金を払う」と書かれています。以前の依頼は、そのときの料金のままです。
- ほかの現行モデル:同じ料金表は「Claude 4.6以降のモデル(Haiku 5.5を除く)とClaude Mythos Previewは、100万トークンのコンテキストを標準料金のまま含む」と書いています。つまり、Claude 4.6以降のモデルでは、Haiku 5.5だけが長さで単価が変わります。
- GPT-6 Lunaと6.1 Sol:「27.2万トークンを超える入力のプロンプトは、リクエスト全体について入力・キャッシュが2倍、出力が1.5倍」とあります。
「リクエスト全体」にかかる点は、2社とも同じです。境目を1トークン越えるだけで、その依頼のすべてのトークンが高い単価になります。
どんな仕事ならHaiku 5.5を選べるか
公式の発表ページには、いくつかの評価の数字が載っています。Haiku 5.5はデスクトップ操作を測るOSWorld 2.1(オフライン部分)で72.4%、Haiku 4.5は15.7%、GPT-6 Lunaは48.9%、Sonnet 5.5は83.9%です。端末操作の評価Terminal-Bench 4.0は、Haiku 5.5が39.2%、Haiku 4.5が0.0%、GPT-6 Lunaが16.4%、Sonnet 5.5が70.6%と書かれています。いずれもAnthropicが公表した数字で、この記事では再現していません。
同じページは、複雑なエージェント的コーディングには、Sonnet 5.5とOpus 5.5のほうが適している、と書いています。
見立てです。料金だけで選ぶと、次のような分け方になります。
- 安く済みやすい:問い合わせの分類、短い文書の要約、項目の抽出、毎回短い入力の自動処理。依頼ごとのプロンプトが10万トークンに収まる処理です。
- 注意が要る:長い契約書や議事録をまるごと1回で読ませる処理、長い前置きを毎回付ける処理。境目の手前に収めるか、別の価格体系のモデルと比べる価値があります。
- 別の基準で選ぶ:難しい仕事は、料金より精度が大事です。上の評価の数字も、Haiku 5.5が「Sonnet 5.5の代わりになる」とは言っていません。
Haiku 4.5を使っている人へ
Haiku 4.5のページには「Active (legacy)」とあり、廃止は「2026年10月15日より前にはない」と書かれています。10月22日に読み直しても同じ書き方で、その日付はもう過ぎていますが、確定した廃止日は読んだ範囲に書かれていませんでした。Haiku 5.5への移行を検討するよう案内も出ています。移行の注意点として、モデル説明ページは次を挙げています。
- 新しいトークナイザーで、同じ文章が約30%多くトークンに数えられます。
temperature、top_p、top_kは指定しない(省く)よう案内されています。指定したときにエラーになるかは、読んだ範囲では分からないので、移行ガイドで確認します。- 適応的な思考がもともと有効で、深さは
effortで調整します(初期値はmedium)。
移行ガイドの具体的な内容までは、僕らは読んでいません。
ニュースで読んだ話を、公式の文書で確かめた結果
| 話 | 確かめられたこと | 注意 |
|---|---|---|
| Haiku 5.5が10月7日に出た | Anthropicの発表ページで、公開日2026年10月7日、全プラットフォームで利用可と確認 | モデルIDはclaude-haiku-5-5 |
| 入力0.10ドル/出力0.50ドル、10万超で5倍 | 料金表とモデル説明で確認。10万超は入力0.50ドル・出力2.50ドル、キャッシュ読み出し0.05ドル | 5倍という倍率は料金表に書かれておらず、数字の比から僕らが計算 |
| 「Haiku 4.5から最大9割の値下げ」 | 単価では、入力1.00→0.10ドル、出力5.00→0.50ドルで10分の1。ただし30%多く数える点を加えると約87% | 上の試算は僕らの計算。公式の発表ページは「平均で約75%安い」、10万トークン超の依頼は単価で50%安い、と書いている |
| GPT-6 Lunaと価格が完全に一致 | OpenAIのモデルページで、入力0.10ドル・出力0.50ドル・キャッシュ入力0.01ドルを確認 | 境目は別(27.2万トークン超で2倍・1.5倍) |
| OSWorld 2.1で72.4%、Terminal-Bench 4.0で39.2% | Anthropicの発表ページに同じ数字 | 自社の評価で、この記事では再現していません |
| ニュースが書いた「長文を一度に流し込むなら、分割したほうが安い」 | 料金表の仕組みから、上の試算の通り成り立つ | 分割すると、AIが全体を一度に見られない |
自分の仕事で試す前の確認点
見立てです。公式の料金表から組み立てたチェックで、試した結果ではありません。
- 1回の依頼のプロンプトは何トークンか。 前置き、資料、会話履歴の合計です。10万トークンに近いなら、境目を意識します。
- 前置きを毎回付けていないか。 Haiku 5.5では、キャッシュが当たっていても前置きの長さが境目の判定に入ります。
- 出力はどれだけ長いか。 出力の単価は入力の5倍です。短く返す設計のほうが、全体の費用に効きます。
- バッチ処理にできないか。 急ぎでない処理は、入力と出力が50%引きになります。
- 同じ文章で、実際の使用量を測ったか。 約30%という数字は目安です。少量で試して、請求画面や使用量の記録で確かめます。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。公式の料金表とモデルの説明ページを、2026年10月10日に読んでまとめ、10月22日に読み直したものです。料金や条件は変わりやすいので、使う前に公式の最新の料金表で確かめてください。
- 試算の表は、僕らの計算です。出力2,000トークン、キャッシュの書き込みなし、バッチなし、データの置き場所の指定なしという単純な前提で、実際の請求とずれることがあります。Anthropicの料金表には、米国内だけで処理を指定すると1.1倍になる設定も書かれていますが、試算には入れていません。
- GPT-6 Lunaの超過側の単価は、公式の倍率から僕らが計算した値です。キャッシュ書き込みとバッチの超過側は、読んだページで確認できていません。
- 評価の数字(OSWorld、Terminal-Bench)はAnthropicが自社で公表したもので、第三者の再現はありません。
- 表は公式の記載を並べたもので、優劣の評価でも、特定のサービスをすすめるものでもありません。業務で使う場合は、社内の担当者や契約の窓口に相談してください。
出典
- Pricing(Claude Platform Docs、2026年10月22日確認)
- Claude Haiku 5.5(Claude Platform Docs、2026年10月22日確認)
- Claude Haiku 4.5(Claude Platform Docs、2026年10月22日確認)
- Introducing Claude Haiku 5.5(Anthropic、2026年10月7日、2026年10月22日確認)
- GPT-6 Luna Model(OpenAI API Docs、2026年10月22日確認)
- GPT-6.1 Sol Model(OpenAI API Docs、2026年10月22日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
