3行でいうと
- チーム向けで変わるのは、大きく3つです。誰がどう入るか(席、ログイン、役割)、データをどう扱うか(学習、保持、ログ)、契約の形(請求、席の種類)です。個人向けは、この3つを本人が決める形でした。
- 同じ会社の中にも段階があります。ChatGPTではBusinessの上にEnterprise、ClaudeではTeamの上にEnterpriseがあり、SCIM(ユーザーの自動登録・削除)、監査ログ、保持期間の細かい設定などは、上の段階に載っています。
- 組織向けの各社ページは、入力や出力を、既定ではモデルの学習に使わない、と書いています。ただし、フィードバックなどの例外があります。また、ページによって書き方がずれているところもありました。
この記事は、公式の文書を読んでまとめたもので、実際に使って確かめた記録ではありません。内容は2026年10月16日に読んだ時点のもので、プランの機能は変わりやすいです。僕らの考えは「見立てです」の部分に分けました。法律や契約の助言ではありません。
先に結論
- 「チーム向け」の中身は、会社ごとに違います。 同じ名前でも、ChatGPT Businessは最低2席、Claude Teamは2席から150席までで、席の種類(Standard、Premium)があります。GoogleとMicrosoftは、席ではなく、Workspaceの対象エディションや、Copilotの契約の形で書かれています。
- 管理の機能は、上位プランほど増えます。 SSO(会社のログインで入る仕組み)はBusinessにもTeamにもあります。SCIM、役割ごとのアクセス制御、監査ログは、読んだ範囲では、ChatGPTとClaudeではEnterpriseの側に出てきます。
- データの約束は、書き方がそろっていません。 学習に使わない、は各社に共通です。保持期間や会話の閲覧の書き方は、会社ごとに違います。
- ページの食い違いがあります。 同じ会社のページどうしで、機能の書き方がずれているところがありました。決める前に、窓口へ書面で確かめるのが安全です。
前提:3つの言葉
- SSO(シングルサインオン):会社のログインの仕組みで、AIのサービスにも入れる方法です。
- SCIM:社員の登録と削除を、会社の名簿と自動でそろえる仕組みです。OpenAIのページには、ユーザーの自動の登録と削除(provisioning、deprovisioning)と書かれています。
- 監査ログ:誰がいつ何をしたかの記録を、管理者が見られるようにしたものです。
1. 区分と席:何人から、どんな席か
席は、AIを使う人1人ぶんの枠です。席を買って、メンバーに割り当てます。
| サービス | 区分 | 読んだページに書かれていたこと |
|---|---|---|
| ChatGPT | Business | 最低2席。席はStandardとPremiumがあり、使える量が席で決まる。APIは別請求。請求書払い、BAA(医療のデータ向けの契約)、ゼロデータ保持は、契約型の別の提供が必要と書かれている |
| ChatGPT | Enterprise、Edu | 管理機能が上乗せされる(次の節)。保存地域の選択などは、対象の顧客に限られる |
| Claude | Team | 2席から150席。StandardとPremiumの席があり、Premiumは、Standardの5倍の使用量(料金ページ)。使用量の上限は、メンバーごとで、チームで共有しない(Teamのヘルプ) |
| Claude | Enterprise | 最小20席。自分で申し込む形と、営業が間に入る形があり、後者は請求書払いなどに対応 |
| Workspace(対象エディション) | 席の数の話は、読んだページにはない。Geminiの機能は、対象のエディションで使える | |
| Microsoft | Microsoft Copilot、Copilot Chat | 「エンタープライズデータ保護」の管理は、契約するMicrosoftのプランで変わる、と書かれている |
ChatGPT Businessは、以前の名前がTeamで、2025年8月29日の改名でプランの中身は変わらない、と書かれています。2026年6月24日より前に作られたワークスペースには、旧式のCodex用の席が残る場合がある、ともあります。
2. 管理機能:誰が、何を管理できるか
ChatGPT。 OpenAIの「Business data」のページ(日付の記載なし、著作権表示は2026年まで)では、BusinessにMFA(本人確認の追加)、Member・Admin・Ownerの役割、外部のGPTのオンオフ、SAMLのSSO、利用状況の簡単な分析が載っています。EnterpriseとEduなどには、これに加えて、SCIM、グループごとの役割別アクセス制御、費用の管理、利用の詳しい分析が載っています。
Claude。 Claudeの料金ページの表で、TeamとEnterpriseを並べると、次のとおりです。
| 機能 | Team | Enterprise |
|---|---|---|
| SSOとドメイン認証 | あり | あり |
| 中央での請求と管理 | あり | あり |
| コネクタ(外部ツールとの連携)の管理者設定 | あり | あり |
| 利用状況の分析、費用の上限 | あり | あり |
| 役割ごとのアクセス制御 | なし | あり |
| SCIM | なし | あり |
| 監査ログ、Compliance API | なし | あり |
| 保持期間のカスタム設定 | なし | あり |
Google。 Workspaceのページによると、Geminiアプリは中核のサービスで、既定ではオンです。管理者はこれをオフにでき、対象のエディションでは、Gmail、Drive、Docs、Meet、Chatの中のGeminiの機能も、オンオフできます。Geminiの監査ログは、レポート用のAPIなどから見られます。
ページの食い違い:書き方がそろっていない点
- Claude Teamの役割とドメインの扱い。 料金ページの表では、役割ごとのアクセス制御とドメインの取り込み(Domain capture)はEnterpriseだけです。ところが、Teamのヘルプには、TeamにSSOとドメインの取り込み、JIT(初回ログイン時の自動登録)、役割ごとの権限がある、と書かれています。どちらが現在の正しい状態か、僕らは判断できません。
- ChatGPT BusinessのSSO。 「Business data」のページは、BusinessにSAMLのSSOを載せています。同じ会社の「Enterprise privacy」のページの、Businessの欄には、SSOの記載は見当たりませんでした(要約を通して読んだため、取りこぼしの可能性もあります)。ページごとに、書く項目が違うためだと思いますが、これは見立てです。
3. データの扱い:学習、保持、ログ、地域
| 項目 | ChatGPT Business | Claude Team | Google Workspace | Microsoft Copilot(組織) |
|---|---|---|---|---|
| 学習の既定 | 使わない | 使わない | 事前の許可なく使わない | 学習に使わない(プロンプト、返答、Graphのデータ) |
| 保持期間 | 管理者が決める。削除した会話は30日以内に消える(例外あり) | 読んだページに記載なし | 管理者が決める(Geminiアプリは最長36か月、既定18か月) | 保持ポリシーに従う。既定の期間の記載なし |
| 管理者が会話を見られるか | 見る、書き出す、削除する、ができる | 読んだページに記載なし | 監査ログが見られる | やりとりの監査ができる |
| 地域の選択 | Business単体では記載なし | 読んだページに記載なし | Geminiアプリの地域は記載なし | EUデータ境界に例外あり(下記) |
ChatGPT。 「Enterprise privacy」のページ(2026年1月8日更新)によると、Businessは既定でモデルの学習に使わず、顧客のデータは顧客のものとされます。EnterpriseとEduでは、会話とGPTの監査ログをCompliance API経由で見られます。「Business data」のページには、Enterprise、Edu、Healthcareなどの対象の顧客は、保存地域を、米国、欧州、英国、日本、カナダ、韓国、シンガポール、オーストラリア、インド、UAEから選べる、とあります。
Claude。 Anthropicの商用向けのページ(2026年8月18日付)は、入力と出力を既定では学習に使わない、と書いています。ただし、評価ボタンやバグ報告で送った内容は、学習に使われうるとされ、関連する会話は最長5年保存されます。所有者などは、「Rate chats」の設定でメンバーからの送信を止められます。
Google。 「Generative AI Privacy Hub」(2026年10月6日更新)には、顧客のデータで、許可なく学習しない、と書かれています。Geminiが取りに行く情報は、利用者がもともとアクセスできるものだけです。外部と共有されたファイルや、組織の外で作られたファイルは、2026年10月6日の追記で、アプリをまたぐ参照が既定でオフになる、とあります。
Microsoft。 「エンタープライズデータ保護」のページ(2026年8月18日の更新と表示)には、MicrosoftはDPA(データ処理の契約)の下でデータの処理者として動く、とあります。ウェブ検索のクエリはBingに送られ、そこは別の扱いで、DPAやBAAの対象外とされています。AnthropicのモデルはEUデータ境界の対象外、とも書かれています。
選び方の目安(見立てです)
ここからは、公式の説明を読んだうえでの僕らの見立てです。各社の推奨ではありません。
- まず「人を出し入れするか」を考えます。 人の入れ替わりが多いなら、SCIMがあるかが分かれ目です。読んだ範囲では、ChatGPTもClaudeも、SCIMはEnterpriseの側に載っています。
- 会話の記録を、会社として見る必要があるかを決めます。 ChatGPT Businessは、管理者が会話を見られると書かれています。Claudeでは、監査ログはEnterpriseの欄です。必要なら、対象のプランを確かめます。
- 保持期間を、会社で決めたいかを考えます。 WorkspaceとChatGPT Businessは、管理者が決めると書かれています。Claudeは、細かい設定がEnterpriseの欄です。
- 特別な契約が要るかを考えます。 医療のデータのBAA、請求書払い、ゼロデータ保持は、ChatGPT Businessのヘルプでは、契約型の別の提供が必要、と書かれています。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。読んだのは、公式のヘルプ、プライバシーのページ、料金ページです。2026年10月16日の内容で、変わりやすいです。
- WebFetchが返した要約を元に、言い換えて書いています。要約に混じっていた推論は、事実として使っていません。
- Claude Teamの管理者が会話を見られるか、保持期間がどうなるかは、読んだページに書かれていません。確認できていません。
- ChatGPT Businessのヘルプの役割ごとの権限、コネクタの管理者設定は、そのページには書かれていませんでした。
- 「Business data」のページとClaudeの料金ページには、日付の記載がありません。
- 席の数などは、各社のページの数字をそのまま書いたもので、変わることがあります。
- Microsoftは、Copilot Chatのエンタープライズデータ保護のページだけを読みました。ライセンスの種類ごとの違いは確認できていません。
- 契約や個人情報保護法、社内規程の判断は範囲外で、助言ではありません。契約書と会社の担当部署で確かめてください。
出典
- Business data privacy, security, and compliance(OpenAI、日付の記載なし、10月16日確認)
- Enterprise privacy at OpenAI(OpenAI、2026年1月8日更新、10月16日確認)
- ChatGPT Business(OpenAI Help Center、10月16日確認)
- Claude Pricing(Anthropic、10月16日確認)
- What is the Team plan?(Claude Help Center、10月16日確認)
- Is my data used for model training?(商用製品)(Anthropic、2026年8月18日付、10月16日確認)
- Generative AI in Google Workspace Privacy Hub(Google、2026年10月6日更新、10月16日確認)
- Enterprise data protection in Microsoft Copilot(Microsoft Learn、2026年8月18日更新と表示、10月16日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
