3行でいうと

  • 個人向けのプランでは、利用者本人が設定を決めます。ChatGPTは学習に使うかの設定を本人が切り替えられ、データの書き出しやアカウント削除も本人ができる、とヘルプにあります。
  • 組織向けのプラン(ChatGPT Business、Claude Team、Google Workspaceなど)では、管理者や所有者が前に出ます。ChatGPTのBusinessでは、管理者が会話を見て、書き出し、削除できる、と公式にあります。一方で、メンバー本人は自分で書き出しやアカウント削除ができません。
  • 「同じメールアドレスで個人と会社の両方を持つ」場合に、データがどう分かれるかは、読んだ公式ページに書かれていませんでした。混ぜない運用にするか、会社の決まりを先に確かめるのが安全だと、僕らは見ています。

この記事は、公式の文書を読んでまとめたもので、実際に使って確かめた記録ではありません。内容は2026年10月16日に読んだ時点のものです。法律や社内規程の助言ではありません。僕らの考えは「見立てです」と書いた部分に分けました。

先に結論

前提:契約の形を3つに分ける

各社で呼び方が違うので、この記事では次の3つに分けて読みます。この分け方は僕らのもので、公式の用語ではありません。

形 誰が契約するか ChatGPT Claude Google
個人契約 自分 Free、Go、Plus、Pro Free、Pro、Max 個人のGoogleアカウントで使うGemini
チーム契約 小さな集まりで申し込む Business(以前の名前はTeam) Team 読んだページには該当する区分の記載なし
会社契約 組織が契約する Enterprise(教育機関はEdu) Enterprise Google Workspace

ChatGPT Businessは、2025年8月29日にTeamから名前が変わりましたが、プランの中身は変わらないと、ヘルプに書かれています。最低2席から使えるとも書かれています。ClaudeのTeamは、料金ページによると、2席から150席までです。Enterpriseは、20席が最小とされています。

個人契約で、本人が決められること

ChatGPT(Free、Go、Plus、Pro)。 OpenAIのData Controlsのヘルプによると、設定の「Improve the model for everyone」をオフにすると、新しい会話は学習に使われません。データの書き出しは設定かプライバシーポータルから依頼でき、アカウントの削除も設定からできます。削除は元に戻せない、とあります。

Claude(Free、Pro、Max)。 Anthropicの個人向けのページ(2026年3月16日付)には、「Model Improvement」の設定を許可した場合、安全のために確認の対象になった場合、自分から参加した場合に、会話が改善に使われうると書かれています。Incognito(履歴を残さない)チャットは、設定がオンでも使われません。ただし、この設定の初期値がオンかオフかは、そのページには書かれていませんでした。Claudeの料金ページの表には、個人向け3プランの学習の既定は「オプトアウト」(本人が切る形)とありますが、この記事ではそれ以上は確認していません。

Gemini(個人のGoogleアカウント)。 Googleの個人向けGeminiのプライバシーのページ(2026年10月13日更新)では、「Keep Activity」がオンのとき、会話は保存され、サービスの改善(生成AIの学習を含む)に使われます。オフにすると保存されず学習にも使われませんが、72時間は保持されます。会話の一部は、人間の確認者が読むことがあります。自動削除の既定は18か月で、3か月か36か月、または無期限にも変えられます。人間が確認した会話は、最長3年とされています。この設定の初期値は、ページに書かれていません。

見立てです。個人契約は、設定も削除も自分で決められるぶん、会社としては何も決められません。

組織契約で変わること

ChatGPT Business。 OpenAIの「Enterprise privacy」のページ(2026年1月8日更新)には、Businessのデータは既定ではモデルの学習に使わない、データの所有は顧客にあり、保持期間は管理者が決め、削除した会話は30日以内に取り除かれる(法律や安全のために必要な場合を除く)、とあります。さらに、管理者は、ワークスペースの利用者の会話を見る、書き出す、削除することができます。

一方、Data Controlsのヘルプには、BusinessとEnterpriseでは、利用者本人による自己サービスでの書き出しとアカウント削除はできず、ワークスペースの所有者に依頼する、とあります。Eduの書き出しは、管理者が許可した場合だけです。

Claude Team。 Claudeの料金ページの表では、Teamの学習の既定は「なし」とされ、中央での管理と請求、SSOとドメイン認証、利用額の上限の設定、利用状況の分析が「あり」になっています。ただし、管理者が利用者の会話を見られるのか、どう書き出せるのかは、僕らが読んだページには書かれていませんでした。

Google Workspace。 Googleの「Generative AI Privacy Hub」(2024年12月17日公開、2026年10月6日更新)には、顧客の事前の許可や指示がない限り、顧客のデータでモデルを学習しない、と書かれています。Geminiアプリは、管理者がオンとオフを選べます。会話の保持期間は管理者が決め、Geminiアプリでは最長36か月、既定は18か月です。利用者は会話を削除できますが、管理者が禁止することもできます。

整理すると、次のようになります。

項目 個人契約 組織契約
学習に使われるか 本人の設定しだい(初期値は各社のページで確認が必要) 既定では使われない、と各社が書いている(例外あり)
データを消せる人 本人 管理者や所有者(ChatGPT Businessの利用者本人は不可)
会話を見られる人 原則は本人(Geminiは一部を人間が確認) ChatGPT Businessは管理者が見られる。他社は読んだ範囲では未確認
保持期間を決める人 本人の設定の範囲 管理者(Workspace、ChatGPT)
Google Workspaceの保持期間と、例外の書き方

Workspaceのプライバシーのページは、保持を機能ごとに分けて書いています。Workspaceの各アプリの中のGeminiは、プロンプトと返答を90日から無期限の範囲で、管理者が決めます。Geminiアプリは、最長36か月の範囲で、既定は18か月です。履歴をオフにした場合は、最長72時間とあります。Gemini Notebookは、プロンプトと返答は保持されません。

フィードバックのデータは、最長18か月保持されることがある、とも書かれています。「顧客のデータで学習しない」という約束とは別に、利用者が送るフィードバックは別の扱いになりうる、という読み方になります。ページは、Workspaceのデータの地域設定がGemini Notebookには適用されないことも書いています。組織向けでも、機能ごとに扱いが違うので、使う機能のところを読む必要があります。

同じメールで、個人と会社の両方を持つとき

Claudeのログインのヘルプには、個人のアカウントと、TeamやEnterpriseのアカウントが同じメールアドレスを使っている場合、左下のイニシャルから切り替えられる、と書かれています。ただし、仕事用と個人用でデータや設定がどう分かれるのかの説明は、そのヘルプには見つかりませんでした。

ChatGPT Businessの概要のヘルプも、個人アカウントとワークスペースの関係や、個人アカウントからBusinessに移る手順は、そのページには書かれていませんでした。

見立てです。ここが書かれていないのは、運用の穴になりえます。仕事の資料を、うっかり個人側で入れる失敗が起こりやすいからです。次の運用なら、書かれていない部分に頼らずにすみます。

  1. 会社の資料は、会社の契約の側だけで扱う。 画面の切り替えに頼らず、仕事用のブラウザのプロフィールやアプリを分ける。
  2. 会社のメールで個人契約をしない。 辞めたあとに、そのアカウントの持ち主が誰なのか、揉めるもとになります。
  3. 支払いも分ける。 会社の仕事のためのプランを、個人のカードで払い続けるのは避ける。

分け方を決める4つの質問

見立てです。公式の説明を読んだうえでの僕らの整理で、各社の推奨ではありません。

  1. 入れる資料は、誰のものか。 自分の趣味や勉強なら個人契約で足ります。取引先の資料、顧客の情報、社内の文書なら、会社の判断が先です。会社が決めていないなら、個人契約に入れない、が基本だと思います。この点は、別の記事(会社の資料をAIに入れる前の確認)でも扱っています。
  2. やめたとき、誰がデータを消すのか。 ChatGPTの個人向けは本人が消せます。ChatGPTのBusinessとEnterpriseは、所有者への依頼になります。他社は、読んだ範囲では確認できていません。引き継ぎたい資料があるなら、組織契約のほうが向いています。
  3. 複数の人で、同じ資料と指示を共有するか。 Claudeの料金ページでは、プロジェクトの共有と共同作業は、TeamとEnterpriseだけに載っています。1人で完結する使い方なら、個人契約で足ります。
  4. 管理者が必要か。 人の出入りが多い、全員の設定をそろえたい、SSO(会社のログインで入る仕組み)を使いたい、という場合は、組織契約が必要です。どのプランにSSOがあるかなどの違いは、別の記事で比べます。

気をつけること

出典

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