3行でいうと

  • 入る長さ(コンテキストウィンドウ)は、2026年10月22日に読んだ公式ページで、OpenAIの主力が1,050,000トークン、AnthropicのClaudeの主なモデルが1M、GoogleのGemini 4が約1M(1,048,576)です。ただし、答えと「考え」の分も同じ枠を使います。
  • 精度については、Anthropicは「トークンが増えると正確さと思い出す力が下がる」、Googleは「1つの探し物は約99%でも、複数になると下がる」と書いています。読み落としがないという約束は、読んだページには見当たりませんでした。
  • AnthropicとGoogleが勧める入れ方は、資料を上に、質問を最後に置くことです。アプリでは、ファイルの上限や扱い方がAPIと違います。自分の資料で、答えを知っている質問を仕込んで確かめるのが、いちばん確実だと僕らは考えます。

この記事では、長い資料をAIに読ませて、読み落としを確かめてはいません。この記事は、公式の文書とヘルプ、1本の論文を、2026年10月22日に読んでまとめたものです。僕らの考えは「見立てです」と書いた部分に分けました。長い資料を扱うアプリの上限の一覧、針探し試験や長い文脈の研究の読み方は、別の記事で扱っています。

先に結論

入る長さ:公式ページの数字

2026年10月22日に読んだ数字です。モデルの名前も数字も、変わることがあります。

提供元 モデルと入る長さ 出力の上限 公式の説明
OpenAI(API) GPT-6 Astra、GPT-6.1 Sol、GPT-6 Luna:1.05M(Astraは1,050,000) Astraは128,000 モデル一覧のページが、主力3つを1.05Mと記載
Anthropic(API) Fable 5.1、Opus 5.5、Sonnet 5.5、Haiku 5.5など:1M 128K 1Mは既定で、特別な設定は不要と記載
Google(Gemini API) Gemini 4(gemini-4-argon):入力・考え・出力で共有の1,048,576。Gemini 3と2.5:入力1M、出力64K Gemini 4は枠の共有のため、入力と出力の合計が上限を超えると、出力が切り詰められる 多くのモデルが「1M以上」と記載

読むときの注意が3つあります。

  1. 答えの分も同じ枠です。 Anthropicは、枠に数えるものとして、システムの指示、会話、道具の結果、画像、文書、そして考えのトークンを含む出力を挙げています。Gemini 4は、入力、考え、出力の共有です。資料でいっぱいに使うと、答えの余地が減ります。
  2. 長いと値段が変わる場合があります。 OpenAIのGPT-6 Astraのページには、入力が272Kトークンを超えると、そのリクエスト全体で、入力は2倍、出力は1.5倍になる、とあります。Anthropicは、長い文脈も標準の料金だが、Haiku 5.5は100,000トークンを超えると高くなる、と書いています。
  3. 「どれくらいの量か」。 Googleの文書は、長い文脈で扱える量の目安として、コード約5万行、平均的な小説約8冊、平均的なポッドキャストの文字起こし200本以上、を挙げています。

「入る」と「読める」は別:公式が書いていること

Anthropic。 コンテキストウィンドウの文書は、「コンテキストロット」という言葉で、トークンが増えるにつれて正確さと思い出す力が下がる、と書いています。また、「多ければ多いほどよい、とは限らない」とも書いています。モデルごとの、長さと精度の数字は、読んだページにはありませんでした。

Google。 長い文脈の文書は、1つの情報を探す試験(針探し)では、1回の質問で約99%の正確さ、と書いています。一方、複数の情報を探すと、正確さは下がり、状況によって大きく違う、とも書いています。さらに、「100個の項目を99%の正確さで取り出す」には、100回に分けた依頼が必要になりうる、と費用との兼ね合いを説明しています。複数の針についての具体的な数字は、読んだページにはありませんでした。

OpenAI。 GPT-6 Astraのモデルのページには、長い文脈の評価は載っていませんでした。「Using GPT-6」のページも、長い文脈や資料の置き方には触れていませんでした。OpenAIが、長い資料の精度について何と書いているかは、僕らが読めた範囲では確認できていません。

2023年の論文「Lost in the Middle」が示したこと

Nelson F. Liuらによる論文(arXiv 2307.03172、2023年7月提出。TACL 2023に採択)は、複数の文書からの質問応答と、キーと値の探し出しで、関係する情報が入力のどこにあるかで成績が変わることを示しました。情報が最初や最後にあると成績が高く、真ん中にあると、はっきり下がります。著者は、当時の言語モデルは、長い入力の情報をしっかりとは使えていない、と結論しています。

読んだのは論文の要旨だけで、どのモデルで試したかなどの細かい点は、確認していません。2023年のモデルの結果なので、今のモデルにそのまま当てはまるとは言えません。ただ、「どこにあるかで結果が変わりうる」という確かめ方は、いまの資料にも使えます。

公式が勧める資料の入れ方

AnthropicとGoogleの文書は、ほぼ同じことを書いています。

アプリで資料を渡すとき:APIとは別の上限

ChatGPTとClaudeのアプリは、APIの数字とは別の決まりで資料を扱います。上限の一覧は別の記事にあるので、ここでは読み落としに関わる点だけです。

見立てです。ChatGPTの「1ファイル200万トークン」は、先に見た主力モデルの枠(1.05M)より大きい数字です。ヘルプはPDFを「テキストベースの検索」で扱うと書いているので、資料の全部が、毎回そのまま枠に入っているとは限らないと思います。ただ、ヘルプはその仕組みを詳しく書いていないので、これは推測です。「全部読んだ」という答えが出ても、本当に全部が参照されたかは、画面からは分かりません。

読み落としを確かめる手順(見立てです)

公式の文書にある勧めを、確かめの手順に組み直したものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。

  1. まず長さを見積もる。 Claudeの文書には、送る前にトークン数を数えるAPIがあります。アプリにそのような機能があるかは、読んだページでは確認できませんでした。
  2. 答えが分かっている質問を3つ作る。 資料の前のほう、真ん中、後ろのほうの、それぞれに1つずつ、自分が知っている事実があるものにします。位置で結果が変わるか(上の論文の考え方)を見ます。
  3. 「全部で何か所あるか」を1つ入れる。 複数の情報を探すのが弱い、とGoogleが書いているので、1つ見つける質問より、すべて挙げさせる質問が、読み落としを見つけやすいはずです。
  4. 答えに、資料の該当部分を引用させる。 Anthropicの勧めと同じ形です。引用が資料に実在するかを、人が検索で確かめます。
  5. 数字、日付、名前、条文は、元の資料で確かめる。 契約書などは、確認のための下読みにとどめ、判断は専門家と元の文書で行います。助言ではありません。
  6. 長すぎるときは、分ける。 章ごとに読ませて、まとめを作らせるやり方は、読んだページには、こうせよとは書かれていません。僕らの考えです。

気をつけること

出典

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