3行でいうと

  • インストールが要るのは、プログラムから使うときのSDK(Pythonなら pip install -U google-genai、JavaScriptなら npm install @google/genai、公式のクイックスタート)と、DAWで使うFlow Musicのプラグイン(macOSのみ、07)だけです。Geminiアプリ、Flow Music、Vidsはブラウザやアプリから入ります。
  • Gemini APIで使うには、Google AI StudioでAPIキーを作り、環境変数 GEMINI_API_KEY(または GOOGLE_API_KEY)に入れます。両方あるときは GOOGLE_API_KEY が優先される、と公式は書いています。
  • Google AI Studioの音楽ワークスペースは、公式のブログ(2026年3月25日付)が「有料のAPIキーが必要」と書いています。課金の設定はAI Studioの「Set up billing」からです。
  • Vertex AI(Google Cloud)の手順は、公式のドキュメント本文を取得できず、この記事では書けません。ブログから分かる入口の名前だけを載せます。

この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。

公式のページは要約の形で取得しています。コマンドやコードは、全文を公式ページで見て写してください。画面の表記は更新で変わることがあるので、手元の画面と照らして読んでください。

先に結論

前提:用語をそろえる

たとえ話:入口ごとに「入る扉」が違う

同じ楽団でも、受付(Geminiアプリ)は名前を言えば通れ、スタジオ(Flow Music)は会員登録、業者向けの裏口(API)は通行証(APIキー)が要る、というイメージです。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。

入口ごとに、先に整えるもの

入口 先に要るもの(公式の記載) インストール 根拠
Geminiアプリ 18歳以上、個人のGoogleアカウントか対応する仕事・学校のアカウント、Keep Activityがオン 不要(ブラウザ)。モバイルはGeminiアプリ Gemini Appsヘルプ
Flow Music 18歳以上(Googleの年齢確認)、対応地域、Googleアカウント 不要(ブラウザ) Google Flowヘルプ
Google Vids 対応するGoogle WorkspaceまたはGoogle AIのプラン 不要 Google Docs Editorsヘルプ
Gemini API Googleアカウント、AI Studioで作るAPIキー SDKを入れる(任意の言語) Gemini APIドキュメント
AI Studioの音楽ワークスペース 有料のAPIキー 不要 Googleのブログ(2026-03-25)
Vertex AI Google Cloud(本文は読めず) 読めず Google Cloudのブログ
DAWの楽器・エフェクト Flow Musicのアカウント、macOS プラグインを入れる Google Flowヘルプ

A. Geminiアプリで始める

手順:ブラウザ(パソコン)から

公式のヘルプ「Generate music with Gemini Apps」の手順を順に並べたものです。ヘルプは、ウェブとAndroidのスマートフォン・タブレットを同じ手順として書いています。

  1. 個人のGoogleアカウント(または対応する仕事・学校のアカウント)で、gemini.google.com を開きます。
  2. Keep Activity(アクティビティの保存)がオンであることを確かめます。ヘルプはこれを条件に挙げています。オンにする画面の経路は、このヘルプからは読み取れませんでした。
  3. テキストボックスの下の「Upload & tools」を押し、「Create music」を選びます。
  4. 必要なら画像や動画をアップロードします(任意)。
  5. プロンプトを入力します。プロンプトの例は06にあります。
  6. フルの曲を作りたいときは、モデルを「Pro」に切り替えます。切り替えの場所は、ヘルプの要約からは分かりませんでした。
  7. 画面のドロップダウンで、長さ(短い=約1分、フル=約2〜3分)、ボーカルの有無、ジャンルを選べます(ヘルプの記載)。

手順:Geminiモバイルアプリから

  1. Geminiアプリを開きます。
  2. テキストボックスの下の「Upload & tools」を押し、「Create music」を選びます。
  3. 必要なら画像や動画をアップロードし、プロンプトを入力します。

出来上がったら(確かめ方)

つまずき

症状 公式の記載に基づく確認点
「Create music」が出ない 年齢(18歳以上)、アカウントの種類、Keep Activityのオン。国や言語の対応はこのヘルプに書かれていません。01の内容と、最新のヘルプを確認
回数を超えた ヘルプは「上限を超えると通知が出る。契約の変更か、上限の更新を待つ」と書いています。具体的な本数は書かれていません(04も参照)

B. Flow Music で始める

手順:サインインまで

公式のヘルプ「Get started with Google Flow Music」を順に並べたものです。

  1. パソコンで https://www.flowmusic.app/ を開きます。
  2. 年齢確認を済ませます。ヘルプは、https://myaccount.google.com/age-verification で確認し、18歳以上であること、対応地域にいることを条件にしています。
  3. 左上の「Login」を選び、「Continue with Google」を選びます。
  4. 使うアカウントを選び、「Continue」を選びます。
  5. 更新された認可の画面を確認します。
  6. Google AIの会員の特典を使うときは、初回のログインで、チェックボックス「Google One benefits」を自分で選びます(ヘルプは「manually select」と書いています)。
  7. 「Continue」を選びます。

手順:最初の設定

プロンプトボックスの下の「Settings」から、次の設定に進めます(ヘルプの記載)。

  1. プロデューサーのカスタマイズ: 「Settings」→「Customize producer」。設定は「Progress」「Instructions」「Flows」「Memories」の4つから選びます。ヘルプの説明は、「Progress」=レベル・連続日数・次のレベルまでの手順、「Instructions」=新しいセッションで自動で有効になる指示、「Flows」=カスタムのスラッシュコマンド、「Memories」=プロデューサーがFlow Musicでの会話履歴から学ぶかどうかの切り替え、です。
  2. モデルの切り替え: 「Settings」→「Instrument」「Ghostwriter」「Producer」のいずれかを選び、モデルを選びます。

出来上がったら(確かめ方)

公式のヘルプ「Create & manage songs in Google Flow Music」では、左の「New session」→プロンプトを入力→「Send」→曲にカーソルを合わせて「Play」で再生します。詳しい手順は06です。

画面・アプリについて

つまずき

症状 確認点
ログインできない/使えない 年齢確認、対応地域(https://www.flowmusic.app/docs/faq/availability は、この日は https://support.google.com/flow/answer/17083868 に転送されました。地域の一覧は、転送先のこのページには載っていませんでした)
Google AIの特典が反映されない 初回ログインで「Google One benefits」を選んだか。ヘルプは「自分で選ぶ」と書いています
サインアウトの方法 このヘルプには書かれていません。アクセスを外す方法は、後述の「外し方」を参照

外し方(Flow Musicへのアクセスを取り消す)

ヘルプが書いている手順です。

  1. https://myaccount.google.com/ を開きます。
  2. 「Third-party apps and services」を選びます。
  3. 「Google Flow Music」を探して選びます。
  4. 「Delete all connections you have with Google Flow Music」を選び、「Confirm」を選びます。

曲のデータが消えるかどうかは、このページには書かれていません。データの扱いは04を参照してください。

C. Google Vids で始める

公式のヘルプ「Generate music with AI in Google Vids」の手順です。

  1. パソコンでGoogle Vidsの動画を開きます(対応するGoogle WorkspaceまたはGoogle AIのプランが必要。上限は月ごとにリセット、と書かれています)。
  2. サイドバーの「Music」を選びます。「Generate a song」のパネルが開きます。
  3. プロンプトを入力します(ジャンル、状況、トーン、歌詞など)。特定のアーティストやブランドへの言及を避ける、とヘルプにあります(個人情報や機密、センシティブな情報を入れないよう求める記載は、評価のフィードバックの欄にあります)。
  4. 画面の下で長さを選びます。「Full」は約3分、「30s」は約30秒です。
  5. 「Generate」を選びます。
  6. 「Insert」を選ぶと、選んだ場面に入ります。

音が出ないときは、パソコンのスピーカーのミュートと、Vidsのタイムラインのオブジェクトトラックのスピーカーアイコンがミュートでないかを確認する、とヘルプは書いています。このページにはSynthIDや透かしの記載はありませんでした。

D. Gemini API で始める:APIキー → 環境変数 → SDK → 最初の呼び出し

D-1 手順:APIキーを作る

公式の「Using Gemini API keys」を順に並べたものです。

  1. https://aistudio.google.com/apikey を開きます(Googleアカウントでサインイン)。
  2. 新しいキーを作る、または既存のキーを見ます。AI Studioで新しく作るキーはauth keyだ、と書かれています。
  3. すでにGoogle Cloudのアカウントがある場合は、先にAI Studioでプロジェクトをインポートします(Dashboard > Projects > Import projects)。このようなアカウントには、AI Studioが既定のプロジェクトを作らない、と書かれています。
  4. 「Create API key」のボタンが使えないときは、管理者にIAMの権限(Project Editorなど)を頼みます。必要な権限の一覧は公式ページにあります。

得られるもの:文字列のAPIキー。この記事では実際の値を書かず、<YOUR_API_KEY_HERE> と表記します。

D-2 手順:環境変数に入れる

公式の説明では、GEMINI_API_KEY か GOOGLE_API_KEY を設定すれば、クライアントライブラリが自動で見つけます。両方あるときは GOOGLE_API_KEY が優先されます。

Linux / macOS(Bash)

  1. ~/.bashrc を開き、次の行を足します(公式の例)。
  2. 保存して source ~/.bashrc を実行します。
export GEMINI_API_KEY=<YOUR_API_KEY_HERE>

macOS(Zsh)

  1. ~/.zshrc に同じ行を足します。
  2. source ~/.zshrc を実行します。

Windows

  1. Windowsの検索バーから「環境変数」(Environment Variables)を開きます。
  2. ユーザー環境変数(またはシステム環境変数)で「新規」(New)を押します。
  3. 名前に GEMINI_API_KEY、値にキーを入れ、OKを押します。
  4. 新しいターミナルを開きます(公式の手順)。

どのシェルを使っているかは、手元で確認してください。公式ページは上の3通りを書いています。

D-3 手順:SDKを入れる

公式のクイックスタートの記載です。

言語 インストール(公式の記載) 備考
Python pip install -U google-genai 最低バージョンや必要なPythonの版は、このページに書かれていません
JavaScript npm install @google/genai 最低バージョンは書かれていません
Java このページにインストールの手順がありません インポートは com.google.genai
Go このページにインストールの手順がありません インポートは google.golang.org/genai
C# このページでは扱われていません

クイックスタートの最初の呼び出しは、Pythonでは genai.Client() を引数なしで呼ぶ形、JavaScriptでは new GoogleGenAI({}) です。クイックスタートのページ自体は、環境変数を自動で読むとは明記していません。一方、APIキーのページ(D-2)は、環境変数を設定すればクライアントライブラリが自動で見つける、と書いています。

D-4 手順:キーを直接コードに渡す場合

環境変数が使えないときだけの方法として、公式はPythonで genai.Client(api_key="...") の形を示しています。公式はキーをGitなどに入れないよう書いているので(D-7)、この形を使う前に、公式の注意を確認してください。

D-5 手順:Lyriaで最初の呼び出し(30秒のクリップ)

次は、公式ページ「Generate music with Lyria 3.5」にあるPythonの例をもとにしたものです(要約を通して読んだもの。字下げや記号が崩れている可能性があるので、写すときは公式ページの全文を見てください)。

import base64
from google import genai

client = genai.Client()

interaction = client.interactions.create(
    model="lyria-3-clip-preview",
    input="A short instrumental acoustic guitar piece.",
)

generated_audio = interaction.output_audio
if generated_audio:
    with open("music.mp3", "wb") as f:
        f.write(base64.b64decode(generated_audio.data))

lyrics = interaction.output_text
if lyrics:
    print(f"Lyrics:\n{lyrics}")
  1. 上のコードを lyria_test.py のような名前で保存します(名前は例)。
  2. ターミナルで実行します。python lyria_test.py(実行コマンドはこの記事の例)。
  3. 期待される結果:同じ場所に music.mp3 が書き出されます(コードがそう書いています)。公式は、interaction.output_text が歌詞と曲の構成を返し、レスポンスに常に含まれる、と書いています。
  4. フルの曲を作るときは、モデル名を lyria-3.5 にします(公式の例の1つは model="lyria-3.5" に、長めの文章を入力した形です)。

同じ呼び出しのREST版(公式の例):

curl -X POST "https://generativelanguage.googleapis.com/v1beta/interactions" \
-H "Content-Type: application/json" \
-H "x-goog-api-key: $GEMINI_API_KEY" \
-d '{
    "model": "lyria-3-clip-preview",
    "input": "A short instrumental acoustic guitar piece."
}'

返ってきたJSONから音声を取り出す公式の例は、jq と base64 -d を使い、output.mp3 に書き出します。コマンドの全文は公式ページで見て写してください(jq と base64 が手元に必要です)。

D-6 課金の設定(有料のキーが必要なとき)

公式の「Billing」ページ(確認日 2026-10-25)の手順です。AI Studioの音楽ワークスペースを使うには有料のAPIキーが必要、とブログは書いているので、そのときに関わります。

  1. AI Studioのキーのページ、Projectsのページ、または「Set up billing」のボタンがある画面を開きます。
  2. Projectsの表で、アップグレードしたいFree Tierのプロジェクトを探し、Billing Tierの列の「Set up billing」を押します。
  3. Googleの請求先アカウントがない場合は、国を選んで利用規約に同意し、連絡先と支払い方法を入れます。すでにある場合は一覧から選ぶか、「Add new billing account」を押します。
  4. 条件に応じて、前払い(公式の記載では最低5ドル、2026-10-25確認)、前払いか後払いの選択、または一時的な後払い、のどれかになります。
  5. 前払いか後払いを選ぶと設定は完了です。

公式の説明では、請求先アカウントをプロジェクトにひもづけるとその利用枠(tier)、レート制限、上限が引き継がれます。ひもづけを外すとFree Tierに戻ります。tierと状態は、AI StudioのProjectsページの「Billing Tier」の列と、https://aistudio.google.com/billing で確認できる、と書かれています。使用量は「Dashboard」→「Usage」です。キー自体に課金の設定はなく、プロジェクトの設定に従う、とあります。

Lyriaが無料枠で使えるか、料金がいくらかは、この日に読んだ料金ページ(先頭約10万文字)にLyriaの節が見つからず、確認できませんでした。モデルページ(Lyria 3.5)の表にも料金へのリンクはなく、サイドバーに料金ページとレート制限のページがあります。

D-7 キーの守り方と、取り消し

公式の「Using Gemini API keys」の記載です。

E. Google AI Studio の音楽ワークスペース

公式のブログ(2026年3月25日付)の記載です。ブログの時点のモデル名はLyria 3 (30s) とLyria 3 Pro (Full Song) で、Lyria 3.5の表示は、このブログには出てきません。画面の表記は、手元の画面と照らしてください。

  1. 有料のAPIキーを用意します(D-6)。
  2. aistudio.google.com/new_music を開きます。
  3. 「model selection dropdown」から、「Lyria 3 (30s)」か「Lyria 3 Pro (Full Song)」を選びます。この表記そのものは、再確認では公式で確認できていません(ブログの本文には、モデル名として「Lyria 3 Pro」「Lyria 3 Clip」が出ています)。画面の表記は手元で確かめてください。
  4. 作り方のモードを選びます。
  5. 「Text mode」:自然な言葉でテンポや調も含めて説明する。
  6. 「Composer mode」:イントロ、Aメロ、ブリッジなど区間ごとに、タイミング・強さ・説明を決める。
  7. 画像を足すと、雰囲気に反映される、と書かれています(任意)。

試せる別のアプリ(Lyria RealTime用):Prompt DJ(https://aistudio.google.com/apps/bundled/promptdj)とMIDI DJ(https://aistudio.google.com/apps/bundled/promptdj-midi)が、公式のRealTimeのページにあります。

F. Vertex AI(Google Cloud):読めた範囲

動作の確かめ方(まとめ)

入口 期待される結果 根拠
Geminiアプリ 曲が生成され、「Download」「Share」が出る Gemini Appsヘルプ
Flow Music 「New session」から作った曲が、「Play」で再生できる Google Flowヘルプ
Vids 「Insert」で場面に曲が入る Google Docs Editorsヘルプ
Gemini API 環境変数が通り、music.mp3 が書き出される Gemini APIの例(コードがそう書いている)
AI Studio 音楽ワークスペースでモデルを選んで生成できる ブログ

つまずきと直し方(Gemini API)

症状 公式の記載に基づく確認点
キーが見つからないと言われる 環境変数の名前(GEMINI_API_KEY / GOOGLE_API_KEY)。GOOGLE_API_KEY が先に読まれる。Windowsは新しいターミナルを開いたか
「Create API key」が押せない IAMの権限を管理者に頼む(公式の記載)
Google Cloudのプロジェクトがキーのページに出ない AI Studioで「Import projects」を先に行う
output_audio が空 公式の「Limitations」「Errors」の節に、専用のエラー一覧はない、と要約にありました。一般のAPIエラーとトラブルシューティングのページへ
依頼がブロックされる 特定のアーティストの声や、著作権のある歌詞を求める依頼は止められる、と公式にあります
Lyria RealTimeのフィルタ 止められたプロンプトは無視され、理由は filtered_prompt に入る、と公式にあります
呼び出しのコードがエラーになる 公式の変更履歴(changelog)の2026年5月6日付の項目に、リクエスト・レスポンスの形式が outputs から steps に変わる(5月26日に新形式が既定、6月8日に旧形式を削除)、とあります。古い書き方の記事やSDKでは合わない可能性があります(これは僕らの見立てで、原因の断定ではありません)

気をつけること

出典