3行でいうと

  • 公式のGeminiアプリのヘルプは、プロンプトのコツを3つ挙げています。動詞(write、compose、create)で始める、ジャンルと必要なら楽器を書く、題材・動作・場面を書く、の3つです。
  • Gemini APIのプロンプトガイドは、主なジャンルを先頭に書き、楽器、テンポ(BPM)、調、雰囲気、曲の構成([Intro] -> [Verse 1] -> [Chorus] のような書き方)を足していく書き方を示しています。
  • Flow Musicでは、左の「New session」から始め、「Send」で曲を作り、「Songs」→「More」→「Remix」で「Extend」「Cover」「Replace」を選べます。
  • APIのLyria 3.5は一度に作る形で、続けての編集(反復的な手直し)は、公式が「対応していない」と書いています。直したいときは、プロンプトを変えて作り直す形になります。

この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。

手順は「公式の手順を順に並べたもの」です。プロンプトの例は「この記事の例」と書いたものが、この記事で組んだ例で、動作は確かめていません。画面の表記は更新で変わることがあるので、手元の画面と照らして読んでください。

先に結論

前提:用語をそろえる

たとえ話:依頼メモの書き方

作曲家に渡す依頼メモにたとえると、「ジャンル、速さ、楽器、声、歌詞の話題」を書くほど返ってくる方向がそろいます。公式のガイドも、まず主なジャンルを先頭に書く、と示しています。楽器、質感、テンポ、調、雰囲気は足していく要素として挙げられていて、決まった順番はガイドに書かれていません。これは僕らのたとえです。

プロンプトの書き方(全場面で共通)

公式が示している要素

要素 公式の記載 出どころ
書き出し 動詞(write、compose、create)で始める Gemini Appsヘルプ
ジャンル 先頭に主なジャンルを書く。混ぜる、年代や地域をつけるのもよい Lyria prompt guide
楽器 指定したい楽器や変わった組み合わせは、はっきり書く。書かないと、ジャンルに合うものをLyriaが選ぶ。楽器どうしの絡み方を書くと雰囲気に効く Lyria prompt guide
題材・場面 題材、何をしているか、背景や場面を書く Gemini Appsヘルプ
テンポ BPMで書く(例:「120 BPM」「slow tempo around 72 BPM」) Lyria prompt guide
調 「in G major」「in D minor」など Lyria prompt guide
雰囲気 Ambient、Dreamy、Melancholicなどの形容詞 Lyria prompt guide
構成(Lyria 3.5) [Intro] -> [Verse 1] -> [Chorus] -> [Bridge] -> [Outro] のようなタグや矢印。盛り上がり、静かになる、止まる、などの変化も言葉で Lyria prompt guide
時刻の指定 「12秒でビートが落ちる」「22秒でサビ」のような目安。APIのページには [0:00 - 0:10] の形で、その区間の楽器・声・雰囲気を書く方法もある Lyria prompt guide、Generate music with Lyria 3.5
歌詞 Lyrics: の見出しの下に、[Verse] などのタグつきで書く。括弧は、バックコーラスやアドリブ Lyria prompt guide
声 性別、音域、音色。公式ガイドには、Female Soprano、Female Alto、Male Tenor、Male Baritone、Weathered Rockerという声の例がある Lyria prompt guide
歌なし 「instrumental」と書く。Lyria 3.5は、既定で歌詞つきの声が入る Lyria prompt guide(既定で声が入る)、Vertex AIのブログ(「instrumental」と書く)
言語 プロンプトの言語に歌詞が従う Generate music with Lyria 3.5

書き分けのコツ(公式のベストプラクティス)

公式が止める依頼

場面1:Geminiアプリで、短い曲を作る

公式のヘルプ「Generate music with Gemini Apps」の手順です(ウェブ。モバイルも同じ流れ)。

  1. gemini.google.com を開き、Googleアカウントで入ります(18歳以上、Keep Activityがオン)。
  2. テキストボックスの下の「Upload & tools」を押します。
  3. 「Create music」を選びます。
  4. (任意)画像や動画をアップロードします。
  5. プロンプトを入力します。

この記事の例(動作は確かめていません): 公式のコツに合わせて、動詞・ジャンル・楽器・題材・場面を入れた形です。

Compose a calm lo-fi hip-hop beat with soft piano and vinyl crackle for studying on a rainy evening. No vocals.
  1. 画面のドロップダウンで、長さ(short=約1分、full=約2〜3分)、ボーカルの有無、ジャンルを選べます。
  2. 結果を待ちます。生成の完了の見え方は、ヘルプに書かれていません。

返ってくるもの(公式の記載): 表紙の画像つきの動画ファイルとして届く、とヘルプにあります。

公式の例の題材(ヘルプ): ポッドキャストのイントロ、歴史の時代についての短い歌、ローファイ・ヒップホップのビート、自分の街についての歌、が挙がっています。

保存と共有:

  1. 曲の画像の右上の「Download」を押します。
  2. 「MP4」(表紙つきの動画)か「MP3」(音声のみ)を選びます。
  3. 共有するときは、右上の「Share」を押して、リンクをコピーします。

場面2:Geminiアプリで、フルの曲を作る

  1. 場面1の手順で「Create music」を選びます。
  2. モデルを「Pro」に切り替えます(ヘルプは「To create a full track, switch the model to Pro」という趣旨で書いています。切り替えの場所は、読んだ範囲では見つかりませんでした)。
  3. 長さを「full」(約2〜3分)にします。
  4. プロンプトを入力します。

この記事の例(動作は確かめていません): 構成を書く形です。構成のタグ([Intro] など)をGeminiアプリで使えるかは、Geminiアプリのヘルプには書かれていません。ここでは公式のAPIガイドの書き方に合わせた、この記事の案です。

Write an upbeat indie-pop song in G major at 122 BPM about a summer road trip. [Intro] -> [Verse 1] -> [Chorus] -> [Verse 2] -> [Chorus] -> [Outro]. Female vocals, acoustic guitar, handclaps.

場面3:Geminiアプリで、写真から曲を作る

  1. 「Upload & tools」→「Create music」を選びます。
  2. 画像(または動画)をアップロードします。
  3. 写真に合わせた指示を入れます。

この記事の例(動作は確かめていません):

Create a gentle acoustic song that matches the mood of this photo. Warm, nostalgic, with a slow tempo.

画像から作れること自体は、ヘルプと公式ブログ(02)にあります。

場面4:Flow Music で、最初の曲を作る

公式のヘルプ「Create & manage songs in Google Flow Music」の手順です。サインインは05のBを先にしてください。

  1. flowmusic.app にサインインします。
  2. 左の「New session」を選びます。
  3. プロンプトボックスに、作りたい曲を書きます。

この記事の例(動作は確かめていません):

Make a dreamy synth-pop song with female vocals about a late-night train ride. Slow tempo, warm pads.
  1. (任意)プロンプトボックスの下の「Add」を選び、次のどれかを足します。
  2. 「Recording」:マイクで録音する。
  3. 「Audio」:自分の音楽から作る。
  4. 「Image」:歌詞や表紙の絵のヒントにする。
  5. 「Send」を選びます。
  6. 結果が出たら、曲にカーソルを合わせて「Play」を選びます。

会話の相手: Flow Musicでは、ヘルプにProducer、Ghostwriter、Instrumentというモデルの選択が出てきます(05のB)。Producerとのチャットの操作は、この日に読んだヘルプには書かれていませんでした。設定は「Settings」→「Customize producer」(05のB)。

場面5:Flow Music で、曲を手直しする

同じヘルプの「Edit a song」と「Remix a song」です。

プロンプトで直す

  1. 左の「Songs」を選び、曲を選びます。
  2. プロンプトボックスに、直したい内容を書きます。

詳細を直す

  1. 曲の横の「More」→「Details」→「Edit details」を選びます。
  2. 曲名、表紙の絵、表示される歌詞を変えます。
  3. 「Save」を選びます。

Composeで作り直す

  1. 曲を選び、右上の「Compose」を選びます。
  2. 「Lyrics」「Sound」「Details」の下で内容を変えます。
  3. 「Generate」を選びます。

リミックス

  1. 左の「Songs」を選びます。
  2. 曲の横の「More」→「Remix」を選びます。
  3. 「Extend」「Cover」「Replace」のどれかを選びます。ヘルプは、それぞれの違いまでは説明していません。
  4. 変えたい音の区間を選びます。
  5. 変更の内容を書きます。
  6. 「Generate」を選びます。

場面6:Flow Music で、共有・書き出し・削除

共有(公開)

  1. 「Songs」で曲を選びます。
  2. 「Publish」で、公開の状態にします。
  3. リンクを渡すときは「Share」→「Copy link」。
  4. 範囲を決めるには「Published」を選び、「Anyone with the link」か「Only me」を選びます。
  5. ほかの人のリミックス、バイブ、ダウンロードを止めるには、「Allow community remix」をオフにします。

ダウンロード

どの形式があるか、ステムが出せるかは、このヘルプの要約には書かれていませんでした(料金ページには項目がある、と03にあります)。

削除

  1. 「Songs」を選びます。
  2. 曲のチェックボックスを選びます。
  3. 上の「Delete」を選びます。

プレイリストは、別のヘルプ「Organize songs with playlists in Google Flow Music」があります(この日は読んでいません)。

場面7:Vids で、動画のBGMを作る

05のCの手順に加えて、Vidsのヘルプには次の機能もあります。

この記事の例(動作は確かめていません): ヘルプが求める、ジャンル・状況・トーンを入れた形です(アーティスト名・ブランド名は入れない)。

Upbeat corporate background music, bright acoustic guitar and light percussion, optimistic tone, no vocals.

場面8:Gemini APIで、30秒のClipを作る

準備は05のD(キー、環境変数、SDK)です。次のPythonは、公式の「Generate music with Lyria 3.5」の例をもとにしたものです(要約を通して読んだもの。コードの全文は公式ページで確認)。

import base64
from google import genai

client = genai.Client()

interaction = client.interactions.create(
    model="lyria-3-clip-preview",
    input="A short instrumental acoustic guitar piece.",
)

generated_audio = interaction.output_audio
if generated_audio:
    with open("music.mp3", "wb") as f:
        f.write(base64.b64decode(generated_audio.data))

lyrics = interaction.output_text
if lyrics:
    print(f"Lyrics:\n{lyrics}")
  1. 上のコードをファイルに保存して実行します。
  2. 期待される結果:music.mp3 が書き出されます。output_text があれば、歌詞と曲の構成がターミナルに出ます(公式は、レスポンスは歌詞と構成を常に含む、と書いています)。
  3. Clipは常に30秒、MP3です(公式の表)。

応答の読み方(公式の記載):

場面9:Gemini APIで、全曲を作る・WAVにする・画像を渡す

全曲(公式の記載): モデルを lyria-3.5 にして、長い文章で指示します。公式の例の入力は、壮大な映画音楽風の曲で、ソロピアノのイントロから弦が重なり、大きな盛り上がりに至る、という内容です(原文は公式ページで確認)。長さはプロンプトで影響を受ける程度で、固定ではありません(公式の「Limitations」)。

WAVにする(公式の記載): 公式の音楽生成ページは、Lyria 3.5はMP3が既定で、response_format を設定するとWAVでも出力できる、と書いています。ただし、公式の例が示す値は {"type": "audio"} だけで、WAVを示す値は例に出てきません。Lyria 3.5のモデルページの出力欄は「Audio (MP3)」とだけあり、資料の間で書き方が分かれています。

interaction = client.interactions.create(
    model="lyria-3.5",
    input="A beautiful piano melody.",
    response_format={"type": "audio"},
)

保存するファイル名を .wav にする点は、この記事の案です(公式の例は書き出しまで載せていません)。Clipが response_format に対応するかは、ページに書かれていません。

画像を渡す(公式の記載): 画像は最大10枚まで、テキストと一緒に渡せます。公式の例は、画像ファイルを読み、base64にして、input に {"type": "text", ...} と {"type": "image", "mime_type": "image/jpeg", "data": image_b64} のリストを渡す形です。コードの全文は公式ページで見て写してください。

場面10:Gemini APIで、歌詞・構成・時刻を指定する

公式のページにある指定の方法を、この記事で組み合わせた例です(動作は確かめていません。歌詞は自作の短い例)。

An upbeat pop song in C major at 120 BPM, female vocals, acoustic guitar and light drums.

[0:00 - 0:10] Soft intro, guitar only.
[0:10 - 0:30] Vocals enter, steady groove.

Lyrics:
[Verse]
Walking through the morning light
[Chorus]
Sing it out, we're alright

日本語について: 公式の「Generate music with Lyria 3.5」は「プロンプトの言語に歌詞が従う」と書いています。日本語の歌詞の品質は、公式の資料では確認できていません。

場面11:Lyria RealTimeで、流し続ける演奏を作る

Lyria RealTimeは、WebSocketでつなぎっぱなしにして、音を流し続けるモデルです(models/lyria-realtime-exp、公式は実験的と書く)。楽器だけです。次は、公式のPythonの例(要約を通して読んだもの)をもとに、この記事で字下げを整えたものです。字下げや記号が崩れている可能性があるので、写すときは公式ページの全文を見てください。

import asyncio
from google import genai
from google.genai import types

client = genai.Client(http_options={'api_version': 'v1beta'})

async def main():
    async def receive_audio(session):
      """Example background task to process incoming audio."""
      while True:
        async for message in session.receive():
          audio_data = message.server_content.audio_chunks[0].data
          # Process audio...
          await asyncio.sleep(10**-12)

    async with (
      client.aio.live.music.connect(model='models/lyria-realtime-exp') as session,
      asyncio.TaskGroup() as tg,
    ):
      # Set up task to receive server messages.
      tg.create_task(receive_audio(session))

      # Send initial prompts and config
      await session.set_weighted_prompts(
        prompts=[
          types.WeightedPrompt(text='minimal techno', weight=1.0),
        ]
      )
      await session.set_music_generation_config(
        config=types.LiveMusicGenerationConfig(bpm=90, temperature=1.0)
      )

      # Start streaming music
      await session.play()
if __name__ == "__main__":
    asyncio.run(main())
項目 範囲・既定 公式の注記
guidance 0.0〜6.0、既定4.0 高いほどプロンプトに沿うが、切り替わりが急になる
bpm 60〜200 反映には、stop/playかコンテキストのリセットが要る
density 0.0〜1.0 低いとまばら、高いと密
brightness 0.0〜1.0 高いと高い音域が目立つ
scale Scale の列挙 反映には、stop/playかリセットが要る
mute_bass / mute_drums / only_bass_and_drums 既定はFalse
music_generation_mode QUALITY(既定)/ DIVERSITY / VOCALIZATION
temperature 0.0〜3.0、既定1.1
top_k 1〜1000、既定40
seed 0〜2,147,483,647、既定はランダム

場面12:AI Studioの音楽ワークスペースで作る

05のEの手順で開き、次のように進めます(公式ブログ、2026年3月25日付の記載)。

  1. 「Text mode」:テンポや調を含めて、自然な言葉で説明を書く。
  2. 「Composer mode」:区間ごとに、タイミング・強さ・説明を決める。各区間に別々の強さと説明をつける。
  3. 曲の進行をプロンプトに書くと、歌詞が始まる・終わる時刻をコントロールできる、とブログのコツにあります。
  4. 雰囲気は、言葉の代わりに画像で伝えることもできる、と書かれています。

最初の1時間でやる順番(この記事の案)

公式の資料にある手順を、軽い順に並べた案です。公式が示した順番ではありません。

順 やること 目安 参照
1 Geminiアプリで、短い曲を1つ作り、MP3で保存する 場面1 05のA
2 同じ話題で、ジャンルと楽器を変えて作り直し、違いを聞き比べる 場面1
3 モデルを「Pro」に切り替えて、フルの曲を作る 場面2
4 Flow Musicにサインインし、「New session」で1曲作る 場面4 05のB
5 作った曲を「Compose」か「Remix」で直す 場面5
6 作った曲の音声ファイルをGeminiに渡して、Google AIで作られたかを聞く 07
7 コードを使うなら、APIキーを作り、Clipを1回呼ぶ 場面8 05のD

つまずきと直し方

症状 公式の記載に基づく確認点
同じプロンプトで結果が違う 公式は、結果が変わりうると書いています。プロンプトの具体性(楽器、BPM、調、構成)を増やす
歌が入ってしまう/入らない Lyria 3.5は既定で声が入る。「instrumental」と書く。声を入れたいときは、性別・音域・音色を書く
構成が思い通りにならない [Intro] -> [Verse 1] -> [Chorus] のタグ、時刻の指定、エネルギーの変化を言葉で足す(Lyria 3.5)
APIで続けて直せない Lyria 3.5の現行版は続けての編集に対応しない、と公式にあります。プロンプトを直して作り直す
ブロックされた アーティスト名の声、著作権のある歌詞、ブランド名などを外す
曲の長さが決まらない APIでは、長さはプロンプトの影響です。資料により「最大3分」「30秒」「約2〜3分」と書き方が分かれます。公式の最新を確認
Vidsで音が出ない スピーカーのミュート、Vidsのタイムラインのオブジェクトトラックのミュートを確認
回数の上限 Geminiアプリは通知が出る。上限が更新されるのを待つか、契約を変える(ヘルプの記載)

気をつけること

出典