3行でいうと

  • 場面ごとに、公式のヘルプが文字で書いている手順だけを並べました。バッチ、YouTube、会議の録音、話者の名前の付け替え、ウォッチフォルダーは、ボタンやスイッチの名前が書かれています。
  • ファイルを入れたあとに文字起こしを「始める」ボタンの名前、ディクテーションのショートカットの決め方と話しかたは、読んだヘルプには書かれていませんでした。
  • 字幕(.srt .vtt)の書き出しは、公式サイトに形式が載っています。アプリの画面での書き出しの操作は文字では読めなかったので、コマンドライン(mw)の公式の書き方をもとに、この記事で組んだ例を載せました(動作は確かめていません)。
  • 最初の1時間にやる順番は、公式の記載ではなく、この記事の案として最後に置きました。

この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。

手順は「公式の手順を順に並べたもの」です。画面の名前や操作は、版によって変わります。手元の画面と照らして読んでください。この記事で組んだ例には「この記事で組んだ例(動作は確かめていません)」と書きました。入れ方や設定は05、AIとのつなぎ方は07を参照してください。

先に結論

前提:用語をそろえる

場面1:録音ファイルを文字にする

公式サイトに書かれていること。 対応する入力は mp3、wav、m4a、ogg、opus、mov、mp4 で、ファイルをドラッグ&ドロップして文字にします。モデルは、ホーム画面の右上のモデルの選択から選びます(05で、モデルのダウンロードを書きました)。

手順(公式の記載を順に並べたもの)

  1. 05の手順で、モデルを1つ用意します。
  2. MacWhisperを開き、ホーム画面にします。
  3. 音声ファイルをアプリの画面にドラッグ&ドロップします。
  4. 文字起こしが進みます。進み具合の見え方と、開始のボタンの名前は、読んだヘルプには書かれていません。
  5. 結果の画面で、サイドバーのタブ(Transcript、AI、Translations、Info、Export)を切り替えます。ショートカットは ⌘1 から ⌘5 です(下の表)。

うまくいかないとき(公式のヘルプにある範囲) - 文字が空で終わる:Settings > Advanced の Downmix to Mono を切り替える(05の表)。 - ファイルが開けない:support@macwhisper.com に送って原因を調べてもらう(05の表)。 - 文字が繰り返される:「Repetitions in transcripts」という記事の題名があります。中身は読んでいません。

場面2:たくさんのファイルをまとめて文字にする(バッチ)

公式ヘルプ「How to use the Batch Transcription feature」の内容です。

  1. バッチの画面を開きます。次のどれかです。
  2. ホーム画面のバッチのボタン。
  3. 「Open File...」で、複数のファイルを選ぶ。
  4. 複数のファイルをMacWhisperにドラッグする。
  5. 画面の右上の Add Format を押して、書き出しの形式を追加します(任意)。同じ形式の、設定違いの組み合わせも、いくつでも足せます。
  6. 左下に、すべての音声の合計の長さが出ます。処理にかかる時間の目安に使えます。

書かれていないこと/制限 - 形式の名前の一覧は、そのページには書かれていません。 - バッチを始めるボタンの名前は、書かれていません。 - Proが必要かどうかは、そのページには書かれていません。 - URLのファイル(YouTubeなど)は、まだ使えない、とあります。

場面3:YouTubeの動画を文字にする

公式ヘルプ「How to transcribe YouTube videos」(2025年7月15日更新と表示)の内容です。

  1. MacWhisperを開きます。
  2. 画面の上のほうにある入力欄に、動画のURLを入れます。
  3. Returnキーを押すと、文字起こしが始まります。

制限(ヘルプの記載):すべての動画が文字になるわけではありません。年齢制限のある動画、一部のライブ動画、一部の国に限定された動画は使えません。これはYouTube側の制限、と書かれています。他人の動画を文字にするときの権利や規約は、そのページには書かれていません。Proの要否も、このヘルプには書かれていません。一方、公式サイト(macwhisper.com)はProの欄に「YouTubeやメディアファイルのURLの文字起こし」を挙げています。ヘルプとサイトの書き方が違うので、どちらが今の状態かは公式で確かめてください。

場面4:マイクや画面の音を録音する

公式サイトには、Macのマイク、システム/アプリの音声、オンライン会議から録音できる、と書かれています。録音の操作の手順(ボタンの名前、保存の先)は、マイクとアプリの音声については、読んだ公式ページに書かれていませんでした。

読んだ範囲で手順が文字になっているのは、会議の録音です(次の場面)。

場面5:オンライン会議を録音して文字にする

公式ヘルプ「Automatic Meetings Recordings with MacWhisper」の内容を、順に並べます。この機能は直接ダウンロード版だけで、App Store版にはありません。公式は「ベータ」とし、まれな問題やデータ消失がある、と注意しています。

検知をオンにする

  1. Settings を開きます。ホーム画面の Record Meetings をクリックしても入れます。
  2. サイドバーの Record Meetings を選びます。
  3. Automatic Meeting Notifications のスイッチをオンにします。
  4. 必要な許可は、Screen Recording と Microphone です。与え方は、そのヘルプには書かれていません(05参照)。

見張るアプリを選ぶ

  1. Settings > Record Meetings を開き、ドロップダウンをクリックします。
  2. アプリを選ぶ、または外します。見張れるアプリは、Arc Browser、Brave、Chime、Chrome、Discord、Edge、Firefox、Safari、Skype、Slack、Teams、Telegram、Webex、WhatsApp、Zoom と書かれています。FaceTimeは、macOSのプライバシーの制限で対象外です。

録音を始めて、止める

  1. 会議を検知すると、Meeting Detected の通知が出ます。
  2. Record を押すと始まります。何もしないと、通知は10秒で消えます。録音は、メインの画面に出ます。
  3. 手動で始めるときは、MacWhisperのメニューの Start Recording を選びます。
  4. 止めるときは、メインの画面の右下のコントロール、または Meeting Ended の通知から止めます。
  5. 終わった録音は、履歴のサイドバーに入ります。項目を選んで、文字起こしが終わるのを待ちます。なお、FAQの欄には「Recordings」のタブとも書かれていて、ヘルプの中でも書き方が揺れています。

名前の設定

うまくいかないとき(ヘルプのFAQ)

なお、「My camera stutters in Zoom or Teams during a live meeting transcription」(会議のライブの文字起こし中にカメラがカクつく)という記事の題名があります。中身は読んでいません。

場面6:声で文字を入力する(ディクテーション)

公式ヘルプ「How to use the Dictation feature」(2025年2月24日更新と表示)の内容です。直接ダウンロード版だけの機能です。

有効にする

  1. ホーム画面の Dictation をクリックします。ヘルプは、この入り口を「recommends(勧める)」と書き、理由として、画面が設定を案内してくれることを挙げています。
  2. または、Settings > Dictation を開きます。
  3. キーボードショートカットは設定で決める、とあります。設定の場所の細かい名前と、押し続ける方式か、押して切り替える方式かは、そのヘルプには書かれていません。

AIのプロンプトを足す

アプリごとにプロンプトを変える

公式ヘルプ「App Specific Dictation Prompts」の内容です。

  1. Settings の Dictation タブを開きます。
  2. App Specific Prompts を選びます。
  3. + ボタンでアプリを足します。そのアプリが起動中でないと、一覧に出ません。
  4. 足したアプリごとに、ディクテーション用のプロンプトの一覧から1つを選びます。

プロンプトは、先に一覧にあることが必要です。使いどころの例として、チャットのアプリで別の言語に訳す、コードのエディタでコードを書かせる、仕事のメールで文面を整える、がヘルプにあります。

動かないとき

そのほか、ヘルプには、許可、使える具体的なアプリ、使う文字起こしのモデル、対応言語についての記述は見つかりませんでした。

場面7:話者ごとに分ける

公式ヘルプ「Automatic Speaker Recognition in MacWhisper」の内容です。MacWhisper 12.0以降が必要、とあります。

  1. モデルの一覧で、緑の Speaker Recognition のバッジがあるモデルを選びます。WhisperKitのローカルのモデル、またはクラウドのElevenLabsとDeepgramが対象です。
  2. 文字起こしをします。「Speaker 1」「Speaker 2」のように、既定の名前が付きます。
  3. 名前を変える:サイドバーの話者の名前をクリックして、新しい名前を入力し、Returnを押すか、ほかの所をクリックします。
  4. 統合する:文字起こしかサイドバーの話者の名前を右クリックして、Merge Speaker To.. を選びます。
  5. 候補から選ぶ:名前を打ち始めると、設定で作った話者の候補が出ます。⌘+Return で選びます。
  6. 色を変える:サイドバーのカラーパレットのアイコンをクリックします。
  7. 行ごとに付け替える:行にポインターを重ねて、話者の番号のキー(1、2、3…)を押します。

制限:ディクテーション(1人の話者を前提)と、「Transcribe Podcast」の機能(取り込んだトラックごとが1人の話者)では、使えません。1人の話を2人に分けてしまうことがあり、手作業で統合が必要、という注意が01と02にあります。

場面8:結果を直す、探す

公式ヘルプ「Keyboard Shortcuts」の表です。ヘルプには、これらを変えられるかどうかは書かれていません。

場面 操作 ショートカット
全体 検索/絞り込み ⌘F
全体 検索と置換(Find and Replace) ⌘⇧F
全体 文字を大きく/小さく ⌘+ / ⌘-
再生 再生と一時停止 スペース
再生 再生の速度を上げる/下げる ⇧+> / ⇧+<
サイドバー Transcript、AI、Translations、Info、Export のタブ ⌘1、⌘2、⌘3、⌘4、⌘5
セグメント表示 編集中に行を分ける ⇧+⏎
セグメント表示 選んだ行に話者を割り当てる 1、2、3 …
セグメント表示 選んだ行をお気に入りにする F
セグメント表示 選んだ行をコピー ⌘C

「Find And Replace in Transcriptions」の記事も題名はありますが、中身は読んでいません。

場面9:字幕(.srt、.vtt)や文書として書き出す

公式サイトに書かれていること。 出口の形式は、字幕が .srt と .vtt、文章が .txt .md .pdf .html .docx などです(サイトには「.dote」という綴りもあり、誤記かは確かめきれていません)。字幕の自動翻訳と、字幕つきの動画プレーヤーも挙がっています。

アプリの画面での書き出しの手順は、読んだヘルプに文字で書かれていませんでした。 手がかりは次の2つです。 - サイドバーに Export のタブがあり、⌘5 で開く(ショートカットの記事)。 - バッチの画面では、Add Format で形式を足せる(場面2)。

コマンドラインで字幕を書き出す(公式の書き方に沿って、この記事で組んだ例)

公式ヘルプ「MacWhisper Command-Line Tool」には、mw transcribe <ファイル> と、次のフラグが書かれています。形式は --format(txt、srt、vtt、json、csv、md、html、avid。既定はtxt)、スタイルは --style(transcript、subtitles、segments)、出力先は --output または -o、1行の文字数は --max-chars-per-line <n>、フレームレートは --fps <n>(avid形式のタイムコード用)です。txt srt vtt csv は無料で、json md html avid はProが必要です。

次は、この記事で組んだ例です(動作は確かめていません)。ファイル名は仮のものです。

mw transcribe interview.m4a --format srt --style subtitles -o interview.srt

場面10:フォルダーに入れたら自動で文字にする(ウォッチフォルダー)

公式ヘルプ「Automatically Transcribing Files in Watch Folders」の内容です。Proが必要で、「BETA」です。

  1. Settings を開き、Watch Folder Settings のページに進みます。
  2. Add Watch Folder(2つ目以降は Add Another Watch Folder)をクリックして、見張るフォルダーを選びます。
  3. 見張りをやめるには、パスの横のごみ箱のアイコンをクリックします。Finderで開くには、フォルダーのアイコンです。
  4. Auto-Transcribe Watch Folder を、オンまたはオフにします。
  5. オンのとき:新しく入ったファイルを、自動で文字にします。
  6. オフのとき:ファイルが見つかった、という通知が出て、アプリから手動で始められます。
  7. オンのとき、Add Export Format で書き出しの形式を足します。形式を開くと、スタイルや書式の設定を変えられます。ごみ箱のアイコンで外せますが、形式は最低1つ残す必要があります。
  8. 通知の許可がまだなら、有効にするよう求められます。以前に拒否したなら、System Settings > Notifications で許可し直します。

対応する音声の形式と、ファイルの大きさの上限は、そのページには書かれていません。意見や要望は support@macwhisper.com へ、とあります。

場面11:翻訳

公式サイトには、文字起こしや字幕の翻訳ができる、とあります。翻訳の画面の手順(Translations のタブを開く以外)は、読んだヘルプには文字で書かれていませんでした。外部のサービス(DeepLなど)で翻訳すると、文章がそのサービスに送られます(01、04参照)。

最初の1時間でやる順番:この記事の案(動作は確かめていません)

公式の手順ではなく、上の場面をつなげて、この記事で組んだ順番です。

  1. (約10分)モデルを用意する。 05の手順で、WhisperKitのモデルを1つダウンロードして有効にします(M系列のMacの場合)。
  2. (約10分)短いファイルを1つ文字にする。 場面1。サイドバーの Transcript と Export のタブ(⌘1、⌘5)を見ます。
  3. (約10分)直す。 検索(⌘F)、検索と置換(⌘⇧F)、再生速度(⇧+> と ⇧+<)を試します。
  4. (約10分)複数人の録音があれば、話者分け。 場面7。Speaker Recognition のバッジがあるモデルが要ります。
  5. (約10分)YouTubeのURLを1つ。 場面3。権利や規約は自分で確認します。
  6. (約10分)必要なら、ディクテーションか会議の録音を設定する。 場面5、6。許可と同意の確認が先です。
  7. 余裕があれば。 バッチ(場面2)、ウォッチフォルダー(場面10)、コマンドライン(場面9)は、音声が溜まってからで足ります。

たとえ話

使い方の全体は、速記者への依頼の出し方に似ています。「このテープを書き起こして」(ファイル)、「このURLの番組を」(YouTube)、「今の会議を聞いておいて」(録音)、「私の言葉をそのまま書いて」(ディクテーション)、そして「できた原稿を、字幕の形に整えて」(書き出し)。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。

気をつけること

出典