3行でいうと

  • AIの提供元は、設定の「AI Services」で追加します。OpenAI、Anthropic、Google Gemini、xAI、OpenRouter、Hugging Face、Azure OpenAI、Groq、DeepSeek、Custom(OpenAI互換)はAPIキー型、Apple、Ollama、LM Studioはキーなしのローカル型です(App Store版では選べる提供元が少ない、とあります)。
  • 「文字を起こす段階」と「できた文字をAIにかける段階」は別の設定です。クラウド文字起こしは、モデルの選択(ホーム画面の右上)で選びます。
  • 外部への自動送信は「Settings → Integrations」で、バージョン13.6以降、Proが必要です。渡るのは title と transcript のJSON(Obsidianだけはmarkdown)です。
  • コマンドライン mw は、設定の Advanced からインストールします。AIのコーディング用エージェントからは、mw transcribe --format json を使う形が公式に書かれています。
  • 連携の「外し方」は、AI Servicesでは編集・複製・削除が書かれています。Integrationsとクラウド文字起こしのキーの削除手順は、読んだ範囲では見つかりませんでした。

この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。

手順は「公式の手順を順に並べたもの」です。設定の例は、「公式の例の写し」か、「公式の記載に合わせて、この記事で組んだ例(動作は確かめていません)」のどちらかを、そのつど書きました。APIキーはすべてプレースホルダ(<YOUR_..._API_KEY>)で、実際の値は載せていません。画面の表記は版によって変わるので、手元の画面と照らして読んでください。

先に結論

前提:用語をそろえる

つなぎ方の一覧

口 設定する場所(公式の表記) 渡るもの 行き先 対応する版・プラン(読んだ範囲の記載)
AI Services(要約、プロンプト、チャット) Settings > AI Services 文字起こしの文章とプロンプト 選んだ提供元。ローカルならMacの中 提供元によって違う(下の表)。Proの要否は、そのページに記載なし
クラウド文字起こし 設定のクラウド文字起こしのページ、ホーム画面右上のモデルの選択 音声ファイル OpenAI、Groq、ElevenLabs、Deepgram、OpenAI互換の独自サービス Proの要否は、そのページに記載なし
ディクテーションのAIプロンプト Settings > Dictation 話した内容の文字とプロンプト 設定したAI Proと、自分のAPIキーが必要(2025年2月のヘルプ)
Integrations(Zapier、Make.com、n8n、Custom Webhook、Obsidian) Settings → Integrations title と transcript(Obsidianはmarkdown) 設定したURL、またはローカルのObsidian 13.6以降、Pro
コマンドライン mw Settings → Advanced の Command-Line Tool 標準出力(ファイル、ほかのプログラムへ) 自分の指定した先 直接ダウンロード版(差の表)。一部の形式はPro

手順1:AI Servicesで提供元を追加する(共通の流れ)

公式ヘルプ「Setting up AI providers in MacWhisper」の流れです。

  1. MacWhisperを開き、Settings から AI Services を選びます。
  2. Most Popular または All Services の一覧から提供元を選びます。または Add Service ボタンを使います。
  3. 提供元ごとの項目を入力し、Add Service または Save で終えます。
  4. 最初に追加したサービスは、自動で選ばれます。同じ提供元の設定を複数持つこともできます。
  5. 使うとき:文字起こしを開き、AIの機能(要約、プロンプト、チャット)を選び、提供元のピッカーでサービスを選びます。その選択は、変えるまで以降のAIの依頼に使われます。サイドバーのAIのタブは、ショートカット ⌘2 です。
  6. 編集、複製、削除:Settings > AI Services で、保存したサービスを編集、複製、削除できます。複製は、同じ提供元でモデルだけ違う設定を作るのに使える、とあります。

共通の注意(ヘルプの記載) - AIの提供元は、文字起こしのモデルとは別の設定です。クラウド文字起こしは、モデルの選択で設定します。 - キーは、余計な空白や引用符をつけず、全部をコピーします。 - 提供元の料金は、MacWhisperの購入や購読とは別に請求されます。ChatGPT、Claude、Geminiの消費者向けの購読には、APIの利用が含まれないことがあります。 - 長い文字起こしは、提供元の文脈の長さやリクエストの上限を超えることがあります。 - 「Test」ボタンについての記載は、このページには見つかりませんでした。ローカルの提供元は、モデルの一覧を更新して、選んだモデルが使えるか確かめる、という案内です。 - キーの保存場所と保護の方法は、このページには書かれていません(Integrationsの認証情報はキーチェーン、と別のページにあります)。

手順2:提供元ごとの設定

クラウド型(APIキー)

提供元 キーを作る場所(公式の記載) MacWhisperで入れるもの メモ
OpenAI platform.openai.com の API keys のページ キーを貼り、モデルIDを選ぶか入力
Anthropic(Claude) console.anthropic.com の API keys のページ キーを貼り、モデルIDを選ぶか入力
Google Gemini aistudio.google.com で Google AI Studio のAPIキー キーを貼り、モデルIDを選ぶか入力
xAI(Grok) console.x.ai の API keys のページ キーを貼り、モデルIDを選ぶか入力
OpenRouter openrouter.ai の API keys のページ キー 1つのキーで複数社のモデルにつながる、とある
Hugging Face huggingface.co の tokens のページ アクセストークン Hugging Faceの推論のサービス経由。対応するモデルを使う、とある
Azure OpenAI Azureの管理者から受け取る APIキー、チャット補完のエンドポイントを指す配置のURL(フルのURL)、APIのバージョン 配置の名前とモデルの名前が違うことがある
Groq console.groq.com の API keys のページ キーを貼り、対応するモデルを選ぶか入力 直接ダウンロード版だけ
DeepSeek platform.deepseek.com の API keys のページ キーを貼り、モデルIDを選ぶか入力 直接ダウンロード版だけ
Custom(OpenAI互換) 設定するサーバーによる 識別できる名前、ベースURL(多くは /v1 で終わる)、正確なモデルID。キーはサーバーが必要とするときだけ サーバーがOpenAI式のchat completionsに対応している必要がある
MacWhisper Assistant キー不要 対象の購読を有効にして選ぶ App Store版だけ

ローカル型(キー不要)

提供元 手順(公式の記載) 既定のURL
Apple(オンデバイスのFoundation Models) キー不要。Apple Intelligenceが、そのMacで使え、有効になっていること なし
Ollama 1. Ollamaを入れてモデルをダウンロード。2. Ollamaを動かす。3. AI ServicesにOllamaを追加。4. モデルの一覧を更新して、モデルを選ぶ http://localhost:11434
LM Studio 1. LM Studioを入れてモデルをダウンロード。2. モデルを読み込み、LM Studioのローカルサーバーを開始。3. AI ServicesにLM Studioを追加。4. モデルの一覧を更新して、読み込んだモデルを選ぶ http://localhost:1234/v1

入力例:この記事で組んだ例(動作は確かめていません)

画面の項目名は公式のヘルプの記載に合わせ、値はプレースホルダにしました。

場面 入れる値の例
Anthropic キー:<YOUR_ANTHROPIC_API_KEY>、モデルID:<モデルID(提供元の最新の表記で確認)>
OpenAI キー:<YOUR_OPENAI_API_KEY>、モデルID:<モデルID>
Ollama ベースURL:http://localhost:11434(既定)、モデル:一覧から選ぶ
Custom 名前:<自分で決める名前>、ベースURL:https://<サーバー>/v1、モデルID:<正確なモデルID>、キー:<必要なときだけ>

手順3:AIの組み合わせ方(場面別)

「どの画面で、何を設定し、何が相手に渡り、どう外すか」を、場面ごとに並べます。書かれていない部分は、そう書きました。

組み合わせA:MacWhisper × Anthropic(Claude)/OpenAI/Gemini/xAI

組み合わせB:MacWhisper × Ollama(ローカル、キー不要)

組み合わせC:MacWhisper × LM Studio(ローカル)

組み合わせD:MacWhisper × 自分のOpenAI互換サーバー(Custom)

組み合わせE:音声を外部の文字起こしに渡す(クラウド文字起こし)× 文字をAIにかける

2つの段階を別々に選びます。

  1. 文字起こしの段階:公式ヘルプ「How to use the Cloud Transcription feature」(2025年7月15日更新と表示)。
  2. MacWhisperの設定を開き、クラウド文字起こしのページに進みます。
  3. 使いたい提供元ごとに、APIキーを追加します。キー欄の場所の細かい名前は、そのページには書かれていません。
  4. 必要なら、ほかの提供元の設定を変えます。
  5. ホーム画面の右上のモデルの選択から、クラウドの提供元を選びます。
  6. AIの段階:手順1のとおり、AI Servicesで提供元を選びます。
提供元 ファイルの大きさの上限(公式の記載)
OpenAI 25 MB
Groq 25 MB
ElevenLabs 1 GB(回線が遅いと不安定なことがある)
Deepgram 1 GB(同上)
OpenAI互換の独自サービス 上限の記載なし

組み合わせF:MacWhisper × Zapier/Make/n8n/Custom Webhook(外部に自動で送る)

公式ヘルプ「Integrating MacWhisper with other services」の内容です。

共通 - 場所:Settings → Integrations(ページの途中で「Preferences → Integrations」とも書かれています)。 - バージョン13.6以降。Proが必要です。Proがないと、アップグレードの案内が出て、設定が使えません。 - 認証情報(WebhookのURL、APIキー、Obsidianのトークン)は、macOSのキーチェーンに保存される、と書かれています。 - 画面の上の Automatically send after finished transcription:オンだと、文字起こしが終わるたびに、正しく設定されたすべての連携先に送ります。オフなら、自動では何も送りません。後からオンにもできます。 - Test ボタン:必須の項目を入れると出ます。ダミーのデータを送り、結果を横のラベル(Success、またはサービスが返したエラー、たとえば「Not found」)に出します。ラベルをクリックすると消えて、再テストできます。 - WebhookのJSONの項目:title(題名)と transcript(文字起こしの全文)。

連携先 向こう側の準備(公式の記載) MacWhisperに入れるもの 送り方
Zapier Zapを作り、「Webhooks by Zapier」の「Catch Hook」のトリガーでURLをコピー Webhook URL(例の形は https://hooks.zapier.com/hooks/catch/abcdefgh) POST
Make.com シナリオにWebhookか「HTTP: Watch Incoming Request」のモジュールを作り、URLをコピー。APIキーはアカウント設定から Webhook URL と API Key(両方入れるとTestが出る) POST。ヘッダー x-make-apikey にキー
n8n ワークフローに Webhook のトリガーノードを作り、URLをコピー Webhook URL(例の形は https://username.app.n8n.cloud/webhook/abcdefg) POST
Custom Webhook JSONを受け取るURLを自分で用意 Webhook URL Content-Type: application/json のPOST。受け側がJSONを受け付ける必要がある

送られるJSONの形:この記事で組んだ例(動作は確かめていません)。項目名は公式の記載どおりで、値は仮です。

{
  "title": "<文字起こしの題名>",
  "transcript": "<文字起こしの全文>"
}

組み合わせG:MacWhisper × Obsidian

組み合わせH:ディクテーション × AI

手順4:コマンドライン mw と、AIのコーディング用エージェント

公式ヘルプ「MacWhisper Command-Line Tool」の内容です。

インストール

  1. MacWhisper → Settings → Advanced を開きます。
  2. Command-Line Tool の欄の Install を押します。
  3. mw が /usr/local/bin/mw に入ります。初回に、macOSがパスワードを聞くことがあります。
  4. 緑のチェックと「installed at /usr/local/bin/mw」の表示が出ます。
  5. ターミナルで確かめます。
mw version

出力の例として、ヘルプには MacWhisper 14.4.1 (1467) の形が載っています。

外し方

Settings → Advanced → Command-Line Tool → Uninstall で、/usr/local/bin/mw が消えます。

仕組みと渡るもの

主なコマンド

コマンド 内容
mw 状態の概要と、例のコマンド
mw version バージョン。つながりの確認
mw models list 入っているモデルの一覧(ID、名前、サイズ。選択中は ▸)
mw models select <id> 使うモデルを変える。CLIとアプリの両方に、すぐ反映される
mw transcribe <ファイルやフォルダー> 文字にする

mw transcribe の主なフラグ:--speakers / --no-speakers、--format(txt、srt、vtt、json、csv、md、html、avid)、--style(transcript、subtitles、segments)、--model <id>(その1回だけ)、--language <コード|auto|multilingual>、--output / -o、--output-dir、--overwrite、--recursive、--stream、--persist、--timestamps、--end-timestamps、--milliseconds、--speaker-names、--group <none|words|sentences|people>、--max-chars-per-line <n>、--fps <n>。どのサブコマンドにも --help が使えます。

AIのコーディング用エージェントから使う(公式の記載)

例:この記事で組んだ例(動作は確かめていません)

エージェントにJSONを渡す形の一例です。ファイル名は仮のものです。

mw transcribe interview.m4a --format json --speakers -o interview.json

その interview.json を、AIのエージェントや自分のスクリプトに渡す、という流れです。エージェントに渡る内容は、文字起こしの全文などです。エージェントの側のサービスの扱いは、そのサービスの規約によります。

つまずき(ヘルプの記載)

症状 直し方
command not found /usr/local/bin を PATH に追加する
「File not found」 パスを確かめる。ファイルをターミナルにドラッグしてもよい
つながらない、止まる MacWhisperを再起動してから mw version
「Sandboxed process」のエラー サンドボックスの外で動かすか、ターミナルで直接 mw を動かす
--speakers がエラー 話者認識に対応するモデルを選ぶ(06)

データはどこへ流れるか(この記事のまとめ)

つなぎ方 渡るもの 行き先 止め方・外し方(読んだ範囲)
クラウドのAI 文章とプロンプト 選んだ提供元 AI Servicesで削除。提供元側のキーの無効化は、MacWhisperのヘルプに記載なし
ローカルのAI(Apple、Ollama、LM Studio) 文章 Macの中(ダウンロードなどでネットワークを使うことはある) AI Servicesで削除
クラウド文字起こし 音声 OpenAI、Groq、ElevenLabs、Deepgram、独自サービス キーの削除は記載なし
Zapier、Make、n8n、Custom Webhook title と transcript 設定したURL 自動送信のオフ。消去の手順は記載なし
Obsidian markdown Macの中のローカルのREST API 記載なし
mw 標準出力 自分の指定した先 Uninstall

気をつけること

出典