3行でいうと

  • 基本の操作は、Raycastを開く、文字を打つ、候補を選ぶ、⌘K(WindowsはCtrl K)で操作の一覧を出す、の繰り返しです。
  • Quick AIは、Root Searchに文字を打って Tab で開きます。続きを話したくなったら ⌘J(Ctrl J)でAI Chatに移ります。どちらもAIは有料の機能です。
  • 選んだ文章を直す「AI Commands」は、「Create AI Command」で自分用を作れます。プロンプトに {selection} と書くと、選んだ文章が入ります。
  • Skillsは、SKILL.md というファイルを、公式が見に行くフォルダーに置くだけで読み込まれます。AI Commandsでは使えません。
  • 最初の1時間の順番の案を、最後に「この記事の案」として載せています。公式の手順ではありません。

この記事は、公式の資料を2026年10月25日に読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。

先に結論

前提:用語をそろえる

たとえ話:道具箱と取扱説明書

Raycastは、手元に置いた道具箱のようなものです。道具ごとに名前がついていて、名前を打てば取り出せます。AIの機能は、その道具箱に、頼めば文章を直してくれる助手が同居しているイメージです。Skillsは、助手に渡しておく取扱説明書、スクリプトは自分で作る新しい道具です。これは僕らのたとえで、公式の表現ではありません。

場面1:アプリやファイルを探して開く

  1. ホットキーでRaycastを開きます(設定は05)。
  2. 探したいアプリ、ファイル、フォルダーの名前を打ちます。
  3. 候補が出たら、上下キーで選んで ↵ を押します。

公式のクイックスタートは、「Search your system」の手順として、ホットキーを押して文字を打つと、ファイル、フォルダー、アプリが探せる、と書いています。ファイル検索の細かい設定は、公式の「File Search」のページにあります(今回は読んでいません)。「Settings → Launcher」の「Customize Search(Files、Contacts)」で、探す対象を選ぶ項目があります。

場面2:選んだものに「何ができるか」を見る(Action Panel)

  1. 場面1のように、アプリ、ファイル、コマンドなどを選びます。
  2. ⌘K(WindowsはCtrl K)を押します。
  3. その項目でできる操作の一覧が出ます。

公式の「Extensions」のページによれば、Storeの拡張機能では、このAction Panelに、アンインストール、設定(configure)、ソースを見る、といった操作が出ます。コマンドを選んでAction Panelを開くと、「Configure Command」という項目からホットキーやエイリアスを決められます(場面4)。

場面3:Quicklinkで、よく開く場所に名前をつける

  1. Root Searchで「Create Quicklink」と打ち、開きます。
  2. URL、ファイル、フォルダー、アプリのパスのどれかを入れます。
  3. 名前をつけて保存します。
  4. 次からは、Root Searchで名前を打つか、「Search Quicklinks」のコマンドで探せます。

以上は公式のクイックスタートの記載です。保存のキー操作や、入力欄の名前は、読んだ範囲では書かれていませんでした。

この記事の例(入力): 名前を「週報」とし、リンク先に、自分が週報を書くページのURLを入れる。

場面4:ホットキーとエイリアスを決める

  1. Root Searchで、アプリまたは作ったQuicklinkを選びます。
  2. ⌘K(Ctrl K)でAction Panelを開きます。
  3. 「Configure Command → Set Hotkey」を選びます。
  4. 使いたいキーの組み合わせを押します。短い待ち時間のあとに自動保存されます。↵(Return)で、すぐ保存もできます。

エイリアスは、同じ「Configure Command」の「Set Alias」です。エイリアスは、小文字の英字、数字、空白だけです(公式の「Command Aliases & Hotkeys」)。公式のクイックスタートは、⌥(Alt)に頭文字を組み合わせる例を挙げています。消したいときは、「Delete Hotkey」「Delete Alias」です。

場面5:スニペット(決まった文章を短い名前で出す)

5-1:作る

  1. Root Searchで「Create Snippet」と打ちます。
  2. 「Snippet Text」(本文。公式は上限を65K文字と書く)、「Name」、「Keyword」(任意)、「Tags」(任意)を入れます。
  3. 保存します。

この記事の例(入力): Nameは「あいさつ(社外)」、Snippet Textは「お世話になっております。」、Keywordは ;;osewa。

公式は、Keywordにバッククォート、引用符、空白は使えない、と書いています。また、! や ;; のような接頭辞を「recommended」(公式の語)としています。

5-2:使う

展開のタイミングは、「Expansion Mode」で、Immediately、After Delimiter(keeping)、After Delimiter(discarding)から選びます。「Disabled Applications」には、1PasswordとKeychain Accessが標準で入っています(除外されるアプリです)。

5-3:差し込み(Dynamic Placeholder)

公式は、スニペットでは {date}、{cursor}、{clipboard}、{calculator} などが使えると書き、詳細は「Dynamic Placeholders」のページにあるとしています。そのページは今回は読んでいません。

5-4:取り込みと書き出し

「Import Snippets」は、name と text(必須)、keyword(任意)を持つJSONの配列を受け取ります。TextExpander、aText、Espanso、PhraseExpressの書き出しも受け取る、と書かれています。「Export Snippets」で書き出せます。

場面6:窓を整理する(ウィンドウ管理)

  1. 整えたい窓を前面にします。
  2. Raycastを開き、「Left Half」と打って ↵ を押します。
  3. 窓が画面の左半分に寄ります(公式のコマンド名と説明から読み取れる結果です)。

初めて動かしたとき、Macでアクセシビリティの許可がなければ、Raycastが案内する、と公式にあります(05)。主なコマンドは、Left Half、Right Half、Maximize、Next Display(クイックスタートで例に挙がるもの)のほか、三分割、四分割、六分割、前後のディスプレイや「Space」への移動、デスクトップ番号への移動などがあります。

場面7:クリップボード履歴、計算、絵文字

公式のクイックスタートに書かれた入口です。

場面8:Storeで拡張機能を入れる

  1. Root Searchで「Store」と打ち、開きます(サインインが必要。05)。
  2. 名前、コマンド、キーワード、カテゴリーで探します。お使いのOSに合うものだけが出る、と公式は書いています。
  3. 項目を開いて、説明、コマンド、スクリーンショット、作者の情報を読みます。
  4. ⏎ を押して入れます。すぐに使えるようになります。

入れた拡張機能は、Storeの「Categories」から「Installed」で絞り込めます。アンインストールなどはAction Panelからです。更新は自動です。手動なら「Check for Extension Updates」です。公式のクイックスタートは、お試しの例として「GIPHY」を挙げています。

AIに使わせる拡張機能(AI Extension)だけを探すには、Storeで ⌘P(CtrlP)を押して、AI Extensionsのカテゴリーで絞ります。

場面9:Quick AIで短く聞く(有料プラン)

  1. Root Searchに、質問を打ちます。
  2. Tab を押します。Raycastが、その文字をQuick AIに送って、すぐ送信します。
  3. 答えが出ます。

文字を打たずに Tab を押しても、Quick AIが開きます。または、Root Searchで「Quick AI」を実行して空のプロンプトを開きます。

この記事の例(質問): 「会議の議題を3つに絞るときの考え方を、短く教えてください。」

使えるキー(公式のQuick AIのページ)

操作 Mac Windows
同じモデルでやり直す ⌘R Ctrl R
別のモデルでやり直す ⇧⌘R Ctrl Shift R
新しい会話 ⌘N Ctrl N
前後のチャット ⌘[ / ⌘] Ctrl [ / Ctrl ]
音声で入力(Dictation) ⌃M Ctrl M
AI Chatで続ける ⌘J Ctrl J
Action Panel ⌘K Ctrl K

場面10:AI Chatで長く話す(有料プラン)

  1. Quick AIで ⌘J(Ctrl J)を押します。会話が、履歴ごとAI Chatに移ります(公式のQuick AIのページの書き方は「Continue in AI Chat」、AI Chatのページは「full history」)。モデルや添付が移るかは、今回の再確認では確認できていません。または、Root Searchで「AI Chat」を実行します。
  2. 質問を打って ↵ で送ります。改行は ⇧↵ です。
  3. 続きを打ちます。やり直しは ⌘R、新しいチャットは ⌘N です。

公式のAI Chatのページには、次の操作もあります。

場面11:AI Commandsで、選んだ文章を直す(有料プラン)

11-1:自分用のコマンドを作る

  1. Root Searchで「Create AI Command」と打ちます。
  2. 「Prompt」(唯一の必須項目)に指示を書きます。@ でAI Extensionを、{ でDynamic Placeholderを差し込めます。
  3. 必要なら、「Name & Icon」「Model」「Creativity」「Reasoning Effort」「Output Behavior」などを決めます。
  4. 「Output Behavior」では、「Open in Raycast」(窓に表示)か、「Replace Selection」(選んだ文章を置き換え)を選びます。
  5. ⌘↵(Ctrl↵)で保存します。Root Searchにすぐ出ます。

公式の例は、Translate {selection} to Swedish です。値を聞きたいときは {argument name="Language"} のように書きます。

この記事の例(Prompt):

次の文章を、誤字や言い回しだけ直してください。意味は変えないでください。
{selection}

11-2:使う

  1. 直したい文章を、どのアプリでもよいので選びます。
  2. Raycastを開いて、作ったコマンドの名前を打ちます。
  3. ↵ を押します。

「Open in Raycast」の場合は、応答の窓が開き、コピー、貼り付け、またはRaycast AIとの会話の続きができます。

11-3:組み込みのコマンドと Quick Fix

公式が挙げる組み込みは、Improve Writing、Fix Spelling and Grammar、Explain This in Simple Terms、Change Tone to Professional、Change Tone to Friendly、Find Bugs in Code、Summarize Webpage、Ask About Webpageです。組み込みは、編集と複製はできて、削除はできません。

Quick Fixは、どのアプリでも「Fix Spelling and Grammar」を動かす機能です。「Settings → AI → Quick Fix」で設定し、標準では右の Shift キーの2回押しです。Macではアクセシビリティの許可が要ります。公式は、Quick Fixは、AI Commandsに自分の契約やキー、ローカルモデルを使っていても、必ずRaycast AIを使い、AIクレジットを使う、と書いています。

11-4:モデルと共有

コマンドごとに「Model」を決められます。既定は、「Settings → AI → Models & Providers」の「Custom AI Commands」です。「Share AI Command」で、チームの人が1クリックで入れられるリンクができます。「Import AI Commands」は、JSONのファイルから取り込みます。

場面12:AI Extensionsで、ほかの道具を呼ぶ(有料プラン)

  1. Quick AI、AI Chat、またはRoot Searchで @ を打ちます。
  2. 入れてあるAI Extensionが出ます。使いたいものを選びます。
  3. 自然な文章で頼みます。

公式のページに載った例は、@linear(スプリントの担当)、@calendar(集中時間の確保)、@github(レビュー待ちのプルリクエスト)です。複数を1つの指示で並べることもできます。

この記事の例(指示): 「@calendar 明日の午後の予定を教えてください。」

組み込みのAI Extensionの一覧は、03にあります。承認の画面(「Allow」「Always allow」「Deny」)と、Settings → AI → Toolsの「Permissions」(Ask、Auto、Always Allow)の説明は、07でもう一度扱います。公式は、Autoでも、認証情報(.env や秘密鍵)を読むとき、取り消せない操作をするときは必ず確認する、と書いています。

場面13:Skillsを置いて、AIに読ませる(有料プラン)

13-1:ファイルを作る(公式の約束ごと)

  1. 次のどれかのフォルダーの下に、サブフォルダーを作ります。サブフォルダーの名前は、Skillの name と同じにします。
  2. ~/.claude/skills
  3. ~/.config/agents/skills
  4. ~/.config/raycast/skills
  5. ~/.agents/skills
  6. その中に、SKILL.md というファイルを作ります(大文字小文字は区別されます)。
  7. 先頭に、YAMLで name と description を書き、そのあとにMarkdownで本文を書きます。

name は1〜64文字、小文字の英字、数字、ハイフン。先頭、末尾、連続したハイフンは不可で、フォルダーの名前と一致させます。description は1〜1024文字で、公式は、AIがそのSkillを読むか決める唯一の手がかりなので、「いつ使うか」から書くよう説明しています。

この記事の例(~/.config/raycast/skills/meeting-minutes/SKILL.md)。公式の記載に合わせてこの記事で組んだ例で、動作は確かめていません。

---
name: meeting-minutes
description: 会議のメモから議事録を作るときに使う。決定事項、宿題、期限の順に並べたいとき。
---

# 議事録の作り方

1. 決定事項を先に書く。
2. 宿題は「誰が、何を、いつまでに」の形にする。
3. 分からない項目は、推測せずに「未確認」と書く。

13-2:読み込まれるのを確かめる

「Settings → AI → Skills」に、Skillと説明が並びます。反映には、約1分かかることがあります。フォルダーを足すには、同じ画面の「Skill Folders」です。

13-3:使う

この記事の例(指示): 「@meeting-minutes 次のメモから議事録を作ってください。」のあとに、メモを貼る。

13-4:できないこと(公式の記載)

AI Commandsでは使えません。ツールに対応していないモデルでも動きません。Raycastは各フォルダーの最上段だけを調べ、SKILL.md 以外のMarkdownは無視します。同じ name が複数あると、最初に見つかったものだけが使われます。読み込めないSkillは、黙って飛ばされます。1つずつ無効にする操作は、書かれていません。外すには、ファイルかフォルダーを消します。

場面14:Script Commandsで、自分用のコマンドを足す

14-1:作る

  1. Root Searchで「Create Script Command」を実行します。
  2. 言語のテンプレートを選びます。Raycastが先頭の情報(メタデータ)を入れてくれます。
  3. 「Script Directory」に追加したフォルダーの中に、保存します。

すでにあるスクリプトを使うなら、「Settings → Script Commands → Add Script Directory」でフォルダーを選びます。

14-2:書き方(公式の例の一部)

先頭に、次のようなメタデータを書きます。公式のページの例の冒頭から取ったもので、全文は公式で確認してください。

#!/bin/bash

# Required parameters:
# @raycast.schemaVersion 1
# @raycast.title Build XCODE
# @raycast.mode compact

# Optional parameters:
# @raycast.icon 🤖

この記事の例(シェルスクリプト)。公式の記載に合わせて組んだ例で、動作は確かめていません。

#!/bin/bash

# Required parameters:
# @raycast.schemaVersion 1
# @raycast.title Say Hello
# @raycast.mode compact

echo "Hello from Raycast"

出力のモードは、公式のページの例に compact と silent が出ます。全部の一覧は、公式のScript Commandsのリポジトリ(github.com/raycast/script-commands)にある、と書かれています(そのリポジトリは今回は読んでいません)。

14-3:言語と権限

macOSは、AppleScript、シェル、Python、Node.js、Ruby、PHP、Swiftなどです。Windowsは、PowerShell(.ps1)、C#、Python、Node.js、Bash(WSLまたはGit Bash経由)です。Macでは、アクセシビリティなどの許可の確認は、ターミナルではなくRaycastに出ます。WindowsでPowerShellのスクリプトが動かないときは、Get-ExecutionPolicy を確かめます(公式の記載)。

場面15:自分で拡張機能を作ってみる(開発者向け)

公式の開発者向け資料の「Create Your First Extension」の順です。

前提(公式): Raycast 1.26.0以上、Node.js 22.14以上、npm 7以上。ReactとTypeScriptに慣れていること。サインインが必要です。

  1. Raycastで「Create Extension」を実行します。
  2. 名前を「Hello World」にして、「Detail」テンプレートを選びます。
  3. 「Location」で、置くフォルダーを選びます。
  4. ⌘↵ で進み、画面の指示に従います。
  5. ターミナルで、できたフォルダーに移って、次を実行します(公式のコマンド)。
npm install && npm run dev
  1. Raycastを開きます。作った拡張機能が、Root Searchの一番上に出ます。↵ で開きます。
  2. ./src/index.tsx を開き、markdown の文を書き換えて保存します。
  3. Raycastでコマンドを開き直して、変わったか見ます。

npm run dev は開発モードで、ホットリロードやエラーの表示などが働く、と公式は書いています。止めるにはターミナルで ⌃C を押します。止めても、拡張機能はRaycastに入ったままです。

読んだ資料では、ray というコマンドの使い方は、このページの npm run dev 以外には説明されていませんでした。ほかのCLIの操作は、公式で確認できていません。AIを拡張機能の中から呼ぶ方法は、07で扱います。

最初の1時間の順番(この記事の案)

ここは公式の手順ではなく、この記事の案です。

時間の目安 やること 場面
0〜10分 ホットキーを決め、アプリを探して開く 05、場面1
10〜20分 ⌘K を見て、Quicklinkを1つ作り、ホットキーをつける 場面2〜4
20〜30分 スニペットを1つ作り、Keywordで展開させる 場面5
30〜40分 窓の配置を1つ試す 場面6
40〜50分 (有料プランなら)Quick AIで1問聞き、⌘J でAI Chatへ移る 場面9〜10
50〜60分 AI Commandsを1つ作る。そのあと、設定を書き出す(05) 場面11、05の手順8

SkillsとScript Commands、拡張機能の作成は、基本に慣れたあと、とするのが並べやすい、というのが僕らの見立てです。

気をつけること

出典