3行でいうと
- Gemma 4はGoogleが2026年4月2日に出したオープンなモデルで、いまは5つのサイズがある。
- 画像と動画は5つとも読めるが、音声はE2B・E4B・12Bだけ。
- シリーズではじめて、ライセンスがApache 2.0になった。
- 見立てでは、32GBでは26B A4B(15.6GB)は載り、31B(19.0GB)は余裕が少ない。
早見表(記事04)では、Gemma 4を1行でしか扱えませんでした。ここでは、公式の資料とモデルカード(配布ページの説明書き)を読んで、できるだけ詳しく補います。最終確認日は2026年10月6日です。
数字は、読めたページに書いてあるものだけを使っています。書いていないものは「要確認」としました。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。
まず、何者か
Gemma 4は、Googleが2026年4月2日に出したオープンなモデルのシリーズです。「オープン」は、重み(モデルの中身のファイル)をダウンロードして、自分のパソコンで動かせる、という意味です。
Googleは、これを「バイト当たりで、もっとも高性能なオープンモデル」と紹介しています。同じ大きさなら賢い、という言い方です。Googleの発表では、31B版がArena AIのテキスト順位で3位、26B版が6位とされています。ただし、これは開発元の発表です。独立した検証は、読めていません。
サイズは5種類
発売時は4種類でした。E2B、E4B、26B(MoE)、31Bです。その後、2026年6月3日に12Bが加わり、いまは5種類です。
「E」は「effective(実効)」の頭文字です。E2BやE4Bは、見かけの大きさより小さいモデルとして動く、という意味です。E4Bのモデルカードでは、実効4.5B、埋め込みを含めた全体で8Bとあります。
「MoE」は、中身を専門家ごとに分けて、一度に一部だけ動かす作り方です。26B版は、全体で25.2Bのうち、動くのは3.8Bです。モデル名の「A4B」は「動くのは約4B」という意味で、数字が3.8と4でずれますが、同じものです。
| 版 | 大きさ | 文脈 | 入力できるもの | 4ビットの目安 |
|---|---|---|---|---|
| E2B | 実効2B | 128K | 文章・画像・動画・音声 | 2.9GB |
| E4B | 実効4.5B(全体8B) | 128K | 文章・画像・動画・音声 | 4.5GB |
| 12B | 約12B | 256K | 文章・画像・動画・音声 | 6.7GB |
| 26B A4B(MoE) | 全体25.2B、動くのは3.8B | 256K | 文章・画像・動画 | 14.4GB |
| 31B(密) | 30.7B | 256K | 文章・画像・動画 | 17.5GB |
メモリの数字は、Googleの公式ドキュメントにある推論時の目安です。会話の長さに応じて増える分(KVキャッシュ)は含まれていません。Googleも「使う道具や環境で変わる」と注記しています。
4ビットは、モデルを小さく圧縮した形です。精度は少し落ちますが、メモリは4分の1ほどで済みます。
入力できるもの
ここが、ほかのモデルと違う点です。
画像と動画は、5種類すべてが読めます。音声は、E2B、E4B、12Bだけです。26Bと31Bは、音声に対応していません。出力は、どれも文章だけです。
E4Bのモデルカードには、上限が書かれています。音声は30秒まで、動画は60秒までです(動画は1秒に1コマ)。12Bのカードにも、同じ上限が書かれています。長い会議の録音を丸ごと渡す用途には、そのままでは向きません。
12Bは、画像用・音声用の部品(エンコーダー)を持たない作りです。画像の断片や音声の波形を、軽い変換だけでモデル本体に渡します。Googleは、これを「中くらいの大きさで、初めて音声に対応した」モデルだと説明しています。
ほかに、考えてから答える「思考モード」と、道具を呼び出す機能(function calling)にも対応しています。140以上の言語で学習した、とGoogleは書いています。
注意点が1つあります。実行ソフトによって、対応が違うことがあります。たとえばOllamaの一覧では、12Bの入力は「文章・画像」とだけ書かれています。Googleの資料では音声と動画にも対応しているので、食い違いです。使うソフトでの対応は、入れる前に確かめてください。
文脈の長さ
文脈は、モデルが一度に覚えておける文章の量です。E2BとE4Bは128Kトークン、12B・26B・31Bは256Kトークンです。日本語では、256Kは数十万字に相当しますが、正確な換算は出典にないので書きません。
長い文脈を使うほど、メモリの余裕が必要です。上の表に載っていない分なので、32GBの機械では特に注意してください。
ライセンス:Apache 2.0になった経緯
Gemma 4は、GemmaシリーズではじめてApache 2.0で出ました。Googleのオープンソース公式ブログが、「OSIが承認したApache 2.0を、シリーズではじめて採用した」と書いています。
それまでのGemmaは、独自の「Gemma利用規約」でした。読めた範囲では、次のような条件がありました。
- 禁止された使い方の方針(Prohibited Use Policy)に従うこと
- 規約に反すると、Googleが「遠隔またはその他の方法で」利用を制限できる、という権利をGoogleが留保していること
- 再配布するときは、規約の写しを付け、変更したファイルに印を付けること
いまのGemma利用規約のページには、「Gemma 4の条件は、別のGemma 4ライセンスを見よ」と書かれています。Gemma 4には、旧規約は及びません。
Apache 2.0は、多くの法務担当がすでに知っている標準の条件です。Googleは「開発者の権利と責任を明確にして、安心して作れるようにするため」と説明しています。MindStudioの解説では、用途や業種の禁止条項がなくなり、競合する製品を作ることを禁じる条項もない、と整理されています(これは解説記事で、元の条文ではありません)。
経緯の細かいところは、確認できませんでした。たとえば「開発者から要望があったのか」「ほかのオープンモデルとの競争が理由なのか」は、読んだ出典に書かれていません。Googleが述べている理由は、上の「明確さ」だけです。
なお、Googleの発表によると、Gemmaはこれまでに4億回以上ダウンロードされ、派生モデルは10万を超えています。
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メモリ32GBのMac miniでの目安
ここからは、事実から導いた見立てです。
LM Studioの一覧にあるファイルの大きさは、E2Bが4.2GB、E4Bが5.9GB、12Bが7.4GB、26B A4Bが15.6GB、31Bが19.0GBです。Googleの4ビットの目安より少し大きいのは、入れ物の違いと思われますが、理由は確認していません。
32GBで、macOSや他のアプリのぶんを残すと、モデルに使えるのは、おおよそ20GB前後までと見ています。この数字は僕らの目安で、出典はありません。
- E2B、E4B、12Bは、余裕です。ほかのモデルと同時に置いても、困りません。
- 26B A4Bは、15.6GBです。載ります。動くのは3.8Bだけなので、速いはずですが、M6 Mac miniでの速度は、読めた出典にありません。要確認です。
- 31Bは、19.0GBです。載りますが、会話が長くなると、余裕が少なくなります。
記事04で見積もった「本体を16〜20GB程度までに」という目安に、26Bは収まり、31Bはぎりぎりです。
役割分担の見立て
見立てです。Qwen3.8-27B、gpt-oss-20bとの分け方を考えます。
Qwen3.8-27Bは、Hugging Faceのカードによると、27Bの密なモデルで、文脈は262,144トークンです。画像と動画を読み、Apache 2.0です。gpt-oss-20bは、全体21B、動くのは3.6Bで、16GBで動くよう作られています。こちらは文章だけを扱い、Apache 2.0です。
| 役割 | 候補 | 理由 |
|---|---|---|
| 主力(質問、コード、画像・動画) | Qwen3.8-27B | 4ビットで本体約14GB(記事04)。Gemma 4の31Bや26Bと役割が重なります |
| 道具を使う作業 | gpt-oss-20b | 記事04で紹介した実測で、安定していたため |
| 音声を読ませる、軽い作業 | Gemma 4のE4Bまたは12B | 音声に対応する点が、ほかにない強みです |
| 比較用・予備 | Gemma 4の26B A4B | 速さ重視の選択肢。測定が出てから判断します |
要点は、「音声を読めること」です。Qwen3.8-27Bのカードには、読んだ範囲で音声入力の記載がありません。音声を扱う作業があるなら、Gemma 4のE4Bか12Bが、いちばん自然な選び方になります。
12Bは、Googleが「16GBのメモリのノートパソコンで動く」と紹介しています。4ビットで6.7GBなので、32GBなら、Qwenを動かしたまま入れておく余地も、ありそうです。ただし、同時に動かすと速度が落ちるはずなので、実機で確かめてから書きます。
31Bと26Bは、Qwen3.8-27Bと同じ「主力」の席を争う関係です。両方を入れて、同じ質問で比べる価値はあります。ただ、Gemma 4が上かどうかは、まだ独立した比較を読めていません。ここは、結論を出しません。
入れ方
LM Studioなら、画面だけで済みます。LM Studioのモデルページで、使いたい版の「Get」を押すと、アプリ内でダウンロードが始まります。検索欄に「Gemma 4」と入れて、量子化された版を選ぶ方法も、解説記事で紹介されていました。
LM Studioの一覧には、通常版のほかに「QAT」とついた版があり、同じ大きさで並んでいます。QATは、圧縮したときの精度の低下を抑えるために、圧縮を見越して学習し直した版のことです。違いの詳細は、確認できていません。
Ollamaなら、ターミナルで次のようにします。タグ(版の名前)は、Ollamaの公式ページにあるものです。
ollama run gemma4:e4b
ollama run gemma4:12b
ollama run gemma4:26b
ollama run gemma4:31b
Ollamaの一覧に出ているサイズは、e4bが6.6〜9.5GB、12bが7.7〜8.0GB、26bが16〜19GB、31bが19〜20GBです。Macで動かす人向けに、MLX版(末尾に「-mlx」をつける)もあるとのことです。
Googleは、配布先として、Hugging Face、Kaggle、Ollama、LM Studioを挙げています。llama.cppやvLLMなどにも対応しています。
気をつけること
- 速度の数字は、1つも載せていません。M6 Mac mini(32GB)での測定を、読めた出典で見つけられなかったためです。
- 順位や点数は、Googleの発表か、報道が伝えたものです。独立した検証は、確認できていません。
- 解説記事の間で、メモリの数字が食い違っていました。この記事では、Googleの公式ドキュメントの数字を使っています。
- 記事04は、サイズを4種類で書いています。12Bが加わったので、早見表の更新が必要です。
出典
- Gemma 4: Byte for byte, the most capable open models(Google、2026年4月2日)
- Introducing Gemma 4 12B: a unified, encoder-free multimodal model(Google、2026年6月3日)
- Gemma 4: Expanding the Gemmaverse with Apache 2.0(Google Open Source Blog、2026年4月2日)
- Gemma 4 model overview(Google AI for Developers)
- Gemma Terms of Use(Google AI for Developers)
- google/gemma-4-E4B-it(Hugging Face)
- google/gemma-4-12B-it(Hugging Face)
- google/gemma-4-26B-A4B-it(Hugging Face)
- google/gemma-4-31B-it(Hugging Face)
- Gemma 4(LM Studio)
- gemma4(Ollama)
- Google's Gemma 4 is now available with Apache 2.0 licensing(The Decoder)
- What Is Gemma 4's Apache 2.0 License?(MindStudio)
- Gemma 4 Just Dropped. Can Your Computer Handle It?(Hongkiat)
- Qwen/Qwen3.8-27B(Hugging Face)
- openai/gpt-oss-20b(Hugging Face)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
