3行でいうと

  • 手順は、LM Studioを公式サイトから入れ、モデルをダウンロードし、読み込んでチャットする。
  • 見立てでは、最初は小さいモデルと控えめな会話の長さで始めるのが安全。
  • Hugging Faceには誰でもモデルを置けるので、誰が作ったかを確認する。
  • ネットなしでも動き、ローカルのモデルだけなら会話の中身は外に出ないと公式は説明している。

家庭のパソコンでAIを動かす「ローカルLLM」は、初めてだと入口で迷います。ここでは、メモリ32GBのMac(M6 Mac miniなど)を想定して、LM Studio(画面で操作できるアプリ)の使い方を、公式の説明を軸に整理します。モデルの数字や速さは、先に書いた記事03(Splash)と04(早見表)とそろえています。

用意するもの

LM Studioの公式ドキュメントでは、Macの条件は次のとおりです。

M6は、このページには書かれていません。ただ、記事03のとおり、M6 Mac mini(32GB)でLM Studioを使った動画の実例はあります。32GBなら、推奨の2倍です。

手順1 公式サイトから入れる

LM Studioの手引きは、「最新版のLM Studioを入れます。入手先は公式のダウンロードページ(lmstudio.ai/download)です」という書き出しで始まります。検索で出てくる、似た名前のサイトからは入れないでください。

手順2 最初のモデルは、小さいものから

  1. LM StudioのDiscoverタブを開きます。どの画面からでも、⌘+2で飛べます。
  2. 検索欄にモデル名を入れます。「gemma」のような言葉でも、「ユーザー名/モデル名」でも、Hugging FaceのURLでも探せます。
  3. 同じモデルに、Q3_K_SやQ_8のような名前の版が並びます。これは「量子化」で、ファイルを小さくする代わりに、品質が少し落ちる圧縮です。公式の案内は「4ビット以上を選ぶ。マシンに余裕があれば」です。
  4. ダウンロードを押します。

最初の1つは、軽いものにしてください。仕組みが分かってから、大きいものに進むほうが、失敗の原因を切り分けやすいからです。これは見立てです。

モデル 4ビットの本体の大きさ 出どころ
Gemma 4 E2B 3.2GB 解説記事の表
Gemma 4 E4B 5GB 解説記事の表
Gemma 4 26B A4B 15.6GB 解説記事の表
Gemma 4 31B 17.4GB 解説記事の表
Qwen3.8-27B 14.1GiB(GBにすると約15GB) Hugging Face

Gemma 4の数字は、1つの解説記事のものです。別の記事では、E4Bを約4GBとする表もあり、数字は少しずれます。「だいたい」で読んでください。

誰が作ったかを確認する

LM Studioは、Hugging Faceにあるモデルを探してくれます。Hugging Faceには、誰でもモデルを置けます。同じ名前の「まとめ直した版」も多くあります。

例が、記事03のQwen3.8-27BのSplash版です。Hugging Faceのページでは、Inco AIが作ったもので、AlibabaのQwenの公式プロジェクトではない、と読めます。

なお、Hugging Faceは、ファイルをマルウェア対策ソフト(ClamAV)で自動的に調べて、「ok」「infected」の印を付けます。ただし、ページには、すべてを見つけられる保証はない、とも書いてあります。印は、安全の証明ではありません。

手順3 読み込んで、チャットする

  1. ChatタブでModel loader(モデルを選ぶ場所)を開き、ダウンロードしたモデルを選びます。
  2. 読み込みが終わるまで待ちます。「読み込む」とは、モデルのデータをメモリに置くことです。公式は、そう説明しています。
  3. 終わったら、Chatタブで話しかけます。新しい会話は、+ボタンか、⌘+Nで始められます。
メモリの目安と、会話の長さ

ここは、事実と見立てを分けます。

出典で確認できたこと

  • Macは、OSがメモリを使います。解説記事によると、32GBでモデルと会話に使える上限は、26〜28GB程度(待機時に4〜6GBをOSが使う)、あるいは約24GB(OSとブラウザなどで6〜10GBを引く)とされています。記事によって幅があります。
  • 会話が長くなるほど、「記憶の置き場所」(KVキャッシュ)が増えます。ある測定では、Qwen3 30B-A3Bの最大メモリが、2Kトークンの入力で18.11GB、64Kで24.26GBでした。会話の長さだけで、約6GB増えています。
  • メモリが足りなくなると、処理の一部がCPUに回ります。ある記事は、これで速度が「ほぼ10分の1」に落ちる、としています。
  • トークンは、AIが数える文字の単位です。LM Studioの資料では、1トークンは単語のおよそ4分の3です。

見立てです

「本体のファイルは、メモリの半分前後まで」という目安は、今回読んだ出典には、そのままの形では書かれていませんでした。上の数字から、32GBなら本体を14〜16GB前後までにする、と考えるのが無難だと見ています。Qwen3.8-27Bの4ビット(14.1GiB)が、ちょうどこの線です。会話の分に10GB前後を残す計算です。

コンテキスト長を決める

コンテキスト長は、AIが一度に覚えておける、会話の長さです。大きくするほど、メモリを使います。

LM Studioでは、モデルを読み込むときに、コンテキストの大きさやGPUの使い方を設定できます。毎回変えるのが面倒なら、My Modelsのモデル横にある歯車アイコンから、既定値を保存できます。

解説記事によると、標準の値は2,048か4,096トークンです。モデルが対応する最大(Qwen3.8-27Bは262,144トークン)とは、別の値です。

最初は小さく始めて、足りなくなったら増やす、が安全です。記事03のとおり、Splashで32GBの機械に読み込んだ動画では、大きくしすぎると読み込みでエラーになり、18万トークンなら読み込めた、との説明でした。

止まらない・遅い・エラーのとき

症状 見る点
読み込みの前に、メモリ不足の警告が出る 「このモデルは約◯GBのメモリが必要で、読み込むとシステムが固まるおそれがある」という趣旨の警告が出ることがあります。GitHubの報告では、「Load anyway」の押しボタンが付きます。押す前に、小さいモデルに替えるか、コンテキスト長を下げてください
答えがなかなか出ない、考え続ける Qwen3.8は、標準で「考えるモード」です。ある検証では、標準設定で21分かかった質問が、考えるのを切ると137秒でした。短い作業なら、切るか弱めます。切り方の画面は、確認できていません
話の途中で止まる 「request (N tokens) exceeds the available context size, try increasing it」のようなエラーは、会話がコンテキスト長を超えた合図です。新しい会話にするか、メモリに余裕があれば長さを上げて読み込み直します
全体に遅い メモリがあふれていないか。ほかのアプリを閉じます。会話が長いと遅くなります。記事03の動画では、出だし毎秒25トークンが、7万トークンほど溜まると約15でした

古い発言を自動で切り捨てる設定は、LM Studio 0.4.0以降、動かないという利用者の報告があります。公式の確認は見つけていません。自動で切れてくれる、とは思わないほうが安全です。

ネットにつながなくても動くか

動きます。公式ドキュメントには、「LM Studioは完全にオフラインで動かせる。先にモデルのファイルを入れておくこと」とあります。ネットが必要なのは、次の場面です。

記事03のSplash(Metal)も、エンジンの追加にネットが要ります。機内モードで使うなら、先に入れておいてください。

データが外に出る条件

LM Studioのプライバシーの説明には、「モデルを自分のパソコンにダウンロードして動かす場合、メッセージ、チャット履歴、文書は、いっさいシステムの外に送られない」とあります。文書を読ませる機能も、処理はパソコンの中だと書かれています。

外に出る場面は、公式の説明では次の3つです。

  1. モデルの検索・ダウンロードのとき(検索語は匿名で集計されるが、個人ごとには追わない、とあります)
  2. アプリの更新の確認のとき
  3. クラウドの機能を使うとき(任意の有料サービス)

つまり、ローカルのモデルだけを使い、クラウド機能に手を出さなければ、会話の中身は外に出ない、というのが公式の説明です。これは会社の説明を読んだものです。通信を実際に測って確かめたものではありません。

ディスク容量の目安

LM Studioのページには、必要な空き容量の数字は見つかりませんでした。モデルのファイルの大きさから、見積もります。

見立てです。小さい1本と、大きい2〜3本を置くと、40〜60GBほどになります。空きは、100GBほど見ておくと安心です。置き場所は「~/.lmstudio/models/」で、My Modelsから確かめられます。

Splashは、そのあとで

記事03のSplash(Metal)は、最初の1時間には要りません。通常のモデルで慣れてから、進んでください。手順は、記事03・04のとおりです。

  1. LM Studioで、Shift+⌘+Rを押します。
  2. 「Runtime」の「Engines & Frameworks」から、「Splash (Metal)」を追加します。
  3. モデル検索で「Inco AI」と入れ、フォーマットを「Splash」にして、Qwen3.8 27Bを落とします。

LM Studioの公式ブログ(9月18日)では、同じ機能が「Settings > Runtime」の「Experimental backends」にあると説明されています。版によって、画面の名前が少し違うのかもしれません。見つからないときは、手元の画面に合わせてください。公式の条件は、M3以降、メモリ36GB以上、macOS 26.4以降です。32GBでの実例は、記事03にあります。

ここから先は、僕らの見立て

事実ではなく、見立てです。

最初の1時間でやることは、少ないほうがよいと見ています。「公式から入れる、小さいモデルで動かす、会話の長さは控えめに」の3つです。大きいモデルや速いエンジンは、その後でも遅くありません。

出典