3行でいうと
- Copilot+ PCはMicrosoftが決めたWindows 11の等級。条件はNPU 40TOPS以上、メモリ16GB、保存容量256GB。
- NPU(AI専用の部品)が40TOPS以上でも、メモリが16GB未満ならCopilot+ PCではない。
- 目玉はWindowsに入ったAI機能で、AIのモデルを自分で動かす条件とは別の話。
- 円の価格は、Surface Laptop 13インチが247,280円、Surface Pro 12インチが238,480円など。税の扱いは不明。
この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書を読んでまとめたものです。僕らの考えは、段落の頭を「見立てです。」として分けて書きます。
先に結論
- Copilot+ PCは、Microsoftが決めたWindows 11パソコンの「等級」です。Microsoftの日本語の仕様ページによると、条件は3つです。1秒に40兆回以上の計算ができるNPU(AI専用の部品)を積んだチップ、メモリ16GB、保存容量256GBです。
- 条件を満たすチップとして、同じページに次の3系統が挙がっていました。AMD Ryzen AI 300と400シリーズ、Intel Core Ultra 200Vと300Vシリーズ、Snapdragon Xシリーズです。
- 40TOPS以上のNPUがあっても、メモリが16GB未満だとCopilot+ PCではない、とMicrosoftが書いています。名前だけでなく、構成まで見る必要があります。
- Copilot+ PCの目玉は、Windowsに入っているAI機能です。AIのモデルを自分で動かす(ローカルAI)ための条件とは、別の話です。
- 日本円では、Microsoft日本のSurfaceのページに価格が出ています。13インチのSurface Laptopが247,280円、Surface Pro 12インチが238,480円など。税の扱いはページに書かれていません。
何が変わったか
Microsoftの日本語ページは、Copilot+ PCを「40TOPS以上のNPUを搭載した、新しいクラスのWindows 11 PC」と説明しています。
ここで用語を整理します。
- NPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット):AIの計算に向いた専用の部品です。CPU(全体の頭脳)やGPU(絵や計算が得意な部品)とは別にあります。Microsoftの開発者向けの文書は、NPUの使用状況をタスクマネージャーで確かめられる、と書いています。
- TOPS(トップス):1秒に何兆回の計算ができるかを表す単位です。「40TOPS」は、毎秒40兆回です。Microsoftのページがそう説明しています。
- Copilot+ PC:上のNPUとメモリ、保存容量の条件をすべて満たすパソコンの呼び名です。
Microsoftは「AI PC」という言葉も使っています。同じページによると、AI PCは「便利なAI機能をスムーズに動かせるように設計されたパソコン」で、Copilot+ PCはその中の、高度なものです。CPU、GPU、NPUの組み合わせでAIを処理する、と説明されています。つまり、「AI PC」と書いてあっても、Copilot+ PCとは限りません。
条件(Microsoft公式、2026年10月22日確認)
Microsoft日本語の「Windows 11の仕様とシステム要件」のページから、読めた条件です。
| 項目 | 普通のWindows 11の最小要件 | Copilot+ PCの要件 |
|---|---|---|
| チップ | 1GHz以上で2コア以上の64ビット互換プロセッサ | 40TOPS以上のNPUを備えたプロセッサ。現時点で、AMD Ryzen AI 300と400シリーズ、Intel Core Ultra 200Vと300Vシリーズ、Snapdragon Xシリーズ |
| メモリ | 4GB | 16GB(DDR5またはLPDDR5) |
| 保存容量 | 64GB以上 | 256GB(SSDまたはUFS) |
もう一度確かめた箇所:Microsoftのページには、40TOPS以上のNPUを積んだ高度なシリコンでも、RAMが16GB未満のデバイスや、保存容量の構成が要件を下回るデバイスは、Copilot+ PCではない、と書かれています。また、Surfaceのページの脚注には、Copilot+ PCの機能は、16GB以上のRAMを積んだ一部の構成でのみ使える、とあります。2か所で一致しました。
チップメーカーの公式ページで確かめられたNPUの数字は、次のとおりです。
| チップ | NPUの性能(公式ページの表記) | 確認元 |
|---|---|---|
| Snapdragon X2 Elite | 最大85 TOPS | Qualcomm(10月8日に確認。10月22日はページが読めず) |
| Snapdragon X2 Plus | 80 TOPS | Qualcomm(10月8日に確認。10月22日はページが読めず) |
| AMD Ryzen AI 9 HX 370 | NPUは最大50 TOPS(全体では最大80 TOPS) | AMD |
| AMD Ryzen AI Max+ 395 | NPUは最大50 TOPS(全体では最大126 TOPS) | AMD |
| Intel Core Ultra 200V | NPUは最大48 TOPS(Intelのページの表記は「Lunar Lake」「Core Ultra プロセッサー(シリーズ2)」で、「200V」の文字はありません。200Vとの対応は僕らの読みです) | Intel(Lunar Lakeの概要のサポートページ) |
AMDのRyzen AI Max+ 395は、AMDのページで「Ryzen AI Max 300 Series」と書かれています。Microsoftの一覧にある「Ryzen AI 300と400シリーズ」にMax+が入るかどうかは、読んだページには書かれていませんでした。確認できていません。
Copilot+ PCで使える機能
Microsoftの機能一覧から、日本語に関係するものを選びました。表は、公式の説明を短く言い換えたものです。
| 機能 | 公式の説明 | 条件・制限 |
|---|---|---|
| 改善されたWindows検索 | 説明の言葉で、ファイルや写真を探せる | 特定のテキスト、画像、文書の形式のみ。英語、中国語、フランス語、ドイツ語、日本語、スペイン語に最適化 |
| クリックで実行(Click to Do) | 画面上の画像や文字に対して、操作を提案する | 使えるアクションは、デバイス、地域、言語で違う。一部のアクションは有料のサブスクリプションが必要 |
| リコール(プレビュー) | 過去の操作を探せる | Windows Helloによるサインインが必要。日本語を含む6言語に最適化。保存の上限あり |
| ライブキャプション | 映像と音声の字幕を翻訳する | 40以上の言語から英語へ、27言語から中国語(簡体字)へ |
| 設定のエージェント | 設定を言葉で探して変更する | 日本語を含む10言語に対応 |
| ペイントのコクリエーター | 絵を描きながらAIが補助する | 英語の文章での指示に最適化。Microsoftアカウントとインターネット接続が必要 |
| ペイント/フォトの一部(Generative Fill、リライト) | 画像の編集 | Snapdragon Xシリーズ搭載のCopilot+ PCのみ |
| フォトのスーパー解像度、Snipping Tool | 画像の高画質化、画面の切り取り | Copilot+ PCのみ |
見立てです。この表で目立つのは、日本語に最適化されているのは「検索」「リコール」「設定のエージェント」あたりで、画像を作る機能は英語の指示に最適化されている点です。さらに、機能によって「Snapdragonだけ」という条件がつくものがあります。買う前に、使いたい機能が、買うパソコンのチップで使えるかを確かめるのが大事だと思います。
Microsoftのページは、機能の提供状況は、デバイス、地域、時期によって変わり、追加の更新が必要な場合がある、とも書いています。リコールは「プレビュー」の表示でした。
価格(Microsoft日本、2026年10月22日確認)
Microsoftの日本語のSurfaceのページから、SnapdragonのCopilot+ PCの価格です。通貨は円です。税込か税抜かは、ページに書かれていません。
| 機種 | チップ | 価格 | ページの状態 |
|---|---|---|---|
| Surface Laptop 13インチ | Snapdragon X2 Plus(6コア) | 247,280円 | 購入 |
| Surface Laptop 13.8インチ | Snapdragon X2 Plus(10コア)またはX2 Elite(12コア) | 241,780円 | 購入 |
| Surface Laptop 15インチ | 同上 | 281,380円 | 購入 |
| Surface Pro 12インチ | Snapdragon X2 Plus(6コア) | 238,480円 | 購入 |
| Surface Pro 13インチ | Snapdragon X2 Plus(10コア)またはX2 Elite(12コア) | 238,480円 | 購入 |
10月8日に読んだときは、13インチのSurface LaptopとSurface Pro 12インチが「予約注文」で、13.8インチは291,280円、15インチは327,580円、Surface Pro 13インチは291,280円と表示されていました。10月22日に読み直すと、どの機種にも「購入」のボタンがあり、予約注文の文字は見つかりませんでした。価格も上の表のとおりで、10月8日の表示と違っています。理由はページに書かれていません。Surface Pro 13インチが12インチと同じ価格に見える点と、Surface Laptop 13.8インチが13インチより安く見える点は、ページの表示のままで、構成の違いは読み取れていません。構成ごとのメモリと保存容量は、ページから読み取れませんでした。他社(Dell、HP、Lenovoなど)のCopilot+ PCの価格は、Microsoftの日本語ページには載っていませんでした。「どこで買えるか」の項に、Amazon、ヨドバシカメラ、ビックカメラなどの販売店のボタンが並んでいます。価格は、販売店ごとに違うと書かれています。
Copilot+ PCとローカルAIの関係
ここは、混同しやすいところです。見立てです。
NPUは、Copilot+ PCのWindows機能を、電力を抑えて動かすための部品です。Microsoftの開発者向けの文書も、Windows 11のCopilot+のAI機能は、NPUを使うように設計されている、バッテリーの持ちがよくなる、と書いています。
一方、OllamaやLM Studioのような道具で、大きなAIのモデルを動かすときに効くのは、メモリの量です。当サイトの前の記事「AIのためのGPU・パソコンの選び方」で書いたように、GPUのメモリや、統合メモリの量が分かれ目になります。Ollamaの公式の対応表(Hardware support)には、NVIDIAのGPU、AMDのGPU、AppleのMetalが書かれていて、NPUの項目は見つかりませんでした。
つまり、「Copilot+ PCを買えば、AIのモデルを大きく動かせる」とは、公式の文書から言えません。Copilot+ PCの条件のメモリ16GBは、Windowsの機能を動かす条件です。大きなモデルを載せるには、足りないことがあります。
向く人・向かない人
見立てです。
- 向く人:Windowsの検索や字幕、画面からの操作提案のような、OS付属のAI機能を、バッテリーを気にせず使いたい人。外に持ち歩くノートPCが中心の人。
- 向かない人:AIのモデルを自分のPCで大きく動かしたい人。この場合は、GPUのメモリや、Macの統合メモリの量で選ぶほうが、公式の文書と合います。
- 注意が要る人:Windowsの古いアプリを多く使う人です。Snapdragonは、チップの種類(Arm)が違うため、アプリが動くかを確かめる必要があります。Microsoftは、MicrosoftのOfficeやChrome、Zoomなどにネイティブ版がある、と説明していますが、すべてではありません。Armで動くアプリの一覧は、第三者のサイト(worksonwoa.com)を案内しています。このサイトの内容は、この記事では確かめていません。
買う前の確認点
- 製品ページに「Copilot+ PC」と書かれているか。「AI PC」だけの表示は、条件を満たすとは限りません。
- メモリは16GB以上か、保存容量は256GB以上か。
- チップは、Microsoftの一覧にあるシリーズか(Ryzen AI 300/400、Core Ultra 200V/300V、Snapdragon X)。
- 使いたい機能が、そのチップで使えるか。画像編集の一部は、Snapdragonだけ、という条件があります。
- Snapdragonなら、よく使うアプリが動くか。
- 機能のいくつかは、Windows Updateの無料の更新が必要です。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。条件も機能も、Microsoftと各社の公式ページの記述です。
- Microsoftの日本語ページの一部には、古い製品名(比較対象のMacBook Air M4など)が残っていました。更新の時期にずれがある可能性があります。
- Surfaceの価格は、税の扱いが書かれていません。10月8日と10月22日で、同じ機種の表示価格や販売状況が変わっていました。買う前に、Microsoftのページか販売店で、今の価格を確認してください。
- Intelのサポートページ(Lunar Lake、Core Ultra プロセッサー(シリーズ2)の概要)には、NPUは最大48 TOPSとあります。ページに「200V」の表記はなく、200Vの数字としているのは僕らの読みです。300Vの数字は、確認できていません。
- Snapdragon X2 EliteとX2 PlusのNPUの数字(85と80 TOPS)は、10月22日はQualcommのページが読めず、10月8日に読んだ値のままです。
- AMDのMax+がMicrosoftの一覧に入るかは、確認できていません。
- Microsoftのページが書く性能の比較(「MacBook Air M4より速い」など)は、Microsoftが測ったものです。この記事では、確かめていません。
- 機能の提供状況は、デバイス、地域、言語、時期で変わります。表の機能が、買ったパソコンで全部使えるとは限りません。
- AIの答えは、間違うことがあります。ライブキャプションの翻訳などは、大事な場面では原文に当たってください。
出典
- Copilot+ PC(Microsoft Japan、2026年10月22日確認)
- Windows 11の仕様とシステム要件(Microsoft Japan、2026年10月22日確認)
- Copilot+ PC 用の AI アプリケーションを開発する(Microsoft Learn、2026年10月22日確認)
- Surface Laptop(Microsoft Japan、2026年10月22日確認)
- Surface Pro(Microsoft Japan、2026年10月22日確認)
- Overview of Lunar Lake(Intel Core Ultra プロセッサー シリーズ2の概要、Intel サポート、2026年10月22日確認)
- Snapdragon X2 Elite(Qualcomm、2026年10月8日確認)
- Snapdragon X2 Plus(Qualcomm、2026年10月8日確認)
- AMD Ryzen AI 9 HX 370(AMD、2026年10月22日確認)
- AMD Ryzen AI Max+ 395(AMD、2026年10月22日確認)
- Hardware support(Ollama Docs、2026年10月22日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
