3行でいうと

  • AIの仕事は、大きく4つに分けて考えると整理できます。文章を書く・直す、絵を作る・直す、声を聞き取る・話す、プログラム(コード)を書く・直す、の4つです。この4分割は公式の分類ではなく、僕らの整理です。
  • 1つのサービスの中に、4つが混ざって入っていることが増えています。ただし、どのサービスが何をできるかは、プラン、国、年齢、アプリの種類で変わります。
  • どの引き出しでも、出てきたものを確かめる作業は人に残ります。公式の説明にも「見直す」「ダブルチェックする」という趣旨の注意が書かれています。

この記事は、公式の文書を読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。4つの引き出しという分け方、たとえ話、「見立てです。」で始まる段落は僕らの考えで、公式の文書に書かれていることとは分けて書きました。

先に結論

総務省の令和6年版 情報通信白書は、生成AIを、文章や画像、音声などを自分で作り出せるAI技術をまとめて呼ぶ言葉、と説明しています(僕らの言い換えです)。つまり、画像や音声は、文章と並んで最初から「生成AI」の仲間に入っています。

たとえ話:1つの事務所にある、4つの窓口

僕らのたとえです。公式の文書にあるものではありません。

AIを、4つの窓口がある事務所だと考えてみてください。「文章の窓口」は、書類を書いたり、読んで要点をまとめたりします。「画像の窓口」は、頼まれた絵を描いたり、持ち込まれた写真を直したりします。「音声の窓口」は、電話を受けたり、話を書き起こしたりします。「コードの窓口」は、コンピューターへの指示書(プログラム)を書きます。

昔は、窓口ごとに別の建物でした。いまは、同じ建物に4つの窓口が並んでいるサービスが増えています。ただ、すべての窓口が毎日開いているとは限りません。プランや国によって、閉まっている窓口があります。

4つの引き出しに、何が入っているか

文章

Googleの「Geminiモバイルアプリ」のヘルプには、文章でできることの例が並んでいます。書く手伝い、文法の修正、翻訳、アイデア出し、リストや表の形での要約、会話しながらの学習です。

総務省の白書によれば、生成AIは、専門的な設定をしなくても、ふだんの言葉で指示するだけで使えるのが特徴です。文章の引き出しは、4つの中でいちばん入口が広いと言えます。

画像

OpenAIのヘルプによると、ChatGPTの画像機能(ChatGPT Images)は、会話の中で画像を作ることも、すでにある画像を直すこともできます。文字を入れる、細部を足す、背景を透明にする、アップロードした画像を編集する、といった作業が挙げられています。ウェブ版、iOS、Androidで、すべてのプランで使えると書かれています(2026年10月16日に確認)。

Googleのヘルプも、画像の作成と編集を説明しています。ウェブ版では、サイドバーから「画像」を選び、テンプレートを選ぶか、文章で頼みます。複数の画像を組み合わせて新しい画像を作ることもできます。

反対向きの使い方もあります。Geminiモバイルアプリのヘルプには、カメラで写真を撮って、それについて質問できる、と書かれています。

音声

OpenAIのヘルプは、ChatGPTの「音声」(ChatGPT Voice)を説明しています。ChatGPTと話して、声で返事を聞けます。会話の内容は、文字でも画面に出ます。聞くことと話すことを同時にできる「Live」のほか、順番に話す「Standard」もあります。Standardは、先に自分の声を文字にしてから、返事を作る流れです。

声で使うときの注意も、ヘルプに書かれています。通話のあとに画面に残る文字の記録は、一字一句そのままではなく、実際に話した内容と違うことがあるそうです。雑音や、人が重なって話す場面では、間違いが起こりやすいとも書かれています。

コード

コードは、コンピューターに仕事をさせる指示書です。プログラマー以外には遠い話に聞こえるかもしれません。ただ、公式の説明を読むと、AIの得意分野としてはっきり位置づけられています。

AnthropicのClaude Codeの案内は、これを「コードを読み、ファイルを直し、コマンドを実行する」道具と説明しています。バグの症状を伝えると、原因をたどって直す、という使い方も書かれています。GitHubのCopilotの案内は、入力中のコードの候補を出す、会話で助ける、調べて計画して修正して、人が確認する形でプルリクエスト(修正の提案)を作る、と説明しています。OpenAIの案内にも、コードを書く、直す、デバッグする、見直す、質問に答える、と書かれています。

誤解されやすい点

「1つのAIに、4つ全部が入っている」とは限りません。 Geminiモバイルアプリのヘルプには、一部の機能が使えない場合(仕事用・学校用のアカウント、年齢、対応していない言語や国)があると書かれています。ChatGPTの音声も、プラン、地域、アプリのバージョンで使える範囲が変わります。

「声で話せる=人間と同じように聞き取れる」ではありません。 前に書いたとおり、OpenAIは雑音や重なった声で誤りが出ることを書いています。

「画像を作れる=何でも思いどおりに描ける」でもありません。 OpenAIのヘルプは、編集で選んだ範囲が正確とは限らず、指定した範囲の外まで変わることがある、と注意しています。

「コードを書ける=そのまま安心して使える」でもありません。 GitHubの案内は、AIが作った修正の提案は「人が確認するためのもの」という位置づけです。コードの引き出しでも、確かめるのは人です。

見立てです。4つの引き出しに共通しているのは、「AIが下書きや試作を出し、人が確かめて仕上げる」という分担だと思います。文章・画像・音声では各社のヘルプに見直しや確認を促す注意があり、コードでは、GitHubの案内が人の確認を前提にしていました。ただしOpenAIのコード案内には、確認を促す記述は見当たりませんでした。

今日からできること、やってはいけないこと

今日からできること(僕らの提案です)

  1. 文章の引き出しから始める。たとえば、読んだ記事の要点を3行にまとめてもらう。元の記事と見比べて、数字や名前が合っているか確かめる。
  2. 画像の引き出しは、まず1枚、自分が頭に浮かべた場面の説明を書いて作ってもらう。気に入らなければ、言い方を変えて頼み直す。
  3. 音声の引き出しは、短い質問を声で話しかけてみる。画面に残る文字の記録と、自分が話した内容を比べる。
  4. コードの引き出しは、プログラムを書かない人でも、たとえばスプレッドシートの関数の意味を説明してもらう、といった入口から始められる。

やってはいけないこと

4つの引き出しの例を、公式の説明から並べる
引き出し 公式の説明に書かれている例(短く言い換え) 出どころ
文章 書く手伝い、文法の修正、翻訳、アイデア出し、リストや表での要約 Geminiモバイルアプリのヘルプ
画像 説明から作る、アップロードした画像の編集、背景を透明に、文字を入れる、複数の画像を組み合わせる、写真について質問する OpenAI(ChatGPT Images)、Google(Gemini)
音声 声で会話する、返事を声で聞く、会話の文字の記録が残る OpenAI(ChatGPT Voice)
コード コードを読む・直す・コマンドを実行する、入力中の候補を出す、デバッグする、見直す Anthropic、GitHub、OpenAI

ChatGPT Voiceの利用の目安も、ヘルプに書かれています(2026年10月16日に確認。変わりやすい数字です)。24時間の目安で、無料は「限られた利用」、Plusは3時間、上位のプランは15時間や制限なし(ただし悪用を防ぐ上限あり)とされています。数字はプランごとに違い、予告なく変わることがあるので、使う前に最新のヘルプを見てください。

総務省の白書は、画像や映像を含む「マルチモーダル」を、複数の形式でアウトプットを得られる性質と説明しています。白書の本文には、プログラムのコードについての記述は、僕らが読んだ範囲では見当たりませんでした。コードの話は、OpenAI、Anthropic、GitHubの案内から書いています。

気をつけること

出典

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