3行でいうと
- スタンプ(リアクション)を押すと、Slackのスレッドを要約してNotionに保存する流れを、公式資料で確かめた。
- Makeはスタンプ(New reaction)をきっかけにできると確認できた。Difyの公式プラグインでは確認できていない。
- 手順は公式資料から組んだ想定で、動かして確かめてはいない。
- 会話を複数の会社に渡す形になるので、会社のルールを先に確認する。
Slackで長いやり取りがあったあと、「あれ、結局どうなったんだっけ」となる。あとで見返せるように、要点をNotionに写しておく。そういう「まとめて保存」を、手でやっている人は多いと思います。
この作業は、パターンが決まっています。「このスレッドは残したい」と思ったらスタンプを押す。すると、AIが流れを要約して、Notionに保存してくれる。そんな形にできれば、手が空きます。
この記事は、公式の文書で確認できたことだけを事実として書いています。僕らの考えは「見立てです。」と分けました。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。手順は公式の文書から組み立てた想定です。動かして確かめたら、この記事に書き足します。
自動化とは何か
自動化は、むずかしい話ではありません。「Aが起きたら、Bをする」を、人の代わりに機械がやってくれる、というだけです。
この記事では、次のように言い換えて使います。
- きっかけ(トリガー):動き出すもとになる出来事。ここでは「スタンプが押された」
- 流れ(ワークフロー):きっかけのあとに、順番にやる作業のまとまり。ここでは「スレッドを読む、要約する、保存する」
- 知らせる仕組み(Webhook):出来事が起きたとき、向こうから「起きたよ」と知らせてくれる仕組み
- 窓口(API):ほかのアプリの機能を、外から呼び出すための入り口
- 許可する範囲(スコープ):アプリに「ここまでは見ていい、書いていい」と渡す権限
つまり、やりたいことは「スタンプ(きっかけ)→ スレッドを読む → AIが要約 → Notionに書く」という一本の流れです。
全体の流れ
| 順番 | やること | 使うもの |
|---|---|---|
| 1 | スタンプが押されたと知る | Slack と、自動化の道具 |
| 2 | そのスレッドの中身を読む | Slack(読む許可が要る) |
| 3 | 流れを要約する | AI |
| 4 | Notionのページに保存する | Notion(書く許可が要る) |
2と4で、「許可」が出てきます。ここが、この記事の中心のひとつです。
道具の選び方:MakeとDify
名前がよく並ぶ2つですが、役割は違います。
Makeの公式サイトは、自分たちを「ビジュアルのAI自動化プラットフォーム」と説明しています。アプリやデータやAIをつなぎ、画面上で、ドラッグ操作や文章の指示で作れるとされています。3,500以上のアプリに対応する、とも書かれています(10月7日の記事では3,000以上と書きました。10月22日に読んだページでは「3,500+」が主で、「3,000+」の表記も1か所残っていました)。
Difyの公式の文書は、自分たちを、AIアプリを作るためのオープンソースの基盤と説明しています。エージェントや、AIの流れ(ワークフロー)、チャットボットを、自分のデータを使って作れます。クラウド版と、自分で動かす版があります。
見立てです。Makeは「アプリ同士をつなぐ」のが本業で、Difyは「AIの中身を作り込む」のが本業です。今回のように「Slackで動いてNotionに書く」だけなら、Makeのほうが近道だと思います。Difyは、要約の指示を細かく作り込みたい人向けです。
ただし、スタンプで動かせるかどうかは、2つで事情が違います。
| Make | Dify | |
|---|---|---|
| スタンプをきっかけにできるか | 公式の文書で確認できた | 公式プラグインでは確認できていない |
| 根拠 | Slackの部品「Watch New Events」の選べる出来事に「New reaction」がある | 公式のSlack用きっかけプラグインの説明に、スタンプの記載がない |
| 有志の手段 | — | 有志のプラグインに、スタンプで動くものがある |
Makeの公式の文書では、「Watch New Events」は、出来事が起きたら即座に動く部品(instant trigger)と説明されています。選べる出来事には、新しいメッセージ、新しいファイルと並んで、新しいスタンプ(New reaction)があります。Slack側に、知らせる仕組みを自分で作る必要はなく、自動で付くとも書かれています。
Difyには、外の出来事で流れを動かす「プラグイントリガー」の仕組みがあります。公式(langgenius)のSlack用きっかけプラグインは、メッセージの受信やチャンネルへの参加などの例を挙げていますが、スタンプは説明に出てきません。確認できていません。
一方で、有志(takada-at)のSlackボット用プラグインは、説明に、スタンプ(reaction_added)で動かせると書かれています。ただし、これは有志のものです。Difyの公式が確認したものではありません。公開は2025年8月です。使うなら、中身を自分で確かめてからにしてください。
手順(想定):Makeの場合
次は、公式の文書から組み立てた想定です。この記事では、まだ確かめていません。
- MakeでSlackとつなぐ。Makeの文書では、Watch系の部品は、いまのところ「ユーザー」の接続でしか動きません。
- 「Watch New Events」を置き、出来事に「New reaction」を選ぶ。見るチャンネルは、あとから絞れます。
- スタンプの種類で絞る。たとえば、決めた1つのスタンプのときだけ先へ進む形にします。
- スレッドを読む。Makeには、メッセージを取り出す部品(Get a Public Channel Message)と、スレッドの返信を取り出す部品(List Replies)があります。返信の一覧では、いちばん上に最初の投稿が来ると書かれています。
- AIで要約する。次の節で書きます。
- Notionに保存する。その次の節で書きます。
ここで、見立てがひとつあります。スタンプが押されたとき、取れる情報は、主に「どのメッセージに押されたか」のはずです。そのため、スレッドの「最初の投稿」にスタンプを押す、と決めておくのが安全だと思います。返信のほうに押すと、スレッド全体を取れるかどうかは、この記事では確かめていません。
AIの要約を入れる
MakeにはAI用の部品の詰め合わせ(Make AI Toolkit)があり、その中に「Summarize text(文章を要約する)」があります。ほかに、翻訳や分類などの部品もあります。
AIの選び方には、2つあります。公式の文書では、無料プランで選べるのは、Make自身のAIだけです(10月22日に読んだページでは、1週間に入力20万トークンまでの上限も書かれていました)。有料プランでは、OpenAIやAnthropicなど、自分で契約したAIも選べます。データの行き先と、お金の払い先が変わるので、有料に進むときに、あらためて考えるところです。
Difyでは、流れの中にAIのモデルを呼ぶ部品を置いて、要約の指示を書きます。無料のSandboxには、AIの利用枠(メッセージクレジット)が200付いています。小さい枠です(あとの表)。
要約の指示は、たとえば次のように書きます。
- 「このスレッドの流れを、決まったこと、まだ決まっていないこと、次にやること、の3つに分けて短くまとめてください」
- 「元の発言にないことは書かないでください」
Notionに保存する
Notion側は、Makeでも、Difyでも、考え方は同じです。
- Notionで、保存先のページかデータベースを決める。
- Notionの「連携(コネクション)」を作り、秘密の合言葉(トークン)を受け取る。
- 保存先のページに、その連携を「接続の追加」で足す。足さないと、Notionは書き込みを受け付けません。
Makeの文書によると、Notionのデータベースは、自動では見えません。1つずつ「Add connections」で許可を与える必要があります。あとからデータベースを足した場合は、接続をつなぎ直すことがあります。
Difyには、公式(langgenius)のNotionプラグインがあります。ページの検索、ページの作成や更新、データベースの検索などができます。設定は、Notionで連携(インテグレーション)を作り、その秘密のトークンを入れて、各ページに「接続の追加」をするだけです。ただし、トークンを持つ人は、連携に許可したページを触れる、とプラグインの説明にあります。他人に見せないでください。
Slack側で必要な許可
ここが、いちばん気をつけたいところです。
Makeの公式の文書に、「Watch New Events」に必要な許可の範囲が載っています。
- channels:read、groups:read(チャンネルの一覧を見る)
- channels:history、groups:history(公開・非公開チャンネルの発言を読む)
- im:history、mpim:history(ダイレクトメッセージの発言を読む)
- reactions:read(スタンプを読む)
- emoji:read、files:read(絵文字とファイルを読む)
「List Replies」にも、同じ種類の読む許可が要ります。
見ていただきたいのは、ダイレクトメッセージを読む許可(im:history、mpim:history)が、この部品の一覧に入っていることです。Makeは「ユーザー」の接続で動くので、見立てです。つなぐ人が見られる会話は、原則、Makeからも見える範囲に入ると考えたほうが安全です。
また、会社のSlackでは、アプリを入れるのに管理者の許可が要ることがあります。見立てです。つなぐ前に、管理者に聞いたほうがいいです。
Difyの公式Slackプラグインの説明には、Slackアプリの情報(App IDやSigning Secretなど、複数の識別情報)をDifyに入れる手順があります。Slackの開発者向けの画面で、アプリを作る必要があります。一般の人には、Makeより一段むずかしいと思います。
無料で、どこまで動くか
公式のページの記載です。10月22日に読み直せた所はそう書き、読み直せなかった所は10月7日に読んだ記載のままです。
| サービス | 無料の範囲(公式の記載) | 有料の入り口(公式の記載) |
|---|---|---|
| Make | 月1,000クレジット(10月22日に再確認)。動かせるシナリオは2つまで、予定実行の間隔は最短15分、実行ログは7日(10月7日の記載。10月22日は読み取れず) | Core:月12ドル(月払い。10月7日の記載。10月22日に読んだ料金ページでは金額を読み取れず) |
| Dify(クラウド) | Sandbox:AIの利用枠200、アプリ5つ、きっかけの出来事3,000回、1つの流れにきっかけは2つまで(10月22日に再確認) | Professional:年590ドル(1ワークスペース、年払い。10月22日に再確認。月払いの金額は表示なし) |
| Slack | Workflow Builderは有料プランの機能(ヘルプの記載) | 金額は、この記事では確認していません |
| Notion | Free。ファイルのアップロードは1つ5MBまで(10月22日に再確認) | Plus:月10ドル(1人あたり、月の表示。10月22日に再確認) |
注意点が、いくつかあります。
- Makeの無料プランで、スタンプのような「即座に動く」きっかけが使えるのかは、確認できていません。「15分」は、予定実行の間隔の記載です。
- 「Watch New Events」でスタンプを見ると、スタンプが押されるたびにクレジットが減るのかは、確認できていません。スタンプの多いワークスペースでは、無料の1,000クレジットの減り方を、先に見たほうがいいと思います。見立てです。
- Notionの料金ページの比較表で、公開API(外から書き込むための窓口)の項目は、10月7日に読んだときは、Plus以上の欄に書かれ、Freeの欄には載っていませんでした。10月22日に読み直したときは、公開APIが機能として挙がっているものの、どのプランに含まれるかは読み取れませんでした。Freeのままで、MakeやDifyから書き込めるのかは、僕らは公式の文書で確認できていません。
- 自分のAIを選ぶ場合の、AIの会社への支払いは、別になるのが普通です。Makeの数え方の細かい点は、この記事では確認していません。
Slack自身の機能との違い
SlackにもAIと自動化の機能があります。
Slackの標準の「Workflow Builder」は、スタンプで動かせます。公式のヘルプに、スタンプとチャンネルを決めて、そのチャンネルでスタンプが使われたら流れが始まる、と書かれています。ただし、有料プランの機能です。
Slackには、AIで要約する機能(Slack AI)もあるようです。ただ、この記事では提供されるプランや範囲を、この記事では確認していません。
見立てです。「Slackの中だけで済ませたい」なら、Slack自身の機能が素直です。Notionのような「外」に残したいなら、MakeやDifyの出番です。なお、Slackの標準のWorkflow Builderには、外のサービスで操作をする「コネクタのステップ」(外のサービスで操作をするための部品)があると、10月22日に読んだヘルプにありました。ただ、Notionに書くステップがあるのかは、確認できていません。
Gmailの例:届いたメールを要約して、知らせる
Gmailも、同じ形でできそうです。「メールが届く → AIが要約 → Slackなどに知らせる」です。
Makeの文書には、Gmailの「Watch emails」というきっかけの部品があります。送り主、件名、キーワード、添付の有無で絞れます。
ただし、つなぎ方は、Slackより手間がかかります。Makeの文書では、通常の@gmail.comのアドレスは、Google Cloudでプロジェクトを作り、Gmailの窓口を有効にして、自分用の認証の情報を作る必要があります。許可する範囲は、Gmailの全体(https://mail.google.com)です。テスト中の状態だと、毎週、再び許可が必要になる、とも書かれています。
Difyで同じことができるかは、この記事では確認していません。
見立てです。Gmailの許可は、「メール全部」に近い範囲です。慣れるまでは、受信箱全体ではなく、特定の送り主や、決まった条件のメールだけで試すのがいいと思います。
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プライバシー:会話をAIに渡すということ
この自動化は、会話の中身を、いくつかの会社に渡す形になります。Slack、自動化の道具(MakeやDify)、AIの提供元、Notionです。
見ておきたいのは、次の点です。
- 社内の会話を、自分の判断でAIに渡していいのか。会社のルールを先に確認してください。
- 取引先やお客さんの名前、個人情報、お金の話が入る会話は、渡さないほうが安全です。
- 許可の範囲を、必要な分だけにする。ダイレクトメッセージまで読める許可は、本当に要るのか考えてください。
- スタンプを押す人を、決めておく。誰でも押せる形だと、見られたくない会話が、勝手に外に出るかもしれません。
- AIがデータを学習に使うかどうかは、提供元の規約で決まります。僕らは、MakeとDifyのそれぞれについて、使う前に読む、としか言えません。この記事では確認していません。
向いている使い方、向いていない場面
見立てです。向いているのは、次のような場面です。
- 勉強会や打ち合わせの、決まったことのメモ
- 「この質問の答えは、あとで探したくなる」というスレッド
- 社外に出ても困らない、公開に近い情報のやり取り
- 自分ひとりのSlackで、読み返したい投稿を溜めたい場合
自動化しないほうがいいのは、次のような場面です。
- 人事、お金、トラブルなど、扱いが繊細な会話
- 要約の間違いが、あとで大きな問題になる場面。AIの要約は、間違うことがあります
- 週に1、2回しか起きない作業。仕組みを作る手間のほうが大きくなります
- 会社のルールがはっきりしないうちは、動かさないほうがいいです
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。手順は公式の文書から組み立てた想定です。
- DifyがSlackのスタンプで動かせるかは、公式のプラグインの説明では確認できていません。有志のプラグインは、公式が確認したものではありません。
- Makeの無料プランで、即座に動くきっかけが使えるか、無料のNotionで書き込めるかは、確認できていません。
- スタンプがスレッドの途中の返信に押された場合に、スレッド全体を取れるかは、確認していません。
- 料金は、2026年10月7日と22日に読んだ公式ページの記載です(どちらで読んだかは、表に書きました)。為替や、プランの変更で変わります。ドル表記は、そのまま書いています。
- 画面や部品の名前は、公式の英語の文書から訳したものです。日本語の画面では確かめていません。
- Slack AIの提供範囲と、Slackの有料プランの金額は、確認していません。
出典
- Make: The visual AI automation platform(Make、2026年10月22日確認)
- Make(トップページ、2026年10月22日確認)
- Slack(Apps Documentation、Make、2026年10月22日確認)
- Slack modules(Apps Documentation、Make、2026年10月22日確認)
- Gmail(Apps Documentation、Make、2026年10月22日確認)
- Notion(Apps Documentation、Make、2026年10月22日確認)
- Pricing & Subscription Packages(Make、2026年10月22日確認)
- Introduction(Dify Docs、2026年10月22日確認)
- slack trigger(Dify Marketplace、langgenius、2026年10月22日確認)
- slack bot2(Dify Marketplace、有志の作者takada-at、2026年10月22日確認)
- Notion(Dify Marketplace、langgenius、2026年10月22日確認)
- Plans and Pricing(Dify、2026年10月22日確認)
- Build a workflow: Create a workflow in Slack(Slack Help、2026年10月22日確認)
- Make AI Toolkit(Apps Documentation、Make、2026年10月22日確認)
- Notion Pricing(Notion、2026年10月22日確認)
更新履歴
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2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
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2026年10月22日 公式の資料を読み直して、次の点を直しました。
- 前:Makeは3,000以上のアプリに対応 → いま:「3,500+」の表記が主で、「3,000+」も1か所残っていた
- 前:無料プランで選べるのはMake自身のAI → いま:Make自身のAIだけで、1週間に入力20万トークンまでの上限もあった
- 前:Makeの実行ログ7日、Coreの月12ドル → いま:10月22日は読み取れず、10月7日の記載のまま
- 前:Notionの公開APIはPlus以上の欄で、Freeの欄にない → いま:機能として挙がるが、どのプランに含まれるかは読み取れず
- 前:Workflow Builderから外のサービスに書けるか未確認 → いま:外のサービス用の「コネクタのステップ」があると書かれていた
- 前:DifyのNotion設定はトークンを入れるだけ → いま:連携を作り、トークンを入れ、各ページに「接続の追加」をする
一部の出典は読めなかったため、その部分は前のままです。
