3行でいうと

  • 同じ画像でも、「自分で眺める」「公開する」「売る・仕事で使う」では、確かめることが変わります。文化庁の資料は、公開や販売は私的使用の範囲外になる場合が多い、としています。
  • 既存の作品に似ていないかの判断は、人が描いた場合と同じ物差し(似ているか、元の作品を使ったか)です。作品名やキャラクター名をAIへの頼みごとに書くと、元の作品を使ったと認められやすくなる、と資料は説明しています。避けたほうがよい、は僕らの整理です。
  • 「AIが作った」だけでは、自分の著作物になるとは限りません。サービスの規約が使い方を認めているかも、別に確かめます。

この記事は、公式の文書を読んでまとめたものです。この記事は、AIで画像を作って確かめたものではありません。法律の話は、文化庁などの資料の紹介で、助言ではありません。個別の判断は、弁護士などの専門家に相談してください。

先に結論

公式資料を読んで言えることは、次の4つです。

  1. 場面で確認点が変わります。 文化庁の資料は、自分のパソコンで作って自分で楽しむだけなら、既存の作品と似ていても原則として許諾は要らない、としています。ただし、SNSに載せる、売る、といった使い方は、その範囲の外になる場合が多いと書いています。
  2. 物差しは人が描く場合と同じです。 「似ているか」と「元の作品を使ったか」の2つで考えます。
  3. AIで作ったことと、自分に権利があることは、別の話です。 簡単な指示だけで出た画像は、著作物にならない可能性が高いと資料は説明しています。
  4. 実在の人の顔や声は、別の注意が要ります。 OpenAIとGoogleの規約が、だます目的や同意のない使い方を禁じています。

たとえ話:部屋に貼るポスターと、駅の掲示板に貼るポスター

僕らのたとえです。公式の文書にあるものではありません。

好きなキャラクターに似せた絵を描いて、自分の部屋の壁に貼る。これは、ほとんど誰も気にしません。同じ絵を、駅の掲示板に貼ったり、グッズにして売ったりしたら、見る人も、お金の動きも変わり、元の作品の持ち主が黙っていない可能性が出てきます。

文化庁の資料が言っているのも、この違いに近い話です。「作る」ことと「使う」ことは、別々に判断される、という考え方です。

場面ごとの確認表

文化庁の「チェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日)と、同じ年の著作権セミナーの講義資料を読んで、場面ごとに整理しました。右の列は、資料に書かれていることの言い換えです。

場面 まず確かめること 資料に書かれていること
自分で作って、自分で見る 他人に見せていないか 私的使用の範囲なら、似ていても原則許諾は不要とされています
ブログやSNSに載せる 既存の作品に似ていないか 公開は私的使用の範囲外になる場合が多く、公開前に似たものがないか検索などで確かめるよう書かれています
チラシ・商品・仕事で使う 似ていないか、説明できるか、サービスの規約 AIを使ったことや著作物性などを、関係者に適切に説明することが求められるとされています
既存のキャラクターや作品に似せたい 作品名・キャラ名を頼みごとに書いていないか 書くと「元の作品を使った」と認められやすくなる、と資料は説明しています(避けたほうがよい、は僕らの整理です)
他人の画像をAIに読ませて作り変える 似せることが目的ではないか 入力した作品に似たものを作るのが目的なら、許諾が必要になる場合があるとされています
実在の人の顔や声を使う 本人の同意があるか、本物に見せかけていないか 資料には記載がありません。OpenAIとGoogleの規約が、同意のない使い方やだます目的を禁じています

「似ている」とは、どういうことか

講義資料の例では、完全に同じものや、創作的な表現の一部が同じものは「似ている」とされます。一方、作風や画風といった考え方だけが同じ場合や、ありふれた表現だけが同じ場合は、「似ている」にはなりません。

つまり、「あの画家っぽい雰囲気」だけで、直ちに問題になるわけではありません。ただし、資料は、AIが学習した作品に似た画像を出してしまうことがあり、使う人が元の作品を知らなくても問題になり得る、とも書いています。だから、公開前に似たものを探して確かめることが勧められています。

今日からできること

どれも、文化庁の資料と規約に書かれていることを土台にした、僕らの整理です。

やってはいけないこと

誤解されやすい点

「AIが作ったから、自分の著作物だ」とは限りません。 講義資料は、AIが自分で作ったものは著作物にならず、人が創作の意図を持ち、創作的に関わった場合に、著作物になり得る、と説明しています。「猫の画像を作って」程度の指示は、自律的な生成に近いとされています。結果を見て、指示を直しながら繰り返す、人が加筆や修正をする、といったことは、プラスに働くと書かれています。

「規約で商用利用OKなら、何でも安心」ではありません。 規約は、サービスと利用者の約束です。他人の権利への侵害を許すものではありません。OpenAIの規約も、出力が他の利用者と似ることがあると書いています。

「私的使用なら何をしてもよい」でもありません。 資料は、私的使用の範囲を超えるかどうかを、公開や販売の有無で説明しています。どこまでが私的使用か、細かい線は、僕らが読んだ範囲では確認できていません。

文化庁の資料の、用語と条文

文化庁のチェックリストは、侵害を次の2つがそろった場合とします。

  • 類似性:既存の著作物の、表現上の本質的な特徴を直接感じ取れること。
  • 依拠性:既存の著作物に接し、それを自分の作品に用いたこと。

利用者が既存作品を知っていて似たものを作らせれば、依拠性は認められやすいとされます。知らなかった場合でも、触れる機会があったことや、高度に似ていることが示されれば、知っていたと推定され得る、と講義資料にあります。

責任の主体は、原則として、作った人や使った人です。民事では、差止め(著作権法112条)、損害賠償(民法709条)などが挙げられています。刑事罰もありますが、原則として被害者の告訴が要る犯罪(親告罪)とされています。講義資料には、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金という記載もあります。ただし、これは要約で読んだものです。

私的使用は30条1項、既存の画像を読ませる場合に原則として当てはまるのは30条の4、と資料にあります。条文そのものは読んでいません。

3社の規約に書かれていたこと
発行元 読んだ内容 日付
OpenAI(利用規約、ROW版) 法が許す範囲で、利用者が出力を所有し、OpenAIは自社の権利を譲る。出力は唯一ではない。人が作ったと偽らない。入力を含む内容は自分が責任を負う 2026年1月1日施行
OpenAI(利用ポリシー) 同意なく、本物に見える形で、他人の似姿(写実的な画像や声)を使わない。他人の知的財産権の侵害を試みない 2025年10月29日施行
Google(生成AIの禁止利用ポリシー) 他人の権利の侵害、だます目的のなりすまし、人だけが作ったという偽りの説明を禁止。教育や芸術の目的などでは緩む場合がある ページ表示は2024年12月17日の最終変更
Adobe(Firefly FAQ) ベータ表示のない機能の出力は商用で使える。ベータ機能は、製品が別に示さない限り商用可。一部の書き出しに、AI利用の記録(Content Credentials)が自動で付く 2026年5月13日更新

規約は、使う画像機能、プラン、地域で違うことがあります。必ず、自分が使う画面の最新の規約で確かめてください。

気をつけること

出典

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