3行でいうと
- OpenAIの規約とGoogleのヘルプは、AIの答えを専門家の助言の代わりにしないよう書いています。Googleは、診断や治療、法律・金融の専門的な助けには使わないよう案内しています。
- 医療・法律・お金など、人生に響く判断を、人の確認なしにAIに任せることを、OpenAIは禁止し、Anthropicは人の確認を要件にしています。ただし、主に仕事で使う場面の決まりです。Anthropicの版は「2026年11月12日施行」と表示されたもので、確認日時点で現行かは分かりません。
- 急に具合が悪いとき、法律で困ったとき、金融機関とのトラブルのときは、それぞれの公的な窓口があります。窓口の条件は、地域などで違います。
この記事は、公式の文書を読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。医療・法律・お金についての助言ではありません。自分のことは、医師、弁護士、金融機関などの専門家に確かめてください。
先に結論
公式の文書を読んで言えることは、次の3つです。
- AIの答えは、情報として読む。 OpenAIの規約は、答えが不正確なことがあり、唯一の情報源にも、専門家の助言の代わりにもしないよう書いています。Googleのヘルプも、出力は情報提供のためだと書いています。
- 重い判断は、人が確認する。 OpenAIとAnthropicの規約は、医療・法律・金融などの重大な判断を、人の確認なしにAIの出力だけで決めることを、禁止または要件としています。ただしAnthropicのページは「2026年11月12日施行」と表示されており、現行版か予告かは分かりません。
- 困ったときの窓口は、AIの外にある。 体調の急な不安は消防庁の相談事業、法律は法テラス、金融機関とのトラブルは金融庁の案内、が公式のページで確かめられました。
見立てです。AIは、「何を聞けばよいか」を整える相棒としては役に立ちそうです。一方、「あなたの場合はどうするか」を決める役は、規約も専門家に残しています。
たとえ話:物知りの友だちと、担当のお医者さん
僕らのたとえです。公式の文書にあるものではありません。
物知りの友だちに、「この検査の言葉、どういう意味?」と聞くのは、よくあることです。でも友だちは、あなたのカルテも、契約書の全文も、家計の細かい状況も見ていません。しかも、ときどき自信たっぷりに間違えます。友だちの話を聞いて、診察に行く前に質問を整理するのはよいことです。でも、友だちの話だけで薬をやめたり、契約書に判を押したりはしません。
AIは、この友だちに近い、と考えると分かりやすいと思います。Googleのヘルプにも、言語モデルを使ったサービスは、不正確な情報を事実のように示すこと(ハルシネーション)がある、と書かれています。
3つの分野で、規約に書かれていること
| 分野 | AI会社の規約に書かれていること(言い換え) |
|---|---|
| 医療 | Googleは、診断、治療、医療の助言には使わないよう案内。OpenAIは、資格が要る個別の助言(医療など)を、資格のある専門家の関与なしに出すことを禁止。ChatGPT Healthの発表も、診断や治療のためのものではない、と書いている |
| 法律 | OpenAIは、医療と並べて法律の助言にも同じ注意を書き、Googleのヘルプも法律の専門的な助けに使わないよう案内している。Anthropicは(2026年11月12日施行と表示された版で)、法律の推奨にAIの出力を使う場合、資格のある人の確認とAI利用の明示を求めている |
| お金 | Googleは、金融の専門的な助けに使わないよう案内。Anthropicは(同じ版で)、個別の投資の推奨と個人の税の助言を、高リスクとして挙げている。OpenAIは、金融や与信での重大な判断の自動化を、人の確認なしにすることを禁止 |
各社の規約の読んだ範囲(2026年10月16日に確認)
- OpenAI 利用規約(ROW版、2026年1月1日施行): 答えは不正確なことがあり、唯一の情報源にしたり、専門家の助言の代わりにしたりしない。使う前に確かめる。ある人についての出力を、与信・雇用・住居・保険・法律・医療など、法的または重大な影響のある決定に使ってはいけない。
- OpenAI 利用ポリシー(2025年10月29日施行): 資格が要る個別の助言(法律・医療など)を、資格のある専門家の関与なしに出さない。重大な判断を人の確認なしに自動化しない。対象の分野の一覧には、教育、住居、雇用、金融、保険、法律、医療などが並んでいます。
- Anthropic 利用ポリシー(ページ表示は2026年11月12日施行): 法律、医療(心の健康を含む)、金融(個別の投資の推奨と個人の税の助言)などで、AIの出力を使って推奨をするとき、訓練を受けた人(必要なら資格のある人)が意味のある形で見直し、変える権限を持つこと、と、AIが関わったことを相手に明確に伝えることを求めています。一般的な教育、健康づくりの内容、社内の下書きなど、最終的な個別の推奨を出さないものは対象外とされています。この版が確認日時点で現行かどうかは、ページから分かりませんでした。
- Gemini アプリのヘルプ: 診断、治療、医療の助言、法律や金融などの専門的な助けには使わないよう案内。誤りを出すことがある。
Anthropicの要件と、OpenAIの禁止は、読んだ範囲では、AIの出力を使って他の人に推奨したり、判断したりする場面を主に想定しています。個人が自分のために質問する場合に、どう当てはまるかは、読んだ範囲では書かれていませんでした。
今日からできること
どれも、規約や公式のページの内容を土台にした、僕らの整理です。
- 頼み方を変える。 「私は〇〇病ですか」「この契約は大丈夫ですか」ではなく、「診察で医師に聞くことを整理して」「この契約書の言葉の意味を一般的に説明して」と頼みます。一般的な説明を求める形です。
- 出てきた用語や制度の名前は、公式のページで確かめる。 厚生労働省や裁判所、金融庁などの原典に当たります。AIに出典を求める方法は、別の記事で扱っています。
- 個人の情報は、伏せる。 病名、契約相手、口座の情報などを入れる前に、立ち止まります。入力の扱いは、別の記事(個人情報)に書きました。
- 相談の前の下書きに使う。 症状の経過、契約の経緯、家計の状況を時系列に整理して、専門家に見せる資料にします。
- 専門家の言葉と、AIの答えが違ったら、専門家に確かめる。 理由を聞くための材料に使います。
やってはいけないこと
- 急に具合が悪いときに、AIの返事を待って、受診や通報を遅らせる。
- AIの答えだけで、薬をやめる・量を変える、契約書に署名する、投資や借り入れを決める。
- 他の人(家族、従業員、取引先)についての重い判断を、AIの答えだけで下す。OpenAIの規約は、人についての出力を重大な決定に使うことを禁じています。
困ったときの窓口(公式のページで確かめたもの)
体調:救急安心センター事業(#7119) 消防庁のページによると、急な病気やケガで、救急車を呼ぶか迷ったときに電話で相談できます。医師、看護師、救急救命士が対応し、緊急性が高いと判断されれば、119番への転送やかけ直しになります。ただし、実施は「全国42地域」で、受付時間と対象年齢は地域で違います(15歳未満は#8000に案内される地域もある)。お住まいの地域で実施されているかは、一覧で確かめる必要があります。
法律:法テラス 法律の総合案内所と説明されています。法制度や窓口の案内のほか、弁護士や司法書士による無料の法律相談の予約ができる、と書かれています。サポートダイヤルは0570-078374(平日9〜21時、土曜9〜17時)です。無料相談を受けられる条件(収入など)は、読んだページには書かれていませんでした。
お金:金融庁の案内 金融庁のページは、金融行政についての一般的な質問は金融サービス利用者相談室、金融機関との個別のトラブルは、紛争解決機関や相談窓口の一覧を見るよう案内しています。
誤解されやすい点
「医療用の機能なら、診断してくれる」わけではありません。 OpenAIのChatGPT Healthの発表は、医療を支えるもので、診断や治療のためのものではない、と書いています。また、同じ発表の更新では、米国の18歳以上のウェブとiOSで提供開始とあり、日本で使えるかは書かれていませんでした。
「出典のリンクがあるから正しい」とは限りません。 リンク先を開いて、本当にその内容が書かれているか、自分の目で確かめます。
「有料プランなら信頼できる」とも書かれていません。 プランによる規約上の扱いの違いは、読んだ範囲では見つかりませんでした。
気をつけること
- 内容は2026年10月16日に読んだ公式ページのものです。規約は変わります。
- Anthropicの利用ポリシーは、ページに「2026年11月12日施行」と表示されていました。確認日はそれより前です。この版が現行か、施行前の予告かは、ページから分かりませんでした。
- 日本の医師法や弁護士法などが、AIの回答に何を求めるかは、読んでいません。厚生労働省や法務省のガイドラインも、探せていません。
- 窓口の案内は、地域や条件で変わります。#7119は全地域では実施されていません。法テラスの無料相談の条件も、確認できていません。電話番号は、公式ページで確かめてください。
- ChatGPT Healthが日本で使えるかは、確認できていません。
- 読んだページの多くは、WebFetchで要約を受け取ったものです。原文は引用せず、言い換えました。細かい言い回しは、原文で確かめてください。
- 「見立てです」と書いた部分は、僕らの考えです。医療・法律・お金の助言ではありません。
出典
- Terms of Use(ROW版、OpenAI、2026年10月16日確認)
- Usage policies(OpenAI、2026年10月16日確認)
- Usage Policy(Anthropic、2026年10月16日確認)
- Gemini Apps Privacy Hub(Gemini Apps Help、Google、2026年10月16日確認)
- Introducing ChatGPT Health(OpenAI、2026年10月16日確認)
- 救急安心センター事業(#7119)ってナニ?(消防庁、2026年10月16日確認)
- 法テラス(日本司法支援センター、2026年10月16日確認)
- 金融機関とのトラブルの相談先(金融庁、2026年10月16日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
