3行でいうと

  • スマホで撮った写真には、撮影した場所の座標が付属情報として入っていることがあります。Appleの公式ガイドは、写真を受け取った人がその情報を読める場合がある、と書いています。
  • 顔や他人の写り込みは、写真の中に直接見えます。Googleは、Geminiで他人の顔や声を使うときは許可を得るよう、公式のページで書いています。
  • 見せた写真が会話の保存や学習に使われるかは、サービスと設定で違います。ChatGPTとClaudeのページは、画像について明確に書いていませんでした。

この記事は、公式の文書を読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。「見立てです。」と書いた段落は、僕らの考えです。

先に結論

読んだ公式ページから言えることは、次の3つです。

  1. 写真には「見えない情報」が付いていることがある。 Appleの公式ガイドによると、カメラの位置情報サービスがオンのとき、撮影場所の座標が写真や動画のファイルに埋め込まれます。
  2. 共有のしかたで、位置情報が一緒に渡るかが変わる。 Googleフォトの公式ヘルプでは、渡る場合と渡らない場合があります。
  3. 見せた写真の行き先は、サービスごとに確かめる。 保存、学習、人間による確認の扱いは、会社と設定で違います。

子どもの写真に特化した公式の説明は、読んだ範囲では見つかりませんでした。そこは僕らの見立てで考えます。

たとえ話:封筒に入れた写真と、封筒の裏の住所

僕らのたとえです。公式の文書にあるものではありません。

写真をAIに見せるのは、写真を封筒に入れて、知らない窓口に渡すのに似ています。封筒の裏には、自分で書いた覚えのない小さな字(撮影場所の座標)が印刷されているかもしれません。写真の隅には、通りがかりの人の顔や表札も写っているかもしれません。確認するのは、裏の字を消せるか、写り込みを減らせるか、窓口が写真をどう保管するか、の3つです。

1つめ:写真に埋め込まれた「位置情報」

何が入っているのか

Appleの「パーソナルセーフティ」ガイド(ページの表示は2026年9月公開)には、次の説明があります。iPhoneのカメラで位置情報サービスがオンだと、電波、Wi-Fi、GPS、Bluetoothの情報から撮った場所を記録し、その座標をファイルに埋め込みます。写真や動画を共有した相手が、この情報を読み取って、どこで撮ったかを知れる場合がある、とも書かれています。

この「写真の付属情報のうち、場所を示すもの」を、この記事では位置情報メタデータと呼びます。メタデータは「データについてのデータ」です。

消す、渡さない、記録しない

Appleのガイドに書かれた手順は、次のとおりです。画面の名前は、公式の英語のページに書かれたものです。日本語の画面では確かめていません。

やりたいこと Appleのガイドに書かれた手順(iPhone・iPad)
1枚の写真の場所を消す アルバムで写真を開く。More、Adjust Info、Adjust Location、No Location の順
共有するときだけ外す 写真を選び、共有ボタンを押す。Options で Location をオフにする。「Location Not Included」と表示される
これから記録しない Settings > Privacy & Security > Location Services > Camera で Never

Macでは、Image > Location から Hide Location を選ぶ、と書かれています。iOSのバージョンごとの違いは、書かれていません。

Googleフォトの場合

Googleフォトの公式ヘルプ(場所の説明のページ)には、次のことが書かれていました。

AIのサービスは、付属情報をどう扱うのか

OpenAIのChatGPTのヘルプ(画像入力のFAQ)には、モデルは元のファイル名やメタデータを処理しない、画像は分析の前にリサイズされる、と書かれています。ただし、位置情報には触れていません。AIが付属情報を処理しないことと、アップロードされたファイルに付属情報が残らないことは、別の話で、後者は読んだページに書かれていません。

Anthropicの画像の開発者向け文書は、付属情報についての答えが、読んだ範囲では取り込まれていませんでした。Geminiについては、位置情報の扱いを説明したページを、見つけられませんでした。

見立てです。「AIは付属情報を処理しない」を「付属情報は消える」と読み替えるのは危険です。座標は、自分の側で外してから渡せば、確実に渡さずに済みます。

2つめ:写り込んだ「顔」と「他人」

公式の文書が書いていること

見立て:自分の写真と、他人が写った写真は分けて考える

見立てです。自分だけが写った写真と、友人や通行人が写った写真では、決める人が違います。他人の顔が写った写真は、その人が渡してよいと言ったかを、先に考えます。Googleの注意は、その点だと読みました。

日本の個人情報保護法で、写真に写った顔や家族写真がどう扱われるかは、条文の一部しか読めておらず、確認できていません。助言ではありません。迷うときは専門家に相談してください。

3つめ:見せた写真は、どこに残るのか

写真は、文字より多くのものを運びます。公式のページで確かめた、保存と学習の扱いです。

サービス 読んだ範囲で書かれていたこと
ChatGPT(OpenAI) 個人向け(Free、Plus、Pro)の内容は、学習に使われることがある。オフにするのは、設定の「Data controls」にある「Improve the model for everyone」。一時チャットは、一時のあいだは学習に使われない。評価ボタンを押すと、その会話全体が使われ得る。ただし、画像やファイルが含まれるかは、ページに明記なし
Claude(Anthropic) 個人向け(Free、Pro、Max)は、設定のPrivacyにある切り替えで選ぶ。ページは「チャットとコーディングの作業」と書き、ファイルや画像の扱いは明記なし。安全のために検知された会話は、別の目的で使われ得る
Gemini(Google) 画像は、Google Lensの技術で内容と文字を読み取り、ふつうの入力と同じに扱う。履歴の保存(Keep Activity)がオンで共有した写真は、改善のために人間の確認者が見ることがある
Geminiの保存期間(プライバシーハブより)

2026年10月16日に確認しました。数字は変わることがあります。

  • Keep Activityがオンのとき、会話と共有した写真などは、アクティビティに保存され、サービスの改善のために人間の確認者が見ることがあります。既定で18か月後に自動で消えます。
  • オフのときも、会話は72時間は保存されます。一時チャットも72時間です。オフのときに学習へ使われるかどうかは、確認できていません。
  • 人間の確認者が見た会話は、最長3年保存されるとあります。確認者に見られたくない情報は入れないよう、書かれています。

見立てです。見せる前に、そのサービスの学習の設定を確かめる、が基本です。設定の場所は、同じ連載の「入力が学習に使われないようにする設定」の記事にあります。

子どもの写真は、どう考えるか

公式のページから、子どもの写真だけに向けた説明は見つけられませんでした。ここは、僕らの見立てです。

顔が写った写真は、見せる必要が本当にあるかを、最初に考えるのがよさそうです。工作の出来栄えや植物の様子など、顔が写らない写真で用が足りる場面は多いはずです。

誤解されやすい点

「アプリの画面で位置が見えないから、入っていない」 Googleフォトでも、カメラが付けた位置は、ヘルプを見る限り、アプリの中で消せません。見えないことと、入っていないことは別です。

「AIは付属情報を処理しない、と書いてある。だから安全」 ChatGPTのヘルプの記述は、モデルの処理についてです。保存されたファイルの説明ではありません。

今日からできること、やってはいけないこと

どれも、公式ページに書かれたことを土台にした、僕らの整理です。

今日からできること

やってはいけないこと

気をつけること

出典

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