3行でいうと
- 各社の公式の指南は、頼むときに「目的」「背景」「欲しい形」を書くよう勧めています。話すメモも同じで、相手、伝えたいこと、時間の3つを渡すと、AIが組み立てやすくなります(この3つは僕らの整理です)。
- PowerPointには、発表者ノートをCopilotが作る機能があります。ただしMicrosoft 365にCopilotが含まれ、組織の設定で有効なことが条件で、50枚未満のスライドで向く、と書かれています。話し方の練習機能 Speaker Coach は、読んだページでは英語のみです。
- AIが書いたメモは、数字・日付・名前が違うことがあります。電話の相手の個人情報や社内の秘密は、貼る前に立ち止まります。
この記事は、公式の文書を読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。例文は僕らが作ったもので、公式のものではありません。公式の文章は長く写さず、言い換えて書いています。
先に結論
公式の資料を読んで言えることは、次の4つです。
- 頼み方の公式の指南は、3社でほぼ同じです。 Microsoftは「目標・背景・期待する形・資料」、Googleは「役割・作業・背景・形式」(全部は要らない、とも書いています)、Anthropicは「はっきり直接に、理由も添える」と書いています。
- 話すメモなら、「誰に」「何のために」「どんな形で」を渡すのがよさそうです。 これは3社の指南を話す場面に置き換えた、僕らの整理です。
- 機能もあります。 PowerPointのCopilotは発表者ノートを作れます。ChatGPTには、声で会話して練習の相手にできる音声会話があります。どちらも、プランや設定などの条件つきです。
- 出てきたメモは「下書き」です。 Microsoftは、AIの答えには間違いが含まれることがあるので、使う前に見直して確かめるよう書いています。Googleも、最終的な出力は自分の責任、としています。
たとえ話:道案内のメモ
僕らのたとえです。公式の文書にあるものではありません。
話すメモは、台本ではなく、道案内のメモに近いものです。「最初の角を右、次の信号を左」のように、曲がる場所だけが書いてあれば、道のり全部を暗記しなくても着きます。電話や商談のメモも、「最初の一言」「必ず伝える3点」「聞きたいこと」だけが見えれば、あとは自分の言葉で話せます。
AIに頼むのは、この道案内のメモの下書きです。ただ、AIは行き先(誰に、何を決めたいのか)を知りません。書かないまま頼むと、どこにでも当てはまる、ぼんやりしたメモが出てきます。
頼み方:公式の指南を、話す場面に当てはめる
公式の指南が言っていること
- Microsoftのページは、頼みごとを4つの部分(目標、背景、期待する形、資料)に分けています。「期待する形」は、どう答えてほしいかを書く部分で、例の文には長さ、聞き手、構成が含まれています。
- Googleのページは、役割、作業、背景、形式の4つの要素を挙げています。
- Anthropicの指南は、はっきり直接に書くこと、「なぜそうしたいか」の理由を添えること、望む形を指定することを挙げています。
- OpenAIのヘルプは、はっきり具体的に頼むこと、返事を見て言い直すこと、口調を形容詞で示すことを挙げています。
話すメモに当てはめると(僕らの整理)
見立てです。次の3つを書けば、公式の4つの部分がだいたい満たせます。
| 渡すもの | 書く内容の例 | 公式の指南との対応 |
|---|---|---|
| 誰に、何のために | 相手は初めて話す取引先の経理担当。請求書の送付が遅れている理由を聞きたい | 目標・背景(Microsoft)、背景(Google) |
| 手元の材料 | 自分が書いた経緯のメモ、相手のメールの要点 | 資料(Microsoft) |
| 欲しい形 | 1分で話せる。最初の一言、聞くこと3つ、「今忙しい」と言われたときの返し、を箇条書きで | 期待する形(Microsoft)、形式(Google) |
場面ごとの例文(僕らが作ったもの)
電話のとき。 「取引先の経理担当の方に電話して、10月分の請求書がまだ届かない理由を聞きたいです。相手は初めて話す人です。1分以内で話せる長さで、(1)最初の一言、(2)聞きたいこと3つ、(3)相手が『今忙しい』と言ったときの返し、の形で、箇条書きにしてください。日付と金額はまだ分からないので『◯』のままにしてください。」
商談のとき。 「個人でやっている美容室に、予約を管理する道具を紹介する15分の商談です。先に相手の困りごとを聞くところから始めたいです。聞きたいこと3つ、伝えたいこと3つ、相手が心配しそうなこと2つと、その答え方のヒントを出してください。料金や機能の数字は私が後で入れるので、書かないでください。」
発表のとき。 「社内で5分の発表をします。聞く人は別の部署の人で、専門用語を知りません。結論、理由2つ、お願いの順で、1分ごとの目安の時間をつけたメモにしてください。下に私の下書きを貼ります。」
どの例にも「数字や日付は空けておく」と書いてあります。AIがそれらしい数字を作ってしまうのを避けるための、僕らの工夫です。
声に出す前の道具:機能の条件
PowerPointのスライドがすでにあるなら、Copilotの発表者ノートが手軽な入口です。Microsoftのページによると、手順は、「表示」タブの「ノート」から、全スライドか今のスライドの発表者ノートを作り、できたものを見て「保持する」か「破棄」を選ぶ、の3つです。「見てから選ぶ」ところが大事で、公式のページも見直すことを前提にしています。
3つの機能の条件(2026年10月16日に確認。発表者ノートの行は10月22日に読み直し)
| 機能 | 何をするか | 読んだページに書かれていた条件・注意 |
|---|---|---|
| PowerPointのCopilot(発表者ノート) | 全スライド、または今のスライドの発表者ノートを作る | Microsoft 365にCopilotが含まれ、組織の設定で有効なこと。50枚未満のスライドで向く |
| Speaker Coach(PowerPointの話し方の練習) | 一人で練習し、話す速さ、声の高さ、つなぎ言葉(えー、あのー)、スライドの文字を読んでいないか、などの報告が出る | 読んだページでは、英語のみ(画面の言語も英語)。日本語は「予定」と書かれている。声はMicrosoftに送られる。報告は閉じると消える |
| ChatGPTの音声会話 | 声で会話できる。設定でLive、Advanced、Standardを選べる | プラン、組織の設定、地域、アプリの版で使える範囲が違う。Liveには日本語の声があると書かれている。答えは間違うことがある |
ChatGPTのヘルプによると、LiveとAdvancedの音声は、チャット履歴に出る文字記録と一緒に保存され、音声は30日間残ります。Standardは文字にしたあとで音声を消します。音声は、自分でオプトイン(自分から許可すること)しない限り学習に使われません。ただし、文字にした記録は、「全員のためにモデルを改善する」設定がオンだと、プランによっては学習に使われることがあります。
見立てですが、ChatGPTの音声会話で商談の相手役をしてもらう使い方が考えられます。ヘルプに「練習に使える」と書かれているわけではありません。
誤解されやすい点
「AIに台本を作らせれば、そのまま読める」 公式の文書は、AIの答えをそのまま使う前提では書かれていません。見立てですが、「最初の一言」と「必ず伝える3点」だけをメモにして、残りは自分の言葉にするほうが、話が途切れても戻れます。
「AIは相手のことを知っている」 知りません。相手が誰か、何を気にしているかは、書かないと伝わりません。背景は、頼む側が用意するものです。
今日からできること、やってはいけないこと
どれも、上の公式ページの内容を土台にした、僕らの整理です。
今日からできること
- 次の電話や商談の前に、「相手」「目的」「時間」の3行を先に書いてから、AIに頼む。
- 「最初の一言」「伝える3点」「聞くこと」「断られたときの返し」のように、見出しを先に指定する。
- 数字、日付、金額、人の名前は「◯」で空けて頼み、あとで自分の資料から入れる。
- できたメモは声に出して通しで言い、つかえたところだけ言い直して頼む。
やってはいけないこと
- 数字や日付を、AIの書いたままで相手に言う。契約や金額の話は、とくに資料で確かめる。
- 電話の相手の氏名や連絡先、取引条件、他人の個人情報を、そのまま貼る。個人情報保護委員会は2023年6月2日の注意喚起で、入力した個人情報は学習に使われることがあるので、リスクを踏まえて入力するか判断すること、使うサービスの利用規約やプライバシーポリシーを確かめること、と書いています。
- 会議の録音から議事録を作りたいときは、別の記事(議事録の記事)に条件をまとめています。
気をつけること
- 説明は、2026年10月16日に読み、10月22日に主なページを読み直した公式ページのものです(Speaker CoachのページとChatGPT Voiceのヘルプは、10月22日には読めなかったため10月16日のままです)。機能の名前、条件、使える範囲は変わりやすいです。
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。公式の文書を読んだまとめです。
- 読んだページは、サイトの表示を取り込んだ文章を通して読んでいます。細かな言い回しや脚注は原文で確かめていません。公式の文章は長く写さず、言い換えて書いています。
- Google SlidesでGeminiが発表者ノートを作る機能や、通話中にAIが手伝う機能の条件は、読んでいません。
- 「相手・目的・形」の3つ、場面ごとの例文、「数字を空けて頼む」は、僕らの見立てです。公式の文書に、話すメモの書き方の指南が書かれているわけではありません。
- 契約や支払いの約束など、法的な意味のある話は、書面や専門家に確かめてください。この記事は助言ではなく、公式資料を読んだ範囲のまとめです。
出典
- Get better results with Copilot prompting(Microsoft サポート、2026年10月22日確認)
- Writing effective AI prompts for business(Gemini for Workspace、Google、2026年10月22日確認)
- Prompting best practices(Claude Platform Docs、Anthropic、2026年10月22日確認)
- Prompt engineering best practices for ChatGPT(OpenAI Help Center、2026年10月22日確認)
- Add speaker notes to your presentations using Copilot(Microsoft サポート、2026年10月22日確認)
- Rehearse your slide show with Speaker Coach(Microsoft サポート、2026年10月16日確認)
- ChatGPT Voice(OpenAI Help Center、2026年10月16日確認)
- 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等(個人情報保護委員会、令和5年6月2日、2026年10月22日確認)
更新履歴
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2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
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2026年10月22日 公式の資料を読み直して、次の点を直しました。
- 前:Microsoftの「期待する形」には、長さ、聞き手、構成が例に挙がっている → いま:どう答えてほしいかを書く部分で、例の文に長さ、聞き手、構成が含まれる
- 一部の出典は読めなかったため、その部分は前のままです。
