3行でいうと
- チャットの「プロジェクト」は、独自のチャット履歴と知識(資料)を持つ作業場です。無料アカウントでも使えますが、作れるのは最大5つまでです。資料が増えたときの容量の拡張(RAG)は有料プラン、共有はTeamとEnterpriseです。
- 2026年9月17日に、Claude Codeで刷新された新しいプロジェクトが発表されました。1つの継続する会話から、複数の作業スレッドをクラウドで動かす形で、いまはProとMaxの一部の人向けのベータです。既存のプロジェクトは、いまのまま動くと説明されています。
- 同じ「プロジェクト」でも、2つは中身も提供範囲も違います。自分の画面に何が出ているかで、読むべきヘルプが変わります。
この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は、公式ヘルプ、Anthropicの発表、Claude Codeの公式文書を、2026年10月16日に読んでまとめたものです。僕らの考えは「見立てです」と書いた部分に分けました。
先に結論
- いまは2つの「プロジェクト」がある。 1つはclaude.aiのチャットにあるもの。もう1つはClaude Codeで始まったベータです。ヘルプは、後者を「新バージョン」と呼び、チャットとCoworkのプロジェクトは当面いまのバージョンのまま、と書いています。
- 資料と指示をまとめたいだけなら、チャットのプロジェクトで足ります。 資料を知識に入れ、指示を書けば、そのプロジェクトの全チャットに効きます。
- プランの境目は3つ。 資料が多いときのRAGは有料プラン、共有はTeamとEnterprise、新しいベータはProとMaxの一部です。
- 知識と記憶は別。 知識は自分で入れた資料です。記憶(メモリ)はClaudeがチャットから作るメモで、プロジェクトごとに分かれています。
チャットの「プロジェクト」:作り方と中身
Claudeのヘルプでは、プロジェクトは、独自のチャット履歴と知識のベースを持つ、自己完結した作業場と説明されています。2026年10月16日に読んだ時点で、無料アカウントも使え、無料で作れるのは「最大5プロジェクト」と書かれていました。
作り方は次のとおりです(ヘルプの手順です)。
- claude.ai/projects を開くか、左の「Projects」から入り、右上の「+ New Project」を押す。
- 名前と説明を入れる。この名前と説明を、Claudeは見られない、と書かれています。
- TeamとEnterpriseでは、非公開のままにするか、組織に広げるかを選ぶ。
プロジェクトの画面で、2つのことを設定します。
- プロジェクトの知識。 画面の右側の欄に、「+」で文書、テキストファイル、コードの断片を入れます。Claudeはそれを処理して、そのプロジェクトのすべてのチャットの文脈として使います。
- プロジェクトの指示。 「Set project instructions」から、Claudeにどう振る舞い、どう答えてほしいかを書いて保存します。プロジェクトの全チャットに適用されます。
ここで大事なのは、ヘルプの次の注意です。プロジェクトの中でも、チャットとチャットの間で文脈は共有されません。次のチャットでも使いたい内容は、知識に足します。ただし、記憶(メモリ)の機能が有効なら、別の経路で引き継がれる部分があります。後の節で書きます。
すでにあるチャットは、「Add to project」で入れられます。
資料が増えたとき:コンテキストの上限とRAG
知識に入れた資料は、チャットのたびにClaudeに渡されます。渡せる量には、AIが一度に見られる量(コンテキストウィンドウ)という上限があります。ヘルプの説明では、以前はその上限が知識の限界でしたが、RAGで広げられるようになりました。
RAG(検索拡張生成)は、資料を全部渡すのではなく、質問に関係しそうな部分を探して渡す方法です。ClaudeのRAGのヘルプ(2026年9月10日の日付が表示されていました)には、次のことが書かれています。
- 対象は有料プラン(Pro、Max、Team、Enterprise)です。
- 知識がコンテキストの上限に近づくと、自動で切り替わります。容量は「最大10倍」に広がる、とあります。10倍は「最大」で、保証ではありません。
- 自分でオン・オフすることはできません。上限を下回れば、元の方式に戻ることがあります。切り替わるしきい値の数字は、書かれていません。
- 動いているときは、表示で分かります。会話の中で「プロジェクト知識検索ツール」を使う様子が見えることもあります。
使用量の面でも、プロジェクトには特徴があります。別のヘルプ(使用量の上限のコツ)には、プロジェクトの内容はキャッシュ(一時保管)され、くり返し使うと上限への数え方が軽くなる、とあります。ただし、しばらく使わないとキャッシュは切れ、戻ったあとの最初のメッセージは全量として数えられる、とも書かれています。
記憶(メモリ)との関係
Claudeの記憶のヘルプには、プロジェクトごとに、独自のメモリがある、と書かれています。プロジェクトの中では、そのプロジェクトのメモリと、プロジェクトの外のチャットのメモリを使い、ほかのプロジェクトのメモリは使いません。メモリを完全に分けたいときは、プロジェクトのページで「Use account memory」をオフにします。
- メモリは、Free、Pro、Maxで、すでにオンになっていると書かれています。TeamとEnterpriseは、オーナーが有効にし、各メンバーは自分でオンにするまでオフです。
- 設定は、Settings > Memory の「Generate memory from chats」で切り替えます。過去のチャットを検索する機能は、別のスイッチ(「Search and reference chats」)です。
- 「履歴を残さないチャット」(Incognito)は、全プランで使え、メモリにも履歴にも残らず、あとから検索もされません。
もう1つのヘルプ(作成と管理)には、チャット履歴からのメモリはPro、Max、Team、Enterpriseにある、と書かれています。これは、メモリのヘルプの「Free、Pro、Maxで既定オン」とは範囲が違います。どちらが新しいかは、読んだ範囲では分からず、メモリのヘルプのほうが詳しいので、この記事ではそちらを先に書きました。確認できていません。
共有、アーカイブ、削除
共有は、TeamとEnterpriseだけです。
- 権限は2段階で、「見て、チャットできる」と「編集できる」です。ただし、呼び名がヘルプで違っていました。作成と管理のヘルプは「Can use」と「Can edit」、概要のヘルプは「Can view」と「Can edit」です。実際の画面の表記は、確認できていません。
- 組織のオーナーは、組織全体でプロジェクトの共有をオフにできます(Enterpriseでは特定の役割だけオフにもできます)。
アーカイブは、一覧をすっきりさせる機能で、すると共有の権限がすべて非公開に戻ります。アーカイブ中のプロジェクトは削除できず、先に戻す必要があります。削除の手順も、ヘルプに書かれています。
新しい「プロジェクト」(ベータ):何が違うか
2026年9月17日、Anthropicは、Claude Codeでプロジェクトを刷新したと発表しました。Claude Codeの公式文書の説明は、こうです。プロジェクトは、1つの継続する会話で、Claudeが関連する仕事の流れをまとめて動かします。やることを伝えると、タスクごとにスレッド(作業の枠)を起動します。
| 比べる点 | チャットのプロジェクト | 新しいプロジェクト(ベータ) |
|---|---|---|
| 形 | 資料と指示を入れた作業場。チャットを複数立てる | 1つの継続する会話から、複数のスレッドを並行で動かす |
| 資料の置き場 | 知識(右側の欄) | Libraryタブ(自分が追加したファイルと、スレッドが作ったファイル) |
| 指示 | プロジェクトの指示 | プロジェクトの指示(最大16,000文字)と、プロジェクトのメモリ(ファイルとして保存) |
| 使える人 | 無料を含む全アカウント(共有はTeamとEnterprise) | ProとMaxの一部。TeamとEnterpriseにはまだない |
| 共有 | Team、Enterpriseで可能 | 1人のユーザーのもの。共有できない |
新しいプロジェクトの、公式文書にある数字も挙げておきます。
- Libraryに追加するファイルは、一度に最大100ファイル・2GB、1ファイルは480MBまでです。新規プロジェクトのダイアログでは、30MBを超えるファイルは飛ばされ、あとからLibraryタブで追加します。
- 新しいスレッドは、1日に200本までです。
提供範囲は、発表と文書で、次のように書かれています。いまのベータは、Claude Codeのクラウドセッションを使っていて、Webやデスクトップに既存のプロジェクトがないProとMaxの一部です。そのあと、ProとMaxのClaude Code利用者に広がり、その先にClaude全体とTeam、Enterpriseが続く、という順序です。サイドバーに「Projects」が出ていなければ、まだ届いていないという意味で、待機リストがあります。
既存のプロジェクトについては、Anthropicの発表も、ヘルプも、いまのまま動く、と書いています。ヘルプには、移行される場合、指示、ファイル、チャット履歴の全体、予定タスクは引き継がれる、ここ30日以内に使った人には移行の前にメールが届く、ともあります。チャットとCoworkのプロジェクトは、いまは現行のバージョンのまま、とも書かれています。
新しいプロジェクトの使用量と注意
文書によると、新しいプロジェクトの使用量は、ほかのClaude Codeのセッションと同じ、プランの上限から引かれます。スレッドは同時に複数動くため、上限に早く届くことがあると書かれています。
また、ベータの間は、組織向けの管理機能がありません。リポジトリなしでも使え、文書の調査や執筆の成果物をLibraryに出すこともできる、と書かれています。
どちらを使うか(見立てです)
ここからは、公式の説明を読んだうえでの僕らの見立てです。Anthropicの推奨ではありません。
- 「資料と指示をそろえて、何度も聞く」仕事は、チャットのプロジェクトだと思います。 規定集、議事録、仕様書などを知識に入れ、口調や立場を指示に書く使い方です。ただし、これは僕らの見立てで、公式の例ではありません。
- 知識に入れるものは、「ずっと使う資料」に絞るのがよいと思います。 使用量のヘルプにも、くり返し参照する中心の文書をプロジェクトに入れるとよい、という趣旨があります。資料を入れすぎると、RAGに切り替わるか、上限に当たります。
- 「今回の内容を次のチャットでも使いたい」ときは、知識に足すか、記憶に任せるかを決めます。 前者は自分で内容を管理できます。後者は、Claudeが自動で作るメモなので、中身を確認したい場合は、メモリの設定画面を見ます。
- 新しいプロジェクトは、使えるなら、コードや、複数の作業を並行で進めたい仕事向けだと思います。 公式の説明にも、リポジトリを使う仕事と、文書の調査・執筆が出ています。自分の画面に出ていなければ、いまは待つしかありません。
- 機微な資料を入れる前に、プランと管理者の決まりを確かめます。 プロジェクトの資料が学習に使われるかの扱いは、今回読んだページに書かれていませんでした。確認できていません。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は、2026年10月16日に、公式ヘルプ、Anthropicの発表、Claude Codeの文書を読んだ内容です。
- 提供範囲(どのプランに、いつ届くか)は、とくに変わりやすいです。新しいプロジェクトは、ベータで、段階的に広がっています。
- ヘルプの間に食い違いがありました。共有の権限の呼び名(Can use と Can view)、メモリの対象プラン(Free を含むか)です。どちらが現在の画面かは、確認できていません。
- チャットのプロジェクトの、ファイルの数・大きさの上限と、コンテキストの具体的な大きさは、読んだページに数字がありません。確認できていません。無料プランでRAGが使えない場合にどうなるかも、書かれていませんでした。
- 公式サイトの製品紹介ページ(claude.com/product/projects)は、取得エラーで読めていません。内容は書いていません。
- メモリのヘルプの更新日は、確認できていません。
- 資料の扱い(学習、保管、共有)は、法律や契約に関わることがあります。これは助言ではありません。仕事の資料は、所属先の決まりを確かめてください。
出典
- What are projects and how do I use them?(Claude Help Center、10月16日確認)
- How can I create and manage projects?(Claude Help Center、10月16日確認)
- Retrieval augmented generation (RAG) for projects(Claude Help Center、2026年9月10日表示、10月16日確認)
- Use Claude's chat search and memory to build on previous context(Claude Help Center、10月16日確認)
- Usage limit best practices(Claude Help Center、10月16日確認)
- Projects redesigned: from folder to conversation(Anthropic、2026年9月17日、10月16日確認)
- Let Claude coordinate ongoing work with Projects(Claude Code Docs、10月16日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
