3行でいうと

  • Googleは「Gemini」の名前で、アプリ、頭脳(モデル)、月額プラン、開発者向けの口までを広げている。
  • 日本の公式ページの月額は、無料、AI Plus(月725円)、AI Pro(月2,900円)、AI Ultra(月14,500円から)。
  • 最上位のGemini 4 Argonは2026年9月30日に発表された。10月13日からGeminiアプリでAI Pro・Ultraの加入者向けに順次提供が始まり、APIの料金表にも載った。
  • 見立てでは、普通の人はモデルの名前ではなく、使う場所で選ぶのが近道。

先にお断りします。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は、Googleの公式ページ(料金ページ、ヘルプ、公式ブログ、開発者向け文書)を読んでまとめたものです。僕らの考えは、段落の頭を「見立てです。」として、事実と分けています。価格は、特記がなければ2026年10月22日に確認した公式ページの数字です。変わることがあります。

先に結論

名前の整理:何がどこにあるか

層 名前 ひとことで
頭脳(モデル) Gemini 3.8 Flash、3.1 Pro など AIの本体。世代番号と大きさで呼ぶ
使う場所(個人) Geminiアプリ(Web、スマホ、Windows、Mac) 会話や作成の窓口
契約(個人) Google AI Plus/Pro/Ultra 月額で上限や機能が増える
使う場所(仕事) Workspaceの中のGemini、Gemini Enterprise Gmailや文書の中、会社向けの窓口
開発者向け Gemini API、Google AI Studio、Agent Platform アプリから直接AIを呼び出す口(API)と、試す画面
コーディング Antigravity、Jules、Code Assist プログラムを書くAIの道具
創作 Nano Banana、Veo、Gemini Omni、Lyria、Flow 画像・動画・音楽
手元で動かす Gemini Nano、Gemma スマホやパソコンの中で動くAI

Geminiのモデルシリーズ

公式の説明では、名前の読み方はこうです。Proは難しい問題向けの大きな系統、Flashは速さと費用のバランスを取った主力、Flash-Liteは大量処理向けの軽くて安い系統です。数字は世代で、大きいほど新しくなります。

Gemini APIの公式モデル一覧(2026年10月22日確認)から、文章を扱う主なものを表にしました。価格は、後の節の「100万トークンあたり」(トークンは、AIが文章を数える単位。日本語だと、おおまかに1文字前後)です。

モデル 公式の説明(要約) 状態
Gemini 4 Argon 最新の最上位。複雑で長い仕事向け。出力の上限が100万トークン 安定版(9月30日発表。アプリはAI Pro・Ultra向けに10月13日から順次)
Gemini 3.1 Pro 複雑な問題解決、エージェント的な作業、コード生成 プレビュー(正式版の前の公開)
Gemini 3.8 Flash Flash系で最も賢い。長い作業の開発や自動エージェント向け 安定版(9月2日発表)
Gemini 3.7 Flash/3.6 Flash ひとつ前の世代。3.6は日常の作業向け 3.6は安定版。3.7は10月22日のモデル一覧に載っていない(3.8 Flashのブログには、効率重視なら引き続き使えるとある)
Gemini 3.5 Flash 古いFlash。定型の大量処理向け 10月22日のモデル一覧に載っておらず、現状は確認できず
Gemini 3.5 Flash-Lite/3.1 Flash-Lite 速さと安さ重視 安定版
Gemini 3.8 Flash Cyber サイバー防御専用。承認された組織だけ 限定提供

補足です。Gemini 3の世代は、入力100万トークン、出力6万4千トークンまで扱えると公式文書にあります(Argonで出力が100万に拡大)。Gemini 2.5系は「限定アクセス」の旧世代として載っています。

音声系も、同じ家族の別枠です。

モデル 役割
Gemini 3.8 Live/Live Extended Thinking 声での会話。後者は、背景で長く考えて答える版
Gemini 3.8 Flash TTS/Flash-Lite TTS 文章から声を作る(読み上げ)
Gemini 3.5 Transcribe(Live版もあり) 音声を文字にする。話者の区別などに対応
Gemini 3.5 Live Translate 声から声へのリアルタイム翻訳。70以上の言語(プレビュー)

その他、公式の一覧には、文章や画像を数字の列にして検索に使う「Embedding」、ロボット向けの「Gemini Robotics ER」、調べものを自動で進める「Deep Research」のエージェントもあります。

手元の機器で動くもの:Gemini Nano

Gemini Nanoは、Android端末の中で動く小さなGeminiです。公式の説明では、通信なしで動き、データを外に送らずに処理できます。アプリの開発者は、要約、文章の直し、画像の説明、文字起こしなどに使えます。

公式の端末一覧では、世代が分かれています。最新の「nano-v4」は、Pixel 11シリーズと、Galaxy Z Flip8/Z Fold8/Z Fold8 Ultraが対象です。Pixel 9と10は「nano-v3」です。端末ごとに世代が違うので、同じ質問でも答えが少し違うことがあると、公式が注意しています。

Geminiアプリでできること

アプリの更新履歴(2026年10月13日まで)に載っている主なものです。

Geminiアプリの更新履歴(2026年7月21日)には、3.6 Flashを「すべてのユーザー」に提供する、とあります。ただし、購読ページの無料の欄は「Flash-Liteモデル」と書いていて、食い違います。日々の使用量の上限は、「計算量」で決まり、5時間ごとにリセットされ、週ごとの上限まで続くと、公式ページにあります。

個人向けの月額プラン

日本向けの公式ページ(2026年10月22日確認)の表示です。税込みかどうかは、ページで確かめられませんでした。

プラン 月額(日本の表示) 米国の表示 使用量 保存容量 主な中身
無料 0円 0ドル 基準 15GB Flash-Liteモデル(購読ページの記載。更新履歴では3.6 Flashも全員向け)、画像生成、Deep Research、Gemini Live、Canvas
AI Plus 725円 4.99ドル 無料の2倍 400GB 動画生成、Daily Brief、Flowのクレジット200、Gmail等のGemini
AI Pro 2,900円 19.99ドル 無料の4倍 5TB Gemini 4 Argon、Proモデル、Flowのクレジット1,000、Antigravityの標準枠、Jules、YouTube Premium Lite、Google Home Premium(Standard)
AI Ultra 14,500円から(32,000円の上位あり) 99.99ドルから(199.99ドルの上位あり) Proの5倍(上位は20倍) 20TBから Gemini 4 Argonの最上位アクセス、Flowのクレジット1万または2万5千、Deep Think、Gemini Spark、Project Genie、YouTube Premium個人プラン

注意点が二つあります。まず、機能は国と言語で差があります。日本向けのページには、米国のページにある一部の項目(たとえばJules)の記載がありません。次に、学生向けに、AI Plusを1年無料にする案内があります(日本のページは「まもなく終了」と書いています)。2026年8月の更新履歴には、申し込みの期限が2026年12月31日と書かれていました。

開発者向け:Gemini API、AI Studio、Agent Platform
  • Gemini API:アプリやサービスから、直接GeminiなどのAIを呼び出す口です。使った分だけ払う従量課金で、無料枠もあります。
  • Google AI Studio:Webで、モデルを試したり、コードを取り出したりする画面です。公式の料金ページに、「AI Studioの利用は、提供地域では無料」とあります。
  • Agent Platform:会社向けの本格的な環境です。公式の料金ページの題名は「Agent Platform」で、他のページでは「Gemini Enterprise Agent Platform」とも書かれています。以前の呼び名はVertex AIです。料金は、API側とほぼ同じ水準で、地域指定のある場合は約10%高く表示されていました(3.8 Flash:全世界扱い0.75ドル、地域指定0.825ドル)。

API料金(100万トークンあたり、米ドル。2026年10月22日確認)

モデル 入力 出力 無料枠
Gemini 3.8 Flash(3.7、3.6も同額) 0.75(2027年1月から1.50) 3.75(同7.50) あり
Gemini 3.5 Flash 10月22日の料金表に載っておらず、確認できず 確認できず 確認できず
Gemini 3.5 Flash-Lite 0.30 2.50 あり
Gemini 3.1 Flash-Lite 0.25(音声は0.50) 1.50 あり
Gemini 3.1 Pro(プレビュー) 2.00(20万トークン超は4.00) 12.00(同18.00) なし
Gemini 4 Argon(導入価格) 2.00(2026年12月1日から4.00) 10.00(同20.00) なし

3.8 Flashなどの価格は、2026年12月31日までの「導入価格」です。2027年1月1日から倍になると、公式が明記しています。まとめて処理するバッチ方式は、通常の約半額です。Argonは、10月22日に読んだAPIの料金表に載っていました。導入価格は2026年11月30日までで、12月1日から倍になります(公式ブログには、導入価格の期間は書かれていませんでした)。

無料枠の注意:無料枠で入れた内容は、Googleの製品改善に使われることがあります。有料では使われない、と公式の表にあります。

画像・動画・音楽

系統 現行の名前 位置づけ API価格(2026年10月22日確認)
画像 Nano Banana 2.1 画質、文字の描画、複数回の修正での一貫性を改善した版 1K画像あたり約0.0336ドル。4Kは約0.113ドル
画像 Nano Banana 2 速さ重視 1K画像あたり約0.067ドル
画像 Nano Banana 2 Lite 最も軽くて安い 1K画像あたり約0.0336ドル
画像 Nano Banana Pro 4Kや複雑なレイアウト、細かい文字向けの上位 1K・2K画像あたり約0.134ドル、4Kは0.24ドル
動画 Gemini Omni Flash 会話しながら動画を作り、直す。音つき 約0.10ドル/秒(720p)
動画 Veo 3.1/Fast/Lite 音つきの動画生成。プレビュー Standard 0.40、Fast 0.10、Lite 0.05ドル/秒(720p)
音楽 Lyria 3.5 最大3分の曲。歌詞や歌声にも対応 1曲0.08ドル
コーディング系
名前 何か 価格・条件
Google Antigravity AIの助手(エージェント)に、複数の作業を任せる開発環境。デスクトップ版(2.0)、ターミナル版(CLI)、IDE、SDKがある 個人は無料から。AI Pro/Ultraに含まれ、枠が大きくなる
Gemini CLI 黒い画面(ターミナル)で動くAI。オープンソース 下記の注意あり
Jules GitHubの課題を預けると、クラウドで直して提案してくれるAI 無料は1日15タスク、Proは100、Ultraは300
Gemini Code Assist 会社向けの、開発環境の中のAI助手 Standardは1時間約0.0312ドル(月契約)。月にすると約22.8ドル(僕らの換算)。Enterpriseは1時間約0.074ドル(約54ドル)
AI Studioのビルド機能 文章で指示してアプリの試作を作る AI Studioの利用は無料

注意が必要な変更があります。開発者向けのブログによると、2026年6月18日に、Gemini CLIとGemini Code Assistの個人向け拡張機能は、無料利用者とAI Pro/Ultra向けの提供を終え、Antigravity CLIに置き換わりました。会社向け(Code AssistのStandardやEnterprise)や、有料のAPIキーで使う場合は、これまで通り使えると、公式が書いています。

Julesの公式ページは、無料の使うモデルを「Gemini 2.5 Pro」と書くなど、更新が古い箇所があります。変更履歴の最後の記載も2026年3月です。タスク数の数字は、公式ページ通りに載せましたが、今の実際の上限と同じかは確認できていません。

Gemini Notebook(以前の名前:NotebookLM)

自分の資料(PDF、文書、動画など)を入れて、その中だけから答えてもらうアプリです。公式の料金ページでは、全てのプランに入っていて、上位ほど使用量や音声要約が増えます。2026年9月の更新では、暗記カードや小テスト、60秒の短い動画要約が追加されました。詳しい使い方は、別の記事(31番)にまとめています。

Workspaceの中のGeminiと、会社向け

手元で動かせるオープンモデル:Gemma

Gemmaは、Geminiと同じ技術から作られた、誰でも手元に持てる「オープンモデル」です。2026年4月に出たGemma 4は、Apache 2.0という自由度の高い利用条件です。大きさは、E2B・E4B(スマホなど端末向け)、12B(ノートパソコン向け。6月に追加)、26B・31B(高性能パソコン向け)です。画像や動画の理解、140以上の言語に対応します。12Bは、16GBのメモリで動くと公式が説明しています。

Gemini APIの料金ページでは、Gemmaは無料枠のみで、有料枠は「提供なし」と表示されています。Gemma 4の公式ブログには、Android向けの開発者プレビュー(AICore)について「Gemini Nano 4との将来の互換性のため」と書かれています。Gemma 4がNano 4の土台だとは、そのブログには書かれていません(10月7日の版の書き方を直しました)。

どれを選ぶか

見立てです。普通の人は、モデルの名前ではなく、使う場所で選ぶのが近道だと思います。

最新の頭脳が必ず最良とは限りません。公式も、効率重視なら3.7 Flashを使い続けてよい、と書いています。

気をつけること

出典

更新履歴