3行でいうと

  • DeepSeek以外の中国発AIの主要5系統は、Qwen、Kimi、GLM、MiniMax、Seed。5社ともチャットアプリとAPIを備える。
  • AIの中身を公開するオープンウェイトは、Qwen、Kimi、GLM、MiniMaxで確認できた。Seed2.1では確認できていない。
  • 出力の価格は読んだ範囲で30倍以上の開きがあり、公開条件で自由に使える範囲も会社ごとに違う。
  • データの扱いは、同じ会社でもアプリ、API、中国向けサイトで方針が別のことがある。日本で使う前に確かめるのが大事。

名前はよく聞くのに、どれが何で、いくらで、どこまで自由に使えるのかは分かりにくい。この記事は、その整理です。

最初にお断りします。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は、各社の公式サイト、料金ページ、ヘルプ、モデルの配布ページ、プライバシーポリシーを読んでまとめたものです。僕らの考えは、段落の頭を「見立てです。」として、事実と分けました。

先に結論

5社の全体像

系統 何者か 最新(公式で確認) 使える場所
Qwen(クウェン) Alibabaのモデル群 Qwen3.8(2026年8月)。API版は Qwen3.8-Max、軽量版は Qwen3.8-Flash アプリ(Qwen Studio)、API(QwenCloud)、開発者向けの補助ツール、中身の配布
Kimi(キミ) Moonshot AI(月之暗面) Kimi K3(2026年7月16日発表)。ほかに K2.7 Code、K2.6 Kimiアプリ、Web、コード用ツール、API、中身の配布
GLM(ジーエルエム) Z.ai(GLMの開発元) GLM-5.3、GLM-5.3-Flash(配布ページの作成は2026年8月25日付) チャット(chat.z.ai)、API、コード用の定額プラン、中身の配布
MiniMax(ミニマックス) MiniMax M3(2026年6月1日)、M3.1 Flash(10月19日)。動画のH3(7月31日)、音楽のMusic 3.0(8月13日。公式のリリース一覧では7月16日と書かれていて、食い違っています) MiniMax Code、Design、Audio、Talkie、API、中身の配布
Seed(シード) ByteDanceの研究チーム Seed2.1(ProとTurbo)、動画のSeedance 2.5、画像のSeedream 5.0 Pro Dola(AIアシスタント)、Dreamina、BytePlus(企業向け)、API
価格と公開条件

API料金は、2026年10月7日に公式ページで読んだ、100万トークンあたりの米ドルです。MiniMax M3.1 Flashの行だけ、2026年10月22日に読みました。税は別で、変わることがあります。

系統(モデル) 入力 出力 個人向けの月額プラン
Qwen3.8-Max $2 $6 後述(QwenCloudのToken Plan、$6から)
Qwen3.8-Flash $0.15 $0.47 同上
Kimi K3 $3.00(キャッシュ一致時 $0.30) $15.00 国際版 $19 / $39 / $99 / $199
GLM-5.3 $1.4 $4.4 GLM Coding Plan、$18から
GLM-5.3-Flash $0.15 $0.50 同上(GLM-4.7-Flashは無料と記載)
MiniMax M3(入力51.2万トークンまで) $0.30 $1.20 M Plan(金額は確認できず)
MiniMax M3.1 Flash(2026年10月19日公開) $0.15(キャッシュ一致時 $0.015) $0.60 同上
Seed2.1 確認できず 確認できず 確認できず

「キャッシュ一致時」は、同じ前置きの文を繰り返し送ったときの割引価格です。

オープンウェイトとは、AIの中身(学習の結果できた数値のかたまり)を公開し、自分のパソコンやサーバーで動かせるようにしたものです。条件は次のとおりでした。

系統 公開されているもの 条件(配布ページのライセンスを読んだ範囲)
Qwen Qwen3.8-27B、Qwen3.8-2.4T-A95B 27BはApache 2.0。2.4兆のほうは独自ライセンスで、月間利用者1億人超または月収2,000万ドル超の商用サービスはモデル名の表示が必要。他社へのAI提供事業などで直近12か月の売上が5,000万ドルを超える場合は別途ライセンス。自社内の利用は対象外
Kimi K3の重み(独自の Kimi K3 License) AI提供事業で直近12か月の売上が2,000万ドル超なら別契約。商用サービスで月間利用者1億人超または月収2,000万ドル超ならモデル名の表示。自社内の利用は対象外
GLM GLM-5.3-Flash(MIT)、GLM-5.3(独自の GLM-5.3 License) Flashは広く自由。GLM-5.3は、AI提供事業で売上が100億ドルを超える場合のみ、Z.aiの安全審査が必要
MiniMax M3(MiniMax Community License) 非営利は自由。商用は「Built with MiniMax M3」の表示と、MiniMaxへの1回の通知が必要。年間売上2,000万ドル超の事業は事前の書面許可。軍事目的などの禁止用途あり。M3.1 Flashは、公式のモデル一覧では「オープンウェイト」と説明される一方、公式ブログは「重みは後日公開」と書いていて、10月22日の時点で公開もライセンスも確認できていない
Seed Seed2.1の重みの公開は、読んだ範囲では確認できず 過去の Seed-OSS-36B はApache 2.0で公開されていた

見立てです。ここで言う「自由」の線引きは会社ごとに違い、同じ「オープン」でも、会社が商品として使う場合は条件を読む必要があります。個人が自分のパソコンで試すだけなら、どの系統も敷居は低そうです。ただし、Qwen3.8-2.4T-A95BやKimi K3は、兆単位の大きさです。普通のパソコンで動かすものではありません。

1社ずつ

Qwen(Alibaba)

公式のGitHubには、Qwen3.5(2026年2月)、Qwen3.6(4月)、Qwen3.8(8月)と、新しい世代が短い間隔で並んでいます。公式は、Qwen3.8で初めて「最上位級(Qwen-Max級)のモデルを公開した」と書いています。アプリはQwen Studio(chat.qwen.ai)で、公式の説明では誰でも無料で使えます。

APIはQwenCloudにあります。Qwen3.8-Maxは、画像や動画も入力でき、100万トークンの長さまで扱えると説明されています。個人向けにはToken Planという月額プランがあり、QwenCloudの案内には「個人向けは月6ドルから」とあります。8月4日のAlibaba Cloudの告知では、先行価格がLite 6ドル、Standard 18ドル、Pro 68ドルでした。ただし、今のプランのページにはLite、Essential、Standard、Proの4段階が出ていて、金額は僕らには読み取れませんでした。申し込む前に、画面で確かめてください。

データについて、Alibaba Cloudの公式ドキュメントには、使う地域(リージョン)を選ぶと、預けたデータはその地域に残ると書かれています。地域には、シンガポール、ドイツ、米国、香港、北京のほか、日本(東京)もあります。Qwen Studio自体のプライバシー方針は、僕らは読めていません。

Kimi(Moonshot AI)

2026年7月16日に、Kimi K3が出ました。公式の説明では、2.8兆パラメータ、画像と動画の理解、100万トークンの長さに対応します。公式の発表記事は、「最も強い非公開モデルには、まだ及ばない」とも書いています。

個人プランは、国際版(kimi.ai)で月額$19、$39、$99、$199の4段階です(年払いだと割安)。中国向けのサイト(kimi.com)は、人民元で月49元、99元、199元、699元、1,399元の5段階です(10月22日に読み直して、1,399元の段を足しました)。無料で使える範囲は、確認できていません。

データの方針は、サイトごとに3つに分かれていました。

  • 国際版アプリ(kimi.ai、2026年8月13日更新):運営はNOVASCENT PRIVATE LIMITED。入力した内容を、AIの学習と改善に使うと書いています。保管場所は「居住国の外のサーバーの場合がある」とあるだけで、具体的な場所は読めませんでした。
  • API(Kimi Open Platform):運営はMoonshot AI Pte. Ltd.(シンガポール)。サーバーはシンガポール。こちらも、サービス改善(学習を含む)への利用が書かれています。
  • 中国向けのkimi.com(2026年8月31日施行):個人情報は中国国内に保管し、本人の同意などがなければ国外に出さないとあります。内容は、匿名化したうえでモデル改善に使い、望まない人は問い合わせで止められるとされています。

GLM(Z.ai)

Z.aiの料金ページでは、GLM-5.3が最上位、GLM-5.3-Flashが安価な軽量版です。Hugging Faceの説明では、Flashは3,200億パラメータのうち、実際に動くのは180億で、画像も扱える新しい設計です。Z.aiのチャット(chat.z.ai)は、GLM-5.3-Flashで動いていると書かれています。

コード向けの定額プラン(GLM Coding Plan)は月18ドルから。5時間ごとと週ごとの使用量の上限がある方式です。

データについては、方針(2025年9月29日更新)に、運営はシンガポールの会社で、サービスは「一般にシンガポールから提供される」と書かれています。サービスの改善やモデルの学習に、正当な利益として利用する旨もあります。一方、API利用者向けの規約には、入力や出力の内容は保存せず、その場で処理する、とあります。法人向けのチームプランは、学習に使わないのが初期設定と書かれています。

MiniMax

M3は、2026年6月1日の公開です。配布ページでは、約4,280億パラメータで、画像と動画も扱い、100万トークンまで対応する、とあります。同じ会社が、動画(H3)、音声(Speech 2.8)、音楽(Music 3.0)も出していて、「文章だけでなく、マルチメディアの会社」という色合いです。2026年10月19日には、価格の安い「M3.1 Flash」が出ました(公式の一覧では「日常の作業向けの、効率のよいモデル」と説明)。公式ブログによると、APIとM Plan、MiniMax Codeで使えて、価格は入力$0.15、出力$0.60です。大きさ、長さの上限、ライセンスはブログに書かれておらず、重みは「後日公開」とあります。個人向けの定額(M Plan)の説明ページ(10月22日に読み直し)では、文章モデルがM3.1 Flashになり、前に出ていた「M3.1 Flash Preview」は終了して、同じ名前の依頼はM3.1 Flashが受ける、と書かれています。

APIのM3は、入力が51.2万トークンまでなら入力$0.30、出力$1.20です。料金ページには、この価格が「恒久的な50%引き」であると書かれ、割引前は$0.60と$2.40でした。個人のM Planは、Go、Explore、Buildの3段階(使える量は1倍、3倍、7.5倍)で、金額は読み取れませんでした。新規の受付を終えた旧プランは月$22、$55、$132でした。

データについては、アプリとWebの方針(2025年12月と2026年1月更新)に、運営はNanonoble Pte. Ltd.(シンガポール)とあり、個人データを「通常はシンガポールの外に移さない」と書かれています。学習への利用は、読んだ範囲では書かれていませんでした。API向けの方針は、僕らは読めていません。

Seed(ByteDance)

ByteDanceのSeedチームの公式サイトでは、最新の看板がSeed2.1です。大きいProと、小さいTurboの2種類があり、事務作業や調べもの、プログラミングの自動実行を強みとして挙げています。動画はSeedance 2.5(2026年7月31日)、画像はSeedream 5.0 Pro(7月8日)です。

使える場所は、AIアシスタントのDola、創作向けのDreamina、企業向けのBytePlusなどです。ByteDanceには、中国向けのアシスタント「豆包(Doubao)」もあります。Dolaとの関係や、日本からどこまで使えるかは、この記事では確かめていません。

API料金は、BytePlusの料金ページが画面の描画で表示される作りで、僕らは数字を確実には読み取れませんでした。そのため、金額は書きません。データの保管先や学習の扱いも、Dolaなどの方針を読めていません。

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日本で、個人・会社が使うときに確認すること

ここからは、各社の公式で確認した内容ではなく、どんなAIにも当てはまる一般論です。

  1. どの方針が自分に当たるか。アプリ、API、中国向けサイトで、運営会社も方針も違うことがあります(Kimiがその例でした)。自分が使う入口の方針を読みます。
  2. 保管先と学習。データはどこの国に置かれるか。入力が学習に使われるか。使われるなら、止める方法はあるか。
  3. 入れてはいけないものの線引き。顧客や取引先の情報、個人情報、社外秘の資料、パスワードや鍵は、AIに入れる前に社内で決めておきます。
  4. 個人情報保護法。個人データを外国の事業者に預ける形になるときは、同意や、預け先の安全管理の確認などのルールがあります。実際の判断は、社内の担当者や法務、個人情報保護委員会の案内で確かめてください。
  5. 取引先との約束と社内規程。秘密保持の契約、委託元の条件、官公庁や金融、医療などの業界ルール、会社が使えるAIの一覧。
  6. 料金の見え方。ドル建てか、税込みか、為替はどうか、請求書や領収書の形式。
  7. 日本の地域で処理できるか。Alibaba Cloudのように、東京の地域が公式に書かれている例があります。ほかは、僕らは確認できていません。
  8. 自分で動かす場合のライセンス。オープンウェイトでも、商用なら表示や通知、売上による制限があります。サーバーの費用と、安全に運用する手間もかかります。
  9. 日本語の品質と、答えの確認。公式の自己評価は、日本語での出来を保証しません。自分の仕事の文章で試し、大事な数字は元資料で確かめます。

どれを選ぶか

見立てです。まず日本語で試したいだけなら、アプリが無料のQwenやZ.aiを、重要でない文章で試すのが手軽だと思います。開発者が値段で選ぶなら、GLM-5.3-Flash、Qwen3.8-Flash、MiniMax M3(10月19日からはM3.1 Flashも)が、公式の表では安い側にいます。自社でデータを外に出さずに使いたいなら、オープンウェイトを自分のサーバーで動かす道がありますが、兆単位の大きさのものは現実的ではなく、Qwen3.8-27BやGLM-5.3-Flashのような小さめのものが候補になりそうです。ただし、どれが「良い」かは、僕らは断定できません。自分の仕事で比べるのが確実です。

気をつけること

  • この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。強みの記述は、各社の公式の説明です。ベンチマークの数字は、各社が自分で出したものなので、この記事には載せていません。
  • 価格と条件は2026年10月7日に確認したもので、変わります。MiniMax M3.1 Flashなど一部は10月22日に確認し直しました。ドル建てで、税は別です。
  • 確認できなかったこと:Seed2.1のAPI料金と重み、MiniMax M Planの金額、Qwenの今のToken Planの金額、Kimiの無料の範囲、Qwen StudioとDolaとMiniMaxのAPIのプライバシー方針、各社の日本での提供範囲、MiniMax M3.1 Flashの大きさとライセンス(Hugging Faceのページは取得できず、公式ブログにも記載なし)。
  • ライセンスの内容は、配布ページの条文を要約したものです。商用で使うときは、原文を読んでください。
  • 方針や規約は、地域、アプリの種類、更新日で変わります。この記事の記載は、僕らが読んだページのものです。
  • AIの答えは間違うことがあります。

出典

更新履歴

  • 2026年10月25日 書き方を直しました。
    • 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した