3行でいうと
- 月1,500回ほどの軽い使い方の計算では、クラウドのAPI(プログラムから呼ぶ窓口)は月に約0.4〜12ドルでした。
- ローカルは、会話の中身が端末の外に出ない、とLM Studioの公式の説明にあります。
- クラウドは、無料枠でデータが改善に使われる場合があります。有料側は使われない、とGoogleは表示しています。
- 止まったときの備えは、ローカルは手元のファイル、クラウドは各社の予告を見ること、と整理できます。
この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書を読んでまとめたものです。費用の計算は僕らの計算で、各社の規約の読み方は個別の判断ではありません。
先に結論
見立てです。迷ったら、次のように分けるのが無難だと考えます。
- 読ませたくない内容がある、ネットが不安定、使う頻度が高い:ローカルを先に試す
- 最高の品質が要る、手元の機械が非力、たまにしか使わない:クラウドを使う
- 両方使う:日常はローカル、難しいときだけクラウド、という分け方もできる
どちらかが正しい、という話ではありません。ここでは、判断に使える材料だけを並べます。
言葉の整理
- ローカル:自分のパソコンの中でAIを動かすこと。LM StudioやOllamaで、モデルのファイルを落として使います。
- クラウド:会社のサーバーでAIが動き、通信で答えをもらうこと。
- API:プログラムからAIを呼び出す窓口です。使った量に応じて払う料金の形がよくあります。
- トークン:AIが数える文字の断片です。Anthropicの資料では、英語で1トークンはおよそ4文字、または0.75語とされています。日本語の数え方は、ここでは確かめていません。
- 100万トークンあたり:API料金の単位です。公式の表では「MTok」と書かれます。
比べる表
| 観点 | ローカル | クラウド |
|---|---|---|
| 費用 | 今回読んだモデル(gpt-oss、Qwen3.5、Gemma 4)のライセンスはApache 2.0。機械と電気は自分持ち(電気代は今回調べていません) | 使った量に応じた料金。月額の定額プランもある |
| 品質 | 手元のメモリに載る大きさまで | 会社が用意する大きなモデルを使える |
| プライバシー | 会話は端末の中(LM Studioの公式説明) | 会話は会社のサーバーに送られる。扱いは各社の規約で違う |
| 手間 | 入れる、モデルを選ぶ、メモリに気を配る | 登録して、キーを受け取る |
| 止まったとき | ネットがなくても動く。ただし更新や検索は通信が要る | 会社側の都合で、料金やモデルが変わることがある |
費用:公式の料金ページの数字
次の表の価格は、2026年10月8日に確認した、100万トークンあたりの米ドルです。変わることがあります。
| サービス・モデル | 入力 | 出力 | 確認元 |
|---|---|---|---|
| Anthropic Claude Haiku 5.5(入力が10万トークン以下の場合) | $0.10 | $0.50 | Anthropicの料金ページ |
| Anthropic Claude Sonnet 5.5 | $2 | $10 | 同上 |
| OpenAI gpt-6-luna(標準、短い入力) | $0.10 | $0.50 | OpenAIの料金ページ |
| OpenAI gpt-6.1-sol(標準、短い入力) | $2.00 | $10.00 | 同上 |
| Google Gemini 3.5 Flash-Lite(有料、標準) | $0.30 | $2.50 | Googleの料金ページ |
| Ollamaのクラウド gpt-oss:20b | $0.07 | $0.30 | Ollamaの料金ページ |
入力は、AIに渡す文章。出力は、AIが返す文章です。出力のほうが高く設定されています。
月の使い方の例で、費用を計算する
僕らの計算です。条件は、1日に50回、1回に入力1,500トークン・出力500トークンを使う人が、30日使う場合です。1か月で1,500回、入力は2.25M(225万)トークン、出力は0.75M(75万)トークンになります。
| モデル | 入力の分 | 出力の分 | 合計(月) |
|---|---|---|---|
| Claude Haiku 5.5 | $0.225 | $0.375 | $0.60 |
| Claude Sonnet 5.5 | $4.50 | $7.50 | $12.00 |
| gpt-6-luna | $0.225 | $0.375 | $0.60 |
| gpt-6.1-sol | $4.50 | $7.50 | $12.00 |
| Gemini 3.5 Flash-Lite | $0.675 | $1.875 | $2.55 |
| Ollamaのクラウド gpt-oss:20b | $0.1575 | $0.225 | 約$0.38 |
次に、使い方が100倍に近い人の例です。入力100M、出力10Mトークンの場合は、Claude Haiku 5.5が$15、Sonnet 5.5が$300、Gemini 3.5 Flash-Liteが$55です(いずれも僕らの計算)。
数字の読み方の注意です。この計算は、思考のための余分な出力、キャッシュの割引、ツールの追加分を入れていません。Anthropicの資料には、新しいモデルは古いモデルより同じ文章で約30%多くトークンを数える、という注記もあります。実際の請求は、この表からずれます。
見立てです。軽い使い方なら、クラウドのAPI代は月に数ドルで収まる例が多く、「ローカルにすれば安くなる」とは言いにくいと考えます。ローカルを選ぶ理由は、お金より、プライバシーや、ネットなしで使えることのほうに寄ると見ています。
なお、Ollamaの料金ページでは、無料プランに「ローカルでモデルを動かす」ことが含まれています。クラウドのモデルを使う場合は、従量課金のクレジットが要ります。
プライバシー:どこまで外に出るか
- ローカル(LM Studio):公式のプライバシーの説明に、ローカルで動かすモデルについて、メッセージ、チャット履歴、文書は、いっさい端末の外に送られない、とあります。外に出るのは、モデルの検索語(個人を特定しない形)、更新の確認、有料のクラウド機能を使ったときです。
- Ollamaのクラウドモデル:公式の説明では、クラウドの質問と答えはOllamaが処理します。学習には使わない、とも書かれています。クラウド機能は止められます。
- OpenAIのAPI:公式の説明では、APIに送ったデータは、同意しない限りモデルの学習や改善に使わない。不正利用を調べるためのログは、最長30日保存。ゼロ保持(保存しない)には事前の承認が要ります。
- AnthropicのAPI:公式の説明では、入力と出力は、受け取りまたは生成から30日以内に自動で消します。例外として、契約でゼロ保持にしている場合、規約違反の調査、法的な要請などが挙がっています。学習に使うかどうかは、読んだページには書かれていませんでした。
- GoogleのGemini API:料金ページの表に、「製品の改善に使われるか」の行があります。無料枠は「はい」、有料枠は「いいえ」です。
規約の細かい条件は、個別の事情で変わります。仕事の情報や個人情報を扱うときは、専門家(法務、情報セキュリティ)に相談してください。この記事は、公式資料の紹介です。
手間
- ローカルは、LM Studioの公式の条件で、Macは16GB以上のメモリが推奨です。モデルの選び方や、メモリが足りないときの調整は、自分でやります。
- クラウドは、アカウントを作り、キーを受け取ります。メモリやモデルのファイルの管理は要りません。ただし、料金の管理が必要です。
止まったときの備え
- ローカル:ネットがなくても、ダウンロード済みのモデルとの会話は動く、とLM Studioの公式にあります。Ollamaも、ローカルで動かす限り鍵は要らない、と書いています。ただし、モデルの検索、ダウンロード、更新の確認は通信が要ります。
- クラウド:Ollamaの説明では、一部のクラウドモデルは廃止されます。手元に落としたモデルは影響を受けない、とあります。Anthropicの料金ページにも、廃止されたモデルが載っています。Googleのページでは、一部のモデルの価格が2027年1月1日に変わる、と表示されています(たとえば Gemini 3.8 Flash の入力が$0.75から$1.50へ)。
見立てです。仕事で使うなら、クラウド側に1社だけ頼らず、ローカルの手段も1つ持っておくと、止まったときの備えになると考えます。
よくあるつまずき
- ローカルを「無料」と考える:機械、電気、手間は別にかかります。
- クラウドの「無料枠」を、仕事の秘密に使う:Googleの表のとおり、無料枠は製品の改善に使われる設定です。
- 料金を入力だけで見積もる:出力のほうが高く、思考の出力も数えられます。
- 品質の差を大きさだけで決める:公式の比較は各社自身の試験です。たとえばOpenAIは、gpt-oss-20bが同社のo3-miniと「一般的な試験で同程度」と説明していますが、これは会社の発表です。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。料金と規約は、2026年10月8日に読んだ公式のページのものです。変わることがあります。
- OpenAIの料金は、同じ会社の別のページで、モデル名と価格の書き方が食い違って見えました。ここでは、開発者向けの料金ページの表(標準、短い入力)の値を使っています。
- 計算は、思考のための出力、キャッシュ、ツール、税を入れていません。
- ローカルの電気代と、機械の購入費は、今回調べていません。
- 日本円への換算は、していません。為替で変わります。
出典
- Pricing(Anthropic Claude Docs、2026年10月8日確認)
- Pricing(Claude、Anthropic、2026年10月8日確認)
- How long do you store my organization's data?(Anthropic Privacy Center、2026年10月8日確認)
- Pricing(OpenAI Developers、2026年10月8日確認)
- Data controls in the OpenAI platform(OpenAI Developers、2026年10月8日確認)
- Gemini Developer API pricing(Google AI for Developers、2026年10月8日確認)
- Pricing(Ollama、2026年10月8日確認)
- Cloud(Ollama Docs、2026年10月8日確認)
- API Introduction(Ollama Docs、2026年10月8日確認)
- Privacy Policy(LM Studio、2026年10月8日確認)
- Offline Operation(LM Studio Docs、2026年10月8日確認)
- System Requirements(LM Studio Docs、2026年10月8日確認)
- Introducing gpt-oss(OpenAI、2026年10月8日確認)
- Qwen/Qwen3.5-9B(Hugging Face、Qwen、2026年10月8日確認)
- google/gemma-4-26B-A4B-it(Hugging Face、Google、2026年10月8日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
