3行でいうと
- 遅いときは、ollama psの「PROCESSOR」で、モデルがGPUに載っているかを見るのが公式の入口です。
- 途中で切れるのは、会話の長さの上限に当たった可能性があります。Ollamaは標準値の説明が2か所で食い違います。
- 同じ言葉の繰り返しには、繰り返しを抑える設定(repeat penaltyなど)が用意されています。
- 文字化けは、日本語に限った公式の対処は見つからず、端末の不具合の記述があるだけでした。
この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書を読んでまとめたものです。「症状と原因の結びつけ」は、僕らの見立てを含みます。
先に結論
まず、次の3つを確かめると、多くの症状の入口が分かります(見立てです)。
- モデルが、GPU(やMacの統一メモリ)に載っているか
- 会話の長さ(コンテキスト長)が、足りているか
- 使っているモデルの推奨の設定を、守っているか
言葉の整理
- コンテキスト長:AIが一度に覚えておける、会話の長さです。大きいほど、メモリを使います。
- VRAM:GPU(画像や計算の専用部品)が使うメモリです。Macは、CPUとGPUで同じメモリを分け合う「統一メモリ」です。
- GPUオフロード:モデルのどれだけをGPUに任せるか、という設定です。
- ログ:動いたときの記録です。原因探しの手がかりになります。
症状1:遅い
Ollamaの公式の説明(FAQ)によると、ollama ps の「PROCESSOR」の欄で、場所が分かります。
- 「100% GPU」:全部がGPUに載っている
- 「100% CPU」:全部が普通のメモリに載っている
- 「48%/52% CPU/GPU」のような表示:半分ずつ分かれている
別のページ(Context length)は、最高の速さを出すには、CPUに追い出さない(100% GPU)ほうがよい、と案内しています。
見立てです。「100% CPU」や分かれた表示なら、モデルや会話の長さが、メモリに対して大きいのかもしれません。小さいモデルか、短い会話長で読み込み直すと、変わるかもしれません。
ほかに、公式から読み取れる点です。
- IntelのMacでは、OllamaはCPUだけで動く、とmacOSのページにあります。
- GPUが見つからないと、CPUに切り替わる、とトラブルシューティングのページにあります。NVIDIAなら最新のドライバー、とあります。
- Qwen3.5のように、標準で長く考えるモデルは、答えが出るまでに時間がかかります(モデルカード)。
症状2:メモリ不足
公式に書かれている、メモリを減らす方法です。
| 方法 | 出典 |
|---|---|
| 会話の長さを短くする | Ollama(アプリのスライダー、または OLLAMA_CONTEXT_LENGTH) |
| 同時に処理する数を減らす | Ollama(OLLAMA_NUM_PARALLEL、標準は1。数に応じて必要なメモリが増える) |
| 使わないモデルを早く降ろす | Ollama(ollama stop、または keep_alive) |
| Flash Attention(会話が長いときのメモリを減らす仕組み)を使う | Ollama(OLLAMA_FLASH_ATTENTION) |
| 過去の計算結果の置き場(KVキャッシュ)を圧縮する | Ollama(OLLAMA_KV_CACHE_TYPE。q8_0やq4_0で、f16より小さい。q4_0は約4分の1、ただし精度が少し落ちる) |
| 読み込みの設定を保存しておく | LM Studio(My Modelsの歯車。コンテキスト長、GPUオフロード、Flash Attention) |
見立てです。最初に試すのは、「小さいモデルにする」「会話の長さを短くする」の2つが分かりやすいと考えます。ファイルの大きさとメモリの関係は、別の記事(モデルの大きさ別の早見)で扱っています。
症状3:同じ言葉を繰り返す
llama.cppの公式の説明には、繰り返しを抑える設定があります。
--repeat-penalty:標準は1.0(無効)。大きくすると、繰り返しを強く抑える--repeat-last-n:繰り返しを見る範囲。標準は64--presence-penalty、--frequency-penalty:標準は0.0(無効)--dry-multiplier:長い文脈での繰り返しを抑える方式。標準は0.0(無効)
Qwen3.5のモデルカードも、presence_penaltyを0〜2で設定すると、終わらない繰り返しを減らせる、と書いています。ただし、高すぎると、言語が混ざったり、性能が少し下がったりすることがある、とも注意しています。
llama.cppの文書は、「繰り返しの暴走」を専用の不具合としては説明していません。原因の特定は、公式の文書からは言えません。
見立てです。まず、モデルカードの推奨の設定に戻します。次に、繰り返しを抑える設定を少しずつ上げます。
症状4:途中で切れる
原因は、大きく2つ考えられます。どちらも、公式の文書から読み取れる範囲の話です。
会話の長さの上限
llama.cppの説明では、出力の長さの標準値は-1(無限)です。会話の長さがいっぱいになると、古い部分(--keep で残す分より後の半分)が捨てられ、計算し直すので、一瞬止まることがあります。すぐ止めたい場合は、-n -2 を使う、とあります。
Ollamaの標準値は、公式の2つのページで食い違っています。
- FAQ:4096トークン
- Context lengthのページ:VRAMで変わる。24GiB未満は4k、24〜48GiBは32k、48GiB以上は256k
どちらが今の動きかは確認できていません。ollama ps の CONTEXT の欄で、自分の環境の値を確かめられます。
出力の長さの上限
出力の長さの上限(max tokensなど)に当たった可能性もあります。LM Studioの公式の資料では、これを直す画面の説明は見つかりませんでした。
見立てです。Ollamaなら、会話の長さを上げる(アプリのスライダーか OLLAMA_CONTEXT_LENGTH)。LM Studioなら、読み込みのときにコンテキスト長を大きくします。長い入力を一度に渡している場合は、分けて渡します。
llama.cppで「いっぱいになったか」を知る方法
llama.cppのサーバーの文書によると、応答には「truncated」という真偽の値が含まれます。これは、入力と生成した分の合計が、会話の長さを超えたときに真になる、と説明されています。ほかに、コンテキストのシフト(古い部分を捨てて続ける)は、標準では無効、とあります。
この記事では、これらを動かしていません。
症状5:文字化け
「文字化け」について、日本語に限った公式の対処は、今回読んだ範囲では見つかりませんでした。公式から読み取れる関連の記述は、次の2つです。
- 端末の表示:Ollamaのトラブルシューティングには、Windowsの古いバージョンのターミナルで、制御文字がうまく表示されず、「←[?25h」のような文字の列が出る不具合が書かれています。対処は、Windows 10の更新です(「22H1以降」と書かれています。Windowsのページの条件は22H2以降で、数字が少し違います)。
- プロンプトテンプレート(モデルに合わせた会話の整え方):LM Studioの文書によると、通常は自動で設定され、変えなくてよい。ただし、モデルの情報が間違っている、足りない、認識されない場合は、My Modelsの歯車から変えられます。
見立てです。モデルの返事そのものが乱れるなら、テンプレートや量子化、モデルの相性を疑います。記号が並ぶなら、端末の問題を疑います。この切り分けは、公式の文書には書かれていません。
ログを見る
公式のログの置き場所です(2026年10月8日確認)。
- Mac:
~/.ollama/logs/server.log - Windows:
%LOCALAPPDATA%\Ollama - LM Studio:lmsコマンドで、ログを流して見られる(lmsの説明ページ)
Ollamaで詳しいログを出すには、OLLAMA_DEBUG=1 を設定します。GPUが見つからない理由の手がかりも出る、と書かれています。
よくあるつまずき
- モデルを替えたのに設定が前のまま:LM Studioは、モデルごとの設定を保存できます。モデルごとに確かめます。
- 会話の長さだけ上げて、メモリが足りなくなる:長さを上げると、メモリも増えます。
- 推奨の設定を知らずに使う:Qwen3.5やGemma 4のカードに、温度などの推奨値があります。
- ログを見ない:原因の手がかりは、ログにあることが多いです(見立てです)。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。症状が直る、とは言えません。
- 公式の文書は、版で変わります。特にOllamaの会話の長さの標準値は、2つの説明が食い違っています。
- LM Studioの公式ドキュメントには、トラブルシューティングの専用ページを見つけられませんでした。LM Studioの対処は、設定の説明からの読み取りです。
- 症状と原因の結びつけは、見立てが多いです。個々の環境(OS、メモリ、モデル)で変わります。
- 日本語の文字化けは、公式の対処が見つからなかったため、確かなことは書けません。
出典
- FAQ(Ollama Docs、2026年10月8日確認)
- FAQ(Ollama GitHub、docs/faq.mdx、2026年10月8日確認)
- Troubleshooting(Ollama GitHub、docs/troubleshooting.mdx、2026年10月8日確認)
- Troubleshooting(Ollama Docs、2026年10月8日確認)
- Context length(Ollama Docs、2026年10月8日確認)
- macOS(Ollama Docs、2026年10月8日確認)
- Windows(Ollama Docs、2026年10月8日確認)
- llama.cpp server README(ggml-org、2026年10月8日確認)
- llama.cpp completion README(ggml-org、2026年10月8日確認)
- Per-model Defaults(LM Studio Docs、2026年10月8日確認)
- Prompt Template(LM Studio Docs、2026年10月8日確認)
- LM Studio, llmster, and lms(LM Studio Docs、2026年10月8日確認)
- LM Studio Docs トップ(LM Studio、2026年10月8日確認)
- Qwen/Qwen3.5-4B(Hugging Face、Qwen、2026年10月8日確認)
- Qwen/Qwen3.5-9B(Hugging Face、Qwen、2026年10月8日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
