3行でいうと
- 確かめる順番は、「出どころと日付を見る」「同じ画像が前からないか検索する」「AIのしるしを見る」「元の発表で確かめる」の4つです(この順番は僕らの整理です)。AIのしるしは、最初にやることではありません。
- GoogleのGeminiのヘルプには、AIの透かしが見つからなくても、ほかのAIが作った可能性は残る、と書かれています。しるしの有無だけでは、本物かどうかは決まりません。
- 確かめきれないときは、広めないのがいちばん安全です。善意の拡散が、デマの拡散になることがあります。
この記事は、公式の文書を読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。たとえ話と、「見立てです。」で始まる段落は、僕らの考えです。
先に結論
- まず、「誰が、いつ、どこで」を見る。 日本ファクトチェックセンター(JFC)の検証記事は、古い記事の使い回しなどを、日付や元の発表との照らし合わせで見つけています。
- 同じ画像が前からないかを、画像で検索して調べる。 Googleのヘルプに方法が書かれています。
- AIで作られたしるしは、手がかりとして見る。 SNSのラベル、Googleの透かし(SynthID)、来歴の記録(Content Credentials)があります。どれも、「ある・ない」で本物かどうかが決まるものではありません。
- 最後は、元の発表(公式サイトや公式アカウント)で確かめる。
見立てです。AIで作った画像かを当てるより、「その話は、信頼できる元に書いてあるか」を調べるほうが確実だと思います。本物の写真に間違った説明をつけた投稿も、同じ手順で確かめられます。
たとえ話:荷物の送り状とシール
僕らのたとえです。公式の文書にあるものではありません。
届いた荷物に「本物です」というシールが貼ってあっても、中身が本物とは限りません。シールが無くても、偽物とは限りません。大事なのは、送り状(差出人、発送日)と、送り元に問い合わせて確かめることです。AIのしるしはシール、最初の投稿者や元の記事は差出人、公式サイトで確かめるのが問い合わせにあたります。
手順1:出どころと日付を見る
JFCは、ファクトチェックの記事や、偽・誤情報の手口を前もって紹介する記事などを載せている、非営利の組織です(サイトの説明による)。検証記事は、検証対象、検証する理由、検証過程の順に書かれています(トップページの案内による)。
記事の中で行われている確認には、たとえば次のものがあります。
- 数字を、官公庁の公表資料で確かめる。
- 偽ニュースのリンク先の住所(ドメイン)が、本物の放送局のものと一致するかを見る。
- 引用された記事の日付を見て、数年前の記事の使い回しでないかを確かめる。
これはJFCが「利用者はこうしなさい」と書いたものではなく、僕らが記事の流れから読み取った、記事の中でやっている確認です。
手順2:同じ画像が、前からないかを調べる
「今日起きた」という投稿の画像が、数年前の別の出来事の写真だった、という使い回しは、画像で検索すると見つかることがあります。
Googleの公式ヘルプによると、パソコンでは次の方法で画像から検索できます。
- 検索画面で「画像で検索」を選び、画像のファイルをアップロードする。または、検索ボックスにドラッグする。
- Webページの画像のアドレスをコピーして、貼り付ける。
- Chromeで画像を右クリックして、「Googleレンズで検索」を選ぶ。
結果には、似た画像や、その画像がのっているWebサイトなどが出ます。同じヘルプには、検索した画像のURLはブラウザの履歴には残らないが、Googleがサービス改善のために保管することがある、とあります。他人の私的な写真は、検索にかける前に、この点を思い出してください。スマートフォン版の手順は、読んだページには書かれていませんでした。
見立てです。もっと古い日付のページに同じ画像が出てくれば、「今日の出来事」は疑わしくなります。何も出てこなくても、本物とは言えません。新しい画像は検索に出ないからです。
手順3:AIで作られたしるしを見る
手がかりは大きく3つあります。公式のページで確かめた範囲を書きます。
| しるし | 何か | 教えてくれること | 教えてくれないこと |
|---|---|---|---|
| SNSのラベル | YouTubeやMetaが、投稿に付ける表示 | 申告や会社の検出にもとづく、AIで作られた・変えられた可能性 | ラベルが無い投稿が、AIでないこと |
| SynthID(透かし) | Googleが、自社のAIで作った画像・動画・音声に入れる印 | Googleのモデルが作った・編集したか | ほかの会社のAIが作ったか |
| Content Credentials(来歴の記録) | 作成や編集の履歴をファイルに記録する仕組み。C2PAという団体のもとで仕様が進められている | 履歴が付いていれば、作り方や編集の履歴 | 内容が真実か。付いていない理由 |
SNSのラベル
YouTubeのヘルプによると、本物らしく見える、AIで作った・変えた内容は、投稿者が公開のときに申告することになっています。申告がなくても、YouTubeが自社のAIツールで作られたものや、来歴の記録が付いたもの、システムが検出したものに、自動でラベルを付けることがあります。申告しても、視聴者の制限や収益化の資格には影響しない、とも書かれています。
Metaの公式ブログには、AIで作られた内容に付ける「AI info」の表示が書かれています。業界で共有されているしるしを検出したとき、または投稿者が申告したときに付きます。Metaは、しるしにもとづくラベルが人々の期待と合わないことがあった、と自ら書いています。
見立てです。どちらも頼りは申告と会社の検出なので、ラベルが無いことは、AIでない証拠にはなりません。
Geminiで「Googleが作ったか」を確かめる
Googleは、2025年11月20日の公式ブログで、Geminiのアプリに、画像がGoogleのAIで作られたか編集されたかを確かめる機能を加えた、と発表しました。現在のヘルプには、動画と音声も確かめられると書かれています。ファイルをアップして、「これはAIで作られたものですか」のように聞きます。
ヘルプが書いている限界は、大事です。
- 透かしが見つかれば、GoogleのAIで作られた、または編集されたことを示します。
- 透かしが見つからなかったときは、Googleのモデルが作ったものではない、ということだけです。ほかのAIで作られた可能性は残ります。
- 来歴の記録は、真偽を決める証拠ではなく、判断のための履歴だとされています。
- 何度も加工すると、検出に失敗することがあります。
Geminiの確認機能の条件(2026年10月16日に読んだヘルプ)
数字や条件は、変わることがあります。
- 使える人:サインインした個人のアカウント。対象のWorkspaceアカウントも含まれると書かれています。
- 1回に確かめられるファイルは1つ。大きさは100MBまで。動画は90秒未満、音声は1時間未満。
- 回数の目安は、直近24時間あたり、画像が約10回、動画が約10回(合計5分まで)、音声が約10回(合計3時間まで)。
- 対応するファイルの形式と、ページの公開日・更新日は、ヘルプには書かれていませんでした。
- ヘルプは、ほかの方法として、見た目の不自然さ、画像の検索、元のファイルのメタデータ(付属情報)を挙げています。
Content Credentials(来歴の記録)
公式サイトによると、数百の企業が協力しており、Microsoft、Adobe、Google、Meta、OpenAIなどが名を連ねています。ファイルに付いた「ピン」のマークを開くと、どう作られ、どう編集されたかが見られる、とあります。確認用の公式ツールも案内されています。
ただし、僕らが読んだ範囲で、公式サイトは、記録が取り除かれることがあるか、付いていないときにどう考えるか、には触れていませんでした。確認用ツールのページは本文が読めませんでした。「付いていないから偽物」とは、公式の文書から言えません。
手順4:元の発表で確かめる。確かめきれなければ、広めない
「〇〇が発表した」という投稿なら、その機関の公式サイトや公式アカウントで、同じ発表があるかを見ます。見立てです。リンクを開くより、自分で公式サイトを開いて探すほうが安全だと思います。元の発表が見つからないときは、「確認できない」で止めます。
総務省の「上手にネットと付き合おう!」には、「良かれと思って拡散した情報がデマだった?!」という事例(事例21)が載っています。同じサイトには、偽・誤情報にだまされないための教材「インターネットとの向き合い方」の第2版があり、生成AIの影響を踏まえて改訂した、と書かれています。ただし、教材の本文は読めていません。
誤解されやすい点
「ラベルが無ければ本物」「AI検出で白黒が分かる」 どちらも、公式の文書からは言えません。ラベルは申告と検出に頼っており、YouTubeのヘルプは、繰り返し申告しない人への手動のラベルや罰則の可能性を書いています。Geminiの確認機能が分かるのは、「Googleの透かしがあるか」だけです。
今日からできること、やってはいけないこと
どれも、公式の文書を土台にした、僕らの整理です。
今日からできること
- 衝撃的な投稿ほど、すぐ反応せずに、「誰が、いつ、どこで」を見る。
- 気になった画像は、画像で検索して、前からあるものかを調べる。
- 公的機関や企業の話は、公式サイトで同じ発表を探す。確かめきれなければ、リポストや転送をしない。
やってはいけないこと
- AIのラベルや透かしの有無だけで、本物か偽物かを決める。
- 他人の私的な写真や子どもの写真を、確認のためだからと、むやみにアップする。
- 投稿に付いたリンクを、確かめる前に開いて、ログインやお金の手続きをする。
本物そっくりの偽の映像や音声(ディープフェイク)への備えは、別の記事にあります。
気をつけること
- 内容は、2026年10月16日に読んだ公式ページのものです。Geminiのヘルプも、SNSのラベルの運用も、変わりやすいです。
- 読んだページは、取り込んだ文章を要約して返す道具を通しています。原文のとおりの引用はせず、すべて言い換えです。細かな言い回しや脚注は、原文で確かめていません。
- JFCは、トップページの案内を読みました。個別の検証記事を1本ずつ読んだわけではなく、「記事の中でやっている確認」は、トップページに出ていた記事の要旨にもとづきます。
- 総務省のページは教材の案内で、確認の手順の本文は読めていません。Content Credentialsの確認ツールのページも、本文が読めず、使い方と限界は確認できていません。
- Metaのブログは、2024年の発表に変更が書き足されたものです。現在の運用は、最新の案内で確かめてください。MetaがC2PAを使うかどうかは、読んだページには書かれていませんでした。
- X(旧Twitter)の「コミュニティノート」は、本文を読めなかったので扱っていません。
出典
- 日本ファクトチェックセンター(JFC)公式サイト(日本ファクトチェックセンター、2026年10月16日確認)
- 上手にネットと付き合おう!安心・安全なインターネット利用ガイド(総務省、2026年10月16日確認)
- Search with an image on Google(Google 検索ヘルプ、2026年10月16日確認)
- Verify AI-generated images, videos, and audio(Gemini Apps ヘルプ、Google、2026年10月16日確認)
- How we're bringing AI image verification to the Gemini app(Google、2025年11月20日公開、2026年10月16日確認)
- Content Credentials(Content Credentials公式サイト、2026年10月16日確認)
- Disclosing use of altered or synthetic content(YouTube ヘルプ、2026年10月16日確認)
- Meta's approach to labeling AI-generated content and manipulated media(Meta、2026年10月16日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
