3行でいうと
- 自分で書いた読書メモやハイライトをAIに整えてもらう使い方は、無料の範囲で始めやすい。
- 本の全文のファイルを読ませるには、サービスごとにファイルの大きさ、数、回数の決まりがある。権利を持たない文書は上げないよう注意書きもある。
- 要約を人に見せるときは話が変わる。文化庁の資料は、生成物を「使う」段階は権利を制限する規定の範囲外になる場合が多いと説明している。
- 要約を公開してよいかは、記事では結論を出していない。専門家に相談する。
本を読み終えても、数日たつと、何が書いてあったか思い出せない。そこで、読書メモを作る人は多いと思います。AIは、自分で書いたメモを整理したり、長い文章から要点を取り出したりするのが得意だと言われます。
この記事は、AIの公式ページと、文化庁などの公式資料を読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。法律の話は、条文と公式資料の紹介です。個別の判断はできませんし、必要なときは専門家に相談してください。僕らの考えは「見立てです。」で始めて、事実と分けました。
先に結論
- 自分で書いた読書メモやハイライトを、AIに整えてもらう。これは、無料の範囲で始めやすい使い方です。
- 本の全文のファイルをAIに読ませる使い方もできます。ただし、AIのサービスごとに、ファイルの大きさ、数、使える回数が決まっています。またサービスの公式ヘルプには、「権利を持っていない文書はアップロードしないように」という注意もあります。
- 作った要約を、ブログやSNSで人に見せる場合は、話が変わります。文化庁の資料は、AIが作ったものを「使う」段階は、権利を制限する規定の範囲外になる場合が多いと説明しています。要約を公開してよいかは、僕らには判断できません。
使える道具の候補
| 道具(運営) | 読書メモに関わる、公式の記載 | 無料の範囲 |
|---|---|---|
| NotebookLM(Google)。公式ヘルプでは現在「Gemini Notebook」の名前で書かれています | 文書をソースとして入れ、そのソースの内容だけをもとに質問に答える。コピーした文章、PDF、EPUBなどが使える | ノートブック100件、1つに50ソース |
| ChatGPT(OpenAI) | ファイルや画像を送って質問できる。ファイル1つは512MBまで、文章のファイルは200万トークンまで | 無料のファイル送信は1日3回まで |
| Claude(Anthropic) | PDF、EPUB、TXTなどをアップロードできる。1回の会話に最大20ファイル、1つ500MBまで | 無料は$0。プロジェクトは最大5つ |
| Readwise Reader(Readwise) | 読書用アプリのAI「Ghostreader」が、文書の要約、用語の説明、翻訳、文書に質問、をする | 無料の期間は30日。継続的な無料プランは見つからず |
補足です。
- NotebookLM:公式ヘルプの説明によると、答えは入れたソースにある内容に基づき、ソースにないことは答えない、とあります。出典の番号が付くことが多く、ソースが短すぎると、文書全体を参照するだけで、細かい引用が付かないこともある、と書かれています。
- Claude:PDFは1,000ページまで受け付けます。100ページ以下なら図や表も読み、101ページ以上は文字だけを読む、とヘルプにあります。
- Readwise Reader:Ghostreaderの説明ページには、必要なプラン、データの扱い、使うAI事業者は書かれておらず、確認できていません。ChatGPTがEPUBを読めるかも、ヘルプには書かれていませんでした。
最初の1回のやり方
読書メモの最初の1回は、本の全文を使わず、自分で書いたメモから始めるのが無理がないと思います。見立てです。理由は、あとの「著作権の注意」に書きます。
NotebookLMの公式ヘルプに、手順の元になる記載があります。
- 新しいノートブックを作ります。
- 自分の読書メモを、そのまま貼り付けて、ソースにします。「Copy and pasted text」というソースの種類があり、題名を付けたり、あとで直したりできる、と書かれています。
- ソースを選んで、質問します。複数のソースを入れているときは、聞きたいソースだけを選べます。
- 答えに付いた出典の番号をたどって、元のメモのどこを根拠にしたかを確かめます。
ChatGPTやClaudeを使うなら、画面にメモを貼る、あるいはファイルとして送ることになります。画面操作の細かい手順は、公式ページで確かめられた範囲が限られます。
頼み方の例は、僕らが考えたものです。
- 「このメモの要点を5つ、箇条書きにして」
- 「このメモで、あとで確かめたい疑問を3つ挙げて」
- 「同じ本の2つの章のメモを、似ている点と違う点で比べて」
見立てです。頼む前に、本の題名、読んだ日、自分の感想とページ番号を、メモに入れておくと、AIが整えたあとでも元の本に戻りやすいと思います。
無料でどこまで使えるか
| 道具 | 無料で書かれていること | 数字が公式にあるもの |
|---|---|---|
| NotebookLM | 無料でも使える(Gmailのアカウントで登録)。無料プランはヘルプで「Gemini Notebook Standard」。有料はGoogle AI Plus、Pro、Ultra経由で、「Gemini Notebook in Plus」などの名前 | ノートブック100件、ソース50件/1ノートブック、チャット50回/日、音声解説3件/日(日本語のページ)。1ソースは50万語または200MBまで |
| ChatGPT | 日常のテキストの会話は、乱用防止の制限つきで制限なし。ファイル送信は別の上限 | ファイル送信は1日3回まで。プロジェクトのファイルは5つまで |
| Claude | 無料は$0。ウェブ検索、記憶、プロジェクトが使える。調査用の「Research」は無料にない | 1日の回数は確認できていません |
| Readwise | 30日間は無料。その後は月額 | Fullは月$9.99(年払い)/$12.99(月払い)、Liteは月$5.59(年払い)。ドル表記で、年払いの購入欄に「119.88 USD」とあり、税は確認できていません |
NotebookLMの公式ヘルプは、ほかにも次のことを書いています。
- ソースにコピーガードがかかったPDFは、取り込めません。
- プランのページに、フィードバックを提供しない限り、データは学習に使われない、とあります(フィードバックを送ると、やり取りの内容をGoogleが確認することがある)。無料プランに限った記載かは、確認できていません。
- 上限の表には「変更される場合があります」と書かれています。
Claudeの有料プランは、Proが年払いで月あたり$17(年$200を前払い)、月払いで$20です。いずれも2026年10月22日に読み直した内容で、変わることがあります。
著作権の注意:公式資料に書かれていること
ここは、文化庁の資料と条文を紹介する節です。僕らは法律の専門家ではありません。個別の判断はできませんので、迷うときは専門家に相談してください。文化庁の相談窓口のページも、個々の事案が著作権侵害にあたるかは文化庁では判断できない、弁護士などの専門家に相談を、と案内しています。
本の「事実」や「アイデア」と、「表現」は別
文化庁の「著作権テキスト(令和8年度版)」は、著作物を「思想又は感情を創作的に表現したもの」と説明し、単なる事実やデータ、表現されていないアイデアは、著作物から除かれる、と書いています。ただし、アイデアを解説した文章は「表現」なので、著作物になりうる、とも書いています。
見立てです。本の要約は、本の「事実」や「アイデア」を自分の言葉で取り出す作業と、本の「表現」に近づく作業の間のどこかにあると思います。どこまでが前者かは、僕らには線を引けません。
自分用のメモを作る範囲
同じテキストによると、個人的に、または家庭内など限られた範囲で使うことを目的とするときは、使う本人が複製することができます(著作権法第30条、私的使用のための複製)。仕事での利用は対象外、と書かれています。自分用の読書メモは、この考え方に近い場面です。
AIに本の内容を入れるとき
文化庁の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日)には、個人が生成AIを使う場合の項目があります。
- 既存の著作物をAIへの指示として入力する場合、その入力に伴う複製は、原則として著作権法第30条の4(作品を人が味わう目的ではない利用)が適用されると考えられる。ただし、入力した著作物と似たものを生成させる目的で入力するときは、同条が適用されない場合がある、と書かれています。
- AIのサービスの利用規約が、他人の著作物の入力を禁止していることがある。あらかじめ規約を確認して、従うことが必要。
NotebookLMのヘルプにも、権利を持っていない文書はアップロードしないように、とあります。
作った要約を人に見せるとき
同じチェックリストは、AIで作ること自体は私的使用などの範囲で適法にできる場合があっても、生成物をインターネットで配信するなどの「利用」は、権利を制限する規定の範囲外になる場合が多いと考えられる、と書いています。そのため、既存の著作物と似ていないかを、公開の前に確かめる必要がある、としています。確認方法の例には、インターネット検索があります。
また、著作権法第27条は、翻訳、変形、脚色、映画化、その他の「翻案」をする権利を著作者に与えています。文化庁のテキストは、引用(第32条)の規定では、翻訳して引用することはできるが、翻案等の利用はできない、と説明しています。
引用の条件も、同じテキストにあります。すでに公表された著作物であること、公正な慣行に合致すること(引用を行う必然性や、かぎ括弧などで引用部分が明確であること)、引用の目的上、正当な範囲内であること(自分の文章が主、引用が従であること)、出所を明示すること、です。出所の明示は第48条に定めがあり、複製・利用の態様に応じて「合理的と認められる方法及び程度」で、と条文にあります。
要約が「翻案」にあたるのか、どこまでなら公開してよいのか。これらの資料からは、僕らには判断できませんでした。公開する場合は、出版社や著作権に詳しい専門家に相談してください。
よくある失敗
- 本の全文を、そのままアップロードしてしまう。サービスの規約、ファイルの上限、回数の上限に引っかかることがあります。
- 要約を、そのままブログに載せる。上の節のとおり、公開は別の確認が必要です。
- AIの要約を、本に書かれていた内容として信じる。OpenAIの公式ヘルプは、AIは間違っていても自信ありげに聞こえることがあり、引用や出典を作ってしまうこともある、と書いています。Anthropicも、1つの情報源として頼り切らないよう書いています。本の記述としてメモに残すときは、元のページで確かめてください。
- ページ番号を残さない。AIの整理を経ると、元の場所がわからなくなります。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書と文化庁の資料を読んでまとめたもので、手順は文書から組み立てた想定です。
- 法律の話は、条文と文化庁の資料の紹介です。個別の判断は専門家に。要約の公開が許されるかは、この記事では結論を出していません。
- NotebookLMの名前は、公式ヘルプで「Gemini Notebook」と書かれています。10月22日に読み直した英語のヘルプ2ページも「Gemini Notebook」で、NotebookLMの名前は本文に出てきませんでした(ヘルプセンターの名称や連絡先の表記には残っています)。名前が移行中の可能性があります。
- NotebookLMのチャットや音声解説の1日の回数は、日本語のヘルプページにあり、英語のページでは確認できませんでした。上限は変わることがあります。
- ChatGPTのファイル送信1日3回は、10月22日にもFile Uploads FAQで読めました(3時間あたり80ファイルまで、とも書かれています)。無料プランのFAQには回数の数字がなく、別の公式ページでの裏取りはできていません。
- Readwise Reader(Ghostreader)の必要なプランやデータの扱いは、確認できていません。
- 文化庁のチェックリストは令和6年7月31日の資料です。10月22日に「AIと著作権について」のページを読み直した範囲では、これが最新として載っていて、令和7年度・令和8年度の資料は見当たりませんでした。
- 条文は、デジタル庁のe-Gov法令検索のデータで10月8日に読みました。10月22日にはe-Govのページから条文の中身が読めず、読み直せていません。法改正で変わることがあります。
- 文化庁の「著作権テキスト(令和8年度版)」は、10月22日には資料の一部しか読めず(著作物の定義などは確かめられました)、第30条、第32条、第48条の説明は読み直せていません。この部分は10月8日に読んだ内容のままです。
- AIの答えは、間違うことがあります。
出典
- Learn about Gemini Notebook's plans(Gemini Notebook Help、日本語ページも確認、2026年10月22日確認)
- Add or discover new sources for your notebook(Gemini Notebook Help、2026年10月22日確認)
- Frequently asked questions(Gemini Notebook Help、2026年10月22日確認)
- ChatGPT Free Tier FAQ(OpenAI Help、2026年10月22日確認)
- File Uploads FAQ(OpenAI Help、2026年10月22日確認)
- Does ChatGPT tell the truth?(OpenAI Help、2026年10月22日確認)
- Plans & pricing(Claude、2026年10月22日確認)
- Upload files to Claude(Claude Help Center、2026年10月22日確認)
- Claude is providing incorrect or misleading responses. What's going on?(Claude Help Center、2026年10月22日確認)
- Pricing(Readwise、2026年10月22日確認)
- Ghostreader overview(Readwise Docs、2026年10月22日確認)
- 著作権テキスト 令和8年度版(文化庁、2026年10月8日確認)
- AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス(文化庁、令和6年7月31日、2026年10月22日確認)
- AIと著作権について(文化庁、2026年10月22日確認)
- 相談窓口(文化庁、2026年10月22日確認)
- 著作権法(e-Gov法令検索、2026年10月8日確認)
更新履歴
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2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
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2026年10月22日 公式の資料を読み直して、次の点を直しました。
- 前:NotebookLMの有料プランはPlus、Pro、Ultra → いま:無料は「Gemini Notebook Standard」、有料はGoogle AI Plus・Pro・Ultra経由で、名前も変わっている
- 前:データは学習に使われないとだけ書いた → いま:フィードバックを提供しない限り学習に使われず、送るとGoogleが内容を確認することがある
- 前:ヘルプに「Gemini Notebook」の名前が出るところがあった → いま:読み直した英語のヘルプ2ページは本文がすべて「Gemini Notebook」だった
- 前:ChatGPTのファイル送信は1日3回まで(裏取りなし) → いま:10月22日にも同じ数字を確認。3時間あたり80ファイルまで、とも書かれていた
- 前:Readwiseの年払いはドル表記で、通貨名は確認できていない → いま:購入欄に「119.88 USD」とあり、通貨はドルと読める
- 前:文化庁のチェックリストは令和6年7月の資料 → いま:令和6年7月31日の資料が最新で、令和7・8年度のものは見当たらなかった
- 一部の出典は読めなかったため、その部分は前のままです。
