3行でいうと
- 「読むだけ」か「書く・送るまで」かは、サービスごとに違います。Claude(Microsoft 365)は既定で読み取り専用で、書く・送るには管理者が書き込みツールを有効にする作りです。ChatGPTのOutlookは、条件つきで送信や予定の変更もでき、許可を4段階で選べます。Geminiのページは、下書きや送信について書いていません。
- 管理者や個人の条件も違います。Geminiの連携は、仕事・学校のアカウントが対象外と書かれています。ChatGPTのOutlookとClaudeのMicrosoft 365は、組織の管理者の同意が前提の作りです。
- 僕らの見立ては、まず読み取りだけで始め、書く・送る許可は、あとから必要になったときに足す、です。許可を絞ったあとも、記憶や会話に残るもの、学習の設定は、別に確かめる必要があります。
この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は、OpenAI、Anthropic、Googleの公式ヘルプと、GoogleのGmail APIの文書を、2026年10月16日に読んでまとめ、10月22日に読み直したものです。機能名、対象プラン、できる操作は変わりやすい点です。僕らの考えは「見立てです」と書いた部分に分けています。
先に結論
- 連携は「許可」の束です。 「メールを読む」「下書きを作る」「送る」「予定を作る・消す」は、別々の許可として扱われるのが普通です。Gmail APIの文書では、読み取り用、下書きと送信用、完全削除までできる用、と範囲が段階的に分かれています。
- 3社の書き方は、そろっていません。 読めた範囲では、Claudeは「読む・検索する」(Microsoft 365は、管理者が書き込みツールを有効にすれば、送る・予定を作る・変えるも)、ChatGPTのOutlookは、加えて条件つきの「送る・予定を変える」、Geminiは「見つけて要約する」までです。ChatGPTのGmail専用ヘルプは、見つけられず、読めていません。
- 許可を絞っても、残るものがあります。 連携を外しても、会話や記憶に取り込まれた情報は、別に消す必要があります。学習への利用も、プランと設定で変わります。
連携の中身を3社で並べる
2026年10月16日に読み、10月22日に読み直した内容です。
| ChatGPT | Claude | Gemini | |
|---|---|---|---|
| メール・予定を読む | Outlookは可能。メールの本文(プレーンテキスト)、予定の中身、空き状況まで | Gmail・カレンダーを検索し、引用つきで答える。Microsoft 365も読み取りと検索 | Gmail・カレンダーなどを含む「Google Workspace」を連携でき、探して要約する |
| 書く・送る | Outlookでは、共有メールボックスからの送信や、対応する共有カレンダーの予定の作成・変更・削除が、有効にした場合にできる | Gmailのページは「メールや予定の作成・変更は非対応」。Microsoft 365は既定で読み取り専用。管理者が書き込みツールを有効にすると、メール送信や下書き、予定の管理ができる | 下書き・送信・予定の作成について、読んだページには書かれていない |
| 許可の段階 | Always ask/Allow read actions/Allow low-risk actions/Allow all actions | ツールごとに、ユーザーがオフにできる(Microsoft 365) | アプリごとのトグル。チャットごとにもオフにできる |
| 誰が許可する | Outlookは、組織の管理者の同意の手順が書かれている | Gmail・カレンダーは有料プランで、Team・Enterpriseはオーナーが先に有効化。Microsoft 365はFree、Pro、Max、Team、Enterpriseの全プランで、Team・Enterpriseはオーナーが先に有効化し、Entra管理者の同意も要る | 個人のGoogleアカウントのみ。仕事・学校用は対象外 |
ChatGPT:許可の4段階と、Outlookの許可の一覧
ChatGPTの連携アプリには、「いつ確認を求めるか」を決める4段階があります。
- Always ask:名前のとおり、毎回確認する段階と読めます。
- Allow read actions:読む操作は確認なし、変更は確認する段階と読めます(この2つの細かい説明は、読んだ記録に残っておらず、名前からの読みです)。
- Allow low-risk actions:低リスクの操作は自動で通ります。上書きの設定がなければ、これが既定です。
- Allow all actions:追加の確認なしで動くことがあります。標準の選択肢には出ず、公式も「リスクが高い」扱いです。
ここで大事な点が1つあります。この設定は、確認の回数を決めるだけで、新しい権限は与えません。逆に、設定を変えても、接続は外れず、すでに与えたアクセスも取り消されません。外すには、Settings の Apps(または Plugins)から接続を解除します。
Outlookでは、Microsoftの許可(スコープ)の一覧が公開されています。メールだけで、Mail.Read、Mail.ReadWrite、Mail.Send、共有メールボックス用のMail.Send.Shared などが並びます。名前から、読む、読み書きする、送る、と段階が分かれていることが分かります(これは名前からの僕らの読みで、各許可の定義までは確かめていません)。許可は、組織のEntraと、OpenAIのアプリの間で与えるもので、「許可しても、操作が自動で有効になるわけではない」と書かれています。管理者は、操作の有効化を「Enable all new actions」「Only enable new read actions」「Disable new actions」から選べます。ワークスペースの管理者と、Microsoft側のEntra管理者が、別の人のこともあるとも書かれています。
Claude:読み取りに寄せた作り
ClaudeのGmailとGoogleカレンダーの連携は、必要なときに検索し、引用つきで答えるものと説明されています。ページは、メールや予定の作成・変更は非対応、ベータ、とも書いています。Microsoft 365のコネクタは、既定が読み取り専用です。ページは、管理者が書き込みツールを有効にして初めて、Claudeがメールの送信・転送や下書きの管理、予定の作成・更新をできると書いています。すでに同意済みの組織では、書き込みツールの有効化にEntra管理者があらためて許可を承認する必要があり、Enterpriseでは一部のユーザーだけに有効にすることもできる、とあります。予定を作ったり更新したりすると、Microsoft 365が参加者に招待や更新の通知を自動で送る、とも書かれています。読み取りの許可としては、メールではMail.Read、カレンダーではCalendars.Read などが挙がっています。管理者は、Entra管理者センターで、特定のスコープだけを取り消せます。
Gemini:個人アカウントの「Personal Intelligence」
Geminiの連携は、「Personal Intelligence」の中の「Connected Apps」で、アプリごとにオンオフします。Gmail、Calendar、Driveなどを含む「Google Workspace」のほか、Photosなども対象です。要件は、18歳以上、個人のGoogleアカウント、Keep Activityがオン、などで、欧州経済領域、スイス、英国などでは提供されないと書かれています。
プライバシーの面では、Googleのページが、Gmailの受信トレイやカレンダーを「直接は学習に使わない」とする一方、そこからの要約や推論は学習に使われうると書いています。一部は、人間の確認者が見ることもあり、ページは、機密情報を含むアプリを連携しないよう求めています。
Gmail APIの許可の段階(開発者向けの一般的な一覧)
Googleの開発者向け文書には、Gmail APIのスコープが14個、非センシティブ・センシティブ・制限付きの分類つきで載っています。主なものは次のとおりです。
- gmail.metadata:ラベルやヘッダーだけ。本文は読めません。
- gmail.readonly:メッセージと設定の読み取り。
- gmail.compose:下書きの作成と送信。
- gmail.send:代理でメールを送る。
- gmail.modify:読む、作る、送る。完全削除はできません。
- mail.google.com:読む、作る、送る、削除。完全削除ができるのは、これだけです。
文書は、アプリが必要とする場合にだけ、最も広い範囲を求めるよう書いています。ただしこれは、一般的な一覧です。ChatGPT、Claude、Geminiが、実際にどのスコープを使うかは、読んだページに書かれていませんでした。
許可を絞っても、残るもの
連携を外す、許可を絞るだけでは、次のものは別に確かめる必要があります。
- 会話の中に残る分。 Claudeは、取得したデータがチャットと一緒に保存され、チャットを消すと消える、と書いています。ChatGPTの許可のページは、許可の設定が、Memory、データ保持、学習の設定とは別のものだと書いています。
- 記憶。 ChatGPTのページは、Memoryがオンなら、アプリの関連情報を覚えることがある、と書いています。
- Geminiの履歴。 連携を外すだけでは、過去のチャットで使われた情報が残ることがあります。連携を外すだけでも、関連するチャットを消すだけでも、情報が使われうるため、両方行うよう案内されています。反映までの日数は、読んだページには書かれていません(「数日」という記述は、連携先のアプリ側でデータを消したり直したりした場合の話です)。
- 学習への利用。 ChatGPTは、Business、Enterprise、Eduなら、コネクタ経由の情報を既定では学習に使わないとあり、Free、Plus、Go、Proは「Improve the model for everyone」がオンなら使われうる、とあります。Claudeは、この連携のデータでは学習しないとしつつ、学習をオプトインした個人の利用では、貼り付けた内容などが使われうると書いています。
使い分けの目安(見立てです)
ここからは、公式の説明を読んだうえでの僕らの見立てです。各社の推奨ではなく、助言でもありません。
- 読むだけから始める。 予定の確認や、メールの探し物は、読み取りだけで足ります。ChatGPTなら「Allow read actions」、Claudeなら読み取り中心の作りを選ぶのが素直だと思います。
- 送る許可は、必要になってから足す。 送信と予定の招待は、いったん相手に届くと、取り消しにくいと思います。ChatGPTでは「Allow all actions」は避け、「Always ask」から始めるのがよいと思います。
- 範囲を限る。 全部のメールを見せる必要があるのかを考えます。仕事用と私用のアカウントが混ざるなら、仕事の分だけにつなぐほうが安全だと思います。
- 管理者の決まりが先。 会社のアカウントなら、勝手につなぐ前に、情報システムの担当に聞きます。ChatGPTのOutlookとClaudeのMicrosoft 365は、管理者の同意を前提にした作りです。Geminiは、仕事用が対象外です。
- メールの本文は外から来る文章です。 受け取った本文の中の指示に、AIが従ってしまう可能性を、頭に置いておきます。読んだページには、この点の説明は見つかりませんでした。だからこそ、送る許可を後回しにする意味があると思います。
- 外し方まで先に確認する。 連携を外す場所と、会話や記憶を消す場所は別です。つなぐ前に、両方を確かめます。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。2026年10月16日に公式ヘルプを読み、10月22日に読み直した内容です。画面名、対象プラン、できる操作は変わります。
- ChatGPTのGmailとGoogleカレンダー専用のヘルプは、リンクが見つからず、読めていません。ChatGPTのGmailの機能と対象プランは、確認できていません。
- ClaudeのGmailのページは、更新日が分からず、「作成・変更は非対応」という記述が現在も当てはまるかは、確認できていません。Geminiのページも、下書きや送信については書いていません。「できない」と読まず、「読んだ範囲では書かれていない」としています。
- Microsoftが公開している、各スコープの公式の説明は、読めませんでした。スコープの意味は、名前からの読みです。
- 公式ページの原文は引用せず、言い換えています。要約に混じった推測は、事実としては使っていません。
- 個人情報や仕事の情報の扱いは、所属先の決まりや法律に関わります。これは法律やセキュリティの助言ではありません。
- Microsoft Copilot自身のOutlook連携は、扱っていません。
出典
- Connected apps in ChatGPT(OpenAI Help Center、10月22日確認)
- Managing app permissions in ChatGPT(OpenAI Help Center、10月22日確認)
- Outlook Email and Calendar apps in ChatGPT(OpenAI Help Center、10月22日確認)
- Using the Gmail and Google Calendar integrations(Claude Help Center、10月22日確認)
- Set up the Microsoft 365 connector(Claude Help Center、10月22日確認)
- Connect your Google apps to personalize your Gemini experience(Gemini Apps Help、10月22日確認)
- About personalization with Connected Apps(Gemini Apps Help、10月22日確認)
- Choose Gmail API scopes(Google for Developers、10月22日確認)
更新履歴
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2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
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2026年10月22日 公式の資料を読み直して、次の点を直しました。
- 前:Claude(Microsoft 365)は読み取り専用と明記されている → いま:既定は読み取り専用。管理者が書き込みツールを有効にすると、送信や下書き、予定の作成・更新もできる
- 前:Microsoft 365は、送信や招待ができないと明記 → いま:管理者が書き込みツールを有効にすれば、メール送信や予定の管理ができる。予定を作ると参加者に通知が自動で届く
- 前:Microsoft 365はTeam・Enterprise向け → いま:Free、Pro、Max、Team、Enterpriseの全プラン。Team・Enterpriseはオーナーの有効化とEntra管理者の同意が要る
- 前:書かれていなかった → いま:同意済みの組織は、書き込みツールの有効化にEntra管理者のあらためての承認が要り、Enterpriseは一部のユーザーだけに有効にもできる
