3行でいうと
- SlackのAIで会話の要約と検索ができる。要約はProから、検索の答えとリキャップはBusiness+から。
- ChatGPTとClaudeがSlackの会話を調べる道も公式にある。ただし会話の内容がSlackの外のAIに渡る。
- Claude Tagは、TeamとEnterprise向けの公開ベータ版。費用は使った分の使用量で請求される。
- どの道も、見られる範囲はSlack側の権限に従う。
チャンネルが増えると、読み切れない会話が積み上がります。「昨日の議論の結論だけ知りたい」「あの資料の場所を探したい」。この2つ、要約と検索が、SlackのAIの中心です。
そこにもう一つ、ChatGPTやClaudeのような、外のAIを組み合わせる道があります。この記事では、2つを比べて、どこまでが公式に書かれているかを整理します。
先にお断りします。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書を読んでまとめたものです。手順は「文書から組み立てた想定」です。僕らの考えは「見立てです。」で始まる段落に分けました。Slackの会話をMakeなどの自動化の道具でNotionへ保存する方法は、前の記事(スタンプを押すだけで、Slackのスレッドを要約してNotionへ)にあります。この記事は、それとは別の、公式の機能どうしのつなぎ方を扱います。
先に結論
- 要約と検索は、Slackに入っているAIでできます。プランによって使える範囲が違います。会話の要約は有料のProから、検索の答えと「リキャップ」(まとめ)は、その上のBusiness+からです。
- ChatGPTとClaudeは、Slackの会話を調べる道が、公式に用意されています。ただし、Slackの外のAIに会話の内容が渡ります。
- 「Slack AI」と「ChatGPT」を、1つにつなぐ専用機能ではありません。Slackの中のAIと外のAIは、別々の機能として並びます。
- 外のAIは、要約と検索以外にも使えます。Claudeの「Claude Tag」は、Slackの中から作業を頼み、結果をスレッドに返してもらう形です。ただし、TeamとEnterpriseという会社向けのプランで、公開ベータ版です。
- どの道も、見られる範囲はSlack側の権限に従う、と公式は書いています。
それぞれ何か
SlackのAI機能
Slackの公式の「AI機能の使い方ガイド」には、機能ごとの対応プランの表があります。
| 機能 | Pro | Business+ | Enterprise+ |
|---|---|---|---|
| 会話の要約(チャンネル、スレッド) | あり | あり | あり |
| ハドル(音声会議)のメモ | あり | あり | あり |
| 検索の自動フィルタ | あり | あり | あり |
| 検索の答え(質問に答える) | なし | あり | あり |
| リキャップ(毎日のまとめ) | なし | あり | あり |
| ファイルの要約、翻訳、ワークフローの自動化 | なし | あり | あり |
| Slackbot(AIの助手) | なし | あり | あり |
| エンタープライズ検索 | なし | なし | あり |
Slackbotは、FreeとProで限定的に試せる場合がある、と注記されています。
使い方も、公式のガイドにあります。デスクトップでは、チャンネルやDMの「…」から「チャンネルを要約」「会話を要約」を選びます。スレッドは「Summarize」を押します。未読分、直近7日、期間の指定(デスクトップのみ)から選べます。検索は、検索欄に自然な文で質問を書いてEnterを押します。答えには出典が付きます。
ChatGPTとClaude
どちらも、Slackの外にあるAIのサービスです。公式に書かれているつなぎ方は、次のとおりです。
| AI | つなぎ方 | 公式に書かれている内容 |
|---|---|---|
| ChatGPT | ChatGPTの「アプリ」にあるSlackに接続 | Slackのメッセージやファイルを検索、参照する。管理者が許可した操作だけ実行できる |
| Claude | Claude Tag(Slackの中で「@Claude」と呼ぶ) | スレッドで頼むと、作業して結果を返す。会社向けプラン |
| Claude | Slackコネクタ(Claudeの側からSlackを使う) | メッセージの送信、検索、キャンバス(共有メモ)の作成などを行う |
なぜ組み合わせるのか
見立てです。Slackの中のAIは、「Slackにある情報を、Slackの中で見る」のが得意だと読めます。公式も、Slackの会話、ファイル、連携したアプリのデータを検索できる、と説明しています。
一方、外のAIは、Slack以外の仕事にも使えます。たとえば、Claude Tagの公式の使い方には、Google DriveやNotionの資料から答えを探す、データの質問を表にして返す、バグの報告から変更案を出す、といった例が載っています。Slackの会話を入口にして、Slackの外の作業につなげる使い方です。
見立てです。分担としては、「会話を読み返す」はSlackのAI、「会話をもとに作業をする」は外のAI、と整理できると思います。優劣の話ではありません。
Slackの中のAI:データの扱い
Slackの公式のブログ(2025年7月16日付)には、次の趣旨が書かれています。
- 顧客のデータはSlackの信頼境界の外に出ない。モデルはSlackが管理するAWSの環境に置き、モデルの提供元はデータにアクセスできない。
- 顧客のデータで、モデルを訓練したり調整したりしない。
- AIは、依頼した人がもともと見られるデータだけを使う。
- AIが出した結果は、頼んだ本人だけが見られる。
Slackの公式のAI紹介ページにも、同じ趣旨(顧客のデータで大規模言語モデルを訓練しない)が書かれています。Slack AIの内部で使われるモデルの名前は、読んだ範囲では確認できていません。
外のAIとつなぐ:公式に書かれている範囲
ChatGPTからSlackを使う
OpenAIの公式ヘルプ「Using Slack in ChatGPT」によると、次のとおりです。
- 有料のChatGPTのプラン(Plus、Pro、Business、Enterprise、Edu)で接続できます。
- Slack側は有料でなくても、キーワードの検索は使えます。意味で探す検索(セマンティック検索)は、Slack AIの検索が使えるBusiness+かEnterprise+が条件です。
- 個人の接続は、ChatGPTの「アプリ」(または「プラグイン」)からSlackを選んで「Connect」を押し、Slackの許可を済ませます。
- 接続できるSlackのワークスペースは、一度に1つです。
- 読めるのは、その人がもともと見られる会話だけです。非公開のチャンネルやDMも、権限の範囲で含まれます。
- 管理者は、操作ごとに無効にできます。Slackの管理者の承認が必要な場合もあります。
- 注意として、詳しい調べものを何度も頼むと、個人に割り当てられたSlackの呼び出し回数を使い切ることがある、と書かれています。
- データの扱いとして、Slackは外部のサービスなので、関連する依頼とデータがSlackに送られ、Slackの規約などが適用される、とあります。
ClaudeからSlackを使う:2つの道
Claudeのコネクタ。 Claudeの公式のコネクタの一覧では、Slackは「メッセージの送信、キャンバスの作成、Slackのデータの取得」と説明されています。11個の操作(メッセージの検索、チャンネルや投稿の読み取りなど)が列挙されています。接続先の住所は公式に書かれています。対象のプランや費用は、そのページには書かれていませんでした。確認できていません。
Slack側の公式文書では、このコネクタはMCP(AIと外のサービスをつなぐ共通の決まり)に沿った仕組みです。Claude、Claude Code、Perplexity、Cursorは、コードを書かずに使える接続先として載っています。動作は、使う人の権限(ユーザーのトークン)で行われます。
Claude Tag。 Claudeの公式の文書では、Slackのチャンネルで「@Claude」と呼ぶと、依頼を受けて作業し、結果をスレッドに返す、と説明されています。
- 対象はTeamとEnterpriseのプランで、公開ベータ版です。個人向けのFree、Pro、Maxは対象外です。
- 設定は、Claudeの組織のOwner(所有者)が1回します。Slackで「@Claude connect」と送ってペアリングコード(組み合わせ用の番号)をもらい、管理画面に入れます。月の上限額を決め、チャンネルに追加して開始します。
- 費用は、席ごとの追加料金ではなく、使った分の「使用量」で請求されます。組織が前もって用意した残高から引かれ、Ownerが決めた月の上限で止まります。
- Claudeは、利用者の名前ではなく、組織の共有の立場で動きます。外部のサービスへの接続は、管理者がチャンネルごとに決めます。
古い「Claude in Slack」のボットは、組織がClaude Tagにつないだワークスペースでは、2026年10月5日付で廃止され、チャンネルでは応答しなくなった、と公式の文書にあります。ProやMaxの個人向けに、コードを頼む古い連携の説明ページも残っていますが、対象はClaude Tagにつながっていないワークスペースです。
SlackがAIを呼び込む道
Slackの開発者向けの公式ページには、「Slackbot MCP Client」という機能が載っています。外のMCPサーバーをSlackに接続すると、Slackbotがその道具を、会話の内容に応じて呼び出す、という説明です。対象のプランや公開状況は、読んだページでは確認できていません。
料金(Slackの英語ページは2026年10月22日確認、日本語ページは10月8日のまま)
Slack
通貨は米ドルです。ユーザー1人あたりの月額で、税込か税抜かは書かれていません。
| プラン | 月払い | 年払い |
|---|---|---|
| Free | 0ドル | なし |
| Pro | 8.75ドル | 7.25ドル |
| Business+ | 18ドル | 15ドル |
| Enterprise+ | 英語ページ(10月22日)は営業に問い合わせ。日本語ページ(10月8日)も営業に問い合わせ |
10月22日に読んだ英語の料金ページでも、Pro、Business+の数字は同じでした(日本語のページは読み直していません)。月払いには「最初の3か月は半額」の販促の表示もありましたが、条件つきなので表には入れていません。Enterprise+は、10月8日には英語ページに「年払い45ドル」の表示がありましたが、10月22日の英語ページは営業に問い合わせとなっていて、表示が変わっていました。税込か税抜かの記載は、10月22日のページにも見つかりませんでした。Freeの制限は、メッセージ履歴90日、アプリ10個まで、ハドルとSlackコネクトは1対1だけ、です。料金ページのFreeの欄には「基本的なAI機能」とありますが、比較表ではAIの項目が空欄で、食い違いがありました。
外のAI
- ChatGPT、Claudeの個人プランの金額は、この記事では扱っていません。
- Claude Tagは、席の追加料金がなく、使った分の請求です。1回あたりの金額の目安は、読んだページには見つかりませんでした。管理画面で、チャンネルごとの使用量を見て、試験運用で調べるよう勧められています。
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向く人・向かない人
見立てです。向きそうなのは、次のような人です。
- チャンネルが多く、読み返しの時間が長い人。Slackの要約から試せます。
- 会話から、ほかの仕事(資料探し、データの質問、変更案)につなげたいチーム。
見立てです。向かなそうなのは、次のような人です。
- 無料のFreeだけで使いたい人。AIは、事実上、有料プランが前提だと読めます。
- 個人のメモ代わりにSlackを使っている人。要約したい量が少なく、料金に見合わないかもしれません。
- 社外秘の会話が多いのに、管理者がAIの扱いを決めていない職場。
つまずきやすい点
- 使える機能が、プランで違う。要約はProから、検索の答えはBusiness+から、です。
- 外のAIが「使えません」と出る。ChatGPTでは、管理者が無効にしていると、Disabled by adminと出ると書かれています。
- Claude Tagが応答しない。設定のペアリングが終わっていない、またはチャンネルに追加されていない場合などが考えられます。
- 会話に紛れた指示(プロンプトインジェクションと呼ばれます)。Claudeの公式の文書に、Claudeは会話の文脈にある他のメッセージの指示に従うことがあるので、信頼できる会話でだけ使うように、という注意があります。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書を読んでまとめたもので、手順は文書から組み立てた想定です。
- 料金と機能は、変わりやすいです。Claude Tagは公開ベータ版、Slackの「今日」ビューなど一部はアーリーアクセスです。
- Slack AIが日本語でどこまで使えるかは、確認できていません。日本語のAI紹介ページに、機能ごとの対応言語は書かれていませんでした。
- Slackのプライバシーの記述は、2025年7月のブログとAIの紹介ページから読んだものです。データ管理のページ自体には、AIの訓練についての記載がありませんでした。
- 外のAIにSlackをつなぐと、会話の内容がSlackの外に出ます。何を渡してよいか、会社の決まりを先に確認してください。
- AIの要約や答えは、間違うことがあります。重要な決定や数字は、元の会話で確かめてください。
- 画面の名前は、英語の公式ページから書いています。日本語の画面では確かめていません。
出典
- Slack AI(Slack、2026年10月8日確認)
- Slack AI(日本語)(Slack、2026年10月8日確認)
- Pricing(Slack、2026年10月22日確認)
- 料金(日本語)(Slack、2026年10月8日確認)
- Guide to Slack AI features(Slack Help Center、2026年10月22日確認)
- How we built Slack AI to be secure and private(Slack、2026年10月8日確認)
- Data management(Slack Trust、2026年10月8日確認)
- Slack MCP server(Slack Developer Docs、2026年10月22日確認)
- AI in Slack(Slack Developer Docs、2026年10月8日確認)
- Slackbot MCP client(Slack Developer Docs、2026年10月8日確認)
- Claude Tag overview(Anthropic、2026年10月22日確認)
- Claude and Slack(Anthropic、2026年10月8日確認)
- Slack connector(Claude Connectors、2026年10月22日確認)
- Claude Code in Slack(Claude Code Docs、2026年10月22日確認)
- Using Slack in ChatGPT(OpenAI Help、2026年10月22日確認)
- Apps in ChatGPT(OpenAI Help、2026年10月8日確認)
- Connectors in ChatGPT(OpenAI Help、2026年10月8日確認)
更新履歴
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2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
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2026年10月22日 公式の資料を読み直して、次の点を直しました。
- 前:Enterprise+は、英語ページが年払い45ドル(10月8日) → いま:英語ページ(10月22日)は営業に問い合わせ。表示が変わっていた
- 前:Pro、Business+の数字は英語・日本語で同じ → いま:10月22日の英語ページでも同じ。日本語ページは10月8日のまま読み直していない
- 前:書かれていなかった → いま:月払いに「最初の3か月は半額」の販促があったが、条件つきなので表には入れていない
- 前:書かれていなかった → いま:税込か税抜かの記載は、10月22日のページにも見つからなかった
