3行でいうと
- Googleスプレッドシートの中にGeminiが最初から入っていて、つなぎ込みの作業は要らない。
- 入口は3つ。右上の「Ask Gemini」、セルで使う「AI関数」、表を一から作る「Build」。
- 使えるのはWorkspaceのBusiness Standard以上と、個人向けのGoogle AI Pro・Ultra。Starterは対象外。
- AI関数には上限がある。一度に生成されるのは最初の350セルまで。
名簿の表記ゆれをそろえたい。アンケートの自由記述を「ほめ」「要望」に分けたい。売上の表から、傾向を知りたい。表の作業は、手で直すと時間がかかります。そこにGeminiが使えるのか。
先に断ります。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書を読んでまとめたものです。僕らの考えは「見立てです。」で始まる段落に分けました。
先に結論
- ChatGPTやClaudeのように「別のAIをつなぐ」のではなく、Googleのスプレッドシートの中にGeminiが入っています。つなぎ込みの作業は要りません。使えるプランに入っているかどうかが条件です。
- 公式の文書で確かめられた入口は3つです。画面右上の「Ask Gemini」(横に出る相談窓口)、セルの中で使う「AI関数」、そして新しい表を一から作る「Build」の窓です。
- 使えるプランは、Google Workspaceの Business Standard、Business Plus、Enterprise、そして個人向けの Google AI Pro と Ultra(機能による)です。いちばん安い Business Starter では、スプレッドシートのGeminiは対象外と書かれています。Googleのプラン一覧のヘルプは、Enterprise StarterとFrontlineも対象外、個人向けのGoogle AI Plusも含まれない、と明記しています。
- 日本語は、公式の対応言語の表に入っています。
- AI関数には、月ごとの上限と、1回に処理できるセル数の上限があります。
それぞれ何か
Geminiは、Googleが出しているAIです。スプレッドシートは、ブラウザで使えるGoogleの表計算のソフトです。AI機能が使えるかどうかは、契約の条件で決まります。
Googleの公式の紹介ページが書く、Sheetsの中のGeminiの機能は、次のとおりです。
- 表を作る。
- 数式(計算の式)を書く。
- ピボットテーブル(集計表)、検索と置き換え、条件つき書式(条件で色を変える設定)などの編集と整形。
- 入力のくせを見て、残りを埋めてくれる補助(スマートフィル)。
- AI関数。セルの中から呼び出して、文章を作る、まとめる、分類する。
- データの傾向や外れ値を見つけて、自然な言葉で答える。
- グラフを作る。
- データの食い違いを見つけて、整理する。
なぜ組み合わせるのか
見立てです。表の仕事には、2種類あると思います。ひとつは「計算」で、数式が得意な分野です。もうひとつは「言葉」で、自由に書かれた文章を、読んで分けたり、短くしたりする作業です。後者は、これまで人が目で読むしかありませんでした。AI関数は、その「言葉」の作業を、表の中で一気にやるための道具だと読めます。
入口は3つ
1. サイドパネル:Ask Gemini
Googleの公式ヘルプによると、スプレッドシートの右上の「Ask Gemini」を押すと、横にパネルが開きます。そこで、表や数式、分析、グラフを頼みます。ほかにも、次のことができると書かれています。
- スプレッドシート、ドライブのファイル、Gmailのメールを要約する。
- 条件つき書式、ピボットテーブル、プルダウン、チェックボックス、フィルタ、並べ替え、置き換え、表示形式、行や列の変更を実行する。
- 一度の頼みに、複数の手順を入れる。
セルに「=」と打ってから、Ctrl+Alt+G(Windows)または ⌘+Ctrl+G(Mac)を押すと、Geminiで数式を作り始められます。要約は、Ctrl+Alt+N(Windows)または ⌘+Ctrl+N(Mac)です。
2. AI関数
公式のヘルプでは、=AI("頼みごと", 範囲) の形で使います。範囲は省略できます。=Gemini() でも同じに動きます。例として、イベントのスローガンを作る、本の要約から主題を箇条書きにする、メールのプレビューを「迷惑か、そうでないか」に分類する、メール本文を「前向き、後ろ向き、中立」に分ける、といったものが挙がっています。ネットの最新の情報を聞くこともできる、とあります。
大事な決まりが、いくつか書かれています。
- 生成されるのは、選んだ範囲のうち最初の350セルまでです。終わったら、続きのセルを選び直します。
- 短い時間の上限と、長い時間の上限があります。長いほうに当たると、「Generate」が押せなくなり、24時間待つように、と書かれています。
- AI関数が使うのは、指定した範囲の情報だけです。スプレッドシート全体や、ドライブのほかのファイルは見ません。文脈が必要なら、表に書いて、範囲に入れます。
- 出力は文字だけです。
- 「Generate and Insert」を押すと入り、「Refresh and Insert」で更新します。取り消し(Undo)はできません。
- 別の関数の中に入れる使い方(たとえばIFの中)は、対応していません。
- Box、Dropbox、Egnyteを通したファイルでは使えません。
3. Build:表を一から作る
新しいスプレッドシートを開くと、右側に「Build」の窓が出て、作りたい表を文章で頼めます。公式のヘルプには、支出の記録表、プロジェクトの管理表、旅程、ダッシュボード、予算の更新などの例があります。聞き返しに答え、案を確かめて、進めます。
日本語で使えるか
Googleの対応言語の表に、日本語(ja-JP)が、AI関数の欄とサイドパネルの欄の両方に載っています。サイドパネルの欄では、日本語に印(アスタリスク)がついていて、これは「サイドパネルでGemsに対応する言語」の印と書かれています。細かい機能ごとの日本語の品質は、確認できていません。
一方、「強化されたスマートフィル」のヘルプは、英語の値だけに対応する、と書いています。このヘルプは、機能がWorkspace Experimentsの試験参加者向けで、今は米国の英語向け、パソコンのみ、とも書いています。日本語の表記ゆれを直す目的で、この機能が使えるかは、確認できていません。サイドパネルやAI関数で頼むことになりそうです。
どのプランで使えるか
Googleの2つのページ(Workspaceの料金ページとGeminiの機能一覧のヘルプ)で確かめました。機能一覧のヘルプでは、AI関数、強化されたスマートフィル、データの分析の3つが、同じ契約(Business StandardとPlus、Enterprise StandardとPlus、Google AI ProとUltra)の行に載っています。
| 契約 | スプレッドシートのGemini |
|---|---|
| Workspace Business Starter | 対象外 |
| Workspace Business Standard、Business Plus | 使える |
| Workspace Enterprise(Standard、Plus) | 使える |
| Google AI Pro、Ultra(個人) | AI関数、スマートフィル、分析が使える |
| Google AI Plus | 含まれない(プラン一覧のヘルプに明記) |
| Enterprise Starter、Frontline | 対象外(プラン一覧のヘルプに明記) |
| Google AIなしの個人アカウント | 一覧に載っていない |
「Ask Gemini」の説明ページには、個人のアカウント向けには、試験参加者のための仕組み「Workspace Experiments」を通じて提供される、とも書かれています。どの機能が誰に出ているかは、画面で確かめる必要があります。
料金(2026年10月22日確認。円の表は10月8日に読んだもの)
Google Workspace(日本円、10月8日に読んだ値)
日本語の公式トップページに出ていた、1ユーザーあたりの月額です。年間プラン(1年契約)と、年間契約なしの2つの価格があります。税込か税抜かは、ページから読み取れず、確認できていません。10月22日にこの日本語トップページを取り直しましたが、料金は読み取れませんでした。このため、下の円の数字が今も同じかは、確認できていません。
| プラン | 年間プラン | 年間契約なし |
|---|---|---|
| Business Starter | 800円 | 950円 |
| Business Standard | 1,600円 | 1,900円 |
| Business Plus | 2,500円 | 3,000円 |
| Enterprise | 問い合わせ | 問い合わせ |
円の数字は、10月8日に日本語のトップページの本文(HTML)に書かれた価格を直接読み取ったもので、年間プランの価格と、そうでない価格が別々に入っていました。
Google Workspace(米ドル、料金ページ)
10月22日に読んだ料金ページ(pricing)は、1ユーザーあたり月額を米ドルで、税別(税を含まない)と書いています。「全プラン月払い」と書かれた表示で、「Annual(1年契約で16%お得)」の切り替えもありますが、表の金額が1年契約を選んだ場合のものか、そうでないかは読み取れませんでした。
| プラン | 定価(2027年2月4日から、とページにある) | 導入価格(2026年11月4日〜2027年2月4日、とページにある) | スプレッドシートのGemini |
|---|---|---|---|
| Starter | 7ドル | 5.60ドル(20%オフ) | 含まれない |
| Standard | 14ドル | 9.80ドル(30%オフ) | 含まれる |
| Plus | 22ドル | 11ドル(50%オフ) | 含まれる |
| Enterprise | 問い合わせ | 問い合わせ | 含まれる |
導入価格は、新規のお客様が対象で、最初の20ユーザー、12か月まで、とページにあります。Starter、Standard、Plusは300ユーザーまでです。日付と価格の関係は、取得した要約からの読み取りなので、買う前に料金ページで見直してください。日本円の最新の金額は、確認できていません。
Google AI(個人向け)
Googleのプランのページ(米国の地域の表示、通貨名なしの「$」)では、Google AI Proは月19.99ドル、Plusは4.99ドル、Ultraは99.99ドルから(上の段は199.99ドル)です。Ultraの2段は、AI Proの5倍と20倍の利用上限、とあります。日本円は確認できていません。
AI関数の月の上限
Workspaceの管理者向けヘルプの表で、1人あたりの、AI関数の月ごとの上限は次のとおりです。
| 契約 | 1か月あたり |
|---|---|
| Business Starter | 使えない |
| Business Standard、Plus、Enterprise(StandardとPlus) | 5,000 |
| 「AI Expanded Access」(追加のライセンス)を足したもの | 25,000 |
AI Expanded Accessの25,000は、ページに「1か月あたり25,000回」とあります。標準の5,000には単位の表記が読み取れませんでした。1セルの生成が1回に数えられるのかは、確認できていません。AI Expanded Accessの金額は、ページには出ておらず(通貨と契約期間で変わる、とあります)、確認できていません。
向く人、向かない人
見立てです。向きそうなのは、次のような人です。
- 自由記述のアンケートや問い合わせを、一覧で分類したい人。
- 数式を考えるのが苦手で、文章で頼みたい人。
- すでにWorkspaceのStandard以上、またはGoogle AI Proに入っている人。追加の費用が小さくなります。
向かなそうなのは、次のような人です。
- Business Starterだけの人。スプレッドシートの中のGeminiは、対象外です。
- 個人情報や取引先の情報が入った表を、そのまま処理したい人。公式のヘルプが「個人的、機密的な情報を入れないように」と書いています。
- 手元がExcelの人。公式は、GoogleスプレッドシートのファイルでないとうまくいかないのでExcelファイルは先に変換するよう書いています。
つまずきやすい点
- 「AI function not available」と出る:管理者の設定や言語の設定で、使えなくなっている可能性があります。ヘルプにそう書かれています。
- 結果が消えた:サイドパネルの会話は、ブラウザを再読み込みしたり、閉じて開き直したりすると残りません。役に立つ出力は、表に入れておく必要があります。
- 作ったグラフが更新されない:生成されたグラフは、元のデータの変更と連動しません。
- 結果が正しいとは限らない:ヘルプに、出力が不正確だったり不適切だったりすることがある、と書かれています。「Refresh and Insert」で作り直したときの結果が同じかどうかは、確認できていません。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書を読んでまとめたものです。手順は文書から組み立てた想定です。
- 料金は変わりやすいです。円の価格は10月8日に読んだ値のままで、10月22日には再確認できていません(税込・税抜も不明)。Google AIの日本円、AI Expanded Accessの金額は、確認できていません。米ドルの料金ページには、導入価格や価格改定の日付が載っています。
- 機能の一部は、試験的な仕組み(Workspace Experiments)で提供される、と書かれています。使える人・国・言語が限られることがあります。
- 公式ヘルプは、プロンプトや生成された内容、参照したWorkspaceの内容、フィードバックをGoogleが集めること、人間の確認者が読む可能性があることを書いています。この記述は、ヘルプのうち「試験的な機能」に当てはまる説明です。契約ごとに扱いが違うかどうかは、読んだページでは確認できていません。個人情報や機密は入れないでください。
- 画面の名前(Ask Gemini、Build、Generate and Insert)は、英語の公式ページから書いています。日本語の画面では確かめていません。
- AIの出力は間違うことがあります。集計、金額、人数は、必ず元のデータと見比べてください。医療、法律、金融の助言として頼らないよう、ヘルプにも書かれています。
出典
- Gemini in Google Sheets(Google Docs Editors Help、2026年10月22日確認)
- AI function in Google Sheets(Google Docs Editors Help、2026年10月22日確認)
- Build or edit entire spreadsheets with Gemini in Sheets(Google Docs Editors Help、2026年10月22日確認)
- Use enhanced Smart Fill with AI in Google Sheets(Google Docs Editors Help、2026年10月22日確認)
- Learn about Gemini features and plans(Google Drive Help、2026年10月22日確認)
- Supported languages for Google Workspace with Gemini(Google Docs Editors Help、2026年10月22日確認)
- Sheets function list(Google Docs Editors Help、2026年10月8日確認)
- AI Expanded Access(Google Workspace ヘルプ、2026年10月22日確認)
- Google Workspace 日本語トップ(Google、2026年10月8日確認)
- Google Workspace pricing(Google、2026年10月22日確認)
- Spreadsheet AI(Google Workspace、2026年10月8日確認)
- Google AI plans(Gemini、Google、2026年10月22日確認)
更新履歴
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2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
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2026年10月22日 公式の資料を読み直して、次の点を直しました。
- 前:対象外のプランは Business Starter と書いた → いま:Enterprise Starter と Frontline も対象外、Google AI Plus も含まれない、と明記
- 前:専用の料金ページは金額が出ておらず、円の表だけ → いま:10月22日の米ドルの料金ページを読み、Starter 7ドル、Standard 14ドル、Plus 22ドルなどを追加
- 前:AI関数の上限は5,000個と25,000個で、単位は不明 → いま:25,000は「1か月あたり25,000回」とページにある。5,000の単位は読み取れず
- 前:強化されたスマートフィルは英語の値だけに対応 → いま:試験参加者向けで、今は米国の英語、パソコンのみ、とも書かれている
- 前:円の料金は10月8日に確認 → いま:日本語トップページを取り直したが読み取れず、円の数字が今も同じかは確認できていない
- 前:Google AI Pro、Plus、Ultra の月額だけ → いま:Ultraの2段は、AI Proの5倍と20倍の利用上限、と追記
- 一部の出典は読めなかったため、その部分は前のままです。
