3行でいうと
- 提供元の会社の人が会話を見られる条件は、読んだ範囲では「限られた場合だけ」と書かれています。たとえばAnthropicは、個人向けの会話に社員は原則さわれず、例外は「感想を送ると同意したとき」と「利用規約の違反を調べるとき」の2つだと説明しています。
- 職場のアカウントでは、管理者の側が見られる道具が公式に用意されています。OpenAIのEnterprise/Eduでは、会話の本文を取り出す許可を、オーナーだけが与えられます。MicrosoftのCopilotでは、監査や電子的な証拠収集(eDiscovery)の対象になると書かれています。
- 自分でできるのは、共有リンクの扱い、削除、一時チャットの使い分けです。ただし、削除や一時チャットでも、安全のための保管などで一定期間は残りうると、公式に書かれています。
この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は、各社の公式ヘルプやプライバシーのページを、2026年10月16日に読んでまとめたものです。僕らの考えは「見立てです」と書いた部分に分けました。また、この記事は法律の助言ではありません。
先に結論
- 見る可能性のある人は3者いて、別々の仕組みで決まります。 提供元(サービスを出す会社)、管理者(職場や学校でアカウントを管理する人)、自分と共有した相手です。個人のプランか、会社・学校のプランかで、大きく変わります。
- 提供元については、各社が「条件つき」と書いています。 無条件で社員が読める、とは、読んだページのどれにも書かれていませんでした。ただし、条件の中身は会社と契約の種類で違います。
- 管理者については、道具が公式に用意されています。 職場のアカウントでは、会話が「自分だけのもの」とは限らないと考えておくのが、公式資料に沿った読み方です。
- 読めなかった・書かれていなかった点があります。 Claude の Team と Enterprise で管理者が何を見られるかは、該当ページを取得できず、確認できていません。OpenAIの個人プランで人が会話を見る条件も、読んだページには書かれていませんでした。
提供元:会社の人が見られる条件
OpenAI
OpenAIの企業向けプライバシーのページは、プランごとに条件を分けて書いています。
- Enterprise、Edu、Healthcare。 OpenAIの社員が会話にアクセスするのは、障害などの問題を解決するとき、顧客が明示的に許可して利用者の会話を復旧するとき、法律で求められるときに限る、とあります。
- Business。 権限のある社員が、技術的な支援、プラットフォームの不正の調査、法令への対応のために、会話にアクセスすることがあります。守秘義務を負う専門の委託先の人も、不正や悪用の確認のために、会話を見ることがあるとされています。
個人向けのプラン(Free、Go、Plus、Pro)で、人が会話を見る条件については、僕らが読んだページには書かれていませんでした。データ管理のFAQは、人による確認に触れていません。確認できていません。
Anthropic
個人向けのプラン(Free、Pro、Max、およびそれらのアカウントでのClaude Code)について、Anthropicのプライバシーのページは、社員は既定では会話にアクセスできないと書いています。例外は2つです。
- 利用者が、感想を送る際に、その会話を共有することに明示的に同意したとき。
- 利用規約(Usage Policy)を守らせるために確認が必要なとき。この場合は、指定された信頼と安全(Trust & Safety)のチームだけが、必要な範囲で、厳しいアクセス管理のもとで見る、とあります。
Google Workspaceのプライバシーのページには、Geminiアプリでの会話は、許可なく人が確認したり、学習に使ったりしない、という趣旨が書かれています。対象は「条件を満たすエディション」とだけあり、プラン名は載っていません。
管理者:職場や学校のアカウントで見えるもの
OpenAI(Enterprise、Edu)
ヘルプには、コンプライアンス用のAPIの説明があります。対象はEnterpriseとEduのワークスペースだけです。
- ワークスペース専用の管理者キーを作り、連携する道具に権限を付けます。権限は、ログの種類ごとに分かれています。
- 会話の本文は、「Conversation messages」という権限で取り出せます。この権限を与えられるのはオーナーだけです。ログの種類ごとの、より狭い権限は、管理者も与えられます。
- 目的は、eDiscovery(裁判や調査のために電子的な記録を集めること)、情報漏えいの防止、セキュリティの監視の道具に渡すため、と書かれています。
一方で、利用者本人に、管理者がこうした形で会話を見られることが通知されるかは、このページには書かれていませんでした。
また、ChatGPTのBusiness、Enterprise、Healthcareでは、自分でデータを書き出す機能は使えず、ワークスペースのオーナーが対応する、とデータ管理のFAQにあります。
Microsoft(Microsoft 365 Copilot)
MicrosoftのPurview(情報の保護と管理の機能)のページでは、次のように書かれています。
- 利用者の入力と返答は、その人のメールボックスに保存される。
- 統合監査ログに記録される。DSPM for AIの画面で本文を見るには、「Content Explorer Content Viewer」の役割グループに入っている必要がある。
- eDiscoveryでは、利用者のメールボックスを対象に、「Copilotの活動」で絞り込み、書き出すことができる。
- 保持ポリシーで、入力と返答を、一定期間残すことも、削除することもできる。
どのライセンスで、これらの機能が使えるかは、このページには書かれていませんでした。
Google(Workspaceの Gemini アプリ)
Google Workspaceのプライバシーのページによると、管理者は、Geminiアプリの会話を保存するかどうか、自動で消すまでの期間を決められます。期間は3か月、18か月、36か月から選び、既定は18か月です。管理者は、利用者の活動の監査ログも見られると書かれています。
Google Vault(法的な保全のための道具)がGeminiアプリの会話の対象かどうかは、このページには書かれていませんでした。確認できていません。
Anthropic(Team、Enterprise)
Claudeの管理者の見え方を説明するヘルプのページは、取得に失敗して読めていません。読めたAnthropicのプライバシーのページは、管理者の閲覧に触れていませんでした。ClaudeのTeamとEnterpriseで管理者が会話を見られるかは、確認できていません。
3者の見え方を並べる
読んだ範囲の表です。「書かれていない」は、「できない」という意味ではありません。
| 立場とプラン | 提供元の人が見る条件 | 管理者が見られる道具 |
|---|---|---|
| ChatGPT 個人(Free、Go、Plus、Pro) | 読んだページには書かれていない | 管理者はいない |
| ChatGPT Business | 不正の調査、技術支援、法令対応のため権限のある社員と委託先 | 管理者が保存期間を決める。企業向けプライバシーのページに、ワークスペース管理者は利用者の会話を閲覧・エクスポート・削除できる、とある |
| ChatGPT Enterprise、Edu | 障害対応、許可を得た復旧、法令に限る | Compliance APIで会話本文を取り出せる(オーナーが権限を付ける) |
| Claude 個人(Free、Pro、Max) | 同意した感想と、利用規約の違反の確認に限る | 管理者はいない |
| Claude Team、Enterprise | 確認できていない | 確認できていない |
| Microsoft 365 Copilot | 読んだページの範囲外 | 監査、eDiscovery、保持ポリシーの対象になる |
| Google Workspace の Gemini アプリ | 許可なく人が確認することはないと書かれている | 保存の有無、自動削除期間、利用の監査ログ |
自分で扱える範囲と、残るもの
共有リンク
ChatGPTの共有リンクのFAQによると、リンクを知っている人は誰でも会話を見られます。細かい権限はなく、受け取った人がさらに別の人へ渡せます。見えるのは、共有した時点までの会話全体です。検索エンジンには載らないとされていますが、リンクを持つ人には見えます。
リンクは消せますが、受け取った人が取り込んだコピーは、残りうると書かれています。
削除と一時チャット
各社の保管の数字を、2026年10月16日に読んだ範囲で並べます。
- Anthropic(個人向け)。 会話を削除すると、履歴からはすぐ消え、裏側の保管からは30日以内に消されます。一方、規約違反の疑いで印をつけられた会話は、入力と出力が最大2年、分類の点数が最大7年残ることがあります。
- OpenAI(一時チャット)。 履歴に出ず、記憶も作らず、学習にも使われませんが、安全のために最大30日保管されることがあると書かれています。
- OpenAI(Business、Enterprise)。 削除された会話は、法律上の要請などがなければ30日以内に取り除かれます。
- Google Workspace(Gemini)。 会話の履歴をオフにした新しい会話は、最大72時間保管されると書かれています。
読んだ数字と日付のまとめ
- OpenAI Compliance Logs Platform:不変で追記のみの監査イベント。保存は30日で、それより長く残したい場合は、顧客が自分でダウンロードして保管する。Stateful Compliance APIの経路は、2026年6月5日に削除されたと書かれている。
- Anthropic 個人向け:学習の設定がオンのとき、特定できる情報を取り除いた会話が最大5年、学習の工程に残ることがある。感想は5年保管。
- Microsoft:保持ポリシーが同じ場所に重なる場合は、最も長い期間が優先される例が書かれている。
使う人にできること(見立てです)
公式資料を並べたうえでの僕らの見立てで、各社の推奨ではありません。
- 仕事用のアカウントでは、管理者が見られる前提で使う。 公式に、会話を取り出す・検索する・保存期間を決める道具があります。実際に誰がどう使うかは、職場の規則で決まります。気になるなら、情報システムの担当者に聞くのが確実です。
- 仕事の内容は仕事用、私的な相談は個人用、と分ける。 職場のアカウントに私的な相談を入れると、管理者の見られる範囲に入るかもしれません。逆に、個人用に仕事の資料を入れると、職場の決まりの外に出ます。
- 共有リンクは、「URLを知っている人全員への公開」と考える。 渡す前に、会話の全体を読み返します。
- 一時チャットや履歴オフは、「見えなくなる」ではなく「履歴や学習に残りにくい」と読む。 安全のための保管が、一定期間あると書かれています。
気をつけること
- この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。各社の公式のページを読んだ内容で、細かい文言は原文で確かめてください。
- Claude の Team と Enterprise の管理者の見え方は、ページを取得できず、確認できていません。OpenAIの個人プランで人が会話を見る条件、Microsoftの必要なライセンス、GoogleのVaultとGeminiアプリの関係も、読んだページには書かれていませんでした。
- 職場で従業員の記録を見ることが、法的にどこまで許されるかは、この記事では扱っていません。法律や職場の規則の助言ではありません。気になる場合は、所属先の担当者や専門家に聞いてください。
- プランの名前、保存の日数、機能の対象は、変わりやすい点です。ヘルプは更新され続けています。
出典
- Enterprise privacy at OpenAI(OpenAI、10月16日確認)
- ChatGPT EnterpriseとEduのコンプライアンス用API(OpenAI Help Center、10月16日確認)
- Data Controls FAQ(OpenAI Help Center、10月16日確認)
- ChatGPT Shared Links FAQ(OpenAI Help Center、10月16日確認)
- How does Anthropic protect the personal data of Claude users?(Anthropic Privacy Center、10月16日確認)
- How long do you store my data?(Anthropic Privacy Center、10月16日確認)
- Copilotの入力と返答に対する、Purviewの監査・eDiscovery・保持(Microsoft Learn、10月16日確認)
- Generative AI in Google Workspace Privacy Hub(Google Workspace、10月16日確認)
更新履歴
- 2026年10月25日 書き方を直しました。
- 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した
