3行でいうと

  • APIは、アプリの画面を通さず、プログラムから直接AIに仕事を頼む入口で、アプリの月額とは別に課金されます。
  • 呼ぶには、開発者向けのアカウント、鍵(APIキー)、支払いの設定の3つが要ります。
  • 料金は読ませた量と書かせた量(トークン)で決まり、100万トークンあたりの米ドルで示されます。
  • 見立てでは、先に月の上限を決め、鍵はパスワードと同じように扱うのが安全です。

この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書を読んでまとめたものです。

先に結論

APIとは何か

アプリを、レストランの客席にたとえます。メニューを見て、店員に注文して、料理が出てくる。これがChatGPTやClaudeやGeminiのアプリです。

APIは、厨房の裏口にある注文窓口です。客席を通さず、注文書(プログラムからの依頼)を直接渡すと、料理(AIの返事)が戻ってきます。この窓口を使うと、自分で作ったアプリ、業務のシステム、他の道具の中にAIを組み込めます。

窓口を使うには、会員証にあたる「鍵(APIキー)」が要ります。鍵は、誰が頼んだか、請求をどこに付けるかを見分けるためのものです。

もう一つ、言葉を押さえます。トークンは、AIが文章を読み書きするときの量の単位です。日本語では1文字がちょうど1トークンとは限りません。料金も、上限も、トークンで数えます。

3社の入口を並べる

公式ドキュメントから、入口の違いを表にしました。

項目 OpenAI Anthropic Google
開発者向けの入口 開発者向けダッシュボード(platform.openai.com)。ドキュメントはdevelopers.openai.com Claude Console(platform.claude.com) Google AI Studio
鍵の作り方 ダッシュボードの「API keys」ページで取得。作るときに有効期限を付けるよう強く勧めている ConsoleのAPI keysのページで作成。名前と有効期限を決める。鍵は作った時に1度しか表示されない AI Studioが、新規ユーザーに最初のプロジェクトと鍵を自動で作る。鍵はGoogle Cloudのプロジェクトに結びつく
無料で試せるか 「Free」という段階が表に載っているが、実際に呼べる範囲は確認できていない 新規ユーザーに少額の無料クレジット、と価格ページにある 無料枠がある。使えるモデルは限られ、入出力のトークンは無料。入力した内容が、Googleの製品改善に使われる
有料にするには 支払い方法を登録。先払い(プリペイド)の購入と自動チャージは、別の案内ページがある 先払いのクレジットを買う。請求書払いの契約をしている組織は、月ごとの請求 Cloud Billingの請求先アカウントを結び、最低5ドルを先払い
使える量の段階 クレジット購入の合計で段階が上がる(Build:5ドル、Launch:100ドル、Grow:500ドル) 使った実績に応じて自動で段階が決まる(Start、Build、Scaleなど) 支払いの実績で段階が上がる(Tier 1〜3)

名前の変更も、確かめた範囲で書いておきます。Anthropicの旧ドキュメント(docs.anthropic.com)と旧コンソール(console.anthropic.com)にアクセスすると、それぞれ platform.claude.com に転送されました。OpenAIの旧ドキュメント(platform.openai.com/docs)も、developers.openai.comに転送されました。

課金の仕組み

先払いか、後払いか

  • OpenAI:ヘルプページは、APIの請求はChatGPTとは別で、利用量(トークン)に応じて請求される、と書いています。有料で使い始めるには、API側の請求設定で支払い方法を追加します。先払いの購入と自動チャージについては別の案内があり、僕らはその本文を読めていません。
  • Anthropic:ほとんどの組織は先払いの使用クレジットで払う、と公式のヘルプにあります。クレジットは買った日から1年で失効し、延長できず、返金されません。残高が下がると自動で買い足す設定もあります。
  • Google:新規ユーザーは先払い(Prepay)が標準です。最低購入額は5ドル、先払いできる上限は5,000ドルです。クレジットは12か月で失効し、返金されません。残高が0になると、その請求先アカウントにつながるすべての鍵が止まります。移行期間中は、後払いに割り当てられる場合もある、とあります。

料金の例(標準料金、100万トークンあたり、米ドル)

2026年10月22日に読み直した、各社の価格ページの数字です。モデル名は、各社の「いちばん安い」「真ん中」「いちばん高い」あたりを選んだ例で、全部ではありません。

会社 モデル 入力 出力 補足
OpenAI GPT-6 Luna 0.10ドル 0.50ドル 大量・低コスト向けと説明されている
OpenAI GPT-6.1 Sol 2ドル 10ドル 性能と費用のバランス
OpenAI GPT-6 Astra 10ドル 50ドル いちばん高性能と説明されている
Anthropic Claude Haiku 5.5 0.10ドル 0.50ドル 長い入力(10万トークン超)は0.50ドル、2.50ドル
Anthropic Claude Sonnet 5.5 2ドル 10ドル 速さと賢さのバランスと説明されている
Anthropic Claude Opus 5.5 4ドル 20ドル
Anthropic Claude Fable 5.1 10ドル 50ドル
Google Gemini 3.5 Flash-Lite 0.30ドル 2.50ドル 無料枠あり
Google Gemini 3.8 Flash 0.75ドル 3.75ドル 2026年12月31日まで。2027年1月1日から1.50ドルと7.50ドル。無料枠あり
Google Gemini 3.1 Pro Preview 2ドル 12ドル 入力20万トークンまで。無料枠なし
Google Gemini 4 Argon 2ドル 10ドル 2026年11月30日まで。2026年12月1日から4ドルと20ドル。無料枠なし

入力は「こちらが読ませた文章」、出力は「AIが書いた文章」です。出力のほうが高く設定されています。長い入力は割高になるモデルがあります。OpenAIの3つは、入力が27.2万トークンを超えると、入力が2倍、出力が1.5倍になります。

僕らの計算で、10万トークンの資料を読ませて、2万トークンの報告書を書かせると、次のとおりです(標準料金、概算)。

モデル 概算
GPT-6 Luna、Claude Haiku 5.5 約0.02ドル
Gemini 3.5 Flash-Lite 約0.08ドル
Gemini 3.8 Flash(2026年12月末まで) 約0.15ドル
GPT-6.1 Sol、Claude Sonnet 5.5 約0.4ドル
Gemini 4 Argon(2026年11月末まで) 約0.4ドル
Gemini 3.1 Pro Preview 約0.44ドル
Claude Opus 5.5 約0.8ドル
Gemini 4 Argon(2026年12月から) 約0.8ドル
GPT-6 Astra、Claude Fable 5.1 約2ドル

安くなる仕組みも、各社の公式ページにあります。同じ文章を何度も読ませるときの「キャッシュ」は、3社とも安い単価が用意されています。すぐ返事が要らない仕事をまとめて頼む「バッチ」は、OpenAIとGoogleの価格ページで、標準の半額と書かれています。Anthropicも、バッチとキャッシュの割引を組み合わせられると価格ページにあります。

使いすぎを止める仕組み

  • OpenAIは、月の支出の通知(アラート)と、上限に達したらAPIを止める「ハード上限」を設定できます。上限は組織ごと、プロジェクトごとに決められます。
  • Anthropicは、段階ごとに月の支出の上限(Start:500ドル、Build:1,000ドル、Scale:20万ドル)があり、それより低い上限を自分で設定することもできます。
  • Googleは、先払い残高が0になると鍵が止まります。自動チャージには、1か月の自動チャージの上限を設ける機能があります。

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アプリを使うのとの違い

アプリ(ChatGPT、Claude、Geminiなど) API
使う場所 アプリやブラウザの画面 自分のプログラムや、外部の道具
お金 月額のプラン 使った量(トークン)に応じた従量課金
請求 アプリのアカウントの設定 別の開発者向け画面
必要なもの アカウントとプラン 開発者アカウント、鍵、支払いの設定

「別の請求」について、公式の言い方を確かめています。OpenAIのヘルプは、ChatGPTとAPIの請求の仕組みは別で、APIの使用はChatGPTの契約とは別に請求される、と書いています。Anthropicのヘルプは、有料のClaudeのプランは、アプリで会話するためのもので、Claude Consoleは自分のアプリを作る開発者向けの別の製品だから、請求も別、と説明しています。例外として、Claude MaxとTeamのプランには、毎月のAPIクレジット(Max 5xは100ドル、Max 20xは200ドル。Teamは席ごとに、標準席20ドル、上位席100ドルで、合計は月500ドルまで)が付き、Consoleに結びつけて受け取れます。

Googleは、Gemini APIの料金ページで、無料、有料、企業向けの3段構えを示しています。Googleのアプリ向けのプランのページには、API利用が含まれるという記載は見つかりませんでした。

データの扱いも、別の約束です。

  • OpenAIは、2023年3月1日以降、APIに送ったデータは、利用者が許可しない限り、モデルの学習や改善には使わない、と書いています。不正利用の監視ログとして、最大30日保存されることがあります。
  • Anthropicのプライバシーページは、商用製品(APIを含む)への入力と出力は、既定では学習に使わない、と書いています。
  • Googleは、無料枠の内容は製品の改善に使われる、有料枠では使われない、と価格ページに書いています。

アプリ側のデータの扱いは、この記事では確かめていません。

はじめる前に決めること

見立てです。

  1. 先に、月の上限を決めます。使いすぎを止める設定は、3社とも用意されています。最初は少額にして、上限を低くしておくのが安全だと思います。
  2. 鍵は、パスワードと同じように扱います。Googleの文書は、鍵が漏れると他人があなたの枠を使い、思わぬ請求が出る、と警告しています。鍵を公開の場所に置かない(OpenAIとGoogleの文書)、利用者の手元で動くアプリに鍵を直接書き込まない(Googleの文書)、という注意が書かれています。
  3. 「ちょっと試したい」だけなら、アプリで足りる場面は多いと思います。APIは、自分の仕組みにAIを組み込みたいときの入口です。

気をつけること

  • この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。手順も金額も、公式の文書に書かれていることです。
  • OpenAIの先払い購入のページは、本文を読めていません。最低額、有効期限、返金の扱いは、確認できていません。
  • OpenAIの「Free」段階(月100ドルの利用上限と書かれている)で、実際にどのモデルをどれだけ呼べるのかは、確認できていません。
  • Anthropicの段階(Start、Build、Scaleなど)に上がる条件の具体的な金額は、確認できていません。新規ユーザーの無料クレジットの額も、確認できていません。
  • Googleの表にある「Billing tier cap」(Tier 1は250ドルなど)は、請求の文書で「上限に達すると、つながるすべてのプロジェクトが翌月1日まで止まる」支出の上限と書かれています。ただし、レート制限の表そのものには、この語の説明がありません。
  • Googleの先払い・後払いの制度は、2026年3月23日から始まった移行の途中と書かれています。今後変わる可能性があります。
  • Gemini 3.8 Flashの料金は、2027年1月1日から2倍になります。Gemini 4 Argonも、2026年12月1日から2倍です。Argonは、Googleの発表(2026年9月30日付)では段階的な提供とされ、開発者向けの案内は10月13日付でした。Gemini 3.1 Pro Previewのように、名前に「Preview」が付くモデルは、条件が変わることがあります。
  • 日本円での請求、消費税、各国の対応地域は、確認できていません。金額はすべて米ドルです。
  • 各社のモデル名、価格、段階の条件は、変わることがあります。最新は各社の公式ページで確認してください。

出典

更新履歴

  • 2026年10月25日 書き方を直しました。
    • 前:運営者が使っていないと読める書き方 → いま:「この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません」。公式の資料を読んでまとめた記事で、使い心地は書いていない、という意味に直した