3行でいうと

  • Vercelは、作ったWebサイトをネットに公開する場所です。CursorやClineは作る側です。
  • 公式に書かれた届け方は3つ。保管庫(Git)に置く、コマンドで送る、MCPでAIに頼む、です。
  • 無料のHobbyは個人の非商用に限られ、お金が絡むサイトは月20ドルのPro以上が条件です。
  • 見立てでは、非開発者には保管庫(Git)方式が事故の少ない道です。

「店の紹介ページを作ってもらった。でも、自分のパソコンの中にあるだけで、誰にも見せられない」。AIでプログラムを書かせた人が、最初にぶつかる壁がこれです。作る道具と、公開する場所は、別のサービスです。

この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書を読んでまとめたものです。手順は「文書から組み立てた想定」です。僕らの考えは「見立てです。」で始まる段落に分けました。

なお、v0(Vercelの画面作成AI)とCursorの組み合わせは前の記事で書きました。この記事は別の角度で、すでに手元にあるプログラムを公開する流れを扱います。

先に結論

それぞれ何か

Cursor

Cursor(カーソル)は、AI付きの編集ソフトです。詳しくは前の記事に書きました。公式の料金ページ(2026年10月22日確認)では、個人向けにFree(0ドル、AgentとChatは使用量に制限)、Plus(月8ドル)、Premium(月30ドル)、Super(月100ドル)、Ultra(月200ドル)が並んでいます。10月8日にこの記事に書いた「無料のHobby」と「個人向け月20ドル(Pro)」は、10月22日の料金ページの一覧には見当たりませんでした。公式の料金の文書ページには、Hobby、Start、Pro、Pro+などが「既存の利用者向けに続く旧プラン」として載っています。同じ文書ページでは、年払いはPlusが年80ドル、Premiumが年300ドル、Superが年1,000ドル、Ultraが年2,000ドルです。料金ページの表示は月払いのみで、税別、通貨名の明記は確認できていません。カード登録の要否と、MCPやフックがどのプランで使えるかは、読んだ2ページでは確認できませんでした。

Cline

Cline(クライン)は、公式の文書で「AIのコーディングエージェント」と説明されています。ファイルの読み書き、ターミナルの命令、ブラウザの操作ができ、「すべての動作は、あなたの明示的な承認が要る」と書かれています。動く場所は、VS Code、JetBrains、コマンドです。料金は、使った分を払う方式、月9.99ドルの定額「ClinePass」、自分のAIの鍵を持ち込む方式の3つが、公式のページに載っています。9.99ドルは、同じ公式文書の2か所で確かめました。料金ページ自体には金額が見当たりませんでした。

Vercel

Vercelは、Gitの保管庫やコマンドから送られたものを、自動で作り直して、Webで見られる形にするサービスです。公式の文書では、変更を送るたびに自動で公開用の作業が走り、本番用と試し用に分かれます。

なぜ組み合わせるのか:役割分担

段階 誰がやるか
プログラムを書く・直す Cursor/Cline
変更を保管庫に送る Cursor/Clineに頼むか、自分で操作
作り直して、公開する Vercel
公開後の記録を見る・原因を調べる VercelのMCPを通して、AIに聞くこともできる

見立てです。作る道具と、公開の場所が分かれているのは、むしろ事故を防ぎます。AIが書き換えても、公開のボタンはあなたが握っている形にできるからです。

つなぎ方:公式に書かれた3つの道

道1:保管庫(Git)に置く

Vercelの公式の文書には、「GitHub、GitLab、Bitbucketの保管庫から、枝(ブランチ)に変更を送るたびに自動で公開できる」とあります。

文書から組み立てた手順です。

  1. Cursor/Clineで作ったプログラムを、GitHubなどの保管庫に置く。
  2. Vercelの画面で「New Project」を押し、保管庫を選ぶ。
  3. 名前、フレームワーク(作り方の種類)、環境変数(後述)などを確認して「Deploy」を押す。

その後の動きは、公式の説明では次のとおりです。

つまり、AIが書いた変更をまず別の枝に送り、試し用のページで目で見て、よければ本番に取り込む、という流れが公式の標準です。

道2:コマンドで直接送る

保管庫を使わない道です。公式の「はじめに」のページ(Node.js 18以上が必要)では、次の手順です。

  1. npm i -g vercel でVercelのコマンドを入れる。
  2. vercel login でログインする。
  3. プログラムのフォルダで vercel と打つ。枠組みを見つけて、作り直して、公開する。
  4. 本番に出すときは vercel --prod。

Vercelの公式文書は、端末の命令が打てるAIは、このコマンドで公開や環境変数の取得ができる、とも説明しています。

道3:VercelのMCPをつなぐ

MCP(エムシーピー)は、AIと外のサービスをつなぐ共通の差込口の決まりです。Vercelは公式のMCPを公開していて、場所は https://mcp.vercel.com です。ログインはOAuth(Vercelの画面で許可する方式)です。全プランで使えます。

公式の文書でできることは、ドキュメントの検索、プロジェクトと公開状況の管理、公開時のログの分析、訪問者数などの確認です。ツールの一覧には、公開の一覧、公開の詳細、実行時のログ、エラーの調査などがあります。10月22日に読んだツールのページには、カタログのツールが217個と、ほかに作業用のツールが31個あると書かれ、分類には「Billing and Purchases」(5個)や「Domains and DNS」(28個)も見えました。ツールの数や分類は、10月8日の記事を書いたときより増えているように読めますが、当時の数は記録していません。

支援されているAIの一覧には、Cursorが入っています。追加は、公式のページの「Add to Cursor」ボタンか、設定ファイル(mcp.json)に https://mcp.vercel.com のアドレスを書く形です。Cursor側の文書によると、設定ファイルの置き場所は、プロジェクト用の .cursor/mcp.json、または全体用の ~/.cursor/mcp.json です。追加後に「Needs login」と出るので、Vercelの許可の画面に進みます。

Clineについては、10月22日に読み直しても、支援されているAIの一覧に名前が載っていません。一覧は、Claude Code、Claude.ai、ChatGPT、Codex CLI、Cursor、VS Code with Copilot、Devin、Raycast、Goose、Windsurf、Gemini Code Assist、Gemini CLI、OpenCode、Piの14個で、10月8日より増えています。ただしVercelの文書には、npx add-mcp https://mcp.vercel.com という一括の追加コマンドが、「Cline、fx、Grok Build、Kimi Code、Kilo Code、Zedなど、HTTP型のMCPに対応したほかのAIも設定する」と、Clineの名前つきで書かれています。一方で、同じページに「Vercel MCPは、Vercelが審査して承認したAIだけに対応する」ともあります。この2つの記述の関係は、僕らには読み取れません。確認できていません。Cline側の文書では、リモート型のMCPは「MCP Servers」の画面の「Remote Servers」から追加し、streamableHttp という種類を指定する形と書かれています。

さらに、Vercelの更新情報(2026年7月23日)には、MCPのツール deploy_to_vercel で、ファイルを指定して新規または既存のプロジェクトに公開できる、とあります。2026年7月21日の更新情報には、MCPが買い物(Proプランへの変更、ドメインの購入など)もできるようになったとあります。そのときは、金額を示し、あなたが確認してから実行する、と書かれています。ただし、公開(デプロイ)の更新情報には、確認の手順について書かれていません。確認できていません。

そのほか、Vercelには、AIの作業を助ける「Vercel Plugin」と「Skills」があります。Plugin(npx plugins add vercel/vercel-plugin)の対象に、Claude Code、Codex、Grok Build、Cursor、GitHub Copilot、Kimi Codeが挙がっています。それ以外のAIには、npx skills add vercel-labs/agent-skills の方を入れる、と書かれています。Clineは一覧にないので、後者になると読めます。

事故を防ぐ:環境変数と許可

公開したいものには、パスワードやAIの鍵のような、人に見せてはいけない値が付きものです。公式の「環境変数」の文書では、こうした値を、プログラムの外に置く仕組みと説明しています。

Cursor側の公式文書は、MCPで使う鍵について、権限を絞った鍵を使うこと、プログラムの中に直接書かず、環境変数に置くことを勧めています。

見立てです。AIにプログラムを書かせると、鍵を直接ファイルに書いてしまうことが起きかねません。保管庫に送る前に、鍵がファイルに入っていないかを確かめてください。これは僕らの助言で、Vercelの文書にそのままの記述はありません。

許可の面では、次の点が公式に書かれています。

料金(Vercelは2026年10月22日確認。CursorとClineは前の節のとおり)

Vercelの金額は米ドル、税別と書かれています。通貨の表記は文書ごとに異なります。

プラン 月額 内容(公式)
Hobby 無料 個人の、非商用のみ。使える量に上限があり、追加の購入はできない
Pro 月20ドル 開発者の席1つ込み。月20ドル分の使用クレジット付き。席の追加は1席月20ドル。閲覧だけの席は無料
Enterprise 要相談 大きな会社向け

Proの月20ドルは、10月22日に料金ページで確かめ直しました(10月8日にはProプランの文書でも確かめました。Hobbyの文書では、開発者の席が1席月20ドル、閲覧の席は無料と読めました)。料金ページの要約には「課金用の席が1つ込み」とあり、10月8日に書いた「開発者の席1つ込み」とは言い方が違います。席の数え方は、確認できていません。金額は米ドル、税別(VAT、GSTなどを含まない)と書かれています。

Hobbyの標準で含まれる量は、次のとおりです(Hobbyの文書と、フェアユースの文書で、10月22日にも一致を確認しました)。

上限を超えると、Hobbyは30日たつまで、その機能が使えなくなる場合が多い、と書かれています。

「商用」の線引き

Hobbyで使える範囲は、公式の「フェアユース」の文書に具体的に書かれています。

商用とは、「関わった誰か1人でも、金銭的な利益を得る目的で使われるもの」です。制作を依頼されて報酬をもらう場合も、含まれます。例として、次のものが挙がっています。

寄付のお願いは、商用に当たらない、と書かれています。迷ったら、Vercelの問い合わせ窓口に聞くよう、書かれています。

見立てです。お店の紹介ページは、予約や販売を呼びかけるなら、商用に近いと読めます。個別の判断は公式の窓口に聞いてください。

Cursor・Clineの料金

Cursorは個人向けがFree、Plus(月8ドル)、Premium(月30ドル)、Super(月100ドル)、Ultra(月200ドル)の表示(2026年10月22日確認、上の説明のとおり、10月8日のHobby・Proの名前から変わっています)、Clineは使った分を払う方式、月9.99ドルの定額、自分のAIの鍵を持ち込む方式があります。詳しくは前の記事を見てください。Cursorの各プランに含まれる利用量の金額は、確認できていません。

向く人・向かない人

見立てです。向きそうなのは、次のような人です。

向かなそうなのは、次のような人です。

つまずきやすい点

公式の文書から、起こりそうなことを挙げます。

気をつけること

出典

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